「長年住んできたアパートが建て替えになり、出なければならなくなった」 「この年齢で、新しく部屋を貸してもらえるのだろうか」 「離れて暮らす親が立ち退きを求められたが、どう手伝えばいいか分からない」
建て替えによる立ち退きは、ご本人に落ち度がないにもかかわらず、住み慣れた部屋を離れなければならない出来事です。高齢の方の場合、「年齢で断られるのでは」「引っ越しの体力が心配」という不安が重なり、なかなか動き出せないこともあります。
まずお伝えしたいのは、高齢であることだけで、次の部屋が見つからないわけではないということです。ただし、条件に合う物件が限られやすく、時間に余裕を持って、準備を整えてから探すことが大切です。
この記事では、岡山市北区・奉還町の不動産会社ミニクルホームが、建て替えで立ち退きを求められた高齢の方とご家族に向けて、次の部屋を見つけるための準備と探し方をまとめました。費用の書き出し方や、最初に確認したいことは大家さんから立ち退きを求められた|次の部屋探しと費用の確認【岡山】で解説しています。
この記事でわかること
- 高齢の方の部屋探しで、大家さんが心配しやすいことと、その備え
- 建て替えの立ち退きだからこそ、大家さんに確認したいこと
- 体の変化も見越した、次の部屋の条件の決め方(岡山市の場合)
- 2025年10月に始まった、高齢の方が借りやすくなるための制度
- ご家族・ケアマネジャー・支援機関と、どう役割を分けるか
※この記事は2026年10月時点の情報をもとにしています。立ち退きに応じるかどうか、立退料などの法律上の判断は、弁護士・司法書士、または法テラスにご確認ください。
結論|「早めに」「備えを見せて」「一緒に探す」
先に、結論を3つにまとめます。
- できるだけ早く、部屋探しを始めましょう。
高齢の方が条件に合う部屋を見つけるには、一般に時間がかかりやすいです。退去の時期が分かったら、すぐに相談を始めると選択肢が広がります。 - 大家さんの心配に、先に答えられるよう準備しましょう。
家賃の支払い、緊急時の連絡先、見守りの仕組みなどを用意して最初に伝えると、受け入れてもらいやすくなることがあります。 - ひとりで抱えず、家族や支援者と一緒に進めましょう。
ご家族、ケアマネジャー、地域包括支援センター、居住支援法人など、頼れる人と役割を分けると、負担が軽くなります。
高齢の方の部屋探しで、大家さんが心配しやすいこと
年齢だけを理由に断られるのではないかと不安に思う方も多いですが、実際には、大家さんが心配しているのは入居したあとの暮らしであることが多いです。心配の中身が分かれば、備えることができます。
| 大家さんが心配しやすいこと | 備えとして伝えられること |
|---|---|
| 家賃を払い続けられるか | 年金の額が分かる書類(年金振込通知書など)、預貯金の状況。家賃を無理のない額にする |
| 体調が急に悪くなったときの連絡 | 緊急連絡先(家族など)。いない場合は、保証会社のサービスや居住支援法人の支援 |
| ひとり暮らしの見守り | 見守りサービス、ケアマネジャー・ヘルパーの訪問、配食サービス、ご家族の定期的な連絡 |
| 万一のときの部屋の片付け(残置物) | 亡くなったあとの家財の片付けを誰が行うか、入居時に取り決めておく方法がある |
| 近所づきあい・火の元 | IHコンロの物件を選ぶ、生活の様子を伝える |
最初の相談で、これらの備えをまとめて伝えることが、いちばんの近道です。保証人や緊急連絡先がいない場合の具体的な方法は、岡山市で保証人不要・緊急連絡先なしの高齢者が借りる方法で詳しく解説しています。
2025年10月から、高齢の方が借りやすくなる制度が始まっています
2025年10月1日から、改正された住宅セーフティネット法が施行され、高齢の方などが賃貸住宅を借りやすくするための仕組みが整えられました。主な内容は次のとおりです。
