「立地も広さも理想どおりの物件。でも、前は物販店だったので換気ダクトがない」
「ダクトがなくても、工事すれば飲食店にできるのだろうか。費用はどのくらい?」
飲食店の物件探しで見落としやすいのが、換気ダクト(排気ダクト)の有無です。調理の煙やにおい、熱を外に出すダクトは、飲食店にとって欠かせない設備です。前のテナントが飲食店でなかった物件では、ダクトを新しく通せるかどうかで、出店できるか、工事費がいくらかかるかが大きく変わります。
この記事では、岡山市で飲食店の出店を考えている方に向けて、換気ダクトがない物件で確認したいことと、あわせて調べておきたい設備をまとめました。
- 換気ダクトがない物件でも、排気ルートを確保できれば飲食店にできる場合があります。ただし、ルートを確保できなければ、業態を変えるか物件をあきらめることになります。
- ダクト工事費は数万円〜300万円以上と幅があり、特に屋上まで立ち上げる場合は高額になりやすい傾向があります。
- ダクトだけでなく、給気・ガス・電気・給排水・グリーストラップもあわせて確認しましょう。
- 契約前に、貸主(ダクト工事の承諾)・設備業者(ルートと見積もり)・保健所・消防署へ確認しておくことが大切です。
なぜ飲食店に換気ダクトが必要なのか
- 法律上の換気:建築基準法では、コンロなど火を使う設備を設けた部屋に、原則として換気設備を設けることが求められています。
- 火災の予防:多くの自治体の火災予防条例では、厨房設備の排気ダクトの材質や、油を取り除くグリス除去装置(グリスフィルター)、火が燃え広がるのを防ぐ装置などについて基準が定められています。
- 衛生と働きやすさ:煙・油・熱がこもると、厨房の衛生や従業員の作業環境に影響します。
- 近隣への配慮:排気の出口によっては、においや煙が近隣や上の階に届き、トラブルになることがあります。
換気ダクトがない物件の3つのパターン
| パターン | 状況 | 考え方 |
|---|---|---|
| A:ダクトのルートが確保できる | 外壁や屋上まで、ダクトを通せる経路がある | 工事費・貸主の承諾・近隣への影響を確認して検討 |
| B:ルートはあるが費用が大きい | 屋上まで何階分も立ち上げる必要がある など | 工事費と回収の見通しを比べて判断。業態の変更も検討 |
| C:ルートが確保できない | 建物の構造や貸主の方針で、ダクトを通せない | 煙やにおいの少ない業態への変更、または別の物件を検討 |
排気の方法と費用の目安
| 排気の方法 | 費用の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 既存の換気扇の交換など小規模な工事 | 数万円程度から | 既存のダクトや開口部が使える場合に限られる |
| 壁出し(外壁から横に排気) | 屋上排気より抑えやすい傾向 | 歩行者・隣の建物・上の階へのにおいや煙、外壁に穴を開ける貸主の承諾 |
| 屋上まで立ち上げ | 100万〜300万円程度の例も | 足場が必要になることが多く、1階分高くなるごとに約20〜30万円増えるとされる例も。上の階の入居者への影響 |
金額は、建物の構造、ダクトの長さ・太さ、換気扇の能力、工事のしやすさなどによって大きく変わります。契約前に設備業者に現地を見てもらい、見積もりをとることをおすすめします。
ダクト以外にも調べたい設備
給気(空気を入れる量)
排気だけを強くすると、店内の空気が足りなくなり、ドアが重くなる・すきま風が入る・ガス機器の燃焼に影響するなどの問題が起きることがあります。排気とあわせて給気(外の空気を取り入れる設備)の計画も必要です。
ガス
- 都市ガスかプロパンガスか(使える厨房機器が変わります)
- ガスの容量が足りるか(業務用のコンロ・フライヤー・オーブンを複数使う場合)
- ガス管の引き込み工事が必要か、その費用は誰が負担するか
電気
- 契約できる電気の容量(業務用の冷蔵庫・食洗機・エアコンなどを同時に使う場合)
- 動力(三相200V)が使えるか(業務用の機器で必要になることがあります)
- 容量を増やす場合の工事の可否と費用
給排水・グリーストラップ
- 給水管の太さ、給湯の能力
- 排水の位置と勾配(厨房の位置によっては床を上げる工事が必要になることも)
- グリーストラップ(油脂を分離する装置)を設置できるか
- 床の防水が必要か(水を多く使う厨房の場合)
防火・建物のルール
- ダクトが防火区画を貫通する場合の防火設備
- テナントビルの場合、ダクト工事がB工事(貸主指定業者の工事)になるか
- 営業時間や、においに関する建物のルール
業態によって必要な設備は変わる
同じ「飲食店」でも、業態によって排気の必要量は大きく違います。
- 焼肉・焼き鳥・中華・揚げ物中心の店:煙や油が多く、強力な排気設備とグリス除去装置が必要になりやすい業態です。ダクトのない物件ではハードルが高くなります。
