「築年数がたって、空室がなかなか埋まらない」
「高齢の方や生活保護の方からの問い合わせはあるが、孤独死や滞納が心配で踏み切れない」
「居住サポート住宅という新しい制度を聞いたけれど、自分の物件でも使えるのか分からない」
岡山市でも、単身の高齢の方や、住まいの確保に配慮が必要な方からの住まい探しの相談は少なくありません。一方で、大家さんにとっては「何かあったときにどうするか」が分からないまま貸すのは、大きな不安です。
先にお伝えします。2025年10月に始まった居住サポート住宅は、大家さんと居住支援法人などが組んで、入居者の安否確認・見守り・福祉へのつなぎを行う計画を立て、市の認定を受ける仕組みです。認定を受けると、生活保護の方の家賃の代理納付が原則になる、改修費の補助を受けられる場合があるなど、大家さんの不安を減らす仕組みが用意されています。ただし、入居者が原則として配慮の必要な方に限られるなど、事前に検討したい点もあります。
この記事では、岡山市で賃貸物件をお持ちの大家さんに向けて、居住サポート住宅の仕組み、大家さんの不安がどう変わるか、使える補助、認定までの流れ、検討したい注意点を、岡山市の不動産会社の立場から整理します。
結論|大家さんが押さえたい5つのこと
- 申請の形:大家さんと居住支援法人などが共同で計画をつくり、オンラインで申請。岡山市が認定する
- 家賃の不安:生活保護の方が入居する場合、求めがあれば住宅扶助の代理納付が原則
- もしものときの不安:1日1回以上の安否確認、月1回以上の見守りを支援団体が担う
- 補助:改修費は国の直接補助で工事費の3分の1、1戸あたり上限62万円(条件あり)
- 注意点:入居者は原則として配慮が必要な方に限られる。支援団体との役割分担と費用を事前に決める
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居住サポート住宅とは?大家さん目線で見る仕組み
居住サポート住宅(正式には「居住安定援助賃貸住宅」)は、2025年10月1日施行の改正住宅セーフティネット法でつくられた認定制度です。高齢の方、障害のある方、収入の少ない方など、住まいの確保に配慮が必要な方(住宅確保要配慮者)が入居し、居住支援法人などが入居中の暮らしを支える賃貸住宅を、市が認定します。
大家さんが一人で入居者の暮らしを見守るのではなく、見守りの役割を支援団体が担う点がポイントです。大家さんは住まいを提供し、支援団体は暮らしを支え、不動産会社や管理会社は物件の管理と入居者の募集を担う、という役割分担になります。
大家さんの4つの不安は、制度でどう変わる?
| 大家さんの不安 | 居住サポート住宅での仕組み |
|---|---|
| 家賃の滞納 | 生活保護の方の場合、求めがあれば福祉事務所が住宅扶助を大家さん等へ直接払う(代理納付)のが原則。共益費も対象にできる。認定家賃債務保証業者の保証では、住宅金融支援機構の保険の補てん割合が9割に手厚くなる |
| 室内での急な体調の変化・発見の遅れ | 1日1回以上の安否確認(センサー、電話、訪問など) |
| 暮らしぶりの変化、近隣との行き違い | 月1回以上の見守り(原則訪問)と、福祉サービスへのつなぎ |
| 退去後の荷物(残置物)の扱い | 国が示す「残置物の処理等に関するモデル契約条項」の活用や、死後事務の委任などを組み合わせて備える |
※ 国の制度の概要です。不安がすべてなくなるわけではありません。具体的な対応は、物件ごとの計画や契約の内容によります。
認定を受けるための主な基準
| 項目 | 基準の概要 |
|---|---|
| 広さ | 既存の住宅は原則18㎡以上(台所などを共用する場合は13㎡以上)、新築は原則25㎡以上(共用の場合は18㎡以上) |
| 耐震性 | 原則として1981年6月以降に工事を始めた建物(新耐震基準) |
| 家賃 | 近くの同じくらいの物件と比べて、大きく高くないこと |
| サポート | 安否確認(1日1回以上)、見守り(月1回以上)、福祉サービスへのつなぎを行う計画があること。サポートの費用が不当に高くないこと |
| 入居者 | 原則として、サポートを必要とする住宅確保要配慮者に限る |
※ 基準の概要です。詳しくは国の資料や岡山市の住宅課でご確認ください。
大家さんが使える可能性のある補助
