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売りに出して1年たつが、問い合わせがほとんどない」

査定で『この家は買った人が住めないかもしれない』と言われた」

国が土地を引き取ってくれる制度があると聞いたが、うちの実家でも使えるのか」

岡山市の市街化調整区域にある実家は、条件によってはなかなか買い手が見つからないことがあります。そんなとき、残る選択肢は大きく「貸す」「管理する」「国に引き取ってもらう(国庫帰属)」の3つです。

この記事では、3つの選択肢の条件と費用を整理し、どう比べて選ぶかをまとめました。

先に結論

まず、売れない理由(価格、買主が住めるか、書類、土地の条件)を確かめましょう。直せる理由なら、売り方を変える余地があります。そのうえで、貸すなら借りる人が住めるかの確認(属人性のある家は許可が必要になることがある)、管理するなら固定資産税と管理費がかかり続けることと、管理が不十分だと固定資産税の特例が外れることがある点、国庫帰属なら建物を解体して更地にする必要があり、審査手数料(1筆14,000円)と負担金(原則20万円)がかかる点を知っておきましょう。費用・時間・手間で比べて、ご家族に合う選択肢を選ぶことが大切です。

まず確かめる|売れない理由は何か

「売れない」と一口に言っても、理由によって打てる手がちがいます。

売れない理由 確かめること 打てる手の例
価格が合っていない 近くの取引事例、問い合わせの数 価格の見直し、買取の査定をとる
買主が住めるか分からない 線引き前の家か、どんな許可で建てた家か 開発指導課で確認し、結果を買主に示す
書類がそろっていない 登記、境界、建てたときの書類 登記や測量を済ませてから売り出す
土地の条件が厳しい 道路、水路、上下水道、農地・山林 隣地の方に声をかける、分けて売る

「売れない」のではなく「まだ売れる形になっていない」ことも少なくありません。 3つの選択肢を考える前に、一度確かめておくと、後悔が少なくなります。

選択肢① 貸す

実家を賃貸住宅として貸す方法です。家賃収入が入り、人が住むことで家が傷みにくくなります。

調整区域で貸すときの条件

調整区域では、借りる人がその家に住めるかを確かめる必要があります。

家の種類 貸すときの考え方
線引き前からある家 住宅として使うことは、一般に進めやすい
分家住宅・農家住宅など、属人性のある家 許可を受けた人以外が住むことになるため、許可が必要になることがある
人口減少地域の6つの小学校区の空き家 2024年6月から、適法に建てて10年以上たった空き家を賃貸住宅などに用途変更しやすくなっている

貸す前に、開発指導課の窓口で「この家を貸してよいか」を確かめておくと安心です。

貸すときのほかの注意

  • 修繕の費用:雨漏りや水回りなど、貸せる状態にする費用がかかる
  • 借り手が見つかるか:駅や店から遠い場所では、借り手が限られることがある
  • 貸したあとに売りにくくなることがある:借りている人がいる家は、買主が限られる。期間を決めて貸す(定期借家)方法もある

選択肢② 管理する

売らずに、当面は管理しながら持ち続ける方法です。売り時や制度の動きを待てるのが利点です。

管理するときにかかるもの

  • 固定資産税(毎年)
  • 管理の費用:見回り、換気、草刈り、庭木の手入れなど
  • 火災保険:空き家は保険の条件が変わることがある
  • 家族の手間:遠方に住んでいると、見に行くだけでも負担

管理が不十分だと、固定資産税が上がることがある

2023年12月に施行された改正空家対策特別措置法で、放っておくと特定空家になるおそれがある空き家は「管理不全空家」として、市から指導や勧告を受けることがあります。勧告を受けると、固定資産税の住宅用地の特例が外れ、税額が上がることがあります。

「持ち続ける」を選ぶなら、「きちんと管理し続ける」ことが前提になります。

選択肢③ 国庫帰属(国に引き取ってもらう)

相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈で取得した土地を、一定の条件を満たせば国に引き取ってもらえる制度です。2023年4月27日に始まりました。

使える人・使えない土地

  • 使えるのは、相続または遺贈で土地を取得した相続人。共有の場合は、共有者全員で申請
  • 売買で買った土地は対象外

次のような土地は、申請できない、または承認されません(主なもの)。

主な条件 内容
建物がある 建物がある土地は申請できない。家を解体して更地にする必要がある
担保権・利用権がある 抵当権、賃借権などが設定されている
他人が使っている 通路、墓地など、ほかの人が使っている
境界がはっきりしない・争いがある 隣地との境界が明らかでない
崖や、管理に手間がかかるもの 管理を妨げる工作物・車両・樹木、地下の埋設物など
土壌汚染 汚染されている

