Spread the love

空き家をDIY賃貸にするメリットと契約で決めるべきこと

「相続した空き家を貸したいが、全面リフォームする資金がない」

「壁や床は古いけれど、借主が自由に直してくれるなら貸せるのでは?」

「DIY可として募集した後、退去時に元へ戻すのか、そのまま残すのか分からない」

このような空き家所有者にとって、DIY型賃貸借は有力な活用方法の一つです。

DIY型賃貸借とは、借主の希望を反映した改修を、借主自身または借主が依頼した施工業者が行える賃貸借です。

貸主が高額な全面リフォームを行わなくても、壁の塗装、床材の変更、棚の設置などを希望する借主へ貸し出せる可能性があります。

一方で、「DIY自由」「好きに直してよい」という一言だけで募集すると、柱を切られた、配管工事で漏水した、退去時に設備を持ち去られた、借主から改修費を請求されたなどのトラブルにつながります。

DIY賃貸で大切なのは、自由度を高めることではなく、できる工事とできない工事を分け、工事ごとの費用・所有権・修繕・退去時処理を文書で決めることです。

この記事の結論

  • DIY賃貸は、空き家所有者の初期改修費を抑えられる
  • 築古・戸建て・庭付き物件の個性を募集条件に変えられる
  • 「DIY可」だけではなく、工事ごとの事前承認を必須にする
  • 壁紙変更と柱・配管工事を同じ条件で許可しない
  • 工事費を貸主と借主のどちらが負担するか決める
  • 工事部分の所有権と入居中の修繕担当を決める
  • 退去時に残す・撤去する・原状回復するのか決める
  • 改修費の買取り・精算を行うか決める
  • 工事前後の写真・図面・材料情報を保存する
  • 建物の安全性と最低限の修繕まで借主任せにしない
この記事の主な内容
  1. DIY型賃貸借とは何か
  2. 空き家をDIY賃貸にするメリット
  3. DIY賃貸のデメリットとリスク
  4. 許可しやすい工事・慎重に判断する工事
  5. 契約で決めるべき15項目
  6. 工事申請書・承諾書・合意書の使い方
  7. 原状回復・所有権・費用精算の考え方
  8. 貸主が入居前に直すべき部分
  9. 募集から退去までの進め方
  10. DIY賃貸と売却を比較する基準

DIY型賃貸借とは?

国土交通省はDIY型賃貸借について、借主の意向を反映した改修を、借主自身または借主が依頼した施工業者が実施する賃貸借として、契約書式例やガイドブックを公表しています。[1]

一般的な賃貸住宅では、借主による増改築や模様替えを禁止し、必要な工事は貸主が行う形が中心です。

DIY型賃貸借では、貸主が工事内容を確認・承認したうえで、借主が一定範囲の改修を行います。

項目 一般的な賃貸借 DIY型賃貸借
内装変更 原則として貸主の承諾が必要で、自由度は低い 事前合意した範囲で借主が実施できる
工事費 貸主負担の修繕・改装が中心 借主負担、貸主負担、折半などを決める
工事内容 貸主または管理会社が決める 借主が申請し、貸主が承諾する
所有権 建物設備は貸主所有が基本 工事部分ごとに貸主・借主のどちらか決める
入居中の修繕 貸主の修繕と借主負担を契約で区分 DIY部分の管理・修繕担当も別途決める
退去時 通常損耗・経年変化以外を原状回復 DIY部分を残す・撤去する・元へ戻すか決める

