「ケアマネジャーさんから、施設への入所をすすめられた」
「親が特別養護老人ホームに入れることになった。アパートはどうしよう」
「施設に入ったら、今の部屋の家賃はどうなるの?」
体の状態や介護の必要性から、施設に入ることになるのは、ご本人にとってもご家族にとっても大きな節目です。その中で、今住んでいる部屋の解約や家賃、荷物の整理まで考えるのは、とても大変ですよね。
この記事では、岡山市北区奉還町で生活保護の方や高齢の方の住まいのご相談をお受けしている不動産会社の立場から、施設に入るときの今の部屋の扱いと、解約までの流れを整理します。
この記事で分かること
- 施設の種類によって、今の部屋の扱いがどう違うか
- 解約の連絡のタイミングと、家賃が重なる期間の考え方
- 荷物の整理、退去の立ち会い、敷金、各種の手続き
結論
① 戻ってくる見込みがある入所(介護老人保健施設など)では、入院と同じように家賃が続けて認められる取扱いがあります。長く暮らす施設(特別養護老人ホームなど)の場合は、解約を考えることが多くなります
② 解約は、ケースワーカーと相談してから。契約書の解約の予告期間(1か月前などが多い)を確認し、入所日と解約日のずれで家賃が重なる期間の扱いも確認しましょう
③ 荷物の整理や退去の立ち会いは、ご家族・支援者・後見人などが代わりにできる場合があります。早めに管理会社に相談しましょう
施設の種類によって、今の部屋の扱いは違う?
| 施設・住まいの例 | どんなところ? | 今の部屋の扱い(一般的な考え方) |
|---|---|---|
| 介護老人保健施設(老健) | リハビリをして家に戻ることを目指す施設 | 戻る見込みがあれば、一定の期間、家賃が続けて認められる取扱いがある |
| 特別養護老人ホーム(特養)など | 介護を受けながら長く暮らす施設 | 戻る見込みがなければ、解約を考えることが多い |
| 認知症グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅など | 家賃を払って暮らす住まい | 新しい住まいの家賃が住宅扶助の対象。今の部屋は解約して住み替える形 |
| 救護施設などの保護施設、障害者支援施設 | 施設で生活の支援を受ける | 戻る見込みがなければ、解約を考えることが多い |
※ 一般的な考え方です。実際の扱いは、施設の種類や入所の見込みの期間、世帯の状況をふまえて福祉事務所が判断します。
戻る見込みがある場合(入院と同じような考え方)
生活保護では、入院した方が、おおむね6か月以内に退院して今の部屋に戻る見込みがある場合などは、家賃(住宅扶助)が続けて認められる取扱いがあります。介護老人保健施設のように、退所して家に戻ることを前提にした施設への入所も、同じような考え方で判断されることがあります。
入所の期間が延びそうなときは、主治医や施設の見通しをふまえて、ケースワーカーと早めに相談しましょう。
長く暮らす施設に入る場合
特別養護老人ホームなど、長く暮らす施設に入る場合、今の部屋に戻る見込みがないため、今の部屋の家賃は認められなくなることが多く、解約を考えることになります。施設での費用は、介護扶助などで扱われます。
※ 施設の費用の扱いや、施設の部屋の種類(多床室など)は、福祉事務所・施設に確認してください。
解約のタイミングは? 家賃が重なる期間に注意
賃貸の契約には、多くの場合「解約の予告期間」があります。たとえば「1か月前までに連絡」という契約なら、連絡した日から1か月分の家賃がかかります。
| 日付(例) | できごと |
|---|---|
| 11月1日 | 特養への入所が決まる。ケースワーカーに連絡し、今の部屋の扱いを相談 |
| 11月5日 | ケースワーカーと相談のうえ、管理会社に解約の連絡(予告期間1か月) |
| 11月10日 | 施設に入所 |
| 11月10日〜12月4日 | 荷物の整理・処分。ライフラインや郵便の手続き |
| 12月5日 | 解約日。退去の立ち会い・鍵の返却 |
この例では、入所した11月10日から解約日の12月5日まで、施設と今の部屋の両方に住まいがある状態になります。この間の家賃の扱いは、ケースワーカーに確認してください。
※ 一例です。予告期間や家賃の日割りの有無は、契約によって異なります。
解約の手順は?
- ケースワーカーに、入所の予定と今の部屋をどうするか相談する
- 契約書で、解約の予告期間・解約の連絡方法(書面かどうか)を確認する
- 管理会社・大家さんに解約を連絡する(解約日・立ち会いの日も相談)
- 荷物の整理・処分を進める(施設に持っていくもの・処分するもの)
- ライフライン・郵便・住所の手続きをする
- 退去の立ち会い・鍵の返却。精算の書類をケースワーカーに見せる
代理納付・保証会社・緊急連絡先
- 家賃を代理納付している場合は、解約日に合わせて代理納付を止める手続きが必要です(福祉事務所と管理会社の間で行われることが多い)
- 保証会社や、緊急連絡先になっている方にも、解約することを伝えておきましょう
荷物の整理はどうする?
- 施設に持っていけるものを確認する:衣類、身の回りのもの、思い出の品など、量に限りがあることが多い
- 大切な書類をまとめる:保険証、障害者手帳、年金の書類、通帳、印鑑、契約書など
- 処分するものを分ける:家具・家電は粗大ごみや家電リサイクルに。岡山市は粗大ごみ受付センターで申し込み
- 手伝ってもらう:ご家族、ヘルパー、ケアマネジャー、ケースワーカーなどに相談
※ 不用品回収業者に頼む場合は、許可の有無と見積書を確認し、費用の扱いは頼む前にケースワーカーに相談してください。
退去の立ち会いと敷金は?