| 制度 | 内容(概要) |
|---|---|
| 居住サポート住宅 | 居住支援法人などが、ICT機器や訪問による安否確認・見守りを行い、必要に応じて福祉サービスにつなぐ住宅。認定を受けた住宅として供給される |
| 認定家賃債務保証業者 | 住まいに配慮が必要な方が利用しやすい保証会社を、国が認定する仕組み |
| 終身建物賃貸借の手続きの簡素化 | 亡くなるまで住み続けられる契約(60歳以上の方などが対象)の認可の手続きが簡単になり、大家さんが利用しやすくなった |
| 残置物の処理 | 亡くなったあとの家財の片付けを、居住支援法人や管理業者などの第三者が担えるようになった |
※制度が始まって間もないため、岡山市内で利用できる住宅の数や条件は、物件や地域によって異なります。利用できるかどうかは、不動産会社や居住支援法人に確認してください(参考:岡山市で居住支援を受けるには?居住支援法人と不動産会社の役割の違い)。
建て替えの立ち退きだからこそ、大家さんに確認したいこと
建て替えによる立ち退きでは、通常の引っ越しとは違い、いまの大家さんや管理会社に相談できることがあります。話し合いの中で、次のようなことを尋ねてみましょう。
- 建て替えたあとの建物に、また住むことができるか(家賃や時期の条件も含めて)
- 大家さんや管理会社が管理している、ほかの物件を紹介してもらえるか
- 退去の時期に、どの程度の幅があるか(次の部屋が見つかるまでの時間)
- 引っ越しの費用などについて、何か申し出があるか(あれば書面で確認)
長く住んでいて家賃の支払いに問題がなかったことは、次の部屋探しでも大切な実績です。いまの大家さんや管理会社が、そのことを次の物件の関係者に伝えてくれる場合もあります。
立ち退きに応じるかどうかや、立退料の考え方は、立ち退きを求められたときの補償は?立退料の考え方をご覧のうえ、具体的な判断は弁護士や法テラスにご相談ください。
※当社は、大家さん側のお手伝いをすることもある不動産会社のため、どちらか一方の立場で立ち退きの条件を判断したり、交渉したりすることはできません。
体の変化も見越して、次の部屋の条件を決める
いまは元気でも、5年後、10年後の暮らしを考えて部屋を選ぶと、何度も引っ越しをせずに済みます。
| 条件 | 確認したいこと |
|---|---|
| 階数・エレベーター | 1階、またはエレベーターのある建物か。階段の段数 |
| 段差 | 玄関、浴室、トイレの段差。手すりを付けられるか |
| 浴室・トイレ | 浴槽をまたぐ高さ、洋式トイレか |
| コンロ | IHコンロかどうか(火の元の心配を減らせる) |
| 通院・買い物 | かかりつけの病院、薬局、スーパーまでの距離と道のり |
| 交通 | バス停や駅までの距離。運転をやめたあとも暮らせるか |
| 広さ | いまの家財が入るか。狭くなる場合は、何を手放すか |
岡山市で探すときのポイント
- 車の運転をいつまで続けるかを考えて、エリアを決めましょう。岡山市は車社会ですが、運転をやめたあとも通院や買い物ができる場所を選ぶと安心です。
- バス路線が多い地域や、駅に近い地域は、車がなくても暮らしやすい傾向があります。岡山駅周辺のほか、北長瀬・大元・備前西市・東岡山など駅に近いエリアも候補になります。
- いまと同じ地域で探すと、かかりつけの病院や、なじみのお店、ご近所とのつながりを保ちやすくなります。ケアマネジャーやヘルパーの事業所が変わらずに済むこともあります。
- 公営住宅も選択肢のひとつです。民間の賃貸との違いは、岡山市営住宅と民間賃貸はどちらがよい?生活保護・高齢者向け比較をご覧ください。
誰と一緒に進めるか|役割の分け方
| 相談する相手 | お願いできること |
|---|---|
| ご家族 | 緊急連絡先、申込みや契約への同席、引っ越しの手伝い |
| ケアマネジャー | 介護サービスの調整、引っ越し後のサービスの引き継ぎ |
