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仕事があって、何度も岡山に帰るのは難しいんです」

母は施設にいて、委任状を書いてもらえば私が代わりに全部できると思っていました」

父を自分の家の近くの施設に呼び寄せたのですが、岡山の実家はどうすればいいのか」

県外にお住まいのお子さんから、よくいただくご相談です。

先にお伝えしておくと、手続きの多くは、お子さんが岡山に来なくても進められます。ただし、委任状だけで全部が片づくわけではありません。売主は親御さんだからです。

先に結論

親御さんが施設に入り、お子さんが県外にお住まいでも、実家の売却は帰省せずに進められることが多いです。書類は郵送や電子契約で、打ち合わせはオンラインでやり取りできます。ただし、委任状があっても親御さん本人の確認は省略できません。売主は親御さんなので、司法書士が施設を訪ねて本人確認と意思確認を行います。また、親御さんが岡山市の外の施設に住民票を移している場合は、岡山市の印鑑登録が自動的に廃止されているため、転入先での登録し直しが必要です。

3つの場所に分かれている、という前提

この状況の難しさは、関係する人と物が3か所に分かれていることです。

  場所 役割
親御さん 施設 売主。本人確認と意思確認を受ける
お子さん 県外 親御さんの代理人として、連絡・判断・書類のやり取りを担う
実家 岡山 査定・内覧・引渡しの舞台

そして施設がどこにあるかで、手続きが少し変わります。

パターン 施設の場所 住民票 印鑑登録
A 岡山市内の施設 施設に移していても岡山市内の住所変更 そのまま使えます
B お子さんの近く(県外)の施設 県外に移している 岡山市の登録は自動的に廃止されています

パターンBは、親御さんをお子さんの近くに呼び寄せたご家庭です。最近はこちらのご相談が増えています。印鑑登録の話は後ほど詳しく書きます。

帰省なしでできること、現地で必要なこと

手続きを並べると、次のようになります。

手続き お子さんの帰省 誰が・どうやって
査定・相談 不要 当社が現地で調査し、写真と動画でご報告。打ち合わせはオンラインや電話で
媒介契約(売却の依頼) 不要 郵送、または電子契約
家の中の確認・写真撮影 不要 鍵をお預かりして当社が行います
内覧の立ち会い 不要 当社が行います
売買契約 不要 郵送による持ち回り、または電子契約
親御さん本人の確認 不要 司法書士が施設を訪ねて行います
決済・引渡し 不要なことが多い 司法書士と当社で進め、代金は親御さん名義の口座に振り込み
家財の仕分け 一度はおすすめします 業者に任せることもできますが、思い出の品の判断は代われません

書類のやり取りの具体的な方法(郵送の順番、持ち回り契約の仕組み)は、相続人が遠方にいる場合の記事で詳しく書いています。進め方の基本は同じです。

ここから先は、親御さんがご存命で施設にいる場合に特有の論点を書きます。

委任状があっても、親御さん本人の確認は省略できません

いちばん誤解されやすい点です。

「母に委任状を書いてもらえば、あとは私が全部できる」。そうお考えの方は多いのですが、売主はあくまで親御さんです。委任状はお子さんが代理で動けるようにするものであって、親御さん本人の確認を不要にするものではありません。

不動産の所有権を移す登記は司法書士が行います。司法書士は登記の前に、売主本人であることと、売る意思があることを確認しなければなりません。なりすましや不正な売却を防ぐための、大切な仕組みです。

親御さんが施設にいる場合は、司法書士が施設を訪ねて面談するのが一般的です。施設の事情で直接の面会が難しい場合、司法書士が施設まで出向いたうえで映像と音声による面談を行う方法が認められることもありますが、司法書士事務所からのリモート面談だけで済ませることはできません。

このとき気をつけていただきたいのが、次の2点です。

身分証の原本が、施設に預けてあることが多い

本人確認は、公的な身分証明書の原本で行います。運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きのものが1点、それがない場合は健康保険や介護保険に関する書類など2点、というのが一般的な考え方です。

ところが、施設に入所されている方は、身分証や保険証を施設に預けていることがよくあります。運転免許はすでに返納されていることも多いでしょう。面談の日程を決める前に、どの書類がどこにあるかを施設に確認しておいてください。当日になって見つからないと、日程の組み直しになります。

署名できることと、売る意思があることは違います

面談で確認されるのは、署名ができるかどうかではなく、家を売るという話を理解し、自分の意思で決めているかどうかです。

親御さんの判断能力に不安がある場合、面談で確認が取れず、手続きが止まることがあります。その場合は成年後見の手続きが必要になり、全体で半年前後かかります。ここで止まらないために、判断能力について少しでも心配があれば、売却活動を始める前に司法書士へ相談してください。認知症と売却の関係については別の記事で詳しく書いています。