- 退去の立ち会いは、ご家族・支援者・成年後見人などが代わりにできる場合があります
- 部屋の状態を確認して、原状回復の費用が敷金から差し引かれることがあります。内訳を確認しましょう
- 戻ってきた敷金は、原則として収入として扱われるため、ケースワーカーに報告が必要です
- 精算の書類は、ケースワーカーに見せて保管しておきましょう
※ 原状回復の費用の負担は、部屋の状態や契約の内容によって異なります。当社は法的な判断や、ご本人に代わっての交渉はできません。
忘れやすい手続きは?
| 手続き | ポイント |
|---|---|
| 電気・ガス・水道の停止 | 解約日に合わせて。最後の料金の精算も |
| 郵便の転居届 | 施設や、ご家族の住所あてに転送 |
| 住民票の住所 | 施設に住民票を移すかどうか、施設とケースワーカーに確認 |
| スマホ・新聞・定期購入など | 使わなくなるものは解約 |
| NHK受信料 | 住まいが変わったことを連絡 |
実際のご相談で多いのは? 現場で感じること
実際のご相談では、「入所が急に決まり、アパートの解約の予告期間のことまで頭が回らなかった」「離れて暮らす家族が、荷物の整理や立ち会いのために何度も通うのが大変だった」というお声を伺います。
早めに管理会社に事情を伝えておくと、立ち会いの日程や鍵の返し方など、柔軟に相談に乗ってもらえることが多いです。ご家族が遠方の場合も、電話やLINEでのやり取りで進められる部分があります。
ミニクルホームがお手伝いできること・できないこと
お手伝いできること
- 解約の予告期間の確認や、管理会社への連絡の仕方のご案内
- 当社が管理・仲介に関わっている物件での、解約・立ち会いの日程の調整
- グループホームやサービス付き高齢者向け住宅などへの住み替えの情報のご案内
- ご家族・支援者の方からの、電話・LINEでのご相談
当社ではできないこと
- 家賃や敷金の扱い、施設の費用についての判断(福祉事務所が判断します)
- 原状回復などについての法的な判断、大家さん・管理会社との交渉の代理
- 荷物の整理・処分の作業そのもの(関係機関や窓口をご案内します)
よくある質問
Q. 施設に入ったら、すぐに今の部屋を解約しないといけませんか?
A. 施設の種類や、戻ってくる見込みがあるかによって変わります。介護老人保健施設のように、一定の期間で退所して家に戻る見込みがある場合は、入院と同じように、家賃が続けて認められる取扱いがあります。特別養護老人ホームなど、長く暮らす施設に入る場合は、解約を考えることが多くなります。どうするかは、ケースワーカーと相談して決めましょう。
Q. 解約の連絡は、いつすればいいですか?
A. 契約書に書かれた「解約の予告期間」(1か月前などが多い)を確認し、入所の日が決まったら、ケースワーカーと相談したうえで、早めに管理会社・大家さんに連絡します。予告期間があるため、入所の日と解約の日がずれて、家賃が重なる期間が出ることがあります。その間の家賃の扱いは、ケースワーカーに確認してください。
Q. 本人が退去の立ち会いに行けない場合はどうなりますか?
A. ご家族や支援者、成年後見人などが代わりに立ち会える場合があります。誰が立ち会うか、鍵の返却や書類のやり取りをどうするかを、管理会社に早めに相談しておきましょう。
Q. 部屋の荷物は、どうすればいいですか?
A. 施設に持っていけるものは限られることが多いため、施設に確認したうえで、持っていくもの・処分するものを分けます。ご家族やヘルパー、福祉事務所などに相談しながら進めましょう。粗大ごみは、岡山市の粗大ごみ受付センターに申し込んで出すことができます。
Q. 敷金が戻ってきたら、どうなりますか?
A. 戻ってきた敷金は、原則として収入として扱われるため、ケースワーカーに報告が必要です。退去のときの費用(原状回復など)が差し引かれることもあるため、精算の書類を保管しておきましょう。
Q. グループホームやサービス付き高齢者向け住宅に移る場合も同じですか?
A. グループホームやサービス付き高齢者向け住宅などは、家賃が住宅扶助の対象になる施設・住まいです。今の部屋から「住み替える」形になるため、今の部屋の解約と、新しい住まいの費用の扱いを、契約の前にケースワーカーに確認してください。
Q. 判断する力が弱くなっていて、本人が手続きできるか心配です。
A. ご本人が契約の解約などを判断することがむずかしい場合は、成年後見制度の利用を考えることがあります。ケアマネジャーや地域包括支援センター、ケースワーカーに相談してみてください。
まとめ:岡山市で施設に入るときは、解約の前にケースワーカーと相談を
- 戻る見込みがある入所(老健など)は、家賃が続けて認められる取扱いがある
- 長く暮らす施設(特養など)に入る場合は、解約を考えることが多い
- 解約は、ケースワーカーと相談してから。予告期間と、家賃が重なる期間の扱いを確認
- 荷物の整理や退去の立ち会いは、ご家族・支援者・後見人などが代わりにできる場合がある
- 戻ってきた敷金は収入として扱われるため、ケースワーカーに報告を
住み慣れた部屋を離れるのは、さみしさや不安がともなうものです。手続きは一度に全部やろうとせず、ケースワーカーさんやケアマネジャーさん、ご家族と分担しながら進めてください。一人で抱え込まず、私たちも頼ってくださいね。つらいときは、身近な人や相談窓口を頼ってください。
※ 本記事は、2026年10月時点で確認できた公表情報と、生活保護・賃貸借の一般的な取扱いにもとづく解説です。施設入所時の住宅扶助の扱いは、施設の種類や見込みの期間、世帯の状況によって異なり、担当の福祉事務所・ケースワーカーが判断します。個別の契約についての法的な判断は行っていません。
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