費用|審査手数料と負担金

費用 金額
審査手数料 土地1筆あたり14,000円(申請のとき)
負担金 原則20万円(承認されたあと。10年分の管理費用に相当)

負担金は、土地の種類によっては面積に応じて算定されます。

  • 宅地:市街化区域・用途地域の中なら面積で算定。市街化調整区域の宅地は、原則20万円
  • 田・畑:市街化区域・用途地域・農用地区域・土地改良事業の区域の中なら面積で算定
  • 森林:面積に応じて算定(20万円より高くなることがある)

最新の件数(2026年8月31日現在)

法務省の統計では、制度が始まってから2026年8月31日までに、次のようになっています。

項目 件数
申請 5,997件(田・畑2,335件、宅地2,091件、山林902件、その他669件)
国庫に帰属した 3,119件
却下 85件
不承認 100件
取下げ 1,139件(うち、有効活用の見込みがついた586件)

取下げのうち半分ほどは「有効活用の見込み」がついたものです。申請をきっかけに、隣地の方などへの引き渡しが決まることもあるようです。

相談と申請の窓口

相談と申請は、土地がある地域を管轄する法務局です。岡山市の土地なら、岡山地方法務局になります。相談は予約制で、ウェブでの相談もあります。申請書類の作成は、本人のほか、弁護士・司法書士・行政書士に頼むことができます。

3つを比べる|仮の数字の例

岡山市東区の調整区域にある、木造2階建て(延べ30坪)、敷地300㎡の実家で、売れなかった場合を考えてみます。数字はすべて仮のものです。

項目 貸す 10年管理する 国庫帰属
最初にかかる費用 修繕 約100万円 — 解体 約120万円+審査手数料1.4万円
毎年かかる費用 固定資産税・保険など 約5万円 固定資産税・管理・草刈り 約10万円 —
毎年入るお金 家賃 月4万円×12か月=約48万円(空室がなければ) — —
最後にかかる費用 — — 負担金 20万円
10年間の差し引き 約+330万円(空室・修繕の追加がなければ) 約−100万円 約−141万円
手間・リスク 入居者対応、空室、修繕 見回り、管理不全空家のリスク 解体・書類、承認されないことも

この例では、借り手が見つかれば「貸す」がいちばん有利に見えますが、貸せる許可があるか、借り手が見つかるかが前提です。管理を10年続けると約100万円かかり、年数が長くなるほど国庫帰属の費用(約141万円)との差は縮まっていきます。国庫帰属は最初の出費が大きい代わりに、その後の負担がなくなるのが特徴です。

どれが正解ということはありません。 ご家族の住まいの予定、家への思い、使えるお金と時間で選んでください。

選ぶ前に、ほかの道もある

3つの選択肢のほかにも、次のような道があります。

  1. 隣地の方や地元の方に、低い価格や無償で引き取ってもらう
  2. 買取業者の査定をとる(仲介では売れなくても、買取なら話が進むことがある)
  3. 家を解体して、土地として売る(ただし調整区域では、更地にすると建てられなくなることがあるため、解体の前に開発指導課で確認)

解体は、あとから元に戻せません。 国庫帰属や土地としての売却のために解体する前に、建て替えや建築ができる土地かどうかを必ず確かめてください。

当社にできること・できないこと

当社は、岡山市北区奉還町で売買仲介を行っている不動産会社です。

当社がお手伝いできるのは、売れない理由の確認、売り方の見直し(価格、買取、隣地への打診)、貸す場合の賃料の目安と入居者募集、管理する場合の空き家管理のご相談、国庫帰属を考える場合の解体・測量の段取りの相談、そして3つの選択肢の費用の比較です。

一方で、開発許可・用途変更の許可の判断は岡山市、国庫帰属の承認は法務局が行います。国庫帰属の申請書類の作成は、本人のほか弁護士・司法書士・行政書士の業務です。法的な判断、税金の判断も、それぞれの専門家にご相談ください。

よくあるご質問

調整区域の実家が売れないとき、どんな選択肢がありますか。

大きく、貸す、管理しながら持ち続ける、相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらう、の3つです。その前に、価格、買主が住めるか、書類、土地の条件など、売れない理由を確かめると、売り方を見直す余地が見つかることもあります。

調整区域の家を貸すことはできますか。

線引き前からある家など、住宅として使うことに問題がない家なら、一般に貸すことができます。分家住宅・農家住宅など属人性のある家は、許可を受けた人以外が住むことになるため、許可が必要になることがあります。貸す前に岡山市の開発指導課でご確認ください。

空き家のまま持ち続けると、固定資産税は上がりますか。

管理が不十分で、市から管理不全空家や特定空家として勧告を受けると、固定資産税の住宅用地の特例が外れ、税額が上がることがあります。持ち続けるなら、定期的な管理が前提になります。

