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こだわりが強くて決まらない?ASDの方の「絶対に譲れない条件」を叶える賃貸探し

「気になる物件はあるけれど、道路の音が不安で決められない」

「間取り、窓の向き、階数、設備のどれか一つでも違うと暮らせる気がしない」

「不動産屋から条件を減らすように言われたけれど、簡単には妥協できない」

ASD(自閉スペクトラム症)のある方の中には、環境の変化や音、光、におい、室内の配置などに強い負担を感じる方がいます。

周囲からは「条件が細かすぎる」「少しくらい我慢すればよい」と見られることがありますが、本人にとっては入居後の生活や体調を維持するために必要な条件である場合があります。

ただし、すべての希望を同じ優先度で探すと、該当する物件がほとんどなくなり、何か月探しても部屋が決まらない状態になりやすいです。

大切なのは、こだわりを無理に捨てることではありません。

生活するうえで本当に必要な条件と、別の方法で補える条件を分けることです。

この記事では、ASDの方が岡山市で譲れない条件を守りながら、現実的に賃貸物件を探す方法を解説します。

この記事のポイント

  • こだわりを「わがまま」と決めつけない
  • 条件を生活への影響度で3段階に分ける
  • 物件条件と対策で補える条件を分ける
  • 苦手な理由を具体的に不動産会社へ伝える
  • 生活保護の場合は家賃上限とのバランスを確認する

ASDの方が賃貸条件を妥協しにくい理由

ASDの特性や困りごとは、人によって大きく異なります。

そのうえで、部屋探しでは次のような理由から、希望条件を簡単に変更できないことがあります。

  • 急な環境変化に強い不安を感じる
  • 音や光、においへの感覚過敏がある
  • 家具や生活用品の配置が決まっている
  • いつもの通院経路や生活動線を変えにくい
  • 曖昧な状態のまま契約することが苦手
  • 入居後の生活を細かく想像して不安になる
  • 過去の騒音や近隣トラブルが強く記憶に残っている

例えば、「最上階でなければ嫌」という希望の背景に、以前の住まいで上階の足音に悩まされた経験があるかもしれません。

「同じ間取りでなければ暮らせない」という希望にも、生活用品の位置が変わると混乱するなど、本人にとって重要な理由がある場合があります。

そのため、条件だけを減らそうとするのではなく、なぜその条件が必要なのかを整理することが大切です。

条件が多いと部屋が決まりにくくなる理由

賃貸物件は、家賃、場所、間取り、階数、築年数、設備など、条件を増やすほど候補が少なくなります。

例えば、次の条件をすべて満たす物件を探すとします。

  • 岡山市北区
  • 駅から徒歩10分以内
  • 最上階
  • 角部屋
  • 鉄筋コンクリート造
  • 築10年以内
  • 独立洗面台あり
  • 南向き
  • 静かな住宅街
  • 家賃4万円以下

一つひとつは珍しくない条件でも、すべてを組み合わせると該当物件がほとんどなくなる可能性があります。

さらに生活保護を受給している場合は、住宅扶助の家賃上限、初期費用、保証会社、大家さんの承諾なども関係します。

「条件を守ること」と「借りられる物件を見つけること」の両方を成立させるには、優先順位の整理が必要です。

最初に「なぜ必要か」を書き出す

希望条件を整理するときは、設備名や物件条件だけを書くのではなく、その条件が必要な理由も一緒に書きましょう。

条件と理由の整理例

  • 最上階:上階の足音で眠れなくなるため
  • 角部屋:隣室から聞こえる生活音を減らしたいため
  • 1階:階段の上り下りで体調が悪化するため
  • 特定のエリア:通院経路を変えると強い不安があるため
  • 独立洗面台:洗面と台所の用途を分けないと生活しにくいため
  • バス・トイレ別:においや湿気が強い負担になるため
  • 南向き以外:強い日差しや暑さが苦手なため

必要な理由が分かれば、その条件以外の方法で解決できる可能性も見えてきます。

例えば、最上階が見つからなくても、上に住戸がないメゾネットタイプや、上階が共用部分になっている部屋なら、負担を減らせる場合があります。

希望条件を3段階に分ける

条件を整理するときは、すべてを「必要」とするのではなく、次の3段階に分けましょう。

1.絶対に譲れない条件

満たさないと、入居後に生活や体調へ大きな影響が出る条件です。

  • 住宅扶助や予算の範囲内
  • 強く苦手な騒音を避けられる
  • 通院を続けられる場所
  • 階段を使わずに生活できる
  • 特定のにおいや光を避けられる
  • 安全に生活できる設備がある

