「実家を売ろうとしたら、不動産会社から『水道管が隣の家の敷地を通っているかもしれない』と言われた」
「昔からそうだったらしいけれど、書類も何もない。このまま売っても大丈夫なのだろうか」
古い住宅地では、水道管(給水管)が隣の家の敷地を通って引き込まれていることがあります。建てた当時は近所同士の話し合いで済ませていたことも多く、書面が残っていないケースも珍しくありません。
ところが売却のときには、買主や金融機関から「将来も問題なく水道を使えるか」を確認されることがあります。この記事では、相続した家の水道管が隣地を通っている場合に、岡山で売却前に確認しておきたいことをまとめました。
- まず水道管のルートを、岡山市水道局の記録や現地の状況で確認しましょう。
- 隣地を通っている場合は、隣地所有者との承諾書・覚書があるかを確認し、なければ作成を検討します。
- 状況によっては、前面道路から自分の敷地に引き直す工事も選択肢になります。
- 2023年4月施行の改正民法で、ライフラインの設備を他の土地に設ける権利のルールが整理されました。ただし、隣地所有者との話し合いが大切なことに変わりはありません。
なぜ売却で問題になるのか
- 買主の不安:隣地の所有者が変わったときに、配管の撤去を求められないか心配されることがあります。
- 修理のしにくさ:水漏れなどの修理のときに、隣地に入らせてもらう必要があります。
- 建て替えへの影響:隣地側が建て替えるときに、配管の移設が必要になることがあります。
- 住宅ローンの審査:金融機関によっては、配管の越境について確認を求められることがあります。
ステップ1:水道管のルートを確認する
岡山市水道局では、給水装置工事や不動産売買のために、給水管の記録(管路図など)を調べることができます。給水管の調査の窓口は、岡山市水道局 配水部 給水課(電話 086-271-5411)です。
- 水道局の記録で、どこから給水管が引き込まれているか
- 水道メーターの位置(自分の敷地か、隣地か)
- 前面道路に水道の本管(配水管)が通っているか
- 隣の家と給水管を共用していないか(1本の管から分かれていないか)
- 排水管(下水・浄化槽)も隣地を通っていないか
記録だけでは分からない場合は、水道工事の業者に現地を調べてもらう方法もあります。あわせて、敷地の境界がはっきりしているかも確認しておくと、配管がどこを通っているかを説明しやすくなります。
ステップ2:隣地所有者との取り決めを確認する
隣地を通っている場合は、過去にどんな取り決めをしていたかを確認しましょう。
- 隣地所有者との承諾書・覚書が残っていないか
- 水道工事の申込みのときに出した土地の承諾書の控えがないか
- 隣地の今の所有者は誰か(相続や売却で変わっていないか)
書面がない場合は、売却の前に隣地所有者と話し合い、承諾書や覚書を作成することを検討します。書面には、配管が通っている場所、修理のときの立ち入り、将来の取り扱いなどを書いておくと、買主にも説明しやすくなります。内容は、司法書士や弁護士、不動産会社に相談しながら決めると安心です。
2023年4月施行の改正民法のルール
2023年4月1日に施行された改正民法では、電気・ガス・水道水などの供給を受けるために必要な範囲で、他の土地に設備を設置したり、他人の設備を使用したりする権利が明確にされました(民法第213条の2・第213条の3)。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 電気・ガス・水道水の供給など、生活に必要な継続的な給付 |
| 条件 | 他の土地に設備を設置しなければ供給を受けられないときなど、必要な範囲で |
| 事前の通知 | 設置・使用の前に、土地の所有者と使用者に、目的・場所・方法を通知する |
| 償金・費用 | 土地の所有者に生じた損害に対する償金や、設備を使う場合の費用負担がある |
この改正で、ライフラインの設備についての考え方は整理されましたが、すでにある配管の扱いや、隣地との関係はケースによって異なります。法律があるからといって一方的に進めるのではなく、隣地所有者との話し合いを大切にしましょう。具体的な判断は、弁護士などの専門家に相談してください。
ステップ3:引き直し工事を検討する
前面道路に水道の本管が通っている場合は、道路から自分の敷地に直接、給水管を引き直す方法もあります。
| 方法 | よい点 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 承諾書を作って現状のまま売る | 工事費がかからない | 隣地所有者の協力が必要。買主によっては不安が残ることも |