委任状に書くこと

お子さんが代理人として動くための委任状は、何を任せるのかを具体的に書いたものである必要があります。

  • 売る不動産(所在・地番・家屋番号など、登記どおりに)
  • 売買価格、または価格の下限
  • 引渡しの時期などの主な条件
  • 任せる行為(媒介契約の締結、売買契約の締結、代金の受領、鍵の引渡しなど)
  • 代理人(お子さん)の住所・氏名
  • 親御さんの署名と実印、印鑑証明書

日付や金額を空欄にした委任状は使わないでください。何に同意したのかが分からない委任状は、あとで効力を争われる原因になります。委任状の文面は、当社と司法書士で用意します。

なお、当社は宅地建物取引業者として、法律に基づき、親御さん本人と、代理人であるお子さんの両方について本人確認を行います。お子さんの身分証の写しもお願いすることになりますので、あらかじめご了承ください。

印鑑証明書と住民票の落とし穴

売却には、親御さんの印鑑証明書が必要です。ここで、施設がどこにあるかが効いてきます。

パターンA|施設が岡山市内なら

住民票を施設に移していても、岡山市内での住所変更なので、印鑑登録はそのまま使えます。

印鑑証明書は、親御さんの印鑑登録証(カード)があれば代理人でも取得できます(岡山市の場合、1通300円)。お子さんが県外から来られない場合は、印鑑登録証をお預かりして当社や司法書士が取得する方法もあります。印鑑登録証がどこにあるかを確認しておいてください。

パターンB|施設が県外なら

ここが落とし穴です。

岡山市では、市外へ転出すると印鑑登録は自動的に廃止されます。親御さんの住民票をお子さんの近くの施設に移した時点で、岡山市で登録していた実印は、印鑑証明書を取れない状態になっています。

売却のためには、転入先の市区町村で、新しく印鑑登録をし直す必要があります。

親御さんが窓口に行けない場合は代理人による登録もできますが、多くの自治体では本人に照会書を送って意思を確認する方式をとっており、その日のうちに印鑑証明書を受け取ることはできません。岡山市も同様です。数日から1週間程度の余裕を見てください(日数は自治体によって違います)。

売却の準備を始めたら、まず親御さんの印鑑登録が今どこで生きているかを確認してください。ここに気づかずに契約日を決めてしまうと、直前で慌てることになります。

住所が変わったら、住所変更登記も必要です

住民票を施設に移している場合、もうひとつ手続きが増えます。

登記簿に載っている親御さんの住所は、実家の住所のままのはずです。一方、印鑑証明書の住所は施設の住所になります。この2つが食い違っていると、そのままでは売却の登記ができません。売却の登記の前に、住所変更の登記が必要です。通常は司法書士が売却の登記と一緒に行います。住所のつながりを証明するために、住民票の除票や戸籍の附票が必要になることがあります。

そしてこの住所変更登記は、2026年4月1日から義務になりました。不動産の所有者は、住所の変更日から2年以内に変更登記をしなければならず、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象になります。2026年4月より前に住所が変わっていた場合は、2028年3月31日までが期限です。

つまり、売るかどうかにかかわらず、住民票を移した時点で登記の宿題が発生しているということです。売却の予定があるなら、売却の登記と一緒に済ませるのが効率的です。

権利証が見つからないと、対面での確認が必須になります

実家の権利証(登記済証)、または登記識別情報通知を探しておいてください。

これが見つからない場合でも売却はできますが、司法書士が別の方法で本人確認をすることになり、その場合は親御さんとの対面での確認が必須になります。施設での直接の面会が難しい事情があると、手続きが止まることがあります。

実家の中、仏壇の引き出し、金庫、銀行の貸金庫。親御さんが施設に持ち込んでいることもあります。早い段階で所在を確認しておくと、あとの段取りがずっと楽になります。

売買代金は、親御さん名義の口座へ

決済の日、売買代金は買主から売主に支払われます。売主は親御さんなので、振込先は親御さん名義の口座にしてください。

「管理しやすいから」とお子さんの口座を指定したくなるかもしれませんが、親御さんのお金がお子さんの口座に入ると、贈与と見られるおそれがあります。ご兄弟がいる場合、あとでお金の流れを説明しにくくなることもあります。

その後の施設費用の支払いなどは、親御さんの口座から行う形にしておくのが安全です。

告知書は、分かる範囲で正直に

売却のときには、売主が家の状態を買主に伝える書類(物件状況確認書、いわゆる告知書)を作ります。雨漏り、シロアリ、給排水の不具合などを、知っている範囲で書くものです。

