「今の部屋を出て、引っ越したい」——そう思っても、生活保護を受けていると「そんなことを言ったら生活保護を止められるのでは」「わがままだと思われないか」と不安になり、ケースワーカーになかなか相談できない、という声をよく耳にします。
この記事では、生活保護を受けながら転居(引っ越し)が認められる主なケースと、実際に動き出す前に押さえておきたい相談の順番について、岡山市の不動産会社の立場から分かりやすく解説します。
生活保護を受けていても、正当な理由があれば転居が認められることがあります。ただし最も大切なのは、「気に入った物件を見つけてから相談する」のではなく、「まずケースワーカー・福祉事務所に相談してから物件を探す」という順番を守ることです。契約前の相談・承認がないまま契約してしまうと、転居にかかる費用が支給されない可能性があります。
なぜ生活保護中は自由に転居を決められないのか
生活保護は、住宅扶助として家賃相当額の給付を受けながら生活を続ける制度です。転居には敷金・礼金・引っ越し費用など新たな出費が発生するため、その転居が「本当に必要かどうか」「税金を財源とする扶助費の使い方として適切かどうか」を福祉事務所が事前に確認する仕組みになっています。これは受給者を制限するためというより、必要な方に必要な支援が行き渡るようにするための手続きだと理解しておくと、相談へのハードルが少し下がるかもしれません。
転居が認められる主なケース
個々の判断は世帯の状況や自治体の運用によって異なりますが、一般的に転居の理由として認められやすいとされる代表的なケースには、次のようなものがあります。
今の家賃が住宅扶助の基準額を超えており、福祉事務所から転居の指導を受けている
住居の老朽化・破損が著しく、そのまま住み続けるのが難しい
部屋が著しく狭い、または衛生状態などの点で住環境に問題がある
病気療養や障害の状況にあわせた設備(バリアフリー等)が必要になった
入院していた病院を退院するにあたり、帰る住居がない
社会福祉施設や宿所提供施設などを退所し、居宅での生活に移る
家主から正当な理由による立ち退きや契約更新拒絶を求められている
火災など災害により、今の住居に住み続けられなくなった
就労先が遠方になり、通勤が困難な状況を解消する必要がある
離婚や世帯構成の変化により、新たな住居が必要になった
DVや犯罪被害など、安全確保のために転居が必要な事情がある
親戚・知人宅に一時的に身を寄せている状態から、独立した住居に移る
上記はあくまで代表的な例であり、実際に転居が認められるかどうか、費用がどこまで支給されるかは、世帯の状況やケースワーカーの判断によって異なります。「自分のケースが当てはまるか」は、必ず担当のケースワーカーまたは福祉事務所に直接ご確認ください。
相談の順番|先に契約しないことが何より大切
転居を考え始めたときに気をつけたいのが、「良さそうな物件を先に見つけて契約してしまう」という順番にしないことです。契約後に相談すると、転居の必要性を事後的に判断することになり、費用が支給されないリスクが高まります。次の順番で進めることをおすすめします。
①まずケースワーカーに相談する
「引っ越したい」と思った時点で、契約する前に担当ケースワーカーへ相談します。理由と現在の状況を正直に伝えることが第一歩です。
②該当するケースかどうかの確認・必要書類の準備
転居理由書や、必要に応じて医師の意見書、家主からの立ち退き通知など、状況を説明する資料の準備を求められることがあります。
③住宅扶助の範囲内で物件を探す
福祉事務所の確認が取れたら、住宅扶助の上限額内で借りられる物件を、不動産会社と一緒に探します。当社でも条件に合う物件のご相談を承っています。
④費用支給の決定を確認してから契約する
敷金・礼金・引っ越し費用などについて、支給の可否・金額の見込みをケースワーカーに確認したうえで、契約に進みます。
転居にかかる費用として支給される可能性があるもの
転居が認められた場合、敷金・礼金・仲介手数料・火災保険料、引っ越し運搬費などが、一定の基準額の範囲内で支給される場合があります。ただし上限額や対象となる費目は世帯の状況によって異なり、退去時の原状回復費用など対象外となる費用もあります。具体的な金額や対象範囲については、下記の関連記事もあわせてご確認のうえ、必ず福祉事務所にお尋ねください。
相談前に準備しておきたいもの
| 準備するもの | ポイント |
|---|---|
| 転居したい理由が分かるもの | 家主からの通知、医師の意見書、家賃の通知書など、状況によって異なります |
| 現在の契約内容 | 今の家賃、契約期間、更新時期などをまとめておくとスムーズです |
| 希望条件・予算のメモ | 住宅扶助の上限額を踏まえた家賃の目安を確認しておきます |
| 相談したいことのメモ | 費用の支給範囲や手続きの流れなど、聞きたいことを整理しておきましょう |
ケースワーカーへの質問フレーズ例
「今の住まいの状況について相談したいのですが、転居は認められますか。」
「転居が認められる場合、費用はどの範囲まで支給されますか。」
「物件を探し始める前に、まず何を準備すればよいでしょうか。」
「引っ越したい」と感じることは、決してわがままなことではありません。今の住まいに困りごとがあるなら、それを我慢し続ける必要はありません。まずは正直に状況をケースワーカーに伝えることから始めてみてください。不動産会社への相談は、ケースワーカーへの相談と並行して、いつでも気軽にしていただいて構いません。
よくある質問
生活保護を受けていても引っ越しはできますか?
どんな理由なら転居が認められやすいですか?
先に気に入った物件を契約してしまってもいいですか?
転居にかかる費用は全額支給されますか?
ケースワーカーに相談しづらいのですが、どうすればいいですか?
転居先の物件はどこでも自由に選べますか?
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※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、転居の可否や費用支給の判断を保証するものではありません。実際の可否・支給範囲は世帯の状況や自治体の運用によって異なりますので、必ず担当のケースワーカー・福祉事務所にご確認ください。
※契約は、福祉事務所の確認・許可を得たうえで進めることを強くおすすめします。事前確認のないまま契約した場合、費用が支給されない可能性があります。
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