金融機関から、金利が上がるというお知らせが届いた」
返済が増えたら、今の家計で払っていけるのか分からない」
このまま金利が上がり続けたら、家を手放すしかないのでは」
日本銀行は2026年9月18日に政策金利を1.25%に引き上げ、10月には多くの銀行で変動金利が上がりました。ニュースで「金利上昇」という言葉を見るたびに、不安になっている方も多いと思います。
ただ、金利が上がったからといって、すぐに家を手放さなければならないわけではありません。この記事では、手放すかどうかを考える前に確かめておきたい3つのことを、数字の例で整理しました。
金利が上がって返済が不安になったら、家を手放す前に、①返済額がいつ・どれだけ上がるか、②手放す前に打てる手、③家の値段とローンの残りの3つを確かめます。変動金利の多くは、金利が上がっても5年間は返済額が変わらず(5年ルール)、変わるときも前の1.25倍まで(125%ルール)という仕組みがありますが、そのぶん元金の減りが遅くなり、ルールがない商品もあります。打てる手は、金融機関への返済方法の相談、繰上げ返済、借換え、家計の見直しです。売っても返し切れないなら手放しても負担は残るため、査定と返済予定表で数字を比べてから決めましょう。
今、金利はどうなっているか
| 項目 | 2026年10月時点の状況 |
|---|---|
| 日本銀行の政策金利 | 9月18日に1.00%から1.25%へ引き上げ(1995年以来、約31年ぶりの高い水準) |
| 変動金利の平均(10月) | メガバンク 年1.332%、地方銀行 年1.505%、ネット銀行 年1.598%。引き上げ幅は銀行によって年0.19〜0.60% |
| 固定金利(10月) | 10年固定(メガバンク)年4.033%、フラット35 年3.830% |
| 今後の見通し(予想) | 政策金利は2027年に1.5〜2.0%程度まで段階的に上がるという見方がある(2%を超えるという見方も) |
※住宅ローン比較サイトの集計(2026年10月)です。実際の金利は、借りている金融機関や契約によって違います。
確かめること① 返済額がいつ・どれだけ上がるか
変動金利の「2つのルール」
変動金利の住宅ローンの多くには、急に返済額が増えないようにする仕組みがあります。
| ルール | 内容 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 5年ルール | 金利は年2回見直されるが、毎月の返済額は5年間変わらない | 返済額は同じでも、利息の割合が増え、元金の減りが遅くなる |
| 125%ルール | 5年ごとに返済額を見直すとき、新しい返済額は前の1.25倍まで | 1.25倍を超える分は先送りになり、最後にまとめて払うことがある |
| 未払利息 | 毎月の返済額より利息のほうが多くなったとき、払い切れなかった利息 | 返済期間が終わっても残っていれば、一括で払う必要がある |
このルールがない商品もあります。 ネット銀行などの一部では、金利が上がると半年ごとに返済額がすぐ変わるタイプがあります。その場合は未払利息が出にくい反面、返済額の変化が早く来ます。
数字で見る|返済額はどこまで上がるか
例:ローンの残り2,600万円、残り30年、今の金利0.5%、毎月の返済約7.8万円の場合(仮の数字)
| 金利 | 毎月の返済(ルールがない場合の計算) | 今との差 |
|---|---|---|
| 0.5%(今) | 約7.8万円 | — |
| 1.0% | 約8.4万円 | +約0.6万円 |
| 1.5% | 約9.0万円 | +約1.2万円 |
| 2.0% | 約9.6万円 | +約1.8万円 |
- 5年ルール・125%ルールがある場合:次の見直しまでは約7.8万円のまま。見直しのときも、上限は7.8万円×1.25=約9.7万円です。
- 未払利息が出る目安:毎月の利息が返済額(約7.8万円)を超えるのは、この例では金利がおおむね3.6%を超えたときです。金利1.5%なら、毎月の利息は約3.3万円で、返済額の中に収まります。
返済予定表で確かめたいのは3つです。 「金利のタイプ(変動・固定)」「次に返済額が見直される時期」「5年ルール・125%ルールがあるか」。分からなければ、借りている金融機関に問い合わせれば教えてもらえます。
確かめること② 手放す前に打てる手
| 打てる手 | 内容 | 向いていることが多い方 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| 金融機関への返済方法の相談 | 返済期間を延ばす、一定期間の返済額を減らすなど | 収入が減った、返済額が増えて家計が苦しい | 総返済額は増えることが多い。滞納する前の相談がいちばん選べる道が多い |