相続土地国庫帰属制度とは何ですか。

相続や遺贈で取得した土地を、一定の条件を満たせば国に引き取ってもらえる制度で、2023年4月27日に始まりました。審査手数料は土地1筆あたり14,000円、負担金は原則20万円です。

家が建ったままでも国庫帰属できますか。

できません。建物がある土地は申請できないため、家を解体して更地にする必要があります。解体する前に、その土地が調整区域でどう扱われるかを確かめておくことが大切です。

調整区域の宅地の負担金はいくらですか。

法務省の案内では、宅地は市街化区域や用途地域の中にある場合に面積で算定され、それ以外は原則20万円とされています。市街化調整区域の宅地は、原則20万円と考えられますが、申請前に法務局でご確認ください。

国庫帰属の申請はどのくらい承認されていますか。

法務省の統計では、2026年8月31日までに申請5,997件、国庫に帰属したもの3,119件、却下85件、不承認100件、取下げ1,139件となっています。取下げのうち586件は、有効活用の見込みがついたものです。

売れない理由の確認から、3つの選択肢の比較までお手伝いします

売れない理由の確認と売り方の見直し、貸す場合の賃料の目安、管理のご相談、国庫帰属を考える場合の解体・測量の段取りまで。費用を並べて比べられるようにします。

※開発許可・用途変更の許可の判断は岡山市(開発指導課 086-803-1451)、国庫帰属の承認は法務局が行います。申請書類の作成の代行、法的な判断は当社では行えません。

どの道を選んでも、それはご家族が考え抜いた答えです。 売れない実家を前にすると、「自分の代で手放してしまっていいのか」と迷う方も少なくありません。貸す、持ち続ける、国に引き取ってもらう。どれを選んでも、親御さんの家をきちんと次に渡すための選択です。一つずつ比べて、納得できる道を選んでいきましょう。急がなくても大丈夫です。

最終更新日:2026年9月26日
確認先:法務省(相続土地国庫帰属制度の概要、負担金、統計〈2026年8月31日現在〉)、岡山市(開発指導課業務内容、市長定例記者会見資料〈令和6年5月24日 20戸連たん制度・空き家用途変更緩和制度〉)。制度は変わることがあります。最新は法務局・岡山市でご確認ください。

(この記事は一般的な情報の整理です。開発許可・用途変更の許可の判断は岡山市、国庫帰属の承認は法務局が行います。当社は申請書類の作成の代行、法的な判断、税金の判断は行えません。)

株式会社ミニクルホーム
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代表:城井 仁(宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士、不動産実務経験25年以上)

CUSTOMER VOICE

お客様の声

Googleマップへ寄せられたミニクルホームのお客様の声を、 プライバシーに配慮して一部抜粋・匿名化してご紹介します。

正直な物件説明 ★★★★★

まさに正直不動産。注意点まで教えてくれました

まさに正直不動産。気になっていた物件について、 事故物件であることや管理面の注意点なども教えてくれました。 安心して物件探しを任せられました。

A
ご利用者A様Googleマップの口コミより一部抜粋
入居・退去の対応 ★★★★★

入居時も退去時も丁寧に対応してくれました

入居時も退去時も丁寧に対応してくださり助かりました。 LINEでの対応も文字に残るので、 電話だけより確認しやすいです。

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ご利用者B様Googleマップの口コミより一部抜粋
難しい条件の部屋探し ★★★★★

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難しい条件の中、迅速かつ柔軟な対応で、 ようやく住めるところが見つかりました。 不安なこともLINEで相談できて助かりました。

C
ご利用者C様Googleマップの口コミより一部抜粋
遠方からの引越し ★★★★★

遠方からの引越しも丁寧にサポート

遠方からの引越しで分からないことだらけでしたが、 何から何まで丁寧に対応してくださり、 本当に助かりました。

D
ご利用者D様Googleマップの口コミより一部抜粋
地域情報・物件提案 ★★★★★

土地の事情も分かり、納得して決められました

難しい条件での物件探しでしたが、 多数の物件をご案内いただき、 納得して決めることができました。 土地の事情も参考になりました。

E
ご利用者E様Googleマップの口コミより一部抜粋
親身な対応 ★★★★★

借りる側の目線で考えてくれました

借りる側の目線で考えてくださるので有り難かったです。 気さくな不動産屋さんで、 希望もお願いしやすく助かりました。

F
ご利用者F様Googleマップの口コミより一部抜粋
 

※Googleマップに投稿された口コミの一部を、 意味を変えない範囲で抜粋・匿名化して掲載しています。 口コミは個人の感想です。

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株式会社ミニクルホーム

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