記事更新日:2026年6月29日
岡山市の居住サポート住宅とは?高齢者・低所得者向けの新しい選択肢
この記事の結論
居住サポート住宅とは、高齢者や低所得者、障害のある方など、民間賃貸住宅を借りにくい方に対し、大家さんと居住支援法人などが連携して、安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎを行う認定賃貸住宅です。
ただし、介護施設や24時間対応の高齢者住宅とは異なります。支援内容、対象者、家賃、保証会社、緊急連絡先などの条件は住宅ごとに確認が必要です。
岡山市で住まいを探している高齢者や生活保護受給者、年金だけでは家賃が厳しい方から、次のようなご相談を受けることがあります。
- 高齢を理由に賃貸審査を断られた
- 保証人や緊急連絡先を頼める人がいない
- 一人暮らしの安否確認をしてほしい
- 生活保護でも相談できる住宅を探したい
- 施設ではなく、一般の賃貸住宅で暮らしたい
- 体調が悪化したとき、福祉サービスへつないでほしい
- 居住支援法人と居住サポート住宅の違いが分からない
こうした住まいの不安に対応する新しい制度として、2025年10月から「居住サポート住宅」の認定制度が始まりました。
制度上の正式名称は、居住安定援助賃貸住宅です。
一般的な賃貸住宅の暮らしを基本としながら、入居後に一定の見守りや生活上の支援を受けられることが特徴です。
この記事では、岡山市の居住サポート住宅について、対象となる方、受けられる支援、通常の賃貸住宅との違い、費用、探し方、契約前の注意点を解説します。
この記事で分かること
- 居住サポート住宅の基本的な仕組み
- 対象となる住宅確保要配慮者
- 安否確認・見守り・福祉へのつなぎの内容
- セーフティネット住宅やサ高住との違い
- 生活保護受給者が入居する場合の家賃
- 居住サポート住宅でも審査がある理由
- 岡山市で住宅を探す手順
居住サポート住宅とは?
居住サポート住宅とは、大家さんと居住支援法人などが連携し、住宅確保要配慮者へ入居中のサポートを提供する賃貸住宅です。
住宅とサポートに関する計画について、岡山市などの福祉事務所を設置する自治体から認定を受けます。
居住サポート住宅の中心となる支援は、次の3つです。
1
日常の安否確認
定められた方法で、入居者が普段どおり生活しているかを確認します。
2
訪問などによる見守り
訪問や連絡など、住宅ごとに定められた方法で生活状況を見守ります。
3
福祉サービスへのつなぎ
生活や心身の状態が不安定になった場合に、適切な相談窓口や福祉サービスへつなぎます。
単に「高齢者の入居を断らない住宅」というだけでなく、入居後の生活を支える仕組みが組み込まれている点が特徴です。
どのような人が対象になる?
居住サポート住宅は、民間賃貸住宅を確保する際に配慮が必要な「住宅確保要配慮者」を主な対象としています。
対象として想定されるのは、次のような方です。
- 低額所得者
- 高齢者
- 身体・知的・精神障害のある方
- 子育て世帯・ひとり親世帯
- 生活保護受給者
- 生活困窮者
- DVや犯罪被害から避難している方
- 外国人
- 社会的に孤立している方
- 退院・施設退所後に住居が必要な方
ただし、すべての居住サポート住宅が、すべての住宅確保要配慮者を受け入れるわけではありません。
住宅ごとに、受け入れる対象者や条件が設定されます。
例えば、次のような個別条件が設けられる場合があります。
- 高齢者は60歳以上
- 訪問介護が必要な場合はサービスを利用する
- 生活保護受給者は家賃の代理納付を利用する
- 障害のある方は事前面談を行う
- 単身者のみを対象とする
- 共同生活ができることを条件とする
「認定住宅=誰でも入居できる」ではありません
対象者の範囲、本人の生活状況、家賃の支払い方法、支援体制などを確認したうえで、物件ごとに入居可否が判断されます。
誰が入居後のサポートを行うの?