- カフェ・軽食・テイクアウト中心の店:火を使う調理が少なく、電気の調理機器が中心なら、排気設備の規模を抑えられる場合があります。
ダクトのない物件で出店を考える場合は、メニューや調理方法から必要な設備を逆算し、設備業者や保健所に相談するのがおすすめです。
誰に、何を確認するか
| 相談先 | 確認すること |
|---|---|
| 貸主・管理会社 | 飲食店として使えるか、ダクト工事(外壁・屋上の開口)の承諾、工事区分、退去時の原状回復 |
| 設備業者・内装業者 | 排気ルート、必要な換気量、給気、ガス・電気・給排水の容量、工事費の見積もり |
| 岡山市保健所 衛生課 | 営業許可に必要な施設基準(工事の着工前に図面を持って事前相談) |
| 消防署 | 厨房設備・排気ダクトの基準、届出が必要な手続き |
岡山市では、飲食店の営業許可の窓口は保健福祉局 保健所衛生課 食品衛生係です。市は、施設工事の着工前に図面を持って営業内容を相談するよう案内しています。工事が終わってから基準に合わないことが分かると、やり直しの費用がかかるため、早めに相談しましょう。
出店前の確認の進め方
- 業態とメニューから必要な設備を整理する
火を使う調理の量、使いたい厨房機器を書き出します。 - 物件の設備を確認する
ダクトの有無、排気ルートの候補、ガス・電気・給排水の状況を確認します。 - 貸主に飲食店利用とダクト工事の可否を確認する
外壁や屋上への工事を承諾してもらえるかを、契約前に確認します。 - 設備業者に現地調査と見積もりを依頼する
排気ルートと工事費の概算を出してもらいます。 - 保健所・消防署に事前相談する
図面をもとに、許可や基準に合うかを確認します。 - 総予算を確認してから契約する
ダクト工事を含めた内装・設備の総予算で判断します。
ミニクルホームにご相談ください
ミニクルホームでは、貸店舗・事務所の賃貸のご相談もお受けしています。業態やメニューをうかがったうえで、飲食店として使える物件か、ダクト工事の承諾などを貸主に確認しながら、物件探しをお手伝いします。内外装リフォームのご相談も承っています。
まずはLINEで「飲食店の物件を探しています」と一言送っていただくだけでも大丈夫です。
※物件の条件や貸主の承諾、審査の結果により、ご希望に添えない場合があります。
※当社は不動産会社のため、建築・設備・許可についての判断はできません。設備業者・建築士・保健所・消防署などの専門家や窓口にご確認ください。記事内の費用は一般的な目安です。
よくある質問
- 換気ダクトがない物件でも、飲食店は開けますか?
- 排気ルートを確保でき、貸主の承諾が得られれば、ダクトを新しく設置して開業できる場合があります。ただし、建物の構造や貸主の方針でルートを確保できない場合は、煙やにおいの少ない業態への変更や、別の物件の検討が必要になります。
- ダクト工事の費用はどのくらいですか?
- 工事の内容によって数万円〜300万円以上と幅があります。屋上まで立ち上げる場合は100万〜300万円程度の例もあり、1階分高くなるごとに約20〜30万円増えるとされる例もあります。現地を見てもらい、見積もりをとりましょう。
- 壁から横に排気するのはだめですか?
- 建物や周辺の状況によっては可能ですが、歩行者や隣の建物、上の階へのにおいや煙が問題になることがあります。外壁に穴を開ける工事には貸主の承諾も必要です。
- 保健所にはいつ相談すればいいですか?
- 岡山市は、施設工事の着工前に図面を持って営業内容を相談するよう案内しています。窓口は保健福祉局 保健所衛生課 食品衛生係です。
- カフェでもダクトは必要ですか?
- 火を使う調理の量や使う機器によって必要な換気設備の規模が変わります。電気の調理機器が中心であれば規模を抑えられる場合もあるため、メニューをもとに設備業者や保健所に相談しましょう。
まとめ
- 換気ダクトがない物件は、排気ルートを確保できるかが出店の分かれ目です。
- ダクト工事費は数万円〜300万円以上と幅があり、屋上排気は高額になりやすい傾向があります。
- 給気・ガス・電気・給排水・グリーストラップもあわせて確認しましょう。
- 契約前に貸主・設備業者・保健所・消防署へ確認することが大切です。
契約前に一緒に確認しましょう
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宅地建物取引業免許:岡山県知事(3)第5473号
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対応エリア:岡山市(北区・中区・南区・東区)、倉敷市、玉野市、瀬戸内市、備前市、総社市
参考:岡山市「食品衛生 営業許可・届出について」/「飲食店のダクト工事費用」/習志野市「厨房設備等の規制(火災予防条例)」/建築基準法施行令第20条の3
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