2.できれば叶えたい条件

あると暮らしやすいものの、別の方法で補える可能性がある条件です。

  • 角部屋
  • 最上階
  • 独立洗面台
  • 南向き
  • 築浅
  • オートロック
  • 宅配ボックス

3.なくても生活できる条件

見た目やイメージとして希望しているものの、生活への影響が比較的小さい条件です。

  • 壁紙や床の色
  • 建物の外観
  • 特定メーカーの設備
  • インターネット無料
  • 新築
  • 駅からの細かい徒歩分数

「絶対に譲れない条件」は、できれば3つ程度に絞ると探しやすくなります。

これは必要な条件を我慢するためではありません。最も重要な条件を優先して守るためです。

条件を「物件で解決するもの」と「対策で補えるもの」に分ける

希望条件の中には、物件そのものでなければ解決できないものと、入居後の工夫で補えるものがあります。

物件選びで優先したい条件

  • 道路や線路からの距離
  • 階数
  • 建物構造
  • 間取り
  • 通院先までの距離
  • エレベーターの有無
  • 周辺店舗や施設の種類

入居後の対策で補える可能性がある条件

  • 外からの光は遮光カーテンで調整する
  • 床の色はラグやマットで変える
  • 外部音は厚手のカーテンや耳栓を利用する
  • 収納不足は家具で補う
  • 室内の明るさは照明器具で調整する
  • 家具配置は内見前に間取り図で確認する

ただし、対策で本当に補えるかどうかは人によって異なります。

「我慢できるはず」と決めつけず、自分の生活への影響を基準に判断しましょう。

条件が矛盾していないか確認する

希望条件の中には、同時に叶えることが難しい組み合わせがあります。

よくある条件の組み合わせ

  • 駅近でありながら、車や人の音がほとんどない
  • 最上階・角部屋・築浅で、家賃が非常に安い
  • 商業施設の近くで、夜間も完全に静か
  • 広い部屋で、掃除や片付けの負担を減らしたい
  • 岡山駅周辺で、生活保護の住宅扶助内に収めたい

矛盾する条件がある場合は、「どちらの方が生活への影響が大きいか」を考えます。

例えば、駅から近いことより静かさが重要なら、駅から少し離れてバス停が近い地域を探す方法があります。

買い物の便利さを重視する場合でも、大型店舗のすぐ隣ではなく、自転車やバスで移動できる範囲まで広げると候補が増えます。

岡山市で探すエリアを広げる方法

エリアへの強いこだわりがある場合も、単純に「岡山市北区以外も探しましょう」と言われると、不安になることがあります。

その場合は、市区名ではなく生活動線を基準に探しましょう。

生活動線で確認する項目

  • 通院先までの所要時間
  • 利用できるバス路線
  • スーパーやドラッグストアまでの距離
  • 福祉事務所や支援機関への移動
  • よく利用する駅までの交通手段
  • 家族や支援者が訪問しやすいか

「北区でなければ無理」と考えていた場合でも、同じバス路線が通る中区や南区の一部まで広げると、生活リズムを大きく変えずに候補を増やせる場合があります。

不動産会社への伝え方

「こだわりが強いです」とだけ伝えると、希望条件が多い人という印象だけが残ることがあります。

条件が必要な理由と優先順位を具体的に伝えましょう。

不動産会社への相談例

岡山市で賃貸物件を探しています。生活への影響が大きいため、次の3点はできるだけ外せません。

  • 上階の足音が強い負担になるため、最上階または上に住戸がない部屋
  • 通院を続けるため、〇〇病院までバスで30分以内
  • 家賃と共益費を合わせて〇万円以内

角部屋、築年数、独立洗面台については、条件に合う物件が少ない場合は相談できます。該当物件があれば、先に間取り図と周辺環境を文章で送ってください。

このように伝えると、不動産会社も「何を優先して探せばよいか」を判断しやすくなります。

内見前に候補を絞る

ASDの方にとって、予定外の移動や複数物件の内見は大きな負担になることがあります。

すべての物件を内見するのではなく、事前に次の情報を確認しましょう。

  • 間取り図
  • 室内写真
  • 建物の位置
  • 道路、線路、学校、店舗との距離
  • 部屋の階数と位置
  • 隣接する住戸の数
  • 初期費用
  • 保証会社の条件
  • 退去時費用

条件に合わない物件を事前に外し、内見は1日1~3件程度に絞ると、比較しやすくなります。

内見では「生活できるか」を確認する

内見では、見た目のきれいさだけではなく、実際の生活を想像して確認しましょう。

ASDの方が確認したいポイント

  • 窓を閉めた状態で外部音が聞こえるか
  • 照明が明るすぎないか
  • 室内に強いにおいがないか
  • 家具を予定どおり配置できるか
  • 玄関から室内までの動線が分かりやすいか
  • 収納場所を決めやすいか
  • ゴミ置き場まで迷わず移動できるか
  • 共用廊下や階段の音が響かないか
  • 近隣店舗や駐車場の音が気にならないか

