「親から相続した家を、売るか貸すかで迷っている」
「貸して家賃収入を得たほうが得なのか、売ってしまったほうがいいのか」
「そもそも、何を確認すれば判断できるのかがわからない」
相続した家を売るか貸すかは、多くの方が悩むところです。そして、相続した家ならではの注意点があることは、意外と知られていません。
とくに大きいのが税金です。相続した空き家を売るときに使える特例があり、条件に当てはまれば税金が大きく変わることがあります。ところが、先に貸してしまうと、この特例が使えなくなる場合があるのです。
この記事では、相続した岡山市の家を売るか貸すかを判断する前に確認しておきたい項目を、チェックリスト形式でまとめました。
この記事でわかること
- 相続した家ならではの確認項目(権利・税金・建物・家族)
- 空き家の3,000万円特別控除の主な要件と期限
- 「先に貸すと特例が使えなくなる」ことがある理由
- 特例を使えた場合・使えない場合の税額の試算例
- 確認結果から見る、判断の方向性
貸す・売る・管理するの一般的な判断の順番や、お金の比較は空き家を貸す・売る・管理するの判断の記事でまとめています。この記事では「相続した家」に特有の確認項目に絞ってお伝えします。
確認項目チェックリスト
次の4つの分野について、順番に確認していきます。
A. 権利・手続き
- □ 誰がこの家を相続するか、相続人の間で決まっている(遺産分割)
- □ 相続登記が済んでいる、または手続きの予定がある
- □ 複数人での共有になる場合、全員の意見がそろっている
B. 税金
- □ 空き家の3,000万円特別控除の要件に当てはまりそうか
- □ 特例の期限(相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日)までの残り期間
- □ 親がこの家を買ったときの金額がわかる書類(売買契約書など)があるか
- □ 貸した場合に、家賃収入の確定申告が必要になることを理解しているか
C. 建物・立地
- □ 建物がいつ建てられたか(昭和56年5月31日以前かどうか)
- □ 雨漏り・シロアリ・設備の状態
- □ 貸した場合の家賃の目安と、売った場合の価格の目安
D. 家族
- □ 家族の中に、使う予定や残したい気持ちがあるか
- □ 貸す場合、入居者対応や修繕を誰が担うか
このうち、相続した家ならではで、とくに判断に影響しやすいのがB. 税金です。次の章で詳しく見ていきます。
空き家の3,000万円特別控除とは
相続した空き家を売ったときに、一定の要件を満たすと、売却で得た利益(譲渡所得)から最大3,000万円を差し引ける特例があります。正式には「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。
主な要件
| 項目 | 主な要件 |
|---|---|
| 住んでいた人 | 亡くなる直前まで、親がひとりで住んでいた(老人ホームなどに入所していた場合も、一定の要件で対象になることがある) |
| 建物 | 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(マンションなどの区分所有建築物は除く) |
| 相続後の使い方 | 相続したときから売るときまで、事業・貸付・居住に使っていない |
| 売り方 | 耐震基準に適合させてから売る、または取り壊して土地を売る。2024年1月以降の売却は、売った翌年の2月15日までに買主が耐震改修や取り壊しをする場合も対象 |
| 期限 | 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る。特例そのものは2027年12月31日までの売却が対象 |
| 控除額 | 相続人1人あたり最大3,000万円。家や土地を相続した人が3人以上の場合は、1人あたり最大2,000万円(2024年1月以降の売却) |
※主な要件のみを抜粋しています。ほかにも要件があり、適用には市区町村が発行する確認書や確定申告が必要です。実際に使えるかどうかは、必ず税務署や税理士にご確認ください。
注意:先に貸すと、特例が使えなくなることがある
要件の中に、「相続したときから売るときまで、貸付に使っていないこと」があります。つまり、相続した家を一度賃貸に出してから売ると、この特例の対象外になる場合があるのです。
「しばらく貸して家賃収入を得てから、いずれ売ろう」と考えている方は、貸す前に、この特例を使える可能性があるかどうかを確認しておくことがとても大切です。
試算例|特例を使えた場合・使えない場合
相続した家を売ったときの税金が、特例によってどのくらい変わるのか、例で見てみます。
前提(例):売却価格 1,500万円/親が買ったときの金額がわからない/仲介手数料や解体費など売却にかかった費用 60万円/相続人は1人
| 項目 | 特例を使えない場合 | 特例を使えた場合 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 1,500万円 | 1,500万円 |
| 取得費(買ったときの金額が不明のため、売却価格の5%とみなす) | −75万円 | −75万円 |
| 売却にかかった費用 | −60万円 | −60万円 |
| 特別控除 | 0円 | −1,365万円(上限3,000万円まで) |
| 課税される利益 | 1,365万円 | 0円 |
| 税金の目安(所得税・住民税など約20.315%) | 約277万円 | 0円 |
※説明のための概算です。税率は、所有期間が5年を超える場合の一般的な税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)をもとにしています。相続した不動産の所有期間は、原則として亡くなった方が取得したときから数えます。実際の税額は、取得費の書類の有無や個別の事情によって大きく変わるため、必ず税理士や税務署にご確認ください。
この例では、特例を使えるかどうかで、税金に約277万円の差が出ました。仮に先に貸して家賃収入を得たとしても、この差を家賃で埋めるには長い期間がかかることがあります。