DIY賃貸は「借主が壊れた部分をすべて直す契約」ではありません。

建物の基本的な安全性、雨漏り、給排水、電気設備、構造部分など、貸主側で対応すべき問題と、借主が希望して行うDIY工事を分けて考える必要があります。

空き家をDIY賃貸にする7つのメリット

1.貸主の初期リフォーム費用を抑えられる

通常の賃貸募集では、壁紙、床、畳、設備、外壁などを貸主負担で整えることがあります。

DIY賃貸では、借主が希望する内装部分を借主負担で施工する条件にできるため、貸主が最初から全面的な改修を行わずに募集できる可能性があります。

ただし、漏電、漏水、雨漏り、床抜け、給湯設備の故障など、居住の安全に関係する不具合まで一律に借主負担にする考え方は避けましょう。

2.築古物件の古さを個性として募集できる

一般的な賃貸住宅としては古さが弱点になる建物でも、DIYを楽しみたい人にとっては魅力になることがあります。

  • 壁を自分で塗りたい人
  • 無垢材や古材を使いたい人
  • 庭付き戸建てを探している人
  • ペットと暮らしやすい家にしたい人
  • 趣味部屋や作業スペースを作りたい人
  • 移住して自分らしい住まいを作りたい人

3.長期入居につながる可能性がある

借主が時間と費用をかけて自分好みの住まいを作ると、一般的な賃貸住宅より愛着を持ちやすくなります。

短期間で退去するとDIY費用を回収できないため、長く住みたい人との相性がよい傾向があります。

一方で、長期入居を期待して家賃を極端に下げるのではなく、契約期間、途中解約、工事費精算を整理することが重要です。

4.空室期間中の管理負担を減らせる

空き家のまま保有すると、換気、通水、草刈り、防犯、郵便物、台風後の確認などが必要です。

適切な借主が入居すれば、人が住むことで建物の異常を早く発見しやすくなり、防犯面でも空き家の状態より改善する可能性があります。

5.一般的な賃貸と異なる募集条件を作れる

岡山市周辺の築古戸建てでは、新築物件と設備で競争するより、次のような条件を組み合わせる方が特徴を出せる場合があります。

  • DIY相談可能
  • ペット飼育相談可能
  • 庭付き
  • 家庭菜園相談可能
  • 物置・趣味部屋付き
  • 原状回復を一部免除
  • 長期入居者向け

6.借主の希望に合わない改修を避けられる

貸主が費用をかけて新品の壁紙へ交換しても、借主がその色やデザインを気に入るとは限りません。

DIY型であれば、貸主は安全・機能に関わる部分を整え、仕上げ部分は借主の希望に合わせる方法が取れます。

7.売却以外の出口を作れる

売却価格が希望に合わない空き家でも、賃貸収入を得ながら保有する選択肢が生まれます。

ただし、DIYを認めたことで将来売却しにくくならないよう、奇抜な改修、構造変更、用途変更につながる工事は慎重に判断する必要があります。

DIY賃貸のデメリットとリスク

リスク 起こり得るトラブル 対策
無断工事 承諾していない壁撤去、穴あけ、設備交換 事前申請制と無断工事の禁止を特約にする
施工不良 漏水、漏電、床の傾き、内装材の剥離 専門工事は有資格業者を条件にする
所有権争い 退去時に設備を持ち去る、買取りを要求される 工事ごとに所有権と精算を決める
原状回復争い 残すと思っていた貸主と撤去したい借主が対立 残置・撤去・復旧を工事ごとに記載する
建物損傷 構造壁・柱・防水部分を傷める 禁止工事を明記し、必要時は建築士確認
近隣トラブル 騒音、粉じん、塗料臭、路上駐車 作業時間・事前挨拶・廃材処理を決める
途中解約 借主が高額改修直後に退去し精算を要求 中途解約時の費用精算を決める
法令違反 無資格電気工事、用途変更、確認申請が必要な改修 行政・建築士・専門業者へ事前確認する

DIYとして許可しやすい工事

比較的許可しやすいのは、建物の構造や安全設備へ影響しにくく、元の状態を確認しやすい工事です。

  • 壁紙の張替え
  • 室内壁の塗装
  • 既存床の上へ敷く置き型床材
  • カーテンレールの交換
  • 取り外し可能な棚の設置
  • ふすま紙・障子紙の張替え
  • 室内建具の塗装
  • 照明器具の交換範囲内での変更
  • 庭の簡易的な整備
  • 取り外し可能な収納設備

