「空室が続いているけれど、高齢の方の入居は少し不安」
「生活保護を受けている方から問い合わせがあったが、受け入れていいのかわからない」
「もし部屋で亡くなられたら、その後どうすればいいのだろう」
賃貸物件を持つ大家さんから、こうしたご相談をいただくことがあります。家賃の支払いや、万一のときの対応など、不安を感じるのは自然なことです。
一方で、高齢の方や生活保護を受けている方の中には、住まい探しに困っている方が多くいらっしゃいます。そして近年、こうした方の入居を支える制度や仕組みが少しずつ整ってきました。不安の多くは、仕組みを組み合わせることで小さくできるようになっています。
この記事では、岡山市で賃貸物件を持つ大家さんに向けて、高齢の方・生活保護を受けている方の入居を受け入れるメリットと、よくある不安とその対策、受け入れの進め方を整理しました。
この記事でわかること
- 受け入れの主なメリット
- 大家さんが不安に感じる6つの点と、使える対策
- 「部屋で亡くなられた場合」の告知の考え方
- 空室の損失と家賃の調整を比べた試算
- 受け入れの進め方
受け入れの主なメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 入居希望者の層が広がる | 住まい探しに困っている方は多く、受け入れる物件はまだ限られている。空室を埋める選択肢が増える |
| 長く住んでもらえる傾向 | 転勤や進学による転居が少なく、住み慣れた場所で長く暮らしたいと考える方が多い |
| 家賃の受け取りが安定しやすい | 生活保護を受けている方は、家賃を福祉事務所から大家さんへ直接支払う「代理納付」を利用できる場合がある。年金など継続的な収入がある方も多い |
| 支援者がいる | ケースワーカー、地域包括支援センター、ケアマネジャーなど、入居者を支える人とつながれることが多い |
| 制度の後押しがある | 居住サポート住宅、国が認定する家賃債務保証業者など、受け入れを支える制度が整ってきている |
| 地域への貢献 | 住まいに困っている方に、安心して暮らせる場所を提供できる |
大家さんが不安に感じる6つの点と、使える対策
| 不安 | 使える対策の例 |
|---|---|
| ① 家賃が払われるか | 家賃保証会社の利用。生活保護を受けている方は代理納付。国が「住宅確保要配慮者が利用しやすい」として認定する家賃債務保証業者もある |
| ② 部屋で亡くなられたら(孤独死) | 見守りサービス、安否確認の仕組みのある居住サポート住宅、支援者との定期的な連絡。告知の考え方は次の章で解説 |
| ③ 亡くなられた後の契約や残置物 | 国土交通省・法務省の「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を活用し、入居時に死後の契約解除や残置物の処理を任せる人(受任者)を決めておく方法がある |
| ④ 認知症など判断能力の低下 | 地域包括支援センターやケアマネジャーとの連携、必要に応じて成年後見制度の利用 |
| ⑤ 近隣とのトラブル | 入居前の生活状況の確認、管理会社による対応、困ったときに相談できる支援者の連絡先の共有 |
| ⑥ 保証人・緊急連絡先がいない | 保証会社の利用、居住支援法人や支援機関に緊急連絡先の役割を相談する |
※利用できる仕組みは、入居者の状況や地域によって異なります。管理会社と相談しながら組み合わせてください。
代理納付について
生活保護を受けている方の家賃(住宅扶助)を、福祉事務所から大家さんや管理会社の口座へ直接支払う仕組みです。家賃が生活費に回ってしまう心配が少なくなり、受け取りが安定しやすくなります。利用できるかどうかは福祉事務所の判断によります。詳しくは代理納付の記事をご覧ください。
居住サポート住宅について
2025年10月に始まった制度で、居住支援法人などが安否確認や見守り、福祉サービスへのつなぎを行う賃貸住宅です。大家さんにとっては、入居後の見守りの仕組みがあることが安心材料になります。詳しくは居住サポート住宅の記事をご覧ください。
「部屋で亡くなられた場合」の告知の考え方
高齢の方の受け入れで、多くの大家さんが心配されるのが、「部屋で亡くなられたら、次の入居者に告げなければならず、借り手がつかなくなるのでは」という点です。
国土交通省は2021年に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しています。このガイドラインでは、次のような考え方が示されています。
- 自然死や、日常生活の中での不慮の死(転倒などの事故)は、原則として告げなくてもよい
- ただし、長期間発見されず特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合などは、この限りではない
- 賃貸の場合、告げる必要がある死であっても、特段の事情がなければ、発覚からおおむね3年が経過したあとは、原則として告げなくてもよい
※事件性や社会的な影響が特に高い事案など、例外もあります。個別の判断は、管理会社や専門家にご相談ください。
このガイドラインが策定された背景には、孤独死を心配して高齢の方の入居が断られてしまうという課題もありました。そして、長期間発見されない事態を防ぐ意味でも、見守りの仕組みを用意しておくことが大切です。
試算|空室の損失と、家賃の調整を比べる
生活保護を受けている方の家賃は、住宅扶助の上限の範囲内で探すことになります。岡山市の単身世帯の場合、住宅扶助の上限はおおむね37,000円が目安です(正確な金額は福祉事務所にご確認ください)。
例:家賃40,000円で募集していた単身向けの部屋
- 空室が6か月続いた場合の損失:40,000円×6か月=240,000円
- 家賃を37,000円にして受け入れた場合の差額:3,000円×12か月=年36,000円
- 5年間住んでもらった場合の差額の合計:180,000円
※説明のための試算です。実際の空室期間や入居期間は物件によって異なります。家賃の設定は、周辺の相場や物件の条件をふまえて判断してください。
この例では、家賃を3,000円調整して5年間住んでもらった場合の差額(18万円)よりも、空室が6か月続く損失(24万円)のほうが大きくなります。空室の期間と入居期間の見込みをあわせて考えることが大切です。空室の原因の見つけ方は空室が埋まらないときの記事で解説しています。
受け入れの進め方
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 方針を決める | 管理会社と相談し、どんな方を受け入れるか、どんな条件なら安心かを整理する |
