「車椅子を使っているので、段差がなくて広い部屋が必要。でも、37,000円以内ではまったく見つからない」
「80歳を過ぎて、20年住んでいる部屋の家賃が上限を少し超えている。今さら引っ越すのは体がもたない」
「住宅扶助には上限があると聞いたけれど、事情があっても超えてはいけないのだろうか」
生活保護の住宅扶助には上限があります。岡山市の単身世帯なら37,000円が目安です。ただ、体の状態や年齢、地域の住宅事情によっては、どうしてもその範囲では暮らせる部屋が見つからないという方もいらっしゃいます。
そうした場合のために用意されているのが、住宅扶助の「特別基準」です。やむを得ない事情があると認められれば、通常の上限の1.3倍までの家賃が住宅扶助として認められることがあります。
この記事では、特別基準とは何か、どんな場合に認められやすいのか、岡山市での金額の目安、そして相談の進め方を整理します。「どうせ上限は超えられない」とあきらめる前に、ぜひ読んでみてください。
結論|やむを得ない事情があれば、上限の1.3倍まで認められることがある
- 何ができるか:通常の上限を超える家賃でも、上限の1.3倍の範囲内で住宅扶助として認められることがある(7人以上の世帯はさらに1.2倍)
- どんなときか:世帯の人数、世帯員の状況、地域の住宅事情から見て、やむを得ないと認められるとき
- 代表的なケース:車椅子などで広い部屋が必要/高齢などで転居が難しい/地域に上限内で借りられる部屋がない
- 岡山市の単身なら:37,000円 × 1.3 = 計算上おおむね48,100円が目安
- 注意点:自動では適用されない。事情を伝えて相談し、福祉事務所が判断する
特別基準とは何か
国の通知では、特別基準についておおむね次のように定められています。
限度額によりがたい家賃、間代、地代等であって、世帯員数、世帯員の状況、当該地域の住宅事情によりやむを得ないと認められるものについては、限度額に1.3を乗じて得た額(7人以上の世帯については、この額にさらに1.2を乗じて得た額)の範囲内において、特別基準の設定があったものとして、必要な額を認定することができる。
(生活保護の実施要領における住宅扶助の取扱いの要旨)
ポイントは3つの言葉です。
「限度額によりがたい」
通常の上限では、どうしても必要な住まいを確保できない、という意味です。
「やむを得ないと認められる」
本人の好みではなく、体の状態や年齢、地域の事情などから、ほかに方法がないと判断される、という意味です。
「1.3を乗じて得た額の範囲内」
上限が無制限になるわけではなく、通常の上限の1.3倍までが目安、という意味です。
つまり特別基準は、「上限の範囲では、その人にとって最低限必要な住まいが手に入らない」ときに、上限を広げるための仕組みです。より良い部屋に住むための制度ではなく、必要な住まいを確保するための制度だと考えてください。
どんな場合に認められるか|代表的な3つのケース
国の資料などでは、特別基準が適用される場合の例として、次の3つが挙げられています。
① 車椅子を使うなど、通常より広い部屋が必要な場合
車椅子で暮らすには、方向転換できる広さ、段差のない床、広めのトイレや浴室が必要です。こうした条件を満たす部屋は、一般的な単身向けの部屋より家賃が高くなりがちです。障害のために特に広い部屋が必要な場合は、特別基準の代表的な対象とされています。
② 高齢などで、今の住まいからの転居が難しい場合
長年住み慣れた部屋の家賃が上限をわずかに超えていて、高齢などのため、これまでの暮らしの状況から見て転居が難しいと認められる場合です。引っ越しそのものが体に大きな負担になる、地域の見守りや通院先から離れると暮らしが成り立たない、といった事情が考慮されることがあります。
③ 地域に、上限内で借りられる部屋がない場合
その地域で、通常の上限の範囲内で借りられる部屋が実際に見つからない場合です。世帯の人数が多く、必要な広さの部屋が上限内にない、といったケースも考えられます。