| 地域包括支援センター | 介護保険を使っていない方も含めた、高齢の方の暮らしの相談 |
| 居住支援法人 | 部屋探しの同行、見守り、入居後の生活の支援 |
| 福祉事務所(生活保護を受けている方) | 転居が認められるか、転居費用の扱い |
| 弁護士・法テラス | 立ち退きの条件、立退料などの法律の相談 |
| 不動産会社 | 条件に合う物件探し、大家さんへの説明、入居日の調整 |
ケアマネジャーと一緒に進める場合の流れは、ケアマネジャーが高齢者の住み替えを相談するとき|岡山市の進め方で紹介しています。
生活保護を受けている方は、まず担当のケースワーカーに、立ち退きを求められたことを伝えてください。家主から相当の理由をもって立ち退きを求められ、やむを得ず転居する場合は、敷金などの転居費用の支給が認められることがあるとされています。認められるかどうかと金額は福祉事務所が判断します。契約は、ケースワーカーの了承を得てからにしましょう(参考:【岡山市】生活保護で引っ越し理由は認められる?許可が出やすいケース・出にくいケースを解説)。
引っ越しの負担を、少しでも軽くする
高齢の方にとって、引っ越しは体力的にも大きな負担です。
- 荷物の整理は、早めに少しずつ:次の部屋がいまより狭くなる場合は、何を持っていくかを決めておきましょう。岡山市の粗大ごみの戸別収集は、申込みから収集まで10日前後かかるとされています。
- 引っ越し業者のサービスを確認する:荷造りや荷ほどきまで頼めるプランもあります。見積りは複数の業者から取りましょう。
- 退去日と入居日を合わせる:家賃が重なる期間を短くできます(参考:旧居と新居の二重家賃を防ぐ賃貸契約スケジュール)。
- 住所変更の手続き:介護保険、年金、病院の診察券、郵便の転送など、変更が必要なものを一覧にしておくと安心です。
よくあるご相談の例
※個人が特定されないよう、複数のご相談を組み合わせたイメージです。
70代・単身(岡山市北区)
30年近く住んだアパートの建て替えで、立ち退きを求められたケースです。年金の額が分かる書類と、県外に住む娘さんを緊急連絡先として準備し、最初の相談でまとめてお伝えしました。かかりつけの病院に同じバス路線で通える1階の物件を中心に探し、ケアマネジャーさんとも入居日を共有しました。
80代・ご夫婦(岡山市中区)
息子さんからのご相談です。ご両親が住む借家の建て替えが決まり、どこから手をつければいいか分からないとのことでした。大家さんに建て替え後の再入居の条件を尋ねていただくのと並行して、エレベーターのある物件と、見守りサービスを利用できる物件の両方を候補にして比べました。
よくある質問
Q. 70代・80代でも、新しく部屋を借りることはできますか?
A. 年齢だけで、部屋が借りられないわけではありません。大家さんが心配しやすいのは、家賃の支払いや、体調が悪くなったときの連絡、見守りなど入居したあとの暮らしです。年金の書類や緊急連絡先、見守りの仕組みを準備して最初に伝えると、受け入れてもらいやすくなることがあります。ただし条件に合う物件は限られやすいため、早めに探し始めましょう。
Q. 建て替えたあとの建物に、また住むことはできますか?
A. 大家さんの計画によって異なります。建て替え後の建物に再び入居できる場合もあれば、家賃や間取りが変わる場合、再入居を予定していない場合もあります。立ち退きの話し合いの中で、大家さんや管理会社に尋ねてみましょう。条件は書面で確認すると安心です。
Q. 保証人も緊急連絡先もいません。
A. 保証会社を利用できる物件を選ぶほか、居住支援法人の支援や、見守りサービスを組み合わせる方法があります。2025年10月からは、住まいに配慮が必要な方が利用しやすい保証会社を国が認定する仕組みも始まっています。具体的な方法は「岡山市で保証人不要・緊急連絡先なしの高齢者が借りる方法」の記事をご覧ください。
