買取業者の査定額が、思っていたよりずっと低かった」
仲介で売り出したら、いつ売れるか分からないのが不安」
空き家のまま固定資産税と草刈りの費用を払い続けるのもつらい」
市街化調整区域にある実家を売ると決めたとき、多くの方が迷うのが、仲介で買主を探すか、不動産会社などに買い取ってもらうかです。調整区域の家は、買主が住宅ローンを使いにくいことなどから、売れるまでに時間がかかることもあれば、買取の価格が低くなることもあります。
この記事では、値段の付き方のちがい、売れるまでの期間の目安、そして手元に残るお金での比べ方を整理しました。
仲介は買主が払ってもよい価格で売るため、値段は高くなりやすい一方、調整区域では半年〜1年以上かかることもあります。買取は業者が直して売るときの見込みから費用と利益を引いた価格になるため、仲介の相場のおおむね6〜8割と説明されることが多く、調整区域ではさらに低くなることもあります。その代わり、条件が合えばおおむね1〜2か月で現金化でき、片付けや手数料がかかりにくいこともあります。売り出し価格だけでなく、手数料・片付け・売れるまでの維持費を差し引いた「手元に残るお金」と「かかる時間」で比べましょう。
値段の付き方のちがい
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 買う人 | 個人(家を探している方、隣地の方など) | 不動産会社・買取業者 |
| 値段の決まり方 | 近くの取引事例などをもとにした相場。買主が「この値段なら買いたい」と思う価格 | 業者がリフォームして売るときの見込み価格から、工事費・税金・経費・利益を差し引いた価格 |
| 値段の目安 | 相場。ただし売れなければ値下げすることも | 仲介の相場のおおむね6〜8割と説明されることが多い。調整区域ではもっと低くなることや、断られることもある |
| 値段の確実さ | 買主が決まるまで確定しない | 査定の時点で、おおむね見通しが立つ |
買取の価格が低いのは、業者が買ったあとに、直して売るまでの費用と、売れ残る可能性を引き受けるからです。安く買いたたかれている、とは限りません。
調整区域では、買取業者も慎重になる
調整区域の家は、業者にとっても再販しにくい物件です。そのため、次のような家は、買取価格が大きく下がったり、買取自体を断られたりすることがあります。
- 分家住宅・農家住宅など、住める人が限られる家で、許可の見通しが立たない
- 建て替えられるか分からない
- 道路に接していない、上下水道がないなど、土地の条件が厳しい
- 農地が付いていて、手続きが多い
一方で、線引き前から建っている家や、50戸連たんで許可を受けて建てた家など、買った人が使える家は、仲介でも買取でも話が進みやすい傾向があります。
売れるまでの期間の目安
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 一般的な目安 | おおむね3〜6か月 | おおむね1〜2か月 |
| 調整区域では | 半年〜1年以上かかることも | 業者が見つかれば同じくらい。見つからないこともある |
| 期間が延びる理由 | 住宅ローンが使いにくく買主が限られる、許可の確認に時間がかかる | 許可や境界の確認が必要な場合 |
調整区域の家を仲介で売るときは、許可の確認や書類集めを売り出す前に済ませておくと、買主が見つかってから止まることが少なくなります。
手元に残るお金で比べる|仮の数字の例
岡山市東区の調整区域にある、築40年の空き家(線引き前から建つ家)を売るケースで考えてみます。数字はすべて仮のものです。
| 項目 | 仲介(650万円で売れた場合) | 仲介(1年後に550万円まで下げて売れた場合) | 買取(450万円) |
|---|---|---|---|
| 売れた価格 | 650万円 | 550万円 | 450万円 |
| 仲介手数料(上限で計算) | −33万円 | −33万円 | 0円(業者に直接売る場合) |
| 家財の片付け | −30万円 | −30万円 | 0円(そのままで引き取ってもらえた場合) |
| 売れるまでの維持費(固定資産税・草刈り・管理など) | −6万円(6か月) | −12万円(1年) | −1万円(1か月) |
| 手元に残るお金の目安 | 約581万円 | 約475万円 | 約449万円 |
| かかった時間 | 約6か月 | 約1年 | 約1か月 |
この例では、650万円で売れれば仲介のほうが130万円ほど多く残ります。ただし、値下げを重ねて1年かかった場合、差は30万円弱まで縮まります。どちらがよいかは、「いくらなら売れそうか」「どれくらい待てるか」によって変わります。
税金(譲渡所得税など)は、この表には入れていません。 相続した空き家には、要件を満たせば使える特例もあります。売る前に税理士または税務署にご確認ください。
仲介手数料の特例(800万円以下)
2024年7月から、売買価格が800万円以下の宅地・建物は、媒介契約のときに事前に説明し、合意したうえで、仲介手数料の上限を33万円(税込)までとする特例ができました。調整区域の空き家は、この価格帯になることも多いので、査定のときに手数料の金額も確かめておくと安心です。
仲介が向く場合・買取が向く場合
| 仲介が向く場合 | 買取が向く場合 |
|---|---|
| 買った人が使える家(線引き前の家、50戸連たんで建てた家など) | 許可の見通しが立たない家で、仲介では買主が見つかりにくい |
