ハザードマップは見たけれど、この家が実際に浸水したことがあるかは分からない」
内見のとき、どこを見れば浸水の跡が分かるのだろう」
売主さんに浸水のことを聞いてもいいのか、聞き方が分からない」
中古住宅を買うとき、ハザードマップで将来の浸水の想定を見る方は増えています。ただ、その家や周りが、過去に実際に浸水したことがあるかは、ハザードマップだけでは分かりません。
この記事では、岡山で中古住宅を買う前に浸水履歴を調べる方法を、記録で調べる・現地で見る・人に聞くの3つに分けて整理しました。
ハザードマップは将来の想定、浸水実績は過去に実際に起きたことです。両方を見ましょう。記録では、岡山県が公表している「浸水実績」(平成23年9月の台風12号と平成30年7月豪雨の浸水実績図。砂川・百間川・倉安川・笹ヶ瀬川などの流域ごと)が手がかりになります。内見では、壁や基礎の水の跡、床下のにおい、一部だけ新しい床や壁紙などを見ます。そして、売主に質問し、告知書の浸水の欄を書面で確かめることが大切です。
ハザードマップと浸水実績のちがい
| 項目 | ハザードマップ | 浸水実績 |
|---|---|---|
| 何か | 大雨でこれから起こりうる浸水の想定 | 過去の災害で実際に浸水した範囲 |
| 分かること | 最悪の場合の深さ・範囲 | 実際に水が来た場所 |
| 注意 | 想定を超えることもある | 対策工事で、今は状況が変わっていることもある |
どちらか一方ではなく、両方を見ることで、その家のリスクをより具体的に考えられます。
方法① 記録で調べる
岡山県「岡山県における浸水実績」
岡山県(河川課)は、過去の災害の浸水実績図を公表しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の災害 | 平成23年9月 台風12号、平成30年7月豪雨 |
| 対象の河川(流域)の例 | 砂川、百間川、倉安川、笹ヶ瀬川、千町川、足守川、干田川、倉敷川、高梁川など |
| 形式 | 河川の流域ごとのPDFの地図 |
買いたい家がある流域の地図を開き、家の場所が浸水した範囲に入っているかを確かめます。
岡山市の浸水(内水)ハザードマップ
岡山市の内水(大雨で下水道や水路からあふれる浸水)のハザードマップは、これまで被害の大きかった雨をもとに作られています。19の小学校区ごとの地図で、過去に内水の被害があった地域の目安になります。
国土地理院の地理院地図
国土地理院の地理院地図では、土地の成り立ち(昔の川の跡、低い土地など)や、古い空中写真を見ることができます。昔は田んぼや川だった場所は、水がたまりやすいことがあります。
国土交通省の重ねるハザードマップ
国土交通省の「重ねるハザードマップ」では、洪水・土砂災害・高潮などの情報や、地形の情報を重ねて見ることができます。
岡山でも大きな浸水の被害があった
岡山市の資料によると、平成30年7月豪雨では、市内で床上浸水3,285棟、床下浸水4,399棟の被害が出ました。「晴れの国だから大丈夫」ではなく、過去の実績を確かめることが大切です。
方法② 現地で見る|内見で見るサイン
内見のときは、次のような点を見てみましょう。あくまで手がかりで、これだけで浸水したと決めつけるものではありません。
| 見る場所 | 見るサイン |
|---|---|
| 外壁・塀・基礎 | 同じ高さに横に続く線のような跡、汚れ |
| 床下(点検口から) | カビ、におい、湿気、泥の跡 |
| 室内 | 一部の部屋だけ床や壁紙、建具が新しい |
| 設備 | 給湯器や室外機が架台で高く設置されている、止水板や土のうがある |
| 敷地・周り | 敷地が周りの道より低い、近くに水路がある、近所の家がかさ上げされている |
リフォームされている=浸水した、とは限りません。 気になる点があれば、「ここはいつ、なぜ直したのですか」と聞くのが一番です。
方法③ 人に聞く|売主への質問リスト
売主への質問
売主には、不動産会社を通して聞くことができます。次のような質問を、書面(告知書)で答えてもらうと安心です。
- この家や敷地が、浸水・冠水したことはありますか。(時期、どんな雨・台風か)
- どこまで水が来ましたか。(敷地だけ、床下、床上、何cm程度)
- 原因は何だと思いますか。(川、側溝・水路、道路からの流れ込みなど)
- どこを、いつ、どう直しましたか。(修繕の記録、業者、費用)
- 保険金を請求したり、り災証明書を受けたりしましたか。
- その後、止水板やかさ上げなどの対策をしましたか。
- 家の前の道路が冠水したことはありますか。
- 前の所有者やご家族から、浸水のことを聞いていますか。
売主が知っている浸水の事実は、告知書(物件状況等報告書)に書いてもらうのが一般的です。口頭だけでなく、書面で残る形にしておきましょう。
近所の方に聞く
近所の方は、大雨のときの様子をよく知っていることがあります。散歩のついでなど、失礼にならない範囲で「大雨のとき、この辺りは水がたまりますか」と聞いてみるのも一つの方法です。
不動産会社に確認を頼む
不動産会社は、重要事項説明で水害ハザードマップ上の位置を説明します(2020年8月28日から義務)。過去の浸水についても、分かる範囲で調べてほしいと伝えておきましょう。