この3つに限られるわけではありません
上の3つは代表的な例です。通知の言葉は「世帯員数、世帯員の状況、当該地域の住宅事情によりやむを得ない」とされているため、たとえば病気や障害のために特定の設備や環境が必要といった事情が、個別に検討されることもあります。ご自身の事情が当てはまるか分からない場合も、まずは伝えてみてください。
判断するのは福祉事務所です
特別基準を適用するかどうか、どの額まで認めるかは、世帯の状況を見て、お住まいの区の福祉事務所が判断します。ここで挙げた例に当てはまれば必ず認められる、というものではありません。実際の扱いは必ず担当のケースワーカーへご確認ください。
岡山市での金額の目安
岡山市の住宅扶助の上限に1.3を掛けた、計算上の目安です。
| 世帯人数 | 通常の上限 | 特別基準の計算上の目安 |
|---|---|---|
| 1人 | 37,000円 | おおむね48,100円 |
| 2人 | 44,000円 | おおむね57,200円 |
| 3〜5人 | 48,000円 | おおむね62,400円 |
| 6人 | 52,000円 | おおむね67,600円 |
| 7人以上 | 58,000円 | おおむね90,480円(×1.3×1.2) |
単身の場合、1.3倍の48,100円は、岡山市の3〜5人世帯の上限48,000円とほぼ同じ水準です。「単身でも、家族世帯と同じくらいの家賃まで認められることがある」とイメージすると分かりやすいと思います。
表の金額は計算上の目安です
1.3倍は「上限」であり、その額まで必ず認められるわけではありません。実際には、事情に照らして必要と認められる額が認定されます。また、住宅扶助の上限は世帯人数や年度によって変わることがあります。正確な金額は、必ず担当のケースワーカー・お住まいの区の福祉事務所でご確認ください。
車椅子対応・1階・段差なしの部屋探し、ご相談ください
必要な条件を満たす物件を探し、
福祉事務所に相談するための資料づくりもお手伝いします。
営業時間 10:00〜18:00/定休日 水曜日・不定休
自動では適用されません|相談の進め方
特別基準は、条件に当てはまれば自動的に上限が上がる、というものではありません。事情を伝えて相談し、福祉事務所に判断してもらう必要があります。
ステップ1|必要な住まいの条件を、具体的に整理する
「車椅子なので1階で段差がないこと」「トイレと浴室に手すりと広さが必要」「通院のため〇〇病院から通える範囲」など、なぜその条件が必要なのかを言葉にしておきます。
ステップ2|事情を裏付ける資料を用意する
事情によっては、次のような資料が判断の助けになることがあります。
- 身体障害者手帳など、障害の状況が分かるもの
- 医師の意見書や診断書(必要な住環境について書かれたもの)
- 介護保険の要介護認定の結果
- 上限内で条件に合う物件を探したが見つからなかったことが分かる記録(不動産会社に探してもらった物件の一覧など)
どんな資料が必要かは事情によって違います。そろっていなくても相談はできますので、まずは担当のケースワーカーに何を用意すればよいか聞いてみてください。
ステップ3|物件を決める前に、ケースワーカーへ相談する
これがいちばん大切です。特別基準が認められるかどうかは、賃貸の契約を結ぶ前に確認してください。先に契約してしまうと、上限を超えた分を自分で払い続けることになったり、初期費用の扶助が受けられなかったりすることがあります。
候補の物件が見つかったら、間取り図と見積書を持ってケースワーカーに相談しましょう。判断に時間がかかることもあるため、急ぎの転居の場合は、早めに動き出すことをおすすめします。ケースワーカーは、制度の中で使える道を一緒に探してくれる相手です。
数字でイメージしてみます
岡山市の単身世帯を例にした、考え方の例です。
例1|車椅子を使う単身の方・1階で段差のない部屋・家賃46,000円
