外国籍の方が賃貸審査で困りやすい理由と準備しておきたい書類
「外国籍というだけで、賃貸住宅を断られるのではないか」
「在留カード以外に、どの書類を用意すればよいか分からない」
「日本国内に保証人や緊急連絡先がいない」
岡山市で部屋を探す外国籍の方や留学生の方から、このような相談を受けることがあります。
外国籍であるという理由だけで、日本の賃貸住宅を借りられないわけではありません。
しかし、大家さん、管理会社、家賃保証会社が、在留資格、在留期間、収入、勤務先、日本国内の連絡先などを確認できない場合、審査が進みにくくなることがあります。
大切なのは、国籍を説明することではなく、日本で継続して生活し、家賃を支払い、契約上の連絡が取れることを資料で示すことです。
この記事のポイント
- 外国籍だから必ず賃貸審査に落ちるわけではない
- 在留資格と在留期間を確認できる書類が必要になる
- 収入・勤務先・学校の在籍状況を証明する
- 保証人不要でも日本国内の緊急連絡先を求められることがある
- パスポート・在留カード・申込書の氏名表記を合わせる
- 日本語が不安な場合は通訳できる人や支援者を準備する
- 同居者や実際の入居人数を正確に伝える
外国籍の方が賃貸審査で困りやすい7つの理由
1.在留資格と在留期間の確認が必要になる
外国籍の方の賃貸申込みでは、在留カードなどを使い、日本に在留できる資格と期間を確認されることがあります。
在留期間の残りが短い場合、契約期間中も日本に滞在する予定があるか、更新手続を行う予定かについて確認される場合があります。
在留期間の更新を申請中の場合は、申請を受け付けられていることが分かる資料を準備し、不動産会社へ状況を伝えましょう。
短期滞在者には、原則として在留カードが交付されません。
観光などの短期滞在と、日本で長期間生活するための在留資格では、確認できる書類や物件側の判断が異なります。現在の在留状況を正確に伝えてください。
2.収入や仕事の継続性を確認しにくい
外国籍の方も日本人と同様に、毎月の家賃を継続して支払えるかを確認されます。
来日直後、転職直後、就職前などの場合は、日本国内での給与実績がまだなく、収入証明を提出しにくいことがあります。
その場合は、次のような書類を組み合わせて説明します。
- 雇用契約書
- 労働条件通知書
- 採用通知書
- 直近の給与明細
- 源泉徴収票
- 預貯金残高
- 勤務先からの住宅支援に関する書類
3.日本国内の保証人を用意しにくい
親族が海外に住んでいる場合、日本国内の連帯保証人を用意できないことがあります。
現在は、連帯保証人の代わりに家賃保証会社を利用する物件もあります。
ただし、保証会社を使えば無条件で契約できるわけではありません。
在留期間、収入、勤務先、緊急連絡先、申込内容などについて保証会社の審査があります。
4.日本国内の緊急連絡先が見つからない
連帯保証人が不要な物件でも、日本国内の緊急連絡先を求められることがあります。
緊急連絡先は、本人と連絡が取れないときや、急病、漏水、安否確認などの際に連絡する人です。
物件や保証会社によっては、次のような方を相談できる場合があります。
- 日本国内に住む親族
- 日本人または日本語が分かる友人
- 勤務先の担当者
- 学校の留学生担当者
- 登録支援機関の担当者
- 生活支援を行う団体の担当者
本人の了承を得ず、勝手に名前や電話番号を書くことは避けてください。
5.契約内容を日本語で理解できるか確認される
賃貸契約では、家賃だけでなく、更新料、解約予告、禁止事項、原状回復、ゴミ出し、騒音など多くの説明があります。
日本語での説明が難しい場合、大家さんや管理会社が、入居後の連絡やルール説明に不安を感じることがあります。