分からないときは|「分からない」を書面に
売主が「分からない」と答えることもあります。その場合は、
- 「浸水はなかった」ではなく「分からない」と書面に残してもらう
- 気になるときは、建物状況調査(インスペクション)で床下や基礎の状態を確かめる
- 水災補償を含む保険の見積もりをとって、住んだあとの備えを考える
確認できないことを「なかった」とされないようにすることが、あとで困らないための大切なポイントです。
例で考える|東区の中古戸建て(仮)
| 調べたこと | 結果(仮) | 次にすること |
|---|---|---|
| 岡山県の浸水実績図 | 平成30年7月豪雨の浸水範囲の近くにある | 売主に当時の様子を聞く |
| 内見 | 1階の和室だけ畳と壁紙が新しい、基礎に薄い線の跡 | 「いつ、なぜ直したか」を聞く |
| 売主への質問 | 「2018年に床下まで浸水。消毒と乾燥をした」 | 告知書に書いてもらう、修繕の記録を見せてもらう |
| 建物状況調査 | 床下の木材に大きな傷みはない(仮) | 保険の見積もりをとって、買うか判断 |
このように、記録・現地・人の話を組み合わせると、「過去に何があって、今どうなっているか」が見えてきます。
当社にできること・できないこと
当社は、岡山市北区奉還町で売買仲介を行い、保険代理店も営んでいる不動産会社です。
当社がお手伝いできるのは、浸水実績図やハザードマップでの確認、売主への質問の取り次ぎと、告知書での確認、建物状況調査(インスペクション)の手配のご相談、そして水災補償を含む火災保険のご相談です。
一方で、その家が災害に対して安全かどうかを判断したり、保証したりすることはできません。法的な判断は弁護士、建物の専門的な判断は建築士などにご相談ください。
よくあるご質問
中古住宅が過去に浸水したかどうかは、どうやって調べますか。
記録で調べる、現地で見る、人に聞くの3つの方法があります。岡山県が公表している浸水実績図、内見での水の跡などのサイン、売主への質問と告知書での確認を組み合わせるのがおすすめです。
岡山の浸水実績図はどこで見られますか。
岡山県(河川課)の「岡山県における浸水実績」のページで、平成23年9月の台風12号と平成30年7月豪雨の浸水実績図が、砂川・百間川・倉安川・笹ヶ瀬川などの流域ごとのPDFで公表されています。
ハザードマップと浸水実績は何がちがいますか。
ハザードマップは、大雨でこれから起こりうる浸水の想定です。浸水実績は、過去の災害で実際に浸水した範囲です。想定を超えることもあれば、対策工事で状況が変わっていることもあるため、両方を見ましょう。
内見で浸水の跡は分かりますか。
外壁や基礎に横に続く線のような跡、床下のカビやにおい、一部の部屋だけ新しい床や壁紙などが手がかりになります。ただし、リフォームされている=浸水した、とは限りません。気になる点は売主に聞いてみましょう。
売主に浸水のことを聞いてもよいですか。
聞いてかまいません。不動産会社を通して、浸水の有無、時期、程度、修繕、その後の対策などを聞き、告知書(物件状況等報告書)に書いてもらうと安心です。
売主が「分からない」と答えた場合はどうすればよいですか。
「浸水はなかった」ではなく「分からない」と書面に残してもらいましょう。気になるときは、建物状況調査(インスペクション)で床下や基礎の状態を確かめる方法もあります。
岡山でも大きな浸水の被害はありましたか。
岡山市の資料によると、平成30年7月豪雨では、市内で床上浸水3,285棟、床下浸水4,399棟の被害が出ました。過去の実績を確かめておくことが大切です。
気になる中古住宅の浸水履歴、一緒に確かめます
浸水実績図やハザードマップでの確認、売主への質問の取り次ぎと告知書での確認、建物状況調査の手配のご相談、水災補償を含む火災保険のご相談まで。
- 電話で相談する:086-239-3296(10:00〜18:00/水曜定休)
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※当社は、その家が災害に対して安全かどうかの判断や保証はできません。
調べる手間は、安心して住むための準備です。 「浸水したことがある家かも」と不安になるのは、慎重に家を選ぼうとしているからこそです。記録・現地・人の話を一つずつ確かめて、納得できる家を一緒に選んでいきましょう。急がなくても大丈夫です。
最終更新日:2026年9月26日
確認先:岡山県(岡山県における浸水実績)、岡山市(平成30年7月豪雨における状況、浸水〈内水〉ハザードマップ)、国土交通省(水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明の義務化、重ねるハザードマップ)、国土地理院(地理院地図)。公表資料は更新されることがあります。最新は各機関のページでご確認ください。
(この記事は一般的な情報の整理です。当社は、その家が災害に対して安全かどうかの判断や保証はできません。)
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