居住サポート住宅では、大家さんがすべての支援を行うわけではありません。
大家さんと、次のような支援事業者が連携します。
- 居住支援法人
- 社会福祉法人
- NPO法人
- 不動産管理会社
- 福祉・生活支援を行う事業者
- その他、認定基準を満たす支援事業者
居住支援法人とは、高齢者、低所得者、障害のある方などに対し、住まいの相談、物件情報、入居支援、見守りなどを行う法人として、都道府県から指定を受けた法人です。
ただし、居住サポート住宅のサポートを行う事業者は、必ずしも居住支援法人だけに限られません。
一般賃貸・セーフティネット住宅・居住サポート住宅の違い
| 住宅の種類 | 主な特徴 | 入居中の支援 |
|---|---|---|
| 一般の賃貸住宅 | 通常の大家さん・管理会社が募集する住宅 | 原則として生活支援は付かない |
| セーフティネット住宅 | 登録した住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅 | 必ずしも見守り等が付くわけではない |
| 居住サポート住宅 | 自治体が住宅と支援計画を認定した賃貸住宅 | 安否確認、見守り、福祉サービスへのつなぎ |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 高齢者向けの設備と安否確認・生活相談を備えた登録住宅 | 高齢者向けサービスを提供 |
| 介護施設 | 介護サービスや生活支援を中心とする施設 | 施設の種類に応じた介護・生活支援 |
居住サポート住宅は、一般の賃貸住宅と福祉施設の中間のように見えることがあります。
しかし、基本的には賃貸借契約を結んで暮らす住宅です。
介護施設のように、食事、排せつ、入浴、服薬管理などを常時支援する制度ではありません。
居住サポート住宅で受けられる支援の具体例
実際の支援方法や頻度は、認定された計画や住宅によって異なります。
考えられる支援には、次のようなものがあります。
- 電話や通信機器による安否確認
- 定期的な訪問
- 入居者との面談
- 郵便物や生活状況の確認
- 家賃や公共料金の支払い状況に関する相談
- 体調悪化時の相談
- 地域包括支援センターへの連絡
- 福祉事務所やケースワーカーへのつなぎ
- 介護・障害福祉サービスへのつなぎ
- 生活困窮者の相談窓口へのつなぎ
一方、次のようなサービスが必ず含まれるわけではありません。
必ず付いているとは限らないサービス
- 24時間の職員常駐
- 緊急時の現地駆け付け
- 食事の提供
- 掃除や買い物代行
- 服薬管理
- 入浴・排せつの介助
- 通院の付き添い
- 金銭管理
- 身元保証・連帯保証
- 死亡後の家財処分や葬儀
必要なサービスが支援内容に含まれていない場合は、介護保険、障害福祉サービス、民間サービスなどを別に利用する必要があります。
居住サポート住宅なら保証人は不要?
居住サポート住宅であっても、必ず保証人なしで契約できるわけではありません。
物件によっては、次の条件を求められることがあります。
- 家賃保証会社への加入
- 連帯保証人
- 緊急連絡先
- 本人確認書類
- 収入や年金を確認する書類
- 支援者や福祉機関との連携
家賃保証会社を利用することで、個人の連帯保証人が不要になる物件はあります。
ただし、家賃保証会社の利用と緊急連絡先の登録は別です。
保証人も緊急連絡先もいない場合は、居住支援法人や支援機関との連携を相談できる住宅か確認しましょう。
生活保護受給者が入居する場合の家賃
生活保護受給者が居住サポート住宅へ入居する場合、住宅扶助費については、福祉事務所から認定賃貸人へ直接支払う代理納付が原則となります。
代理納付により、住宅扶助費を家賃へ確実に充てやすくなり、大家さんの家賃滞納に対する不安を軽減できます。
ただし、代理納付の対象は、認定された住宅扶助費が中心です。
次の費用については、誰がどのように支払うのか個別に確認してください。
- 共益費・管理費
- 月額保証料
- 口座振替手数料
- 見守り・生活支援の利用料
- 町内会費
- 火災保険料
- 水道光熱費
代理納付でも賃貸審査はあります
家賃が直接支払われる予定でも、保証会社、本人確認、緊急連絡先、入居対象者の条件などは別に確認されます。
低所得者なら家賃が安くなる?