これらの工事でも、使用する材料、色、施工位置、固定方法、退去時の取扱いは事前に確認します。

貸主が慎重に判断すべき工事

工事内容 主なリスク 必要な対応
柱・梁・耐力壁の変更 耐震性・構造安全性の低下 原則禁止または建築士・施工業者の設計確認
屋根・外壁・防水工事 雨漏り、飛散、第三者被害 専門業者による施工を条件にする
電気配線・分電盤工事 感電、漏電、火災 必要な資格を持つ電気工事業者へ依頼する
給排水管・給湯器工事 漏水、階下・床下被害、ガス事故 指定・資格業者と施工記録を求める
ガス設備工事 ガス漏れ、火災、一酸化炭素中毒 ガス事業者・専門業者の確認を必須にする
浴室・キッチンの交換 防水、排水、換気、構造への影響 図面・見積書・施工業者を事前承認する
間取り変更 構造、採光、換気、避難経路への影響 建築士等へ確認する
ウッドデッキ・物置 建築確認、境界、固定資産税、撤去問題 規模・位置・法令・所有権を確認する
店舗・事務所・民泊化 用途地域、用途変更、消防、営業許可 住宅のDIYとは分けて行政確認する

「DIY可」は、無資格で電気・ガス・水道工事をしてよいという意味ではありません。

資格・届出・専門施工が必要な工事は、借主本人ではなく、適切な専門業者による施工を条件にしてください。

契約で決めるべき15項目

1.許可する工事と禁止する工事

「壁と床は変更可能」「柱・梁・屋根・外壁・配管は不可」など、工事区分を具体的にします。

工事内容を「軽微なDIYなら可」とだけ書くと、貸主と借主の認識が一致しない可能性があります。

2.工事前の申請・承認方法

借主が工事を始める前に、次の情報を申請する仕組みにします。

  • 工事場所
  • 工事内容
  • 完成予定図・参考写真
  • 使用する材料・製品
  • 固定方法・施工方法
  • 施工者・施工業者
  • 工事予定日
  • 概算費用
  • 廃材処理方法
  • 退去時の希望

3.誰が施工するか

借主本人が施工できる範囲と、専門業者へ依頼する工事を分けます。

施工業者を利用する場合は、会社名、連絡先、資格、保険加入状況、見積書を確認します。

4.工事費を誰が負担するか

費用負担 考え方 注意点
借主全額負担 借主の希望で行う内装・設備 退去時の買取り・精算がないことを明確にする
貸主全額負担 建物機能・安全性のため必要な修繕 貸主指定業者・予算上限を決める
貸主・借主で折半 双方にメリットがある改修 割合、支払時期、途中解約時の扱いを決める
家賃と相殺 借主が立替え、一定期間の賃料を減額 金額、期間、領収書、退去時の未精算を決める
フリーレント 工事期間中の家賃を免除・減額 工事未完成や入居中止の場合を決める

5.家賃・フリーレント・契約期間

借主負担のDIYを認める場合、工事費や工事期間を考慮して、家賃を抑える、一定期間無料にするなどの条件を設定することがあります。

ただし、高額工事を理由に過度な長期契約を強制するのではなく、途中解約時の費用関係を明確にします。

6.工事部分の所有権

建物と一体となって取り外せない壁・床・造作などは、貸主が所有権を取得する形が考えられます。

取り外し可能な照明、棚、家具、設備などは、契約期間中は借主所有とし、退去時に撤去するか、貸主へ譲渡するかを決められます。[2]

工事ごとの所有権記載例

  • 壁面塗装:貸主に帰属
  • 固定式造作棚:明渡し時に貸主へ無償譲渡
  • 置き型収納:借主所有・退去時撤去
  • 借主購入のエアコン:退去時撤去または無償譲渡を協議
  • 交換した水栓:貸主所有・借主による無断撤去禁止