Q. 年金だけの収入でも、審査に通りますか?
A. 審査は物件や保証会社によって異なりますが、年金で家賃を払い続けられる見込みがあるかが見られることが多いです。年金振込通知書など年金の額が分かる書類と、預貯金の状況を準備し、家賃を無理のない額にすることが大切です。
Q. 居住サポート住宅とは何ですか?岡山市にもありますか?
A. 居住支援法人などが、安否確認や見守りを行い、必要に応じて福祉サービスにつなぐ賃貸住宅です。2025年10月に始まった制度のため、岡山市内で利用できる住宅の数や条件は物件によって異なります。利用できるかどうかは、不動産会社や居住支援法人に確認してください。
Q. 離れて暮らす親の部屋探しを、子どもが代わりに進められますか?
A. 物件探しや不動産会社とのやり取りは、ご家族が中心になって進めることもできます。ただし、契約するのはご本人であることが多いため、内見や契約の場面ではご本人の意思を確認します。ご家族が緊急連絡先になると、大家さんの安心にもつながります。
Q. ケアマネジャーにも相談したほうがいいですか?
A. 介護サービスを利用している方は、早めに伝えておくと安心です。引っ越し先で利用するサービスの調整や、通院・買い物のしやすさなど、暮らしの視点で一緒に考えてもらえます。介護保険を使っていない方は、地域包括支援センターに相談できます。
Q. いまより狭い部屋になりそうで、家財が入るか心配です。
A. 次の部屋の間取り図を見ながら、持っていく家具を早めに決めましょう。岡山市の粗大ごみの戸別収集は、申込みから収集まで10日前後かかるとされています。荷造りや不用品の整理まで頼める引っ越し業者のプランもあります。
Q. 生活保護を受けています。建て替えの立ち退きで引っ越す場合はどうすればいいですか?
A. まず担当のケースワーカーに、立ち退きを求められたことを伝えてください。家主から相当の理由をもって立ち退きを求められ、やむを得ず転居する場合は、敷金などの転居費用の支給が認められることがあるとされています。認められるかどうかと金額は福祉事務所が判断します。契約はケースワーカーの了承を得てからにしましょう。
Q. ミニクルホームには、何を相談できますか?
A. 高齢の方の条件に合う物件探し、大家さんへの事情の説明、ケアマネジャーやご家族との入居日の調整などをご相談いただけます。立ち退きに応じるかどうかや立退料などの法律上の判断・交渉はできないため、弁護士や法テラスと役割を分けて進めます。
まとめ|早めに、備えを見せて、一緒に探す
- 高齢であることだけで、次の部屋が見つからないわけではありません。ただし時間がかかりやすいため、早めに始めましょう。
- 大家さんが心配しやすいのは、入居したあとの暮らしです。年金の書類、緊急連絡先、見守りの仕組みを最初に伝えましょう。
- 建て替えの立ち退きでは、建て替え後の再入居や、ほかの物件の紹介を、いまの大家さんに尋ねてみる価値があります。
- 体の変化も見越して、1階・段差・バス停・通院先などの条件を決めましょう。
- ご家族、ケアマネジャー、地域包括支援センター、居住支援法人と、役割を分けて進めると負担が軽くなります。
住み慣れた部屋を離れるのは、寂しさもある出来事です。ミニクルホームでは、ご本人やご家族、支援者の方のお話をうかがいながら、岡山市内で次の住まいを一緒に探します。年齢やご事情のことも、最初から隠さずにご相談ください。
気持ちがしんどいときの相談先
長く暮らした住まいを離れる不安や寂しさは、心にも体にも負担がかかります。ひとりで抱え込まずに、話せる相手を見つけてください。
- お住まいの地域の地域包括支援センター:高齢の方の暮らしや心身のことを、ご本人・ご家族のどちらからでも相談できます。
- 法テラス・サポートダイヤル:0570-078374(平日9時〜21時、土曜9時〜17時。祝日・年末年始を除く)
立ち退きの条件など、法律の相談先を案内してもらえます。 - こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
岡山県内からは、平日9時30分〜12時・13時〜16時、平日夜18時30分〜22時30分(22時まで受付)に相談できます。
※受付時間は変更されることがあります。最新の情報は、各窓口の公式サイトでご確認ください。
参考にした公的な情報
※当社は不動産会社です。立ち退きに応じるかどうか、立退料の金額などに関する法律上の判断や、交渉の代理はお受けできません。弁護士・司法書士、または法テラスにご相談ください。
会社概要
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