通常の上限37,000円は超えるが、特別基準の目安おおむね48,100円の範囲内
→ 特別基準が認められれば、46,000円が住宅扶助として認定される可能性
例2|85歳の単身の方・20年住む部屋・家賃41,000円
通常の上限を4,000円超えているが、高齢で転居が難しい事情がある
→ 特別基準が認められれば、今の部屋に住み続けながら41,000円が認定される可能性
例3|特別基準が認められなかった場合・家賃42,000円
通常の上限37,000円が適用される
→ 超えた5,000円は生活扶助から払うことになり、住まいの見直しを相談されることもある
数字はあくまで考え方の例です
特別基準が認められるか、どの額まで認められるかは、世帯の状況を見て福祉事務所が判断します。上の例は仕組みをイメージしていただくための目安としてお読みください。
特別基準があっても、気をつけたいこと
共益費・管理費は別
特別基準は家賃部分の上限の話です。共益費や管理費は、特別基準が認められても住宅扶助の対象にはならず、生活扶助から払うのが一般的です。
1.3倍まで「必ずもらえる」わけではない
住宅扶助は家賃の実費を支給する仕組みです。1.3倍は上限で、実際の家賃の範囲で、必要と認められる額が認定されます。
事情が変わると見直されることがある
体の状態や世帯の状況が変わった場合、特別基準の扱いも見直されることがあります。
「特別基準が出るから大丈夫」という言葉を鵜呑みにしない
物件を紹介される際に、「特別基準が認められるから高めの部屋でも問題ない」と言われることがあるかもしれません。認めるかどうかを決めるのは福祉事務所です。契約の前に、必ずご自身でケースワーカーに確認してください。
床面積で上限が下がる仕組みとの関係
住宅扶助には、特別基準とは反対向きの仕組みもあります。単身世帯で部屋の床面積が15㎡以下の場合、上限が段階的に引き下げられる、というものです。
特別基準:広い部屋や特別な事情が必要な場合に、上限を引き上げる
床面積による減額:狭すぎる部屋の場合に、上限を引き下げる
どちらも、その人にとって適切な住まいに、適切な家賃で住めるようにするという同じ考え方から作られています。部屋を探すときは、家賃と広さの両方を見ておくと安心です。
よくあるご質問
Q1. 住宅扶助の特別基準とは何ですか?
通常の上限では必要な住まいを確保できず、世帯員数、世帯員の状況、地域の住宅事情からやむを得ないと認められる場合に、上限の1.3倍(7人以上の世帯はさらに1.2倍)の範囲内で家賃を住宅扶助として認める仕組みです。判断は福祉事務所が行います。
Q2. どんな場合に特別基準が認められますか?
代表的な例として、車椅子を使うなど通常より広い部屋が必要な場合、高齢などで従来の生活状況から見て転居が難しい場合、地域に通常の上限内で借りられる部屋がない場合が挙げられています。これらに限られず、事情に応じて個別に検討されます。
Q3. 岡山市の単身世帯では、特別基準でいくらまで認められますか?
岡山市の単身の上限37,000円に1.3を掛けると、計算上おおむね48,100円が目安になります。ただし1.3倍は上限であり、実際には事情に照らして必要と認められる額が認定されます。正確な金額は担当のケースワーカーへご確認ください。
Q4. 特別基準は申請しないと適用されませんか?
条件に当てはまれば自動的に上限が上がる仕組みではありません。必要な住まいの条件と事情を担当のケースワーカーに伝えて相談し、福祉事務所に判断してもらう必要があります。物件を契約する前に相談してください。
Q5. 特別基準を相談するときに必要な書類はありますか?
事情によって異なりますが、身体障害者手帳、医師の意見書や診断書、要介護認定の結果、上限内で条件に合う物件が見つからなかったことが分かる記録などが判断の助けになることがあります。そろっていなくても相談はできますので、何を用意すればよいかケースワーカーに確認してください。
Q6. 特別基準が認められれば、共益費も住宅扶助で出ますか?