7.入居中の管理・修繕担当

DIY部分が壊れた場合に、貸主が直すのか、借主が直すのかを決めます。

借主が取り付けた棚の緩みや塗装の剥がれは借主、既存の屋根や給排水管の劣化は貸主というように、既存部分と工事部分を区分します。

8.施工中の事故・建物損傷への責任

工事中に建物、隣家、共用部分、第三者へ損害を与えた場合の責任を決めます。

  • 借主本人のけが
  • 施工業者の事故
  • 漏水・漏電
  • 近隣住宅への損害
  • 工具・資材による傷
  • 火災・煙・臭い

借家人賠償責任、個人賠償責任、施工業者の請負業者賠償責任保険なども確認します。

9.工事前後の立会いと写真

工事前の状態、施工途中、完成後を貸主・借主双方で確認します。

国土交通省の手引きでも、書面や立会いで施工状況を確認し、協議内容との違いによるトラブルを防ぐことが示されています。[2]

10.追加工事・変更工事

最初に承諾した工事から内容を変更する場合は、再申請が必要と定めます。

「壁紙の張替えを承諾したから、壁の撤去まで可能」と解釈されないようにします。

11.作業時間・近隣対応

  • 作業可能な曜日・時間帯
  • 電動工具の使用時間
  • 塗料・接着剤の臭い対策
  • 資材搬入車両の駐車
  • 共用通路・道路の養生
  • 近隣への事前挨拶
  • 苦情発生時の連絡先

12.廃材・残置物の処理

古い壁紙、床材、木材、設備、塗料缶、廃家電などを誰が処分し、費用を負担するか決めます。

借主が撤去した貸主所有の設備を、貸主の承諾なく処分しないことも明記します。

13.退去時の残置・撤去・原状回復

DIY部分ごとに、次のどれに該当するか記載します。

  • そのまま残す
  • 補修して残す
  • 借主が撤去する
  • 元の状態へ戻す
  • 退去時に貸主と再協議する

国土交通省の契約書式例でも、工事部分の残置・撤去、補修の要否、原状回復義務を工事ごとに整理する方式が示されています。[2]

14.改修費の買取り・精算

借主が負担した工事費を、退去時に貸主が買い取るのか、残存価値を精算するのか、請求できないのかを決めます。

「借主負担・退去時精算なし」とする場合は、借主が費用償還や造作買取りを期待しないよう、契約前に十分説明します。

15.途中解約・契約違反時の取扱い

次の場合の処理を決めます。

  • 工事前に借主が契約を解除した
  • 工事途中で退去した
  • 貸主の事情で契約を終了することになった
  • 借主が無断工事を行った
  • 施工不良を直さなかった
  • 家賃滞納等で契約解除となった
  • 災害で建物が使用できなくなった

契約書だけでなく3種類の書面を使う

DIY型賃貸借では、通常の賃貸借契約書へ一文を追加するだけでは、工事ごとの条件を整理しきれない場合があります。

国土交通省の書式例を参考に、次の書面を分けて作成する方法があります。[1]

書面 役割 主な記載内容
賃貸借契約書・特約 DIY型賃貸借全体の基本ルール 事前承認、禁止工事、損害責任、退去条件
工事申請書・承諾書 個別工事を貸主へ申請し承諾を受ける 工事場所、材料、方法、業者、工期、図面
工事合意書・概要表 工事部分の権利・退去時処理を決める 費用、所有権、修繕、残置、撤去、原状回復、精算

口頭やLINEだけで工事を許可しないようにしましょう。

連絡履歴は補助資料になりますが、工事内容・所有権・退去条件を一覧にした書面を作成し、貸主・借主双方が保管する方法が安全です。

工事概要表に記載したい項目

  • 工事番号
  • 工事場所
  • 施工前の状態
  • 具体的な工事内容
  • 施工方法・材料・型番
  • 施工者・施工業者
  • 貸主・借主の費用負担
  • 工事部分の所有者
  • 入居中の管理・修繕担当
  • 退去時に残すか撤去するか
  • 残す場合の補修義務
  • 原状回復義務の有無
  • 退去時の費用精算・買取りの有無
  • 写真・図面の添付
  • 貸主承諾日・工事完了確認日