| 繰上げ返済 | 手元のお金で元金を減らす(返済額を減らす方法と、期間を短くする方法がある) | 貯蓄に余裕がある | 手元資金を減らしすぎない。病気や修繕の備えを残す |
| 借換え | ほかの金融機関のローンや、固定金利に借り換える | これからの金利上昇に備えて、返済額を固めたい | 2026年10月時点では、固定金利のほうが変動金利より高い。費用もかかる |
| 家計の見直し | 保険、通信費、車の維持費などを見直す | 返済の増加が月1〜2万円程度 | 毎月の返済の増加分を、ほかの支出で吸収できるかを計算する |
50〜60代で、定年後もローンが残る予定の方は、「定年後も住宅ローンが残る|岡山で年金暮らしになる前に考える売却と住み替え」で、退職金での返済や住み替えなど6つの選択肢を比べています。
借換えは「安くするため」より「固めるため」
上の例(ローンの残り2,600万円、残り30年)で、固定金利3.8%に借り換えると、毎月の返済は約12.1万円になります。今の約7.8万円より約4.3万円増える計算です。
さらに借換えには、おおむね次のような費用がかかります(金融機関によって違います)。
- 事務手数料:借入額の2.2%程度の金融機関が多い(2,600万円なら約57万円)
- 抵当権を設定する登録免許税:借入額の0.4%(2,600万円なら約10万円)と、司法書士への報酬
- 印紙税、今のローンを一括で返す手数料など
2026年10月時点では、変動金利から固定金利への借換えは「返済を安くする」ためではなく、「これから金利が上がっても返済額を固める」ための選択になりやすい状況です。将来の金利がどうなるかは誰にも分からないため、どちらがよいかは家計の余裕と考え方で変わります。金融機関やファイナンシャルプランナーに相談してください。
確かめること③ 家の値段とローンの残り
手放すことを考えるなら、売ったらローンを返し切れるかを先に確かめます。返し切れない場合、家を手放しても、残ったローンの返済は続きます。
例:ローンの残り2,600万円(仮の数字)
| 家の値段(査定) | 売却の費用(目安) | 売って手元に入る額 | ローンの残りとの差 |
|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 約110万円 | 約2,890万円 | 約290万円残る(アンダーローン) |
| 2,500万円 | 約95万円 | 約2,405万円 | 約195万円足りない(オーバーローン) |
※売却の費用は、仲介手数料の上限(売却価格×3%+6万円)×1.1に、登記などの費用を足したおおむねの額です。
- アンダーローンなら、売って住み替える選択肢を具体的に考えられます。手元に残るお金を、次の住まいの費用に回せます。
- オーバーローンなら、売るには差額を用意する必要があります。返済方法の相談や家計の見直しでしばらく持ちこたえ、ローンの残りが減るのを待つほうがよいこともあります。
家の値段は、査定で分かります。売ると決めていなくても大丈夫です。 返済予定表と並べるだけで、「手放す」が本当に負担を減らす選択かどうかが見えてきます。
それでも返済が難しくなったら
返済額の見直しで家計が回らなくなりそうなときは、滞納する前に借りている金融機関に相談してください。金融機関への伝え方の例文は「住宅ローンが払えないとき、岡山でどこに相談する?」で紹介しています。滞納が続くと、一括返済を求められ、選べる道が少なくなっていきます。
すでに返済が苦しい方は、「住宅ローンが払えなくなったら|岡山で家を売る・住み替えるまでの順番と相談先」で、滞納から競売までの流れと岡山の相談先を紹介しています。
当社ができること・できないこと
| できること | できないこと(ほかの専門家へ) |
|---|---|
| 家の査定と、売った場合の手取りの目安のご説明 | 金利がこれからどうなるかの予想、借換えをするべきかの判断 |
| 売却の仲介と、住み替え先探し(賃貸・購入) | ローンの審査や条件の交渉(金融機関へ) |
| 売る・持ち続けるの比べ方の整理(不動産の面から) | 家計や保険の見直しの最終的な判断(ファイナンシャルプランナーなどへ) |
| 返済が苦しい場合の相談先のご案内 | 債務整理の判断(弁護士・司法書士へ) |
よくある質問
金利が上がったら、すぐに毎月の返済額は増えますか?