担当者の説明を聞きながらでは判断しにくい場合は、数分間静かに室内を確認させてもらいましょう。

内見時の伝え方

「音や室内の雰囲気を確認したいので、数分間、説明なしで部屋を見てもよいでしょうか」

「100点の部屋」ではなく「困りごとが少ない部屋」を選ぶ

賃貸物件で、希望条件をすべて満たす100点の部屋を見つけるのは簡単ではありません。

一方で、希望を全部諦める必要もありません。

部屋を比較するときは、加点だけでなく「入居後に困る可能性」を確認しましょう。

比較例

  • A物件:築浅だが幹線道路沿い
  • B物件:築年数は古いが住宅街で静か
  • C物件:駅に近いが上階に住戸がある
  • D物件:駅から遠いが最上階の角部屋

音への負担が最も大きい方であれば、築年数や駅距離より、B物件やD物件の方が暮らしやすい可能性があります。

設備の多さよりも、毎日のストレスが少ないかどうかを優先しましょう。

生活保護で条件を守りながら探す場合

生活保護を受給している場合は、希望条件だけでなく、住宅扶助の家賃上限や初期費用の確認が必要です。

物件を探す前に、ケースワーカーへ次の内容を確認しましょう。

  • 家賃上限
  • 共益費の扱い
  • 転居が認められる理由
  • 初期費用の対象範囲
  • 引っ越し費用の扱い
  • 契約前に必要な手続き

ASDの特性から、現在の住まいの騒音や環境が生活に大きな影響を与えている場合は、その状況を整理して相談することが大切です。

ただし、希望する物件の費用が必ず認められるとは限りません。契約前に必ず確認しましょう。

家族や支援者と条件が合わないとき

家族や支援者から「そんな条件では決まらない」「もっと妥協した方がよい」と言われることがあります。

意見が合わない場合は、条件を感情ではなく生活への影響で説明しましょう。

説明例

「最上階に住みたいという希望ではなく、上の足音が続くと眠れず、生活リズムが崩れるため必要です」

「駅に近いことより、救急車や車の音が少ない場所の方が体調を維持しやすいです」

理由を具体的に伝えると、周囲も優先すべき条件を理解しやすくなります。

部屋が決まらないときの見直しチェックリスト

  • 絶対に必要な条件が4つ以上になっていないか
  • 希望条件が互いに矛盾していないか
  • 家賃相場に対して予算が低すぎないか
  • エリアを駅名や区名だけで限定していないか
  • 築年数や見た目を優先しすぎていないか
  • 入居後の対策で補える条件がないか
  • 不動産会社に条件の理由を伝えているか
  • 内見前に候補を絞っているか
  • 生活保護の場合はケースワーカーへ確認しているか

よくある質問

Q.こだわりが多いと、不動産会社に嫌がられますか?

条件が多いことだけで嫌がられるとは限りません。ただし、すべての条件が同じ優先度だと、物件を探しにくくなります。絶対に必要な条件と相談できる条件を分けて伝えると、不動産会社も提案しやすくなります。

Q.ASDであることを不動産会社に伝える必要はありますか?

診断名や詳しい症状をすべて説明する必要はありません。「音に敏感」「予定変更が苦手」「条件を文章で確認したい」など、部屋探しに必要な内容を具体的に伝える方法があります。

Q.希望条件は何個までに絞ればよいですか?

絶対に譲れない条件は、できれば3つ程度に整理すると探しやすくなります。それ以外は「できれば希望」として伝え、候補が少ない場合に相談できるようにしましょう。

Q.条件を妥協して入居した方がよいですか?

生活や体調に大きく影響する条件まで無理に妥協する必要はありません。一方で、家具やカーテンなどで補える条件は、別の方法を検討すると候補を増やせます。

Q.生活保護でも角部屋や最上階を探せますか?

家賃が住宅扶助の範囲内で、大家さんや保証会社の条件を満たせば候補になる可能性があります。ただし、角部屋や最上階は家賃が高い場合があるため、ケースワーカーへの事前確認が必要です。

まとめ|譲れない条件を減らすのではなく、優先順位を明確にしよう

ASDの方が部屋探しで条件を妥協できないのは、単なるわがままとは限りません。

音、光、におい、間取り、生活動線などが、入居後の体調や日常生活へ大きく影響する場合があります。

大切なのは、すべてのこだわりを捨てることではなく、次のように整理することです。

  • 条件が必要な理由を書き出す
  • 絶対に譲れない条件を3つ程度に絞る
  • できれば希望する条件と分ける
  • 入居後の対策で補える条件を確認する
  • 条件の理由を不動産会社へ伝える
  • 家賃やエリアとの矛盾を確認する
  • 100点ではなく、困りごとの少ない部屋を選ぶ

自分に必要な条件を明確にすると、不動産会社も物件を探しやすくなります。

何件見ても決められない場合は、さらに物件を増やすのではなく、一度条件の優先順位を整理してみましょう。

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