原状回復は工事ごとに決める

一般的な賃貸住宅では、経年変化や通常使用による損耗まで借主が入居時の状態へ戻すものではない、という考え方が国土交通省のガイドラインで示されています。[4]

しかし、DIY工事は借主が希望して加えた変更であるため、一般的な通常損耗とは分けて、退去時の処理を契約で明確にする必要があります。

DIY工事 退去時の取扱い例
壁の塗装 原状回復不要・そのまま残す
固定式の造作棚 貸主へ無償譲渡し残置
置き型棚・家具 借主が撤去
床材の重ね張り 状態良好なら残置、破損時は借主補修
奇抜な色の内装 退去時に指定色へ塗り直す
借主設置のエアコン 撤去して穴を補修、または貸主へ無償譲渡
無断で行った工事 借主負担で撤去・復旧

貸主が入居前に修繕すべき部分

DIY賃貸であっても、建物の基本的な安全性や生活に必要な設備まで、すべて借主の自己責任として渡すのは適切ではありません。

入居前に少なくとも次の状態を確認しましょう。

  • 屋根・外壁から重大な雨漏りがない
  • 床が抜ける、柱が傾くなどの危険がない
  • 給排水設備を安全に使用できる
  • 漏電・断線・危険な配線がない
  • 給湯器・ガス設備に危険がない
  • 玄関・窓を施錠できる
  • トイレ・浴室等を契約条件どおり使える
  • シロアリ・腐朽の重大被害がない
  • 残置物・危険物が整理されている
  • 消防・避難上の危険がない

「現状有姿」「DIY可」と書けば、貸主の責任がすべてなくなるわけではありません。

既存不具合、使用できない設備、貸主が修理しない部分を一覧にし、借主が理解したうえで契約する必要があります。安全性に関わる不具合は、建築士・施工業者等へ確認してください。

貸す前に建物状況を記録する

DIY工事前の状態が分からなければ、退去時に「もともとの傷み」なのか「借主の工事による損傷」なのか判断できません。

撮影しておきたい場所

  • 各部屋の壁・床・天井
  • 柱・梁・建具
  • キッチン・浴室・トイレ
  • 給湯器・エアコン・照明
  • 分電盤・コンセント
  • 給排水管・水栓
  • 屋根・外壁・雨どい
  • 庭・物置・駐車場
  • 傷・汚れ・雨漏り跡
  • 使用できない残置設備

写真には撮影日と部屋名を付け、工事申請書・合意書と一緒に保存します。

DIY賃貸の募集条件を決める

募集項目 決める内容
DIY範囲 壁・床のみ、設備も相談可能など
事前承認 すべて書面承認が必要か、軽微工事の例外があるか
家賃 現状とDIY自由度を踏まえた金額
フリーレント 工事期間中の免除・減額期間
契約形態 普通借家・定期借家
契約期間 借主の工事費回収を考慮した期間
敷金 無断工事・撤去・損傷リスクを踏まえる
ペット 種類、頭数、追加条件、庭利用
事業利用 住居専用か、事務所・店舗を相談可能にするか
庭・草刈り 日常管理を借主と貸主のどちらが行うか

普通借家と定期借家のどちらが向いている?

DIY賃貸では、借主が費用をかけるため、一定期間安心して住めることが重要です。

契約形態 メリット 注意点
普通借家契約 借主が長期的に住みやすい 貸主都合による更新拒絶には正当事由が必要
定期借家契約 契約終了時期を明確にできる 期間満了で終了する説明・書面手続きが必要