居住サポート住宅に認定されたからといって、すべての入居者の家賃が自動的に安くなるわけではありません。
家賃、共益費、敷金、礼金、保証料、支援費用は住宅ごとに設定されます。
低所得者向けの家賃低廉化支援などを利用している住宅も考えられますが、すべての住宅が対象ではありません。
物件を比較するときは、家賃だけでなく、次の合計額を確認しましょう。
毎月の住居費
家賃 + 共益費 + 保証料 + 支援サービス費 + その他の定額費用
高齢者の場合は、住居費に加えて、介護費、医療費、配食費、交通費なども必要になる可能性があります。
居住サポート住宅のメリット
一人暮らしの変化に気付いてもらいやすい
定期的な安否確認や見守りがあることで、本人の体調や生活状況の変化に気付いてもらいやすくなります。
必要な福祉サービスへつながりやすい
生活や心身の状態が不安定になったときに、本人だけで抱え込まず、適切な相談先へつなぐ仕組みがあります。
大家さんの不安を軽減できる
大家さんが心配する孤立、家賃滞納、体調悪化などについて、支援事業者と連携できることが安心材料になります。
施設ではなく賃貸住宅で暮らせる
介護施設へ入るほどではないものの、完全な一人暮らしに不安がある方にとって、新しい選択肢になります。
退院・施設退所後の地域生活に利用できる
病院や施設を出た後、訪問介護や見守りなどを組み合わせながら地域生活を再開できる可能性があります。
契約前に知っておきたい注意点
認定住宅でも空室があるとは限らない
居住サポート住宅情報提供システムは、認定された住宅の情報を確認するためのものです。
現在入居できるか、いつから入居できるかについては、住宅の問い合わせ先へ直接確認する必要があります。
岡山市内で常に多くの物件を選べるとは限らない
居住サポート住宅は始まったばかりの制度です。
希望する地域、家賃、間取り、対象者に合う住宅が、すぐに見つかるとは限りません。
通常の賃貸住宅、セーフティネット住宅、居住支援法人による入居支援なども並行して検討しましょう。
支援内容は住宅ごとに異なる
安否確認の方法、訪問頻度、夜間対応、費用などは一律ではありません。
介護サービスは別契約になる場合がある
訪問介護や訪問看護などが必要な場合は、居住サポート住宅とは別に利用手続きを行います。
賃貸審査がなくなるわけではない
家賃、保証会社、本人確認、入居対象者、緊急連絡先などについて審査を受ける場合があります。
岡山市で居住サポート住宅を探す手順
手順1.必要な支援を整理する
まず、本人が何に困っているのかを整理します。
- 毎日の安否確認が必要
- 週に一度程度の訪問が必要
- 体調悪化時に福祉へつないでほしい
- 保証人・緊急連絡先がいない
- 家賃の代理納付を利用したい
- 介護・障害福祉サービスを利用したい
手順2.収入と毎月支払える金額を確認する
年金、給与、生活保護、各種手当などを整理し、家賃と支援費用を含めて毎月支払える金額を確認します。
手順3.居住サポート住宅情報提供システムで検索する
都道府県、市区町村、対象者、家賃、間取りなどを指定して、認定住宅を検索します。
検索結果がない場合も、新しい認定住宅が追加される可能性があるため、時期を変えて確認します。
手順4.岡山市住宅課へ制度・認定情報を確認する
岡山市内の居住サポート住宅制度については、岡山市住宅課が問い合わせ窓口として案内されています。
岡山市 都市整備局 住宅・建築部 住宅課
電話:086-803-1466
居住サポート住宅や住宅セーフティネット制度に関する制度・認定について確認できます。
手順5.居住支援法人へ相談する
岡山県から指定を受けた居住支援法人へ、住まい探しや入居後支援について相談します。
法人ごとに、対象者、対応地域、支援内容、費用が異なります。
手順6.現在の支援者へ相談する
次の支援者がいる場合は、居住サポート住宅を検討していることを伝えましょう。
- 担当ケースワーカー
- 地域包括支援センター
- ケアマネジャー
- 相談支援専門員
- 医療ソーシャルワーカー
- 施設の生活相談員
手順7.住宅と支援内容を確認する
候補住宅が見つかったら、家賃だけでなくサポートの具体的な内容を確認します。
手順8.賃貸審査と行政確認を受ける
保証会社、大家さん、管理会社の審査を受けます。
生活保護を利用する方は、家賃や初期費用を契約前に担当ケースワーカーへ確認してください。
見学・契約前の確認チェックリスト
住宅の条件
- 本人が入居対象者に含まれている
- 家賃・共益費・保証料を確認した
- 敷金・礼金・初期費用を確認した
- 保証会社・連帯保証人の条件を確認した
- 緊急連絡先の条件を確認した
安否確認・見守り
- 安否確認の方法を確認した
- 訪問の頻度を確認した
- 連絡が取れない場合の対応を確認した
- 夜間・休日の対応を確認した
- 緊急時に現地へ来てもらえるか確認した
福祉サービスへのつなぎ
- 体調悪化時の連絡先を確認した
- どの相談機関へつなぐか確認した
- 現在の支援者と連携できるか確認した
- 介護・福祉サービスが別契約か確認した
費用・契約
- 見守りや支援の利用料を確認した
- 途中解約時の取扱いを確認した
- 支援事業者が変わる場合の対応を確認した
- 生活保護の代理納付を確認した
- 本人が別に支払う費用を確認した
居住サポート住宅が向いている可能性がある人
- 一人暮らしはできるが、安否確認があると安心な高齢者
- 退院・施設退所後に地域生活を再開する方
- 生活保護や年金で暮らしている方
- 障害があり、福祉サービスとの連携が必要な方
- 家族や親族との関係が薄い方
- 体調悪化時に自分だけで相談先を探すことが難しい方
- 施設ではなく通常の賃貸住宅に近い環境で暮らしたい方
別の住まいを検討したほうがよい場合
居住サポート住宅は、すべての生活支援や介護を提供する住宅ではありません。
次のような場合は、サービス付き高齢者向け住宅や介護施設などを含めて検討したほうがよい可能性があります。
- 24時間の介護が必要
- 一人で排せつや食事ができない
- 認知症により火や鍵の管理が難しい
- 夜間に頻繁な医療対応が必要
- 服薬を常時管理してもらう必要がある
- 一人になると生命や安全に重大な危険がある
本人の希望だけでなく、医師、ケアマネジャー、地域包括支援センターなどと相談して判断しましょう。
よくある質問
Q1.居住サポート住宅は介護施設ですか?
