国土交通省「宅地建物取引業法第35条・重要事項説明」から学ぶ|岡山市で賃貸契約前に必ず確認したいこと
「重要事項説明を受けたけれど、専門用語が多くてよく分からなかった」
「契約書にサインした後で、退去費用や違約金を知って困った」
「オンライン契約やIT重説だけで、本当に大丈夫なのか不安」
岡山市で賃貸住宅を借りるとき、内見、申込み、審査、初期費用に意識が向きやすく、契約前の重要事項説明を「形式的な手続き」と思ってしまう方もいます。
しかし、重要事項説明は、契約前に物件や契約条件の大切な内容を確認するための非常に重要な手続きです。
宅地建物取引業法第35条では、宅地建物取引業者が、契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士を通じて重要事項を記載した書面を交付し、説明することが定められています。
つまり、重要事項説明は「契約後に聞くもの」ではなく、契約するかどうかを判断するために、契約前に確認するものです。
この記事では、国土交通省の宅地建物取引業法第35条・重要事項説明に関する情報をもとに、岡山市で賃貸契約・売買契約をする前に確認したいポイントを、ミニクルホームの実務目線でわかりやすく解説します。
主な参考資料
国土交通省「<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ」
URL:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html
国土交通省「重要事項説明における各法令に基づく制限等についての概要一覧」
URL:https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk3_000001_00054.html
国土交通省「宅地建物取引業法関係」
URL:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000250.html
国土交通省「IT重説本格運用」
URL:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_fr3_000046.html
※本記事は公的機関の公表情報を参考に、岡山市での賃貸契約・売買契約に活かしやすいポイントを整理したものです。個別の契約トラブル、損害賠償、契約解除、法的判断は、消費生活センター・弁護士・行政窓口等へご確認ください。
この記事のポイント
- 重要事項説明は、契約前に物件と契約条件を確認するための手続き
- 宅地建物取引士が、重要事項説明書をもとに説明する
- 家賃・初期費用・退去費用・違約金・解除・禁止事項は必ず確認する
- 賃貸では、設備と残置物、原状回復特約、短期解約違約金がトラブルになりやすい
- 売買では、権利関係、法令制限、道路、ハザードマップ、ローン特約が重要
- IT重説や電子書面でも、分からないまま進めない
- 生活保護・高齢者・保証人なしの方は、契約前に費用と審査条件を特に確認する
重要事項説明とは?
重要事項説明とは、不動産を買う・借りる前に、その物件や契約内容について、知っておくべき重要な事項を説明する手続きです。
説明を行うのは、宅地建物取引士です。
宅地建物取引士は、重要事項説明書の内容をもとに、物件の権利関係、法令上の制限、設備、費用、契約解除、違約金、その他契約判断に関わる内容を説明します。
賃貸契約の場合は、主に次のような内容が重要です。
- 家賃・共益費・管理費
- 敷金・礼金・保証会社費用
- 契約期間
- 更新料・更新事務手数料
- 短期解約違約金
- 退去予告期間
- 退去時クリーニング費用
- 原状回復特約
- 設備と残置物の違い
- 禁止事項
- 水害ハザードマップ上の所在地
35条書面と37条書面の違い
不動産契約では、「35条書面」と「37条書面」という言葉が出てくることがあります。
どちらも重要な書面ですが、役割が違います。
| 書面 | 意味 | タイミング | 目的 |
|---|---|---|---|
| 35条書面 | 重要事項説明書 | 契約成立前 | 契約するかどうかを判断するため |
| 37条書面 | 契約締結時書面 | 契約成立後 | 成立した契約内容を確認するため |
大切なのは、重要事項説明は契約前に受けるという点です。
契約後に「聞いていなかった」「知らなかった」とならないように、分からない項目はその場で質問しましょう。
岡山市の賃貸契約で必ず確認したい重要事項
1.毎月の総額
家賃だけでなく、毎月支払う総額を確認しましょう。
- 家賃
- 共益費
- 管理費
- 駐車場代
- 町内会費
- 口座振替手数料
- 月額保証料
- 24時間サポート費
家賃が安く見えても、月額費用を足すと予算を超える場合があります。
2.初期費用の内訳
契約前には、初期費用の総額だけでなく、内訳を確認します。
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- 前家賃
- 日割り家賃
- 保証会社初回保証料
- 火災保険料
- 鍵交換費用
- 消毒・抗菌施工費
- 24時間サポート
- 入居前清掃費