「買ったときの金額」の書類も大切
親がこの家(土地・建物)を買ったときの売買契約書などが残っていれば、その金額をもとに取得費を計算できます。書類が見つからないと、上の例のように売却価格の5%とみなされるため、課税される利益が大きくなりやすくなります。実家を片づけるときは、古い契約書や領収書を捨てずに保管しておきましょう。
確認結果から見る、判断の方向性
チェックリストの結果から、次のような方向性が考えられます。
| 確認の結果 | 考えられる方向性 |
|---|---|
| 空き家特例が使えそうで、期限まで時間がある | 貸す前に、売却を一度しっかり検討する価値がある。売却価格の目安と税金の見込みを確認 |
| 空き家特例の要件に当てはまらない(建物が新しい、同居していた家族がいたなど) | 特例を気にせず、貸す・売るを家賃と売却価格で比べやすい |
| 家族に使う予定や、強く残したい気持ちがある | 売却はいったん横に置き、管理または期間を決めて貸すことを検討 |
| 共有になり、相続人の意見がまとまらない | 売る・貸すの前に、権利の整理を先に進める(専門家に相談) |
| 建物の傷みが大きい | 貸すには修繕費がかかるため、取り壊して土地を売る方法も比較する |
共有名義の整理については共有名義の空き家の記事、相続の最初の手続きについては実家を相続したら最初にやることの記事で解説しています。
貸す場合に知っておきたいこと
- 家賃収入の確定申告:家賃収入から経費を差し引いた所得に対して、税金がかかる場合があります
- 入居者がいる状態での売却:将来売ることになった場合、入居者の居住を守るルールがあるため、すぐに明け渡してもらえるとは限りません。将来売る可能性があるなら、貸す前に契約の形を相談しておきましょう
- 修繕の負担:古い家の場合、入居後の修繕が続くこともあります。リフォームせずに貸す方法については現況渡しで貸す記事をご覧ください
よくある質問
Q. 空き家特例が使えるかどうか、どこで確認できますか?
要件の確認は税務署や税理士で行えます。特例を使うには、物件のある市区町村が発行する確認書が必要です。岡山市の物件であれば、岡山市のホームページに特例措置の案内があります。
Q. 少しの期間だけ貸すのも、だめなのですか?
特例の要件には、相続したときから売るときまで貸付に使っていないことが含まれています。期間の長さにかかわらず影響する可能性があるため、貸す前に必ず税理士や税務署に確認してください。
Q. 親が買ったときの書類が見つかりません。
取得費がわからない場合、売却価格の5%を取得費とみなす扱いがあります。ただし、そのぶん課税される利益が大きくなりやすいため、実家の片づけのときに古い契約書や領収書がないか探してみてください。
Q. 兄弟3人で相続した場合も3,000万円控除できますか?
2024年1月以降の売却では、家や土地を相続した人が3人以上の場合、1人あたりの控除額は最大2,000万円になります。詳しくは税理士や税務署にご確認ください。
Q. 売るか貸すか、まだ決められません。
特例の期限や家賃・売却価格の目安など、判断材料をそろえるところから始めてみてください。決まるまでの間は、建物の傷みを防ぐために管理を続けることが大切です。
まとめ|相続した家は「税金の確認」を先に
- 相続した家は、権利・税金・建物・家族の4つの分野を確認する
- 空き家の3,000万円特別控除は、要件に当てはまれば税金が大きく変わる
- 要件の一つに「相続から売却まで貸付に使っていない」があり、先に貸すと使えなくなることがある
- 試算では、特例を使えるかどうかで約277万円の差が出た
- 期限は相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
- 親が買ったときの書類は捨てずに保管する
最後に
税金の話は難しく感じるかもしれませんが、確認すべきポイントがわかれば、判断はぐっと楽になります。「急いで決めなければ」と焦る必要はありませんが、期限のあることだけは早めに確かめておきましょう。ご家族にとって納得のいく形を、一緒に探していきましょう。
相続した家を売るか貸すか、判断材料をそろえるお手伝いをします
ミニクルホームでは、岡山市とその周辺で、相続した家の売却・賃貸・管理のご相談をお受けしています。売った場合の価格の目安と、貸した場合の家賃の目安を並べてお伝えし、ご家族で判断するための材料づくりをお手伝いします。税金の詳しい判断が必要な場合は、税理士などの専門家への相談をおすすめしています。
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営業時間 10:00〜18:00/定休日 水曜日・不定休
ご相談は無料です。無理な売却のおすすめはいたしません。
※当社は不動産会社であり、税額の計算や特例の適用の可否など、税務上の判断を行うことはできません。税金については税理士・税務署に、相続や共有名義の法的な判断については弁護士・司法書士にご相談ください。記事中の試算は説明のための概算であり、実際の税額や売却価格を示すものではありません。
会社情報
| 会社名 | 株式会社ミニクルホーム |
|---|---|
| 代表者 | 城井 仁 |
| 所在地 | 〒700-0026 岡山県岡山市北区奉還町二丁目19番14号(JR岡山駅西口 徒歩7分) |
| 電話 | 086-239-3296 |
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| 営業時間 | 10:00〜18:00(定休日:水曜日・不定休・GW・年末年始) |
| 業務内容 | 売買仲介・賃貸仲介・賃貸管理・空き家管理及び対策相談・内外装リフォーム・古民家再生・保険代理店 ほか |
| 免許 | 宅地建物取引業 岡山県知事(3)第5473号 |
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