将来売却する予定がある、数年後に家族が使用する予定がある場合は定期借家を検討できます。

ただし、短期間の定期借家で借主に高額なDIY費用を負担させると、借主にとって条件が合いにくいため、契約期間と改修自由度のバランスが必要です。

DIY賃貸を始める手順

  1. 建物の現状を確認する
    雨漏り、床、配管、電気、シロアリ、残置物、庭を確認します。
  2. 貸主が直す範囲を決める
    安全性・生活機能に関わる修繕と、借主が選べる内装を分けます。
  3. 賃料と募集条件を査定する
    一般賃貸、現状貸し、DIY可、ペット可の条件を比較します。
  4. 許可工事・禁止工事を一覧にする
    構造・防水・電気・配管などの扱いを明確にします。
  5. 入居希望者と工事内容を協議する
    希望するDIY、予算、施工者、契約期間を確認します。
  6. 契約書・工事承諾書・合意書を作成する
    費用、所有権、修繕、退去時処理を工事ごとに記載します。
  7. 工事前の状態を記録する
    写真、動画、図面、設備一覧を双方で確認します。
  8. 工事中の確認を行う
    大規模工事や専門工事は、中間確認を行います。
  9. 完成後に立会い確認する
    申請内容と実際の施工が一致するか確認します。
  10. 入居中・退去時も書面に沿って処理する
    追加工事、修繕、残置、撤去、精算を記録します。

入居中に追加DIYを希望された場合

最初の契約でDIYを承諾していても、入居後の追加工事を自動的に許可する必要はありません。

追加工事も同じ申請・承認手続きを使います。

  • 最初の承認範囲に含まれるか
  • 建物構造・設備へ影響しないか
  • 近隣や他の入居者へ影響しないか
  • 施工業者・資格に問題がないか
  • 退去時処理を決めたか
  • 火災保険・賠償保険へ影響しないか
  • 将来の売却・再募集に支障がないか

DIY工事で近隣トラブルを防ぐ方法

戸建て賃貸でも、電動工具、資材搬入、塗料臭、廃材、路上駐車などで近隣から苦情が入ることがあります。

  • 作業は日中の指定時間に限定する
  • 早朝・夜間・長時間の電動工具使用を避ける
  • 工事前に隣接住民へ挨拶する
  • 道路・隣地へ資材を置かない
  • 塗料・接着剤は換気と臭い対策を行う
  • 粉じん・木くずを毎日清掃する
  • ごみ収集場所へ建築廃材を出さない
  • 苦情があった場合の連絡先を決める

DIY賃貸に向いている空き家

  • 建物の構造・屋根・床に重大な危険がない
  • 水道・電気・給湯等を最低限使用できる
  • 壁・床・建具など内装の古さが中心
  • 戸建てで工事音が近隣へ影響しにくい
  • 駐車場・庭・物置などの付加価値がある
  • 長期入居を希望する層が見込める
  • 貸主が事前承認と完成確認に対応できる
  • 管理会社・不動産会社へ相談できる

DIY賃貸に向かない空き家

  • 雨漏り・床抜け・傾きなど重大な劣化がある
  • シロアリ被害が構造材へ広がっている
  • 給排水・電気設備を安全に使用できない
  • 無断増築・違法状態がある
  • 共有者の同意を得られていない
  • 近隣との境界・通路・駐車問題がある
  • 短期間で売却・自己使用する予定がある
  • 借主の工事内容を管理できない

貸す前に修理するか、DIY賃貸にするか

方法 向いている状況 注意点
貸主が全面リフォーム 一般的な賃貸需要が高く、工事費を回収できる 初期費用が大きく、借主の好みと合わない可能性
最低限修繕+DIY可 安全性は確保でき、内装の古さが中心 契約書・工事管理が必要
現状貸し 借主が不具合を理解し、条件調整できる 既存不具合と修繕責任を明確にする
売却 修繕・管理・賃貸経営を続けたくない 現状価格と修繕後価格を比較する
何も確認せずDIY自由で貸す おすすめできない 施工不良、無断工事、原状回復争いが起きやすい

DIY賃貸と売却を比較する判断基準

DIY賃貸にすれば必ず空き家問題が解決するわけではありません。

賃料収入だけでなく、将来の修繕、管理、入退去、売却への影響まで比較します。

確認項目 DIY賃貸 売却
初期費用 最低限修繕と契約整備が必要 測量・登記・片付け等が必要な場合
収入 毎月の賃料収入 売却代金を一度に受け取る
管理 入居中も修繕・契約管理が続く 引渡し後は原則終了
建物 借主の改修で価値が上がる可能性 現状で価格評価を受ける
リスク 家賃滞納、無断工事、退去時トラブル 価格調整、契約不適合、売却期間
将来利用 契約終了後に再利用できる 所有権を手放す

