「保証会社の審査に通ったと連絡があったのに、それから1週間たっても契約日が決まらない」
「不動産会社からは『福祉事務所の確認待ちです』と言われるけれど、何を待っているのか分からない」
「このまま待っていたら、部屋がほかの人に決まってしまうのでは」
審査に通ったと聞いてほっとしたのもつかの間、なかなか契約に進まない。そんなとき、何が起きているのか分からないまま待つのは、とても落ち着かないものです。
先にお伝えします。生活保護を受けて部屋を借りるときは、大家さんや保証会社の審査とは別に、福祉事務所の確認や、初期費用の支払い方法の調整、書類の準備、日程の調整といった工程があります。審査に通ったあとに止まっているときは、「今、誰のところで止まっているのか」をはっきりさせることが、前に進めるいちばんの近道です。
この記事では、審査通過から契約までに止まりやすい7つのポイント、止まっている場所を確かめる方法、ポイントごとの解決策を整理します。
結論|まず「誰の確認待ちか」を特定する
- 「審査に通った」の意味:大家さんや家賃保証会社の審査(民間側)に通ったということ。生活保護では、これとは別に福祉事務所の確認(行政側)が必要
- 止まりやすい7つのポイント:福祉事務所の確認、初期費用の支払い方法とタイミング、書類の準備、保証会社の最終手続き、大家さんの最終承諾、日程の調整、生活保護の決定待ち
- 見落としやすいのは:契約金の入金期限と、初期費用が支給される時期のズレ
- 申込みの有効期限:物件によっては、審査通過から一定期間内に契約しないと取り消しになることがある
- どんなに急いでも:ケースワーカーの確認を受ける前に、契約や支払いを先に進めない
「審査に通った」のあとに、もう1本のレールがある
生活保護を受けて部屋を借りるときは、2本のレールが同時に進んでいると考えると分かりやすくなります。
民間側のレール
入居申込み → 大家さん・家賃保証会社の審査 → 審査通過 → 契約書の作成 → 契約金の入金 → 鍵の受け渡し
行政側のレール
転居の相談 → 見積書の提出 → ケースワーカーの確認 → 初期費用の支給決定と支払い方法の決定 → 家賃証明書などの提出 → 住宅扶助の決定
「審査に通った」のは、民間側のレールの途中の駅です。2本のレールの進み具合がそろわないと、契約には進めません。どちらのレールのどこで止まっているかが分かれば、誰に何を確認すればよいかが見えてきます。
契約が止まりやすい7つのポイント
| 止まっている場所 | よくある原因 | 確認する相手 |
|---|---|---|
| ① 福祉事務所の確認 | 見積書を出していない、確認中、ケースワーカーと連絡が取れない | ケースワーカー |
| ② 初期費用の支払い | 支払い方法が決まっていない、支給される日が契約金の入金期限に間に合わない | ケースワーカーと不動産会社 |
| ③ 書類の準備 | 本人の書類がそろっていない、家賃証明書や代理納付の書類ができていない | 不動産会社 |
| ④ 保証会社の最終手続き | 保証契約の書類の返送、緊急連絡先への確認がまだ | 不動産会社 |
| ⑤ 大家さんの最終承諾 | 契約書の作成待ち、手続きの流れについての大家さんの確認待ち | 不動産会社 |
| ⑥ 日程の調整 | 契約開始日(家賃が発生する日)、今の部屋の解約日、引っ越し日が決まっていない | 不動産会社とケースワーカー |
| ⑦ 生活保護の決定 | 生活保護を申請中で、保護の決定を待っている | 福祉事務所 |
「今どこで止まっているか」を確かめる3つの質問
不動産会社に、次の3つを聞いてみてください。これだけで、止まっている場所がかなりはっきりします。
質問1「今、契約に進むために誰の何を待っている状態ですか?」
質問2「私が用意する書類や、することは残っていますか?」
質問3「この申込みは、いつまでに契約しないといけませんか?」
答えが「福祉事務所の確認待ち」なら、ケースワーカーに、見積書が届いているか、確認の見通しはいつかを聞いてみましょう。ケースワーカーは、制度の中で使える道を一緒に探してくれる相手です。遠慮せずに状況を尋ねて大丈夫です。
審査から契約まで、2本のレールをそろえてご案内します
福祉事務所の確認、初期費用の支払い時期、書類、日程まで。
止まっている場所をはっきりさせて、契約まで進めます。
営業時間 10:00〜18:00/定休日 水曜日・不定休
ポイント別の解決策
① 福祉事務所の確認待ちのとき
まず、見積書がケースワーカーに届いているかを確認しましょう。福祉事務所は平日の開庁時間に対応するため、金曜日の夕方や連休前に見積書を出すと、確認が翌開庁日以降になることがあります。ケースワーカーとなかなか連絡が取れない場合の対処法は、関連記事「生活保護の賃貸審査でケースワーカーと連絡が取れないとどうなる?」で詳しく紹介しています。