任意費用と必須費用が混ざっている場合もあるため、「契約に必須なのか」「外せる費用なのか」を確認しましょう。
3.短期解約違約金
岡山市の賃貸物件でも、1年未満や2年未満で解約すると違約金が発生する契約があります。
初期費用が安い物件やフリーレント付き物件では、短期解約違約金が設定されていることがあります。
確認ポイント
「何年未満で退去すると、家賃何か月分の違約金がかかるのか」を必ず確認しましょう。生活保護の方や転勤・入院の可能性がある方は特に注意が必要です。
4.退去予告期間
退去するときは、契約書で定められた期限までに解約通知を出す必要があります。
一般的には1か月前が多いですが、物件によっては2か月前の場合もあります。
退去連絡が遅れると、住んでいない期間の家賃が発生することがあります。
5.退去時費用・原状回復特約
賃貸契約で最もトラブルになりやすいのが、退去時費用です。
重要事項説明では、退去時クリーニング費用、エアコンクリーニング費用、原状回復特約、畳表替え、襖張替え、鍵紛失時費用などを確認します。
「敷金ゼロ」でも、退去時に費用がかからないという意味ではありません。
6.設備と残置物の違い
エアコン、照明、コンロ、温水洗浄便座などが付いていても、それが「設備」なのか「残置物」なのかで故障時の扱いが変わることがあります。
| 区分 | 意味 | 注意点 |
|---|---|---|
| 設備 | 貸主側の設備として契約に含まれるもの | 故障時は管理会社・大家さんへ修理相談できることが多い |
| 残置物 | 前入居者などが残したものを使用できる状態 | 故障しても修理・交換対象外となる場合がある |
入居後に「エアコンは設備ではなく残置物です」と言われて困らないよう、重要事項説明で確認しましょう。
7.禁止事項
契約書や重要事項説明書には、禁止事項が記載されています。
- ペット飼育
- 楽器演奏
- 事務所利用
- 民泊利用
- 無断転貸
- 同居人追加
- 無断DIY
- 石油ストーブ使用
- 駐車場の契約外利用
- ゴミ出しルール違反
特に、同棲、家族同居、生活保護世帯、障害福祉サービスの訪問、在宅ワーク、ペット飼育を考えている方は、契約前に確認しましょう。
水害ハザードマップの確認も重要事項説明の対象
近年の水害リスクの高まりを受けて、不動産取引時には、水防法に基づく水害ハザードマップ上の対象物件の所在地が重要事項説明の対象に追加されています。
岡山市では、旭川、百間川、笹ヶ瀬川、用水路、低地、内水リスクなど、エリアによって水害リスクの考え方が変わります。
重要事項説明でハザードマップ上の位置を聞いたら、次の点もあわせて確認しましょう。
- 浸水想定区域に入っているか
- 想定浸水深はどの程度か
- 避難所までの距離
- 1階か2階以上か
- 駐車場が浸水しやすい場所か
- 高齢者や車椅子の方が避難しやすいか
- 火災保険・水災補償の有無
IT重説・電子書面で注意すること
現在は、対面だけでなく、テレビ会議等を使ったIT重要事項説明も可能です。
遠方から岡山市へ引っ越す学生、転勤者、生活保護の転居相談、県外在住の高齢者家族などにとって、オンラインで説明を受けられることは便利です。
ただし、オンラインだからこそ注意点もあります。
IT重説で確認したいこと
- 説明前に重要事項説明書を受け取っているか
- スマホやパソコンで文字が読めるか
- 通信環境が安定しているか
- 宅地建物取引士証を画面で確認できるか
- 音声が聞き取れるか
- 質問できる環境か
- 説明後に書面を保存できるか
- 録画する場合は事前に可否を確認したか
スマホだけで受ける場合の注意
スマホ画面では、重要事項説明書の細かい文字を見落としやすくなります。可能であれば、事前にPDFを印刷するか、タブレット・パソコンで確認できる状態にしておきましょう。
生活保護の方が重要事項説明で確認すること
生活保護を受給している方、または申請中の方は、重要事項説明の内容をケースワーカーへ確認する必要がある場合があります。
特に、初期費用、住宅扶助、共益費、保証会社費用、火災保険料、鍵交換費用、退去時費用、短期解約違約金は重要です。
確認したい項目
- 家賃が住宅扶助の範囲内か
- 共益費・管理費を含めた月額総額
- 初期費用の見積書
- 保証会社費用
- 火災保険料
- 鍵交換費用
- 退去時クリーニング費用
- 短期解約違約金
- 代理納付の可否
- 契約開始日と家賃発生日
ケースワーカーへの確認例
この物件の重要事項説明書と初期費用見積書を確認したいです。家賃、共益費、保証会社費用、火災保険料、鍵交換費用、退去時費用、短期解約違約金について、契約前に支給対象や注意点を確認できますか。
高齢者・保証人なしの方が確認すること
高齢者、身寄りなし、保証人なし、緊急連絡先なしの方は、重要事項説明で費用だけでなく、入居後の連絡体制も確認しましょう。
- 連帯保証人が必要か
- 保証会社利用でよいか
- 緊急連絡先は親族以外でもよいか
- 見守りサービスを利用できるか
- 入院時・施設入所時の連絡体制
- 死亡時・残置物の取り扱い
- 代理納付や口座振替の方法
- 管理会社との連絡方法
審査に不安がある方ほど、契約直前ではなく、申込み前から条件を整理しておくことが大切です。