| 補助 | 内容の概要 | 岡山市での扱い |
|---|---|---|
| 改修費(国の直接補助) | 工事費の3分の1、1戸あたり国費の上限62万円。バリアフリー、耐震、間取り変更、防音、安否確認のための設備など | 国の事業に大家さんが直接申し込む形。市独自の改修補助はないとされている |
| 家賃の低廉化 | 入居者の家賃を下げた分を補助(原則1戸あたり月2.5万円まで、国と自治体で半分ずつ) | 自治体が制度を設けている場合に限られる。岡山市での実施は要確認 |
| 家賃債務保証料などの低廉化 | 保証料、孤独死・残置物の保険料、緊急連絡先の引き受け費用など(1戸あたり国費の上限3.7万円) | 同上。岡山市での実施は要確認 |
※ 国土交通省の資料をもとにした概要です。補助には予算や受付期間、入居者の収入などの条件があります。申し込む前に、国の事業の案内や岡山市の住宅課でご確認ください。
数字で見る目安
- 改修費:1戸の工事費が150万円なら、3分の1で50万円が補助の目安(上限62万円に達するのは、工事費がおおむね186万円以上の場合)
- 空室の損失:家賃37,000円の部屋が6か月空くと、37,000円 × 6か月 = 222,000円の家賃収入を失う計算
※ 説明のための一例です。補助の対象になる工事や金額は、事業の要件によって異なります。
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岡山市で認定を受けるまでの流れ
- 物件が基準に合うか確認する:広さ、築年(耐震)、家賃の水準
- 組む相手を探す:岡山県が指定する居住支援法人などから、見守りを担える団体を探す
- 役割分担と費用を決める:安否確認の方法、見守りの頻度、サポートの費用、緊急時の連絡の流れ
- 計画をつくり、オンラインで申請する:国の「居住サポート住宅情報提供システム」から申請し、岡山市が認定する
- 入居者を募集し、入居後のサポートを始める
※ 岡山市の問い合わせ先:住宅課 計画係(086-803-1466)。必要な書類や手続きの詳細は、市の案内でご確認ください。
認定を受ける前に検討したいこと
- 入居者が限られる:原則としてサポートを必要とする方に限られるため、一般の入居者の募集とは分けて考える必要がある
- 支援団体との関係を続けられるか:見守りは入居中ずっと続く。団体の体制や、担当が変わったときの対応も確認したい
- サポートの費用の設定:誰が、いくら負担するか。生活保護の方の場合、その費用の扱いは福祉事務所の判断によるため事前の確認が必要
- 手続きの手間:計画づくりや申請、補助の申し込みには時間がかかる
- まだ認定物件が少ない:始まって間もない制度で、他の地域でもまだ少ない。先に取り組むことで、相談先として選ばれやすくなる面もある
セーフティネット住宅の登録との違い
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| セーフティネット住宅(登録) | 住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅として登録。一般の方も入居できる |
| セーフティネット専用住宅 | 入居者を住宅確保要配慮者に限る。改修費の補助の対象になり得る |
| 居住サポート住宅(認定) | 見守りなどのサポートが付く。生活保護の方の代理納付が原則になるなど、大家さんの不安を減らす仕組みがある |
※ 「まずは拒まない住宅として登録だけしてみる」という段階的な進め方も考えられます。
ミニクルホームができること
- 生活保護の方、高齢の方、障害のある方の入居のご紹介(日ごろからこうした方の部屋探しの相談をお受けしています)
- お持ちの物件が居住サポート住宅・セーフティネット住宅の基準に合うかの整理
- 代理納付や保証会社の選び方など、滞納の不安を減らす契約の組み立ての相談
- 入居後の管理、入居者と支援者との連絡の橋渡し
- 空室対策、内装リフォームのご相談
認定の申請そのものは、大家さんと居住支援法人などが行う手続きです。当社は、入居者のご紹介と物件の管理の面から、制度を活かした空室対策を一緒に考えます。
よくあるご質問
Q1. 居住サポート住宅の認定は、大家さんが一人で申請できますか?