② 初期費用の支払い方法・タイミングがずれているとき
見落としやすいのがここです。不動産会社は、契約金の入金期限を決めています。一方、福祉事務所から初期費用が支給される時期と方法(本人に支給されるのか、不動産会社などへ直接支払われるのか)は、福祉事務所や状況によって異なります。この2つがずれていると、契約が止まってしまいます。
- ケースワーカーに、初期費用がいつ、どの方法で支払われるかを確認する
- 不動産会社に、契約金の入金期限を確認する
- ずれている場合は、不動産会社から大家さんに入金期限を相談してもらう、またはケースワーカーに支給の時期を相談する
- 不動産会社とケースワーカーが直接やりとりできるよう、お互いの連絡先を共有しておく
③ 書類の準備待ちのとき
本人が用意する書類(本人確認書類、住民票、保護決定通知書など)がそろっているか、不動産会社に確認しましょう。家賃証明書や代理納付の書類は、大家さんや管理会社の記入が必要なため、時間がかかることがあります。様式を早めにケースワーカーから受け取り、不動産会社に渡しておくとスムーズです。
④⑤ 保証会社・大家さん側の手続き待ちのとき
保証会社との契約書類の返送や、緊急連絡先への確認電話などが残っていることがあります。緊急連絡先の方には、保証会社から連絡が入ることを事前に伝えておくと、確認がすぐに済みます。大家さんが生活保護の手続きに慣れていない場合は、不動産会社から流れを説明してもらいましょう。
⑥ 日程の調整が決まらないとき
新しい部屋の契約開始日(家賃が発生する日)と、今の部屋の解約日によっては、家賃が重なる期間が生まれます。今の部屋の解約は、1か月前までに予告が必要とされていることが多く、早めに連絡しないと重なる期間が長くなります。重なる期間の家賃の扱いは、事前にケースワーカーに確認してから日程を決めましょう。
⑦ 生活保護の決定待ちのとき
生活保護を申請中の場合は、保護の決定を待ってから契約することになります。申請から決定までは原則14日以内(特別な理由がある場合は最長30日)とされています。決定の見通しを福祉事務所に確認し、不動産会社にも伝えておきましょう。
申込みの有効期限に注意する
物件によっては、審査に通ってから一定の期間内に契約しないと、申込みが取り消されたり、ほかの申込者に回されたりすることがあります。期間は物件や大家さん、管理会社によって違います。
審査に通ったら、「いつまでに契約すれば、この部屋を押さえておいてもらえるか」を、必ず不動産会社に確認してください。そのうえで、福祉事務所の確認や初期費用の支払いがその期限に間に合うかを、ケースワーカーと一緒に確認しておくと安心です。間に合いそうにない場合は、早めに不動産会社から大家さんに相談してもらいましょう。
具体例でイメージしてみます
生活保護を受けている単身の方が、家賃37,000円の部屋に申し込んだ場合の一例です。
10月5日(月):保証会社の審査に通過
10月6日(火):見積書をケースワーカーに提出
10月9日(金):ケースワーカーの確認が出た
→ ところが、不動産会社の契約金の入金期限は10月16日(金)、福祉事務所からの初期費用の支給予定は10月20日(火)で、4日のずれがあることが分かった
対応:不動産会社から大家さんに事情を説明し、入金期限を10月20日まで延ばしてもらった
10月22日(木):契約・鍵の受け渡し
あわせて確認したこと:今の部屋は解約の予告が1か月前のため、10月下旬に解約を連絡すると、家賃が重なる期間が出る
→ 重なる期間の家賃の扱いを、契約日を決める前にケースワーカーに確認した
これはあくまで一例です
福祉事務所の確認にかかる期間、初期費用の支給の時期や方法、入金期限の延長に応じてもらえるかどうかは、福祉事務所や物件によって異なります。実際の扱いは、担当のケースワーカーと不動産会社にご確認ください。
焦っても、してはいけないこと
ケースワーカーの確認前に、契約書にサインする
初期費用の扶助が受けられないことがあります。審査に通っていても、この順番は変わりません。
手元のお金や借りたお金で、先に初期費用を払う
福祉事務所の確認がないまま支払うと、あとから支給されないことがあります。立て替えを考える場合も、必ず事前にケースワーカーに相談してください。
今の部屋を、新しい部屋の契約前に解約する
新しい部屋の契約が止まったときに、住む場所がなくなってしまうおそれがあります。
連絡を待つだけにする
何日も動きがないときは、自分から不動産会社やケースワーカーに状況を確認しましょう。
よくあるご質問
Q1. 審査に通ったのに、なぜすぐ契約できないのですか?