売買契約で重要事項説明を受けるときの注意点
岡山市で中古住宅、土地、中古マンション、投資用物件、空き家を購入する場合は、賃貸よりも確認項目が多くなります。
売買で確認したい項目
- 登記上の権利関係
- 抵当権など担保権の有無
- 都市計画法・建築基準法などの法令制限
- 道路の種類と接道条件
- 再建築できるか
- 上下水道・ガス・電気の整備状況
- 境界
- 私道負担
- 契約不適合責任
- 手付金
- ローン特約
- ハザードマップ
- マンションの場合は管理費・修繕積立金
特に築古住宅、空き家、未登記建物、再建築不可、農地、古い団地、投資物件では、重要事項説明の内容が購入判断に大きく関わります。
重要事項説明で分からないときの質問例
賃貸契約前の質問例
家賃以外に毎月かかる費用、退去時に必ずかかる費用、短期解約違約金、原状回復特約、設備と残置物の違いをもう一度説明してください。
IT重説の質問例
スマホ画面では文字が見づらいため、重要事項説明書をPDFで先に送ってください。説明中に不明点があれば、その場で質問してもよいですか。
売買契約前の質問例
この物件の法令制限、道路、再建築可否、ハザードマップ、ローン特約、契約不適合責任について、購入判断に影響する点を分かりやすく説明してください。
重要事項説明でやってはいけないこと
- 分からないまま「大丈夫です」と返事をする
- 書面を読まずに署名する
- 初期費用だけ見て退去時費用を確認しない
- 短期解約違約金を確認しない
- 設備と残置物の違いを確認しない
- 電子書面を保存しない
- IT重説で音声や映像が不安定なのに進める
- 生活保護の方が福祉事務所確認前に契約する
- 売買でローン特約や契約不適合責任を確認しない
契約前チェックリスト
- 重要事項説明書を事前に確認した
- 宅地建物取引士から説明を受けた
- 宅地建物取引士証を確認した
- 家賃・共益費・月額総額を確認した
- 初期費用の内訳を確認した
- 任意費用と必須費用を確認した
- 契約期間を確認した
- 更新料を確認した
- 短期解約違約金を確認した
- 退去予告期間を確認した
- 退去時費用を確認した
- 原状回復特約を確認した
- 設備と残置物を確認した
- 禁止事項を確認した
- 水害ハザードマップを確認した
- 電子書面を保存できる状態にした
よくある質問
Q.重要事項説明とは何ですか?
不動産を買う・借りる前に、物件や契約条件について知っておくべき重要な事項を、宅地建物取引士から説明してもらう手続きです。
Q.重要事項説明はいつ受けますか?
契約が成立する前に受けます。契約するかどうかを判断するための説明なので、分からないまま契約へ進まないことが大切です。
Q.重要事項説明はオンラインでも受けられますか?
一定の条件を満たせば、テレビ会議等を使ったIT重要事項説明を受けることができます。ただし、書面を確認できること、音声・映像が安定していること、質問できる環境であることが重要です。
Q.電子書面だけで大丈夫ですか?
電子書面での交付も可能ですが、後から確認できるように保存しておくことが大切です。電子端末の操作に不安がある方は、紙での交付も相談しましょう。
Q.賃貸で一番確認すべき重要事項は何ですか?
家賃以外の月額費用、初期費用、短期解約違約金、退去時費用、原状回復特約、設備と残置物、禁止事項を確認しましょう。
Q.生活保護の場合、重要事項説明で何を確認すべきですか?
住宅扶助内の家賃か、共益費、初期費用、保証会社費用、火災保険、鍵交換費用、退去時費用、短期解約違約金、代理納付の可否を契約前に確認しましょう。
Q.重要事項説明を聞いて分からなかった場合はどうすればよいですか?
その場で質問してください。分からないまま署名せず、必要であれば説明を止めてもらい、家族・支援者・専門家に相談してから判断しましょう。
Q.岡山市で契約前の確認を相談できますか?
相談できます。ミニクルホームでは、岡山市を中心に、賃貸契約前の費用、審査、退去時費用、生活保護、高齢者、保証人なし、緊急連絡先なしの相談に対応しています。
まとめ|重要事項説明は「契約前に止まれる最後の確認時間」
国土交通省の情報や宅地建物取引業法第35条を見ると、重要事項説明は、不動産取引で買主・借主を守るための大切な手続きです。
岡山市で賃貸住宅を借りる方は、特に次の項目を確認しましょう。
- 家賃以外の月額費用
- 初期費用の内訳
- 短期解約違約金
- 退去時費用・原状回復特約
- 設備と残置物
- 禁止事項
- 水害ハザードマップ
- 電子書面・IT重説の保存方法
重要事項説明は、ただ聞いて終わるものではありません。
分からないことを質問し、不安な項目を確認し、納得してから契約するための時間です。
特に、生活保護、高齢者、障害のある方、保証人なし、緊急連絡先なし、初期費用不足の方は、契約後にトラブルになると生活への影響が大きくなります。
「急いでいるから」「みんな契約しているから」と進めるのではなく、重要事項説明書と契約書を一つずつ確認し、分からない部分は遠慮なく質問しましょう。
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