原則として、大家さんと居住支援法人などのサポートを行う団体が共同で申請します。大家さん自身がサポートを行う場合は単独で申請できるとされています。申請は国の「居住サポート住宅情報提供システム」からオンラインで行い、岡山市が認定します。
Q2. 認定を受けると、大家さんにはどんなメリットがありますか?
生活保護の方が入居する場合、求めがあれば住宅扶助の代理納付が原則になります。支援団体が安否確認や見守りを担うため、もしものときの不安が減ります。条件を満たせば、改修費の補助(国の直接補助で工事費の3分の1、1戸あたり上限62万円)を受けられる場合もあります。
Q3. 古いアパートでも認定を受けられますか?
原則として、1981年6月以降に工事を始めた新耐震基準の建物であることが求められます。広さは、既存の住宅で原則18㎡以上です。それより古い建物は、耐震の改修が必要になる場合があります。詳しくは岡山市の住宅課でご確認ください。
Q4. 認定を受けると、一般の入居者には貸せなくなりますか?
居住サポート住宅は、原則としてサポートを必要とする住宅確保要配慮者に入居者を限る仕組みです。一般の入居者の募集と両立させたい場合は、まずはセーフティネット住宅として「入居を拒まない住宅」に登録するなど、段階的な進め方も検討できます。
Q5. 岡山市では、どこに相談すればいいですか?
制度や申請については、岡山市の住宅課 計画係(086-803-1466)が問い合わせ先です。組む相手となる居住支援法人は、岡山県が指定している団体の一覧から探せます。入居者の募集や物件の管理については、地域の不動産会社にご相談ください。
Q6. 生活保護の方に貸すとき、家賃はいくらに設定すればいいですか?
岡山市の住宅扶助は、単身世帯でおおむね37,000円、2人世帯でおおむね44,000円が目安です。この範囲に収まる家賃にすると、入居の相談を受けやすくなります。正確な上限額は世帯によって異なるため、入居者の福祉事務所での確認が必要です。
まとめ
- 居住サポート住宅は、大家さんと居住支援法人などが組み、市の認定を受ける仕組み
- 生活保護の方の代理納付が原則、安否確認・見守りを支援団体が担う
- 改修費は国の直接補助で3分の1、1戸あたり上限62万円(条件あり)
- 入居者は原則として配慮が必要な方に限られる。支援団体との役割分担と費用を先に決める
- 岡山市の問い合わせ先は住宅課 計画係(086-803-1466)
空室が続くと、収入の面だけでなく、建物の傷みや先行きへの不安も重なり、大家さんにとって大きな負担になります。一方で、岡山市には「住まいを探しているのに、なかなか見つからない」方が確かにいらっしゃいます。その両方をつなぐのが、地域の不動産会社の役目だと私たちは考えています。制度を使うかどうかも含めて、まずはお気軽にご相談ください。
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ミニクルホームは、岡山市北区・中区・南区・東区を中心に、賃貸の仲介・管理・空室対策・内装リフォームを行っている地域の不動産会社です。生活保護の方、高齢の方、障害のある方の部屋探しのご相談も多くお受けしています。
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※ 記事内の制度・補助の内容は、2026年10月時点の公表情報をもとにした一般的な整理です。認定の可否や補助の対象は、国の案内や岡山市の住宅課でご確認ください。
※ 当社は不動産業者であり、認定の可否の判断や、法務・税務の判断はできません。認定の申請は、大家さんと居住支援法人などが行う手続きです。
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