| ② 仕組みを選ぶ | 保証会社、代理納付、見守りサービス、残置物の取り決めなど、組み合わせる仕組みを決める |
| ③ 入居前の確認 | 入居希望者の生活の状況、支援者の有無と連絡先、緊急時の対応を確認する |
| ④ 契約 | 生活保護を受けている方の場合は、ケースワーカーの了承を得てから契約。代理納付の手続き、残置物に関する契約なども |
| ⑤ 入居後 | 見守りの仕組みを動かし、困ったことがあれば管理会社や支援者と早めに連携する |
段差の少ない部屋や手すりの設置など、高齢の方が暮らしやすい工夫をすることも、受け入れの幅を広げます。詳しくはバリアフリー・段差の少ない賃貸の記事をご覧ください。
よくある質問
Q. 生活保護を受けている方の家賃は、滞納されませんか?
代理納付を利用すると、家賃を福祉事務所から大家さんや管理会社へ直接支払ってもらえる場合があり、受け取りが安定しやすくなります。あわせて家賃保証会社を利用する方法もあります。
Q. 部屋で亡くなられた場合、次の入居者に必ず告げる必要がありますか?
国土交通省のガイドラインでは、自然死や日常生活の中での不慮の死は、原則として告げなくてもよいとされています。ただし、特殊清掃などが行われた場合などは例外があります。個別の判断は管理会社や専門家に相談してください。
Q. 亡くなられた後の家財の片づけはどうなりますか?
入居時に、死後の契約解除や残置物の処理を任せる人を決めておく「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を活用する方法があります。居住支援法人などが受任者となる場合もあります。
Q. 家賃を住宅扶助の上限に合わせる必要がありますか?
生活保護を受けている方は、原則として住宅扶助の上限の範囲内の家賃の物件を探します。岡山市の単身世帯の場合、おおむね37,000円が目安です。物件の条件や空室の状況に応じて検討してください。
Q. 受け入れを始めるには、何から相談すればいいですか?
まずは管理会社や、住まい探しに困っている方の支援に慣れた不動産会社に相談してください。物件に合った受け入れの方針や、組み合わせる仕組みを一緒に考えられます。
まとめ|不安は「仕組み」で小さくできる
- 受け入れのメリットは、入居希望者の層の広がり、長期入居の傾向、家賃の受け取りの安定、支援者とのつながり
- 家賃の不安には保証会社・代理納付、孤独死の不安には見守り・居住サポート住宅、残置物にはモデル契約条項
- 国のガイドラインでは、自然死や日常生活の中での不慮の死は原則として告知不要
- 家賃の調整は、空室が続く損失とあわせて判断する
- 受け入れは管理会社や支援者と連携しながら進める
最後に
住まいに困っている方にとって、「部屋を貸してもらえた」ということは、暮らしを立て直す大きな一歩になります。大家さんの不安を一つずつ仕組みで支えながら、入居者の方にも、大家さんにも安心できる形を一緒につくっていければと考えています。
高齢の方・生活保護を受けている方の受け入れ、ご相談ください
ミニクルホームでは、岡山市で高齢の方や生活保護を受けている方など、住まい探しに困っている方のお部屋探しに日頃から取り組んでいます。大家さんには、保証会社や代理納付、見守りの仕組みなど、物件に合った受け入れの方法をご提案します。空室対策や賃貸管理のご相談もお気軽にどうぞ。
LINEで相談する 電話で相談する(086-239-3296)
営業時間 10:00〜18:00/定休日 水曜日・不定休
ご相談は無料です。無理なご提案はいたしません。
※代理納付の可否は福祉事務所の判断によります。保証会社の審査の可否は保証会社が判断するものであり、当社が保証することはできません。告知や契約条項に関する法的な判断が必要な場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。住宅扶助の金額は福祉事務所にご確認ください。記事中の試算は説明のための例です。
会社情報
| 会社名 | 株式会社ミニクルホーム |
|---|---|
| 代表者 | 城井 仁 |
| 所在地 | 〒700-0026 岡山県岡山市北区奉還町二丁目19番14号(JR岡山駅西口 徒歩7分) |
| 電話 | 086-239-3296 |
| LINE | 友だち追加はこちら |
| 営業時間 | 10:00〜18:00(定休日:水曜日・不定休・GW・年末年始) |
| 業務内容 | 売買仲介・賃貸仲介・賃貸管理・空室対策コンサル・空き家管理及び対策相談・内外装リフォーム・古民家再生・保険代理店 ほか |
| 免許 | 宅地建物取引業 岡山県知事(3)第5473号 |
| 対応エリア | 岡山市(北区・中区・南区・東区)、倉敷市、玉野市、瀬戸内市、備前市、総社市 |
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