親御さんは施設にいて記憶があいまいなことがあり、お子さんは長く住んでいないので分からない。この状況では、分からないことは「不明」と書いて構いません。知らないことを「なし」と書いてしまうほうが、あとでトラブルになります。

建物の状態が心配な場合は、専門家による建物の状況調査を入れる方法や、売主が建物の不具合について責任を負わない条件で売る方法もあります。どの形がよいかは、建物の状態と価格の兼ね合いでご相談しながら決めます。現況のまま売る場合の契約の注意点もあわせてご覧ください。

施設との調整で気をつけること

司法書士の面談や書類の受け渡しでは、施設とのやり取りが発生します。

  • 面会のルール(予約制か、時間帯、人数の制限)を先に確認しておく
  • 司法書士が訪問することを、施設の担当者に事前に伝えておく
  • 身分証や印鑑登録証を施設が保管しているかどうかを確認しておく
  • 親御さんの体調のよい時間帯を、施設の方に聞いておく

面談は、親御さんにとっても負担のある場面です。落ち着いて話せる時間を選ぶことが、結果的にいちばんの近道になります。

当社が岡山で担うこと

お子さんが県外にいらっしゃる間、当社が岡山で次のことを担当します。

  • 実家の査定と、写真・動画によるご報告
  • 鍵のお預かりと、内覧の立ち会い
  • 家の中の状態確認、郵便物や庭木の状況のご報告(売れるまでの間の管理)
  • 司法書士との日程調整、施設への訪問の段取り
  • 委任状や契約書類の準備と、郵送・電子契約の手配
  • 家財整理業者のご紹介と、作業の立ち会い
  • 決済と引渡しの段取り

打ち合わせは、電話、LINE、オンライン面談のいずれでも対応します。お仕事の合間や夜の時間帯のご相談も、事前にご相談ください。

それでも、一度だけ帰省をおすすめすること

正直にお伝えしておきます。

手続きそのものは、お子さんが一度も岡山に来なくても進められることが多いです。ただ、家財の仕分けだけは、できれば一度帰省されることをおすすめします。

写真、手紙、親御さんが大事にしていたもの。何を残し、何を手放すかは、業者にも当社にも代わりができません。写真や動画でお見せすることはできますが、実際に手に取ると判断が変わることもあります。

その一度の帰省も、当社が事前に仕分けの段取りを組んでおけば、1日か2日で済むようにできます。何を持ち帰るかを決めていただき、残りは業者に任せる。そういう進め方ができます。家財整理の流れは実家じまいの記事で詳しく書いています。

当社にできること・できないこと

当社ができるのは、実家の査定、岡山での現地対応、書類の準備と郵送・電子契約の手配、司法書士や家財整理業者との調整、そして売却の仲介です。

一方、親御さんの本人確認・意思確認、登記の手続きは司法書士が行います。当社では行えません。判断能力についての判断、税金や贈与についての判断も、当社では行えません。司法書士・税理士・医師の領域です。ご希望があれば、岡山で対応している司法書士をご紹介します。

よくあるご質問

親が施設にいて、自分は県外です。一度も岡山に行かずに実家を売れますか。

手続きの多くは帰省せずに進められます。書類は郵送や電子契約で、打ち合わせはオンラインや電話でやり取りでき、内覧の立ち会いや鍵の管理は当社が岡山で行います。売主である親御さんの本人確認と意思確認は、司法書士が施設を訪ねて行います。ただし家財の仕分けだけは、できれば一度帰省されることをおすすめしています。

親に委任状を書いてもらえば、親本人の確認は不要ですか。

不要にはなりません。売主は親御さんなので、登記を担当する司法書士が、売主本人であることと売る意思があることを確認します。親御さんが施設にいる場合は、司法書士が施設を訪ねて面談するのが一般的です。委任状は、お子さんが代理で手続きを進められるようにするためのものです。

親を県外の施設に呼び寄せて住民票も移しました。何か影響はありますか。

岡山市では、市外へ転出すると印鑑登録が自動的に廃止されます。そのため、売却に必要な印鑑証明書を取るには、転入先の市区町村で新しく印鑑登録をし直す必要があります。代理人による登録もできますが、多くの自治体では本人への照会が必要で、その日のうちに証明書は受け取れません。また、登記簿の住所と現住所が違うため、住所変更の登記も必要になります。

住所変更の登記は、売らなくても必要ですか。

2026年4月1日から、不動産の所有者は住所の変更日から2年以内に変更登記をすることが義務になりました。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象になります。2026年4月より前に住所が変わっていた場合は、2028年3月31日までが期限です。売却の予定があるなら、売却の登記と一緒に司法書士に依頼するのが効率的です。