日本語に不安がある場合は、次の準備をしましょう。
- 日本語を話せる友人や勤務先担当者へ同席を頼む
- 学校の留学生支援窓口へ相談する
- 多言語の賃貸住宅ガイドを読む
- 翻訳アプリだけでなく、重要事項は人にも確認してもらう
- 分からない内容は署名する前に質問する
6.氏名の表記が書類ごとに異なる
パスポート、在留カード、銀行口座、勤務先書類などで、氏名の順番やアルファベット表記、カタカナ表記が異なることがあります。
氏名表記が一致しない場合、同一人物であることを確認するために追加書類を求められることがあります。
入居申込書には、在留カードやパスポートの表記を確認しながら、正確に記入しましょう。
7.生活ルールや入居人数を心配されることがある
大家さんや管理会社によっては、ゴミ出し、騒音、友人の長期滞在、契約人数と実際の入居人数の違いなどを心配することがあります。
これは外国籍の方だけに限らない賃貸トラブルですが、契約内容や地域の生活ルールを十分に説明できない場合、不安を持たれやすくなります。
同居する家族や友人がいる場合は、申込時に全員を申告してください。
外国籍の方が準備しておきたい書類一覧
必要書類は、物件、管理会社、保証会社、在留資格、勤務状況によって異なります。
すべての書類が必須ではありませんが、次の資料を準備しておくと審査を進めやすくなります。
| 書類 | 確認できる内容 | 準備の注意点 |
|---|---|---|
| 在留カード | 氏名、生年月日、国籍・地域、在留資格、在留期間、就労制限など | 表面だけでなく裏面の記載も確認する |
| パスポート | 本人確認、国籍、氏名表記 | 有効期限を確認する |
| 特別永住者証明書 | 特別永住者の本人確認 | 対象者が在留カードの代わりに提出する場合がある |
| 住民票 | 日本国内の住所、世帯、氏名表記 | 契約時に取得を求められる場合がある |
| 給与明細 | 現在の給与収入 | 直近1~3か月分を求められる場合に備える |
| 雇用契約書・労働条件通知書 | 勤務先、雇用期間、給与、勤務開始日 | 来日直後や転職直後の収入証明として使われる場合がある |
| 源泉徴収票・所得証明書 | 前年の収入・所得 | 日本国内での勤務実績がある場合に準備する |
| 学生証・在学証明書 | 学校名、在籍状況 | 留学生は入学許可書や合格通知書を求められる場合もある |
| 預貯金通帳・残高証明 | 初期費用や家賃を支払う資金 | 無収入・来日直後・留学生の場合の補足資料になる場合がある |
| 仕送りを証明する資料 | 家族などからの継続した援助 | 海外送金記録や送金予定を説明できるようにする |
| 緊急連絡先の情報 | 日本国内で連絡できる人 | 氏名、住所、電話番号、続柄を確認し、本人の了承を得る |
| 保証会社申込書 | 本人、勤務先、収入、緊急連絡先など | 在留カード等と同じ氏名表記で正確に記入する |
在留カードで確認される主な項目
中長期在留者へ交付される在留カードには、氏名、国籍・地域、生年月日、在留資格、在留期間、就労制限の有無などが記載されています。
賃貸申込みでは、主に次の点を確認されることがあります。
- 在留カードが有効か
- 申込者本人のカードか
- 在留資格は何か
- 在留期間がいつまでか
- 就労できる在留資格か
- 資格外活動許可の記載があるか
- 現在の住所が裏面へ記載されているか
在留カードの偽造や他人名義のカードを使用してはいけません。
カード情報と申込内容が一致しない場合は、審査停止や契約取消しなどの問題につながる可能性があります。
在留期間の残りが短い場合はどうする?