審査に通ったのは、大家さんや家賃保証会社の審査(民間側)です。生活保護を受けて部屋を借りる場合は、これとは別に、福祉事務所の確認、初期費用の支払い方法の調整、家賃証明書などの書類の準備、日程の調整といった工程があります。これらがそろって、はじめて契約に進めます。
Q2. 契約が止まっているとき、まず何をすればいいですか?
不動産会社に「今、誰の何を待っている状態か」「自分が用意する書類は残っているか」「いつまでに契約しないといけないか」の3つを聞いてみてください。止まっている場所が分かれば、ケースワーカーや不動産会社に何を確認すればよいかが見えてきます。
Q3. 契約金の入金期限に、初期費用の支給が間に合わない場合はどうなりますか?
初期費用が支給される時期や方法は、福祉事務所や状況によって異なります。間に合わない場合は、不動産会社から大家さんに入金期限の延長を相談してもらう、またはケースワーカーに支給の時期を相談するといった方法があります。不動産会社とケースワーカーが直接やりとりできるようにしておくとスムーズです。
Q4. 待っている間に、部屋がほかの人に決まってしまうことはありますか?
物件によっては、審査通過から一定の期間内に契約しないと、申込みが取り消されたり、ほかの申込者に回されたりすることがあります。審査に通ったら、いつまでに契約すれば部屋を押さえておいてもらえるかを不動産会社に確認し、間に合わない場合は早めに大家さんに相談してもらいましょう。
Q5. 今の部屋と新しい部屋の家賃が重なる期間はどうなりますか?
新しい部屋の契約開始日と今の部屋の解約日によっては、家賃が重なる期間が生まれます。今の部屋の解約は1か月前までの予告が必要とされていることが多いため、早めの連絡が大切です。重なる期間の家賃の扱いは、日程を決める前に担当のケースワーカーに確認してください。
Q6. 急いでいるので、ケースワーカーの確認前に契約してもいいですか?
ケースワーカーの確認を受ける前に契約すると、初期費用の扶助が受けられないことがあります。審査に通っていても、この順番は変わりません。急いでいる事情をケースワーカーに伝え、確認の見通しを相談してください。
まとめ
- 「審査に通った」は民間側のレールの途中。行政側のレールとそろって契約に進む
- 止まりやすいのは、福祉事務所の確認、初期費用の支払い、書類、保証会社、大家さん、日程、保護の決定の7つ
- まず「誰の何を待っているか」を不動産会社に聞く
- 契約金の入金期限と初期費用の支給時期のずれに注意する
- 家賃が重なる期間の扱いは、日程を決める前にケースワーカーへ
- 申込みの有効期限を確認し、間に合わないなら早めに相談する
- どんなに急いでも、ケースワーカーの確認前に契約・支払いをしない
審査に通ったあとで止まっていると、不安が募るものです。でも、止まっている場所さえ分かれば、ほとんどの場合は前に進めることができます。待つだけでなく、自分から一歩確認してみてください。
手続きが進まない日が続くと、「自分のせいで止まっているのでは」「何か問題があったのでは」と考えてしまうこともあると思います。でも、生活保護の部屋探しは、もともと関わる人と工程が多いものです。止まっているのは、多くの場合、誰かの確認や書類の順番待ちにすぎません。分からないことは、聞いていいのです。
契約まで止まらない段取りを、一緒に組みます
ミニクルホームは、岡山市北区・中区・南区・東区を中心に、生活保護を受給されている方のお部屋探しをお手伝いしている不動産会社です。
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※ 記事内の内容は一般的な整理であり、特定の結果を保証するものではありません。福祉事務所の確認や初期費用の支給の時期・方法、家賃が重なる期間の扱いは、福祉事務所や状況によって異なりますので、担当のケースワーカー・お住まいの区の福祉事務所へご確認ください。
※ 賃貸の契約は、ケースワーカーの確認を受けてから結ぶようにしてください。入居の可否は、大家さん・家賃保証会社の判断によります。
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