相談前に準備したい資料

  • 空き家の所在地
  • 土地・建物の登記名義人
  • 共有者・相続人の状況
  • 建物の構造・築年数・間取り
  • 空き家になった時期
  • 雨漏り・シロアリ・床の状態
  • 電気・水道・ガス設備の状態
  • 過去の修繕・増築履歴
  • 残置物の量
  • 庭・駐車場・物置の状況
  • 希望する家賃
  • 許可したいDIY工事
  • 貸主が負担できる修繕予算
  • 将来の売却・自己使用予定
  • 現在の建物写真

よくある質問

DIY可と書けば、借主は自由に工事できますか?

自由に工事できるわけではありません。工事前に内容・材料・施工方法・施工者を申請し、貸主の書面承諾を受ける条件にする方法が安全です。

壁紙や壁の塗装も毎回事前承認が必要ですか?

原則として事前承認制にする方が安全です。一定の色や材料に限り簡易承認とする場合も、許可範囲を別表で明確にします。

DIY費用は貸主と借主のどちらが負担しますか?

借主の希望による内装工事は借主負担、建物の安全や機能に必要な修繕は貸主負担とする方法が基本的です。双方に利益がある工事は折半や家賃減額も検討できます。

借主が付けた設備は誰の物になりますか?

建物と一体化して取り外せない工事部分は貸主へ帰属させる方法があります。取り外せる設備は借主所有とし、退去時の撤去・譲渡を工事ごとに決めます。

退去時にすべて元へ戻してもらうべきですか?

すべて原状回復とすると、DIY賃貸の魅力が小さくなります。塗装や床材は残置、奇抜な変更や取り外し設備は復旧・撤去など、工事ごとに判断します。

借主が改修費を買い取ってほしいと言ったら?

契約で買取り・費用精算の有無を決めます。精算しない場合は、工事承認前に借主へ説明し、合意書へ記載することが重要です。

無断で工事された場合はどうしますか?

工事停止、現状確認、専門家による安全確認、借主負担での撤去・復旧などを協議します。無断工事を契約違反とする特約も必要です。

電気工事や水道工事も借主ができますか?

資格・指定業者・専門知識が必要な工事があります。DIY可でも、電気、ガス、給排水、防水、構造工事は適切な専門業者による施工を条件にします。

現状のままで貸せば、貸主は修理しなくてよいですか?

一律に修理義務がなくなるわけではありません。既存不具合とDIY部分を区分し、居住の安全性や使用に必要な修繕について確認する必要があります。

DIY工事中に近所から苦情が来たら誰が対応しますか?

第一対応者、作業時間、騒音・臭い・駐車対策を契約で決めます。借主の工事でも、物件所有者へ連絡が来る可能性があります。

定期借家契約の方が安全ですか?

将来の売却・自己使用時期を決めやすい利点があります。ただし、借主が負担するDIY費用と契約期間が見合うかを確認し、定期借家に必要な書面説明を行います。

生活保護の方へDIY可物件として貸せますか?

可能性はありますが、家賃が住宅扶助の範囲内か、初期費用、修繕費、DIY費用を誰が負担するかを明確にする必要があります。生活に必要な設備まで自己負担にしないよう注意します。

ミニクルホームでは何を相談できますか?