在留期間の残りが短いからといって、必ず賃貸契約ができないわけではありません。
ただし、2年間の賃貸契約に対して在留期間が数か月しか残っていない場合、更新予定や日本での生活予定を確認されることがあります。
更新申請中の場合は、次のような内容を説明できるようにしましょう。
- 在留期間更新を申請しているか
- 更新申請を受け付けられたことが分かる資料
- 現在の勤務・在学が継続するか
- 勤務先や学校の担当者へ確認できるか
- 更新結果が出た後に新しいカードを提出できるか
在留資格や更新結果について、事実と異なる説明をしてはいけません。
「必ず更新される」と断定せず、現在の申請状況と提出できる資料を正確に伝えてください。
留学生が準備したい書類
留学生は、給与収入ではなく、仕送り、奨学金、預貯金、アルバイト収入などを審査材料として説明することがあります。
次の書類を準備しましょう。
- 在留カード
- パスポート
- 学生証
- 在学証明書
- 入学前の場合は合格通知書・入学許可書
- 奨学金の受給証明
- 仕送りの記録
- 本人または家族の預貯金残高
- アルバイトの給与明細
- 日本国内の緊急連絡先
「家族滞在」や「留学」など、本来の在留資格だけでは自由に就労できない場合があります。
アルバイト収入を申告する場合は、資格外活動許可の有無や勤務状況を正確に伝えましょう。
会社員・技能実習・特定技能などで働く方の準備
日本国内の会社で働いている方は、勤務先と雇用条件を確認できる書類が重要になります。
- 雇用契約書
- 労働条件通知書
- 採用通知書
- 給与明細
- 源泉徴収票
- 社員証
- 勤務先担当者の連絡先
- 登録支援機関の担当者情報
会社が住宅契約を支援している場合は、法人契約、会社保証、家賃補助、初期費用負担などが利用できないか勤務先へ確認しましょう。
保証人がいない場合は家賃保証会社を利用できる?
外国籍の方でも、家賃保証会社を利用できる物件であれば、連帯保証人なしで申し込める場合があります。
ただし、保証会社によって申込み条件が異なります。
次の点を申込み前に確認してください。
- 外国籍の申込みに対応しているか
- 対応できる在留資格に条件があるか
- 在留期間の残りに条件があるか
- 日本国内の緊急連絡先が必要か
- 日本語での本人確認電話があるか
- 勤務先や学校へ確認電話が入るか
- 初回保証料・更新料・月額保証料はいくらか
保証会社は、入居者が自由に選べず、大家さんや管理会社から指定されることもあります。
日本語が不安な方が契約前に確認したいこと
内容を十分に理解しないまま契約すると、入居後や退去時のトラブルにつながります。
特に次の項目は、署名する前に確認してください。
- 毎月の家賃と共益費
- 保証料・更新料
- 契約期間
- 解約予告の期間
- 短期解約違約金
- 退去時のクリーニング費用
- 原状回復費用
- ペット・喫煙・楽器の禁止
- 同居人追加の手続
- 又貸し・民泊の禁止
- ゴミ出しの曜日と分別
国土交通省は、外国人向けの部屋探しガイドブックや多言語資料を公開しています。
日本語が不安な方は、不動産会社の説明だけでなく、多言語資料もあわせて確認しましょう。
外国籍の方が申込み前に行う7つの準備
- 在留カードとパスポートを確認する
氏名、有効期限、在留資格、在留期間、住所の記載を確認します。 - 収入または支払い資金を証明する
給与明細、雇用契約書、預貯金、奨学金、仕送りなどを整理します。 - 勤務先または学校の情報を準備する
会社名、学校名、住所、電話番号、担当者を確認します。 - 日本国内の緊急連絡先を探す
親族、友人、勤務先、学校、支援者などへ事前に相談します。 - 実際に住む人を全員申告する
家族や友人と住む場合は、同居者の情報も提出します。 - 日本語での契約説明を補助できる人を準備する
友人、会社担当者、学校担当者、通訳などへ相談します。 - 外国籍の申込みに対応する物件か確認する
物件を見学する前に、大家さん・管理会社・保証会社の条件を確認します。
審査で避けたい申込み方法
同居者を隠す
1人で申し込み、契約後に家族や友人が住むと、契約違反になる可能性があります。
同居予定者がいる場合は、申込時に全員を伝えてください。