| 急がない(半年〜1年は待てる) | 早く手放したい事情がある(遠方に住んでいる、維持費がつらい、相続人で分けたい) |
| 家の状態が比較的よい | 傷みが大きい、雨漏りなどがある |
| 家財を片付けられる | 家財がたくさん残っていて、片付けが難しい |
| 隣地の方や地元の方に買いたい人がいそう | 売ったあとの不具合の責任を負いたくない |
売ったあとの責任(契約不適合責任)
仲介で個人に売る場合、雨漏りやシロアリなど、契約の内容と合わない不具合があとで見つかると、売主が責任を問われることがあります。古い空き家では、責任を負わない、または期間を短くする特約を付けることが多いですが、買主との話し合いで決まります。買取では、業者が責任を問わない条件で買うことが多いのも特徴です。
両方を組み合わせる方法
仲介と買取は、どちらか一方に決める必要はありません。
- まず仲介で期間を決めて売り出し、売れなければ買取に切り替える(例:3〜6か月)
- 仲介と同時に、買取業者の査定もとっておく(「最低でもこの金額で売れる」という目安になる)
- 隣地の方に先に声をかけてから、一般に売り出す
買取の査定額は、仲介で売り出すときの「下限の目安」として使えます。比べる材料がそろうと、決めやすくなります。
当社にできること・できないこと
当社は、岡山市北区奉還町で売買仲介を行っている不動産会社です。
当社がお手伝いできるのは、調整区域の空き家の査定(取引事例の根拠つき)、仲介と買取の手元に残るお金の比較、買取業者の査定の取り寄せ、隣地の方への打診、売り出す前の許可や書類の確認の段取り、そして売却です。仲介会社として、どちらか一方をおすすめすることはしません。 比べる材料をそろえて、ご家族で決めていただけるようにします。
一方で、開発許可・用途変更の許可の判断は岡山市が行います。 契約不適合責任など法的な判断は弁護士、税金の判断は税理士にご相談ください。
よくあるご質問
調整区域の空き家は、仲介と買取のどちらがよいですか。
買った人が使える家で、急がないなら、仲介のほうが手元に残るお金は多くなりやすいです。許可の見通しが立たない家、傷みが大きい家、早く手放したい事情がある場合は、買取も選択肢になります。売り出し価格ではなく、手数料・片付け・維持費を差し引いた手元に残るお金と、かかる時間で比べてください。
買取の価格は、仲介と比べてどのくらい低くなりますか。
一般に、仲介の相場のおおむね6〜8割と説明されることが多いです。調整区域の家は業者にとっても再販しにくいため、もっと低くなることや、買取を断られることもあります。
調整区域の空き家は、売れるまでどのくらいかかりますか。
仲介では一般におおむね3〜6か月が目安ですが、調整区域では買主が限られるため、半年〜1年以上かかることもあります。買取は、業者が見つかればおおむね1〜2か月で現金化できることが多いです。
なぜ買取の価格は低いのですか。
買取の価格は、業者が直して売るときの見込み価格から、工事費・税金・経費・利益を差し引いて決まるためです。業者が、売れ残る可能性や売ったあとの不具合の責任を引き受ける分も含まれています。
800万円以下の空き家の仲介手数料はいくらですか。
2024年7月から、売買価格が800万円以下の宅地・建物は、媒介契約のときに事前に説明し合意したうえで、仲介手数料の上限を33万円(税込)までとする特例があります。実際の金額は、査定のときに不動産会社にご確認ください。
仲介と買取を組み合わせることはできますか。
できます。期間を決めて仲介で売り出し、売れなければ買取に切り替える方法や、仲介と同時に買取の査定をとって下限の目安にする方法があります。
家財が残ったままでも売れますか。
買取では、家財が残ったままで引き取ってもらえることが多いです。仲介では、片付けてから売り出すのが一般的ですが、買主との話し合いでそのまま引き渡すこともあります。片付けの費用も、手元に残るお金の比較に入れてください。
仲介と買取、手元に残るお金で比べてみませんか
取引事例の根拠つきの査定、買取業者の査定の取り寄せ、隣地の方への打診、手数料・片付け・維持費を差し引いた比較まで。どちらか一方に誘導せず、比べる材料をそろえます。
- 電話で相談する:086-239-3296(10:00〜18:00/水曜定休)
- LINEで相談する(家の写真や固定資産税の課税明細書の写真をそのまま送れます)
- メールで相談する:minikuru@bc.wakwak.com
※開発許可・用途変更の許可の判断は岡山市(開発指導課 086-803-1451)が行います。法的な判断、税金の判断は当社では行えません。
どちらを選んでも、間違いではありません。 仲介で時間をかけて売るのも、買取で早く区切りをつけるのも、ご家族の事情に合っていれば、それがよい選択です。比べる材料をそろえて、納得して決められるように進めていきましょう。急がなくても大丈夫です。
最終更新日:2026年9月26日
確認先:国土交通省(宅地建物取引業者の報酬額の告示、低廉な空家等の媒介報酬の特例)、公益財団法人不動産流通推進センター(低廉な空家等の売買等の媒介報酬の特例)、岡山市開発指導課。制度は変わることがあります。
(この記事は一般的な情報の整理です。価格・期間は目安で、物件ごとに大きく異なります。開発許可・用途変更の許可の判断は岡山市が行います。当社は法的な判断、税金の判断は行えません。)
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