介護施設ではありません。賃貸借契約を結んで暮らす住宅で、安否確認、見守り、福祉サービスへのつなぎを受けられます。
Q2.岡山市の高齢者なら誰でも入居できますか?
誰でも入居できるわけではありません。住宅ごとに対象者や条件が定められ、大家さん、管理会社、保証会社による確認や審査もあります。
Q3.生活保護受給者も入居できますか?
生活保護受給者を対象とする住宅であれば相談できます。家賃が住宅扶助の条件に合うか、契約前に担当ケースワーカーへ確認してください。
Q4.生活保護の場合は代理納付になりますか?
居住サポート住宅へ生活保護受給者が入居する場合、住宅扶助費の代理納付が原則です。共益費や支援費用の支払い方法は別に確認が必要です。
Q5.保証人や緊急連絡先は不要ですか?
不要とは限りません。保証会社、連帯保証人、緊急連絡先の条件は住宅ごとに異なります。
Q6.見守りは24時間行われますか?
必ず24時間対応とは限りません。安否確認の方法、訪問頻度、夜間・休日の対応を契約前に確認してください。
Q7.食事や掃除もしてもらえますか?
基本の3つのサポートに、食事や家事援助が必ず含まれるわけではありません。必要な場合は、介護サービスや民間サービスを別に利用します。
Q8.セーフティネット住宅との違いは何ですか?
セーフティネット住宅は、登録した住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅です。居住サポート住宅は、それに加えて入居中の安否確認、見守り、福祉サービスへのつなぎを行う認定住宅です。
Q9.認定住宅ならすぐに入居できますか?
認定されていても、空室があるとは限りません。最新の空室、入居時期、審査条件は、住宅の問い合わせ先へ確認してください。
Q10.岡山市で住宅が見つからない場合はどうしますか?
通常のセーフティネット住宅、居住支援法人の紹介物件、高齢者相談に対応する一般賃貸なども並行して検討しましょう。
まとめ|住宅だけでなく入居後のサポート内容を確認しましょう
居住サポート住宅は、高齢者や低所得者、障害のある方などが、地域の賃貸住宅で暮らし続けるために設けられた新しい認定制度です。
主なサポートは次の3つです。
- 日常の安否確認
- 訪問などによる見守り
- 生活・心身の状態が不安定になった場合の福祉サービスへのつなぎ
一方、居住サポート住宅だからといって、保証人や緊急連絡先が必ず不要になるわけではありません。
24時間の介護、食事、掃除、服薬管理などが、すべて提供される住宅でもありません。
岡山市で探すときは、次の順番で進めましょう。
- 本人に必要な見守りや支援を整理する
- 毎月支払える住居費を確認する
- 公式の情報提供システムで認定住宅を探す
- 岡山市住宅課や居住支援法人へ相談する
- ケースワーカーや地域包括支援センターと連携する
- 家賃・保証会社・緊急連絡先を確認する
- 安否確認・見守りの内容と費用を確認する
- 賃貸審査と行政確認後に契約する
制度が始まったばかりのため、岡山市内で希望条件に合う住宅がすぐに見つかるとは限りません。
居住サポート住宅だけに限定せず、セーフティネット住宅、居住支援法人、一般の賃貸住宅も含めて、本人が無理なく暮らせる方法を検討しましょう。
岡山市の高齢者・低所得者向け住まい相談
居住サポート住宅以外の選択肢も含めて確認します
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記事作成時に確認した公的情報
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- 国土交通省「住宅セーフティネット法等の一部改正」
- 厚生労働省「住宅セーフティネット法等の改正について」
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