岡山市を中心に、空き家の現地確認、賃料査定、最低限必要な修繕、DIY可の募集条件、ペット可との組合せ、入居者募集、賃貸借契約、空き家管理、売却との比較について、不動産実務の範囲でご相談いただけます。

まとめ|「DIY自由」ではなく工事ごとの合意が重要

DIY賃貸は、貸主が多額のリフォーム費用を負担せず、築古の空き家を活用できる可能性がある方法です。

借主にとっても、家賃を抑えながら、自分の好みに合わせた住まいを作れる魅力があります。

しかし、契約条件が曖昧なまま貸すと、無断工事、漏水、所有権、原状回復、改修費の請求などのトラブルにつながります。

次の順番で進めましょう。

  1. 建物の安全性と不具合を確認する
  2. 貸主が修繕する範囲を決める
  3. 許可するDIY・禁止する工事を整理する
  4. 賃料・契約期間・フリーレントを決める
  5. 借主から工事内容の申請を受ける
  6. 費用負担・施工責任を決める
  7. 所有権・入居中の修繕担当を決める
  8. 退去時の残置・撤去・原状回復を決める
  9. 費用精算・途中解約の条件を決める
  10. 契約書・承諾書・合意書を作成する

空き家を貸すために全面リフォームが必要とは限りません。

建物の安全性を確保したうえで、内装の古さをDIY可能という付加価値へ変えられるか、一般賃貸・DIY賃貸・現状売却を比較することが大切です。

岡山市の空き家・DIY賃貸・現状貸し・売却相談

全面リフォームを決める前に、貸せる条件を整理します

株式会社ミニクルホームでは、岡山市を中心に、相続した実家や空き家をDIY可能物件として貸したい所有者様のご相談に対応しています。

「修繕費を抑えて貸したい」「壁や床は借主に直してもらいたい」「DIY可と現状貸しの違いが分からない」「ペット可と組み合わせたい」「貸すか売るか迷っている」など、建物状態・必要修繕・募集条件・家賃・契約方法を整理します。

ご相談時に分かる範囲でお伝えください

  • 空き家の所在地
  • 現在の登記名義人
  • 共有者・相続人の状況
  • 建物の構造・築年数・間取り
  • 空き家になった時期
  • 雨漏り・床・シロアリの状態
  • 電気・水道・給湯設備の状態
  • 残置物・家財の量
  • 庭・駐車場・物置の有無
  • 貸主が修繕できる予算
  • 許可したいDIYの内容
  • ペット飼育の可否
  • 希望する家賃
  • 将来の売却・自己使用予定

株式会社ミニクルホーム
岡山県岡山市北区奉還町二丁目19番14号
電話:086-239-3296
メール:minikuru@bc.wakwak.com
営業時間:10時~18時
定休日:水曜日・不定休・GW・年末年始
宅地建物取引業免許:岡山県知事(3)第5473号

※ミニクルホームは、建物の構造安全性を判定する建築士事務所、電気・ガス・給排水工事を行う施工業者、契約条項の有効性を個別判断する法律事務所ではありません。空き家の現状確認、賃料査定、募集条件、賃貸借契約、管理、売却との比較を不動産実務の範囲で整理します。

※構造・用途変更・確認申請は建築士・岡山市、電気・ガス・水道工事は各専門業者、複雑な特約や費用償還・造作買取りの扱いは弁護士等へご確認ください。

※本記事は2026年7月時点の法令・公表資料と、一般的な賃貸管理・空き家活用実務を基に作成しています。DIY工事の可否、必要資格、確認申請、費用負担、所有権、原状回復、造作買取り、費用償還等は、工事内容と個別契約によって異なります。実際の契約では専門家へご確認ください。

LINEで事前相談

 

電話で相談する

tel:0862393296

 

 

株式会社ミニクルホーム

住所:岡山県岡山市北区奉還町二丁目19番14号

電話番号:

tel:0862393296

不動産探し・お部屋探しでのご相談はこちらからどうぞ

岡山県知事(3)第5473号

会社概要

株式会社ミニクルホーム

業務内容:

売買仲介・賃貸仲介・管理・賃貸空室対策コンサルタント・内装リフォーム保険代理店 

住所:岡山県岡山市北区奉還町二丁目19番14号

JR岡山駅西口徒歩7分

FAX  :086-239-3323

メールアドレス:minikuru@bc.wakwak.com

しかける賃貸満室マン 城井 仁 (しろい ひとし)

LINEで事前診断

 

tel:0862393296

 

 

 

LINEで事前診断

0 0 votes
Article Rating