変動金利の多くは5年ルールがあり、金利が上がっても5年間は返済額が変わりません。見直しのときも、前の返済額の1.25倍までが上限です。ただし、このルールがない商品もあり、その場合は半年ごとに返済額が変わることがあります。返済予定表か金融機関で確かめてください。
未払利息とは何ですか?
毎月の返済額より利息のほうが多くなったときに、払い切れなかった利息のことです。返済期間が終わっても残っていれば、一括で払う必要があります。例として、ローンの残り2,600万円・毎月の返済約7.8万円なら、金利がおおむね3.6%を超えるまでは未払利息は出ない計算です。
今のうちに固定金利に借り換えたほうがいいですか?
一概には言えません。2026年10月時点では固定金利のほうが変動金利より高く、借り換えると毎月の返済が増えることがあり、事務手数料などの費用もかかります。これから金利が上がっても返済額を固めたいかどうかで判断が分かれるため、金融機関やファイナンシャルプランナーに相談してください。
返済が増えたら、家を売ったほうがいいですか?
売ったらローンを返し切れるかを先に確かめてください。返し切れない場合は、手放しても残ったローンの返済が続きます。査定と返済予定表を並べて、売る場合と持ち続ける場合を比べてから決めるのがおすすめです。当社では、売ると決めていない段階の査定もお受けしています。
返済が苦しくなりそうなとき、銀行に相談すると不利になりませんか?
返済が苦しいと相談しただけで、すぐに一括返済を求められるのは一般的ではありません。滞納する前に相談するほうが、返済期間の延長など選べる道が多く残ります。
金利が上がっても、手放す前に家の数字を確かめましょう
家の査定と、売った場合の手取りの目安を、返済予定表と並べてご説明します。売ると決めていなくても大丈夫です。ご相談と査定に費用はかかりません。
- 電話で相談する:086-239-3296(10:00〜18:00/水曜定休)
- LINEで相談する(返済予定表や金利変更のお知らせの写真を送っていただくだけでも大丈夫です)
- メールで相談する:minikuru@bc.wakwak.com
※当社は、金利の予想や借換えをするべきかの判断、ローンの審査や条件の交渉はできません。必要なときは、金融機関・ファイナンシャルプランナーへの相談の進め方をご案内します。
金利のニュースが続くと、不安になるのは自然なことです。
でも、数字を並べてみると、「今すぐ手放す」以外の道が見えてくることも多くあります。今日できることは、返済予定表を出して、次に返済額が見直される時期を確かめることだけです。急がなくても大丈夫です。ただ、家計が苦しくなる前に確かめておくと、選べる道が多く残ります。
最終更新日:2026年10月7日
確認先:日本銀行(政策金利)、住宅ローン比較サイトの金利集計(2026年10月)、各金融機関の変動金利の仕組み(5年ルール・125%ルール・未払利息)、住宅金融支援機構。金利や商品の条件は変わります。最新は借りている金融機関でご確認ください。
(この記事は一般的な情報の整理です。計算例の数字は仮のものです。当社は、金利の予想、借換えの判断、ローンの審査は行えません。)
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