| 前面道路から引き直してから売る | 隣地との関係が解消され、買主が安心しやすい | 工事費がかかり、水道局への負担金が必要な場合もある。道路の掘削が必要なことも |
| 買主の工事を前提に価格を調整する | 売主の手間が少ない | 工事費の見込みを示し、価格に反映する |
引き直し工事は、岡山市水道局の指定給水装置工事事業者に依頼します。工事費や、必要な場合の水道局への負担金は、口径や距離、道路の状況によって変わるため、見積もりで確認しましょう。
買主に伝えたいこと
不動産の売買では、飲用水の供給や排水のための施設の整備状況が重要事項として説明されます。水道管が隣地を通っている場合は、次の内容を整理して伝えましょう。
- 給水管がどこを通っているか(図面や写真)
- 隣地所有者との承諾書・覚書の有無と内容
- 過去の水漏れや修理の記録
- 引き直す場合の工事費の見込み
知っている越境を伝えずに売却すると、後から契約不適合責任を問われるおそれがあります。告知書(物件状況等報告書)にも書いておきましょう。
売却前の確認の流れ
- 給水管の記録を調べる
岡山市水道局の給水課で、給水管のルートやメーターの位置を確認します。 - 現地と境界を確認する
必要に応じて水道業者や土地家屋調査士に調べてもらいます。 - 隣地所有者との取り決めを確認する
承諾書・覚書がなければ、話し合いのうえで作成を検討します。 - 引き直しの見積もりをとる
前面道路から引き直す場合の費用を確認します。 - 売り方を決めて、買主に伝える
現状で売るか、引き直してから売るかを決め、告知書に記載します。
ミニクルホームにご相談ください
ミニクルホームでは、相続した家や空き家の売却のご相談をお受けしています。水道管のルートや隣地との関係をうかがったうえで、確認しておきたいことの整理や、現状で売るか引き直してから売るかの判断をお手伝いします。
まずはLINEで「水道管が隣地を通っている家を売りたい」と一言送っていただくだけでも大丈夫です。
※当社は不動産会社のため、隣地との権利関係についての法的な判断や、隣地所有者との交渉の代理はできません。弁護士・司法書士など専門家にご相談ください。
※売却価格や売却期間は、物件の状況や市場の動向によって異なります。
よくある質問
- 水道管が隣地を通っている家は売れますか?
- 売ることはできます。給水管のルートと隣地所有者との取り決めを確認し、買主に説明したうえで売却します。状況によっては、前面道路から引き直してから売る方法もあります。
- 水道管のルートはどこで調べられますか?
- 岡山市水道局では、給水装置工事や不動産売買のために給水管の記録を調べることができます。給水管の調査は配水部 給水課(086-271-5411)が窓口です。記録だけで分からない場合は、水道工事の業者に現地を調べてもらう方法もあります。
- 隣地所有者の承諾書がない場合はどうすればいいですか?
- 売却の前に隣地所有者と話し合い、承諾書や覚書の作成を検討しましょう。配管の場所、修理のときの立ち入り、将来の取り扱いなどを書いておくと、買主にも説明しやすくなります。
- 民法の改正で何が変わりましたか?
- 2023年4月1日から、電気・ガス・水道水などの供給を受けるために必要な範囲で、他の土地に設備を設置したり、他人の設備を使用したりする権利が明確にされました。事前の通知や償金・費用負担のルールもあります。具体的な扱いは専門家に相談しましょう。
- 引き直し工事にはいくらかかりますか?
- 口径や距離、道路の状況、水道局への負担金の有無などによって変わります。岡山市水道局の指定給水装置工事事業者に見積もりを依頼して確認しましょう。
まとめ
- まず水道管のルートを、水道局の記録と現地で確認しましょう。
- 隣地を通っている場合は、承諾書・覚書を確認し、なければ作成を検討します。
- 2023年4月の改正民法でライフライン設備のルールが整理されましたが、隣地との話し合いが大切です。
- 前面道路からの引き直しも選択肢です。見積もりで判断しましょう。
- 買主には図面・書面・工事費の見込みを示して伝えます。
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参考:岡山市水道局「水道管路図等閲覧及び交付申請書」/岡山市水道局「工事負担金関係」/TMI総合法律事務所「ライフラインの設備の設置・使用権(民法213条の2・213条の3)」
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