特別基準は家賃部分の上限を引き上げる仕組みです。共益費や管理費は、特別基準が認められても住宅扶助の対象にはならず、生活扶助から払うのが一般的です。
まとめ
- 特別基準は、やむを得ない事情があるときに上限を広げる仕組み
- 上限の1.3倍まで(7人以上の世帯はさらに1.2倍)が目安
- 代表例は、車椅子などで広い部屋が必要/高齢などで転居が難しい/地域に上限内の部屋がない
- 岡山市の単身なら、計算上おおむね48,100円が目安
- 自動では適用されない。事情と資料をそろえてケースワーカーへ相談する
- 物件を契約する前に、特別基準が認められるか確認する
- 共益費・管理費は特別基準の対象外。1.3倍まで必ずもらえるわけではない
- 「特別基準が出るから大丈夫」という言葉は、福祉事務所で確認するまで鵜呑みにしない
住宅扶助の上限は、多くの方にとっての目安です。けれど、すべての人がその範囲で暮らせる部屋を見つけられるわけではありません。必要な住まいを確保するために上限を超える必要があるなら、それを相談すること自体は、まったく遠慮することではありません。
体の状態や年齢のことで、「わがままだと思われたくない」と、必要な条件を言い出せずにいる方もいらっしゃると思います。けれど、車椅子で入れない部屋や、通院できない場所での暮らしは、そもそも成り立ちません。必要な条件を伝えることは、わがままではなく、暮らしを続けるための大切な一歩です。言いにくいときは、支援者の方や不動産会社と一緒に相談に行くこともできます。ひとりで我慢を重ねないでください。
必要な条件を満たす住まい探し、ご相談ください
ミニクルホームは、岡山市北区・中区・南区・東区を中心に、生活保護を受給されている方のお部屋探しをお手伝いしている不動産会社です。
「車椅子でも暮らせる部屋を探したい」「高齢で、今の部屋に住み続けたい」「上限内で条件に合う物件が見つからない」——どの段階でも大丈夫です。必要な条件を満たす物件探しに加えて、上限内で探した物件の記録など、ケースワーカーへの相談に役立つ資料づくりもお手伝いします。ご家族や支援者の方からのご相談も歓迎します。
086-239-3296 💬 LINEで相談する
24時間メッセージ受付 ✉️ メールで相談する
対応エリア:岡山市北区・中区・南区・東区を中心に、倉敷市・玉野市・瀬戸内市・備前市・総社市など周辺エリアもご相談ください。
※ 記事内の金額は上限に1.3を掛けた計算上の目安です。特別基準の適用の可否や認定額は、世帯の状況・年度により福祉事務所が判断しますので、担当のケースワーカー・お住まいの区の福祉事務所へご確認ください。
※ 当社は不動産業者であり、特別基準の適用を判断したり、保証したりすることはできません。賃貸の契約は、ケースワーカーの確認を受けてから結ぶようにしてください。
株式会社ミニクルホーム
所在地:〒700-0026 岡山県岡山市北区奉還町二丁目19番14号(JR岡山駅西口 徒歩7分)
電話:086-239-3296/FAX:086-239-3323
メール:minikuru@bc.wakwak.com
営業時間:10:00〜18:00/定休日:水曜日・不定休
宅地建物取引業免許:岡山県知事(3)第5473号
業務内容:売買仲介・賃貸仲介・賃貸管理・空室対策コンサル・不動産投資コンサル・内外装リフォーム・古民家再生・空き家管理及び対策相談・保険代理店
あわせて読みたい記事
住宅扶助の上限・上限を超える場合・高齢や通院の事情について、気になるものからご覧ください。
CUSTOMER VOICE
お客様の声
Googleマップへ寄せられたミニクルホームのお客様の声を、 プライバシーに配慮して一部抜粋・匿名化してご紹介します。
※Googleマップに投稿された口コミの一部を、 意味を変えない範囲で抜粋・匿名化して掲載しています。 口コミは個人の感想です。
LINEで事前相談
電話で相談する
tel:0862393296
株式会社ミニクルホーム
住所:岡山県岡山市北区奉還町二丁目19番14号
電話番号:
tel:0862393296
不動産探し・お部屋探しでのご相談はこちらからどうぞ
岡山県知事(3)第5473号
会社概要
株式会社ミニクルホーム
業務内容:
売買仲介・賃貸仲介・管理・賃貸空室対策コンサルタント・内装リフォーム保険代理店
住所:岡山県岡山市北区奉還町二丁目19番14号
JR岡山駅西口徒歩7分
FAX :086-239-3323
メールアドレス:minikuru@bc.wakwak.com
しかける賃貸満室マン 城井 仁 (しろい ひとし)
LINEで事前診断



![DIY リフォームOKの賃貸 古民家[岡山市北区日近]](https://minikuruhome.co.jp/wp-content/uploads/2018/11/IMGP2283-150x150.jpg)