売買代金は自分の口座に振り込んでもらえますか。

売主は親御さんなので、親御さん名義の口座にしてください。お子さんの口座に入ると贈与と見られるおそれがあり、ご兄弟がいる場合はお金の流れを説明しにくくなることもあります。贈与に当たるかどうかの判断は税理士にご確認ください。

権利証が見つかりません。売れますか。

売れます。ただし司法書士が別の方法で本人確認をすることになり、その場合は親御さんとの対面での確認が必須になります。実家の中や仏壇の引き出し、金庫、親御さんが施設に持ち込んでいないかなど、早めに探してみてください。

家の状態がよく分かりません。告知書はどう書けばよいですか。

分かる範囲で正直に書き、分からないことは「不明」と書いて構いません。知らないことを「なし」と書くほうが、あとでトラブルになります。建物の状態が心配な場合は、専門家による建物の状況調査を入れる方法などもあります。どの形がよいかはご相談しながら決めます。

岡山のことは、当社が現地で担当します

査定、鍵のお預かり、内覧の立ち会い、写真と動画でのご報告、司法書士との日程調整、施設への訪問の段取りまで。お子さんが県外にいらっしゃっても、岡山で必要なことは当社が進めます。

※親御さんの本人確認・意思確認と登記の手続きは司法書士が行います。判断能力、税金、贈与についての判断は当社では行えません。岡山で対応している司法書士をご紹介します。

3か所に分かれていても、つなぐ役割は当社が担います。仕事や子育てで岡山に何度も帰れないことを、申し訳なく思う必要はありません。遠くから親御さんの家のことを考えていらっしゃること自体が、十分な関わり方です。現地のことは当社にお任せいただき、お子さんには、お子さんにしかできない判断に集中していただければと思います。

最終更新日:2026年9月24日
確認先:法務省(住所等変更登記の義務化)、国土交通省(重要事項説明書等の電磁的方法による提供)、岡山市(印鑑登録の廃止、印鑑登録証明書の交付、代理人による印鑑登録)、担当の司法書士。制度は変わることがあります。最新はそれぞれの窓口でご確認ください。

(この記事は一般的な情報の整理です。本人確認・意思確認と登記の手続きは司法書士が行います。判断能力、税金、贈与についての判断は当社では行えません。個別のご事情は司法書士・税理士にご相談ください。)

株式会社ミニクルホーム
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対応エリア:岡山市北区・中区・南区・東区、玉野市、瀬戸内市、備前市、総社市、倉敷市
代表:城井 仁(宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士、不動産実務経験25年以上)

CUSTOMER VOICE

お客様の声

Googleマップへ寄せられたミニクルホームのお客様の声を、 プライバシーに配慮して一部抜粋・匿名化してご紹介します。

正直な物件説明 ★★★★★

まさに正直不動産。注意点まで教えてくれました

まさに正直不動産。気になっていた物件について、 事故物件であることや管理面の注意点なども教えてくれました。 安心して物件探しを任せられました。

A
ご利用者A様Googleマップの口コミより一部抜粋
入居・退去の対応 ★★★★★

入居時も退去時も丁寧に対応してくれました

入居時も退去時も丁寧に対応してくださり助かりました。 LINEでの対応も文字に残るので、 電話だけより確認しやすいです。

B
ご利用者B様Googleマップの口コミより一部抜粋
難しい条件の部屋探し ★★★★★

難しい条件でも迅速かつ柔軟に対応

難しい条件の中、迅速かつ柔軟な対応で、 ようやく住めるところが見つかりました。 不安なこともLINEで相談できて助かりました。

C
ご利用者C様Googleマップの口コミより一部抜粋
遠方からの引越し ★★★★★

遠方からの引越しも丁寧にサポート

遠方からの引越しで分からないことだらけでしたが、 何から何まで丁寧に対応してくださり、 本当に助かりました。

D
ご利用者D様Googleマップの口コミより一部抜粋
地域情報・物件提案 ★★★★★

土地の事情も分かり、納得して決められました

難しい条件での物件探しでしたが、 多数の物件をご案内いただき、 納得して決めることができました。 土地の事情も参考になりました。

E
ご利用者E様Googleマップの口コミより一部抜粋
親身な対応 ★★★★★

借りる側の目線で考えてくれました

借りる側の目線で考えてくださるので有り難かったです。 気さくな不動産屋さんで、 希望もお願いしやすく助かりました。

F
ご利用者F様Googleマップの口コミより一部抜粋
 

※Googleマップに投稿された口コミの一部を、 意味を変えない範囲で抜粋・匿名化して掲載しています。 口コミは個人の感想です。

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