在留期間や勤務先を偽る
在留カード、雇用契約書、確認電話などで食い違いが分かる可能性があります。
審査へ通すために、事実と異なる勤務先や収入を書いてはいけません。
他人名義で契約する
実際に住む人を隠し、友人や会社関係者の名義だけで契約すると、無断転貸などの問題になる可能性があります。
契約内容を理解せず署名する
日本語が分からないまま署名すると、後から「説明を理解していなかった」と主張しても解決が難しくなる場合があります。
民泊や友人への又貸しをする
一般的な居住用賃貸では、民泊利用や第三者への又貸しは禁止されていることが多いため、契約内容を確認してください。
名前の表記を毎回変える
申込書、在留カード、銀行口座、勤務先書類で氏名表記が大きく異なると、本人確認に時間がかかります。
申込み前チェックリスト
- 在留カードの有効期限を確認した
- パスポートの有効期限を確認した
- 在留資格と就労条件を確認した
- 在留期間更新中の場合は受付資料を準備した
- 給与明細や雇用契約書を準備した
- 学生証や在学証明書を準備した
- 預貯金・仕送り・奨学金の資料を整理した
- 日本国内の緊急連絡先へ了承を得た
- 同居者を全員申告できる
- 日本語の契約説明を理解する準備ができている
- 利用する保証会社と保証料を確認した
- 申込書の氏名表記を統一した
よくある質問
外国籍というだけで賃貸審査に落ちますか?
外国籍だから必ず落ちるわけではありません。在留資格、在留期間、収入、勤務先、保証会社、日本国内の緊急連絡先などを確認して判断されます。
在留期間が短いと部屋を借りられませんか?
一律に借りられないわけではありません。ただし、契約期間に対して在留期間の残りが短い場合は、更新予定や勤務・在学の継続を確認されることがあります。
外国籍でも保証人なしで契約できますか?
家賃保証会社を利用して、連帯保証人なしで申し込める物件があります。ただし、日本国内の緊急連絡先を求められる場合があります。
海外に住む親を保証人にできますか?
物件や管理会社によって判断が異なります。日本国内在住者を条件とする場合や、海外の親族ではなく家賃保証会社を利用する場合があります。
日本へ来たばかりで給与明細がありません
雇用契約書、採用通知書、労働条件通知書、預貯金残高などを補足資料として相談できる場合があります。
留学生で収入が少なくても借りられますか?
仕送り、奨学金、預貯金、アルバイト収入、学校の在籍状況などを総合的に確認されます。学生向け物件や留学生に対応する保証会社を利用できる場合があります。
日本語がほとんど話せなくても契約できますか?
契約内容を理解できる通訳者、学校担当者、勤務先担当者などのサポートが必要になる場合があります。多言語資料も活用してください。
会社名義で契約できますか?
勤務先が法人契約に対応している場合は可能です。ただし、会社の審査、入居者情報、在留カードなどの提出が必要になる場合があります。
在留カードの住所が以前の住所のままでも申し込めますか?
申込みは相談できますが、現在の居住状況や住所変更手続について確認される場合があります。住居地を変更した場合は、市区町村で必要な届出を行ってください。
まとめ|外国籍の方の賃貸審査は書類と連絡体制の準備が重要
外国籍の方でも、岡山市で賃貸住宅を借りられる可能性はあります。
審査で重要なのは、国籍そのものではなく、次の内容を確認できるかどうかです。
- 本人確認ができる
- 日本で在留できる資格と期間が分かる
- 毎月の家賃を支払える
- 勤務先や学校の在籍を確認できる
- 日本国内で本人と連絡が取れる
- 緊急時の連絡先がある
- 契約内容と生活ルールを理解できる
- 実際の入居者を正確に申告している
在留カード、パスポート、収入証明、勤務先・学校の書類、緊急連絡先を先に準備しておくと、物件選びや保証会社の審査を進めやすくなります。
物件を決めてから書類を集めるのではなく、部屋探しを始める段階で不動産会社へ在留状況や仕事、学校、国内連絡先について相談しましょう。
外国籍の方も、申込み前に必要書類をご相談ください
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