「大雨で床上まで水がきて、部屋が使えない」
「生活保護を受けているけれど、これからどこに住めばいいのか分からない」
火災や災害で突然住まいを失うと、何から手をつければいいのか分からず、頭が真っ白になってしまいますよね。大切な物を失ったショックの中で、手続きのことまで考えるのは本当に大変だと思います。
この記事では、岡山市北区奉還町で生活保護の方のお部屋探しをお手伝いしている不動産会社の立場から、災害や火災で家に住めなくなったときの、直後の動き方と、仮住まい・転居の進め方を整理します。一度に全部やろうとせず、できることから一つずつ進めていきましょう。
この記事で分かること
- 家に住めなくなった直後にやることと、罹災証明書の申請窓口
- 仮住まいの選択肢と、今の部屋の契約の考え方
- 生活保護での転居の費用・家具の費用・義援金の扱いと、転居先探しの注意点
結論
① まずは身の安全を確保し、落ち着いたらケースワーカーと大家さん・管理会社に連絡を。罹災証明書は、火災は消防署、自然災害は区役所・支所で申請します
② 仮住まいは、親族・知人宅、避難所、一時的な宿泊先のほか、大規模災害では応急仮設住宅や借り上げ住宅が用意されることもあります。生活保護を受けている方は、どこに身を寄せるかもケースワーカーに伝えてください
③ 住まいや家財を失った事情によっては、転居先の敷金や、家具・家電の費用が認められる場合があります。義援金のうち自立更生に充てる額は収入として認定されないとされています。契約は必ずケースワーカーの了承を得てから進めましょう
家に住めなくなった直後、まず何をする?
- 身の安全を確保する
けがや体調不良があれば、迷わず119番に連絡してください。建物に戻るのは、安全が確認されてからにしましょう。 - ケースワーカー(福祉事務所)に連絡する
生活保護を受けている方は、住めなくなったこと、今どこにいるか、連絡先を伝えます。閉庁時間の場合は、開庁してすぐに連絡しましょう。 - 大家さん・管理会社に連絡する
被害の状況と、今後の連絡先を伝えます。鍵の扱いや、部屋に残った荷物の扱いも確認しましょう。 - 被害の様子を写真に残す
部屋の中・外、壊れた家具や家電など、あとで罹災証明書や保険の手続きに役立ちます(安全な範囲で)。 - 罹災証明書を申請する
被害の程度を証明する書類で、各種の支援や保険の手続きで必要になることがあります。 - 火災保険の保険会社に連絡する
入居時に加入した火災保険(家財の補償や、借家人賠償責任の補償など)の内容を確認し、保険会社に連絡します。
※ 一度に全部できなくても大丈夫です。できることから、順番に進めましょう。
罹災証明書は、どこで申請する?
| 被害の原因 | 岡山市での申請窓口 |
|---|---|
| 火災 | 消防署 |
| 大雨・台風・地震などの自然災害 | 区役所(市民保険年金課)、支所(総務民生課) |
- 必要なもの:申請書、本人確認書類(運転免許証、保険証など)。被害の写真や修理の見積書があると役立ちます
- 手数料はかからず、被害を受けた住まい1つにつき1枚の発行です
- 災害から長い時間がたつと、被害との関係を確認できず発行できない場合があるため、早めに申請しましょう
※ 岡山市「り災証明書の発行(大規模な自然災害が起こったとき)」のページにもとづく内容です。身分証が焼けてしまった場合などは、窓口に相談してください。
仮住まいは、どうすればいい?
| 仮住まいの選択肢 | ポイント |
|---|---|
| 親族・知人の家 | すぐに身を寄せやすい。生活保護を受けている方は、同居の扱いが変わることがあるため、ケースワーカーに伝える |
| 避難所 | 大規模な災害のときに開設される。食事や情報が得やすい |
| 一時的な宿泊先(ホテルなど) | 費用の扱いは状況による。利用する前にケースワーカーに相談する |
| 応急仮設住宅・借り上げ住宅 | 大規模な災害で災害救助法が適用された場合などに、自治体が用意することがある。民間の賃貸住宅を借り上げる形もある |
どこに身を寄せる場合も、生活保護を受けている方は、居場所と連絡先をケースワーカーに伝えておくことが大切です。保護費の受け取りや、今後の転居の相談がスムーズになります。
今の部屋の契約はどうなる?
今の部屋の契約や家賃の扱いは、被害の程度や契約内容によって異なります。一般的には、次のような考え方があります。
- 建物が住めないほど壊れた場合:賃貸借契約が終わることがあります
- 一部が壊れた場合:建物の修理は、一般的に大家さん側で行います。住めない期間の家賃の扱いは、大家さん・管理会社と確認が必要です
- 自分の部屋から火が出た場合:入居時に加入した火災保険の「借家人賠償責任」の補償などで、大家さんへの賠償に対応できる場合があります。保険会社と管理会社に早めに連絡しましょう
自己判断で家賃の支払いを止めたり、連絡をしないまま転居したりすると、あとでトラブルになることがあります。判断に迷うときは、法テラス(0570-078374)などの専門家に相談してください。当社は、入居される方と大家さんの両方に関わる立場のため、法律上の判断や交渉の代理はできませんが、連絡や手続きの流れのご案内はお手伝いします。
生活保護で転居するとき、費用はどうなる?
転居先の家賃の上限
岡山市の家賃(住宅扶助)の上限の目安は、単身でおおむね37,000円、2人世帯でおおむね44,000円です。共益費や駐車場代は含まれません。
※ 2026年10月時点で確認できた岡山市の公表情報にもとづく目安です。正確な金額は担当の福祉事務所・ケースワーカーに確認してください。
敷金などの初期費用・家具の費用
- 敷金などの初期費用:災害や火災で住まいを失ったなどの事情によっては、転居先の敷金などが認められる場合があります
- 家具・家電・生活用品:災害などで家財を失った場合、事情によっては、生活に必要な家具や器具の費用(家具什器費)が認められる場合があります。エアコンなどの冷房器具も、条件によって対象になることがあります
- 引っ越しの費用:荷物を運ぶ費用の扱いも、ケースワーカーに確認しましょう
※ いずれも、認められるか・いくらまでかは状況によって異なります。見積書を用意し、契約や購入の前に、必ずケースワーカーに確認してください。
義援金や支援金の扱い
国の考え方では、被災した生活保護世帯が義援金などを受け取った場合、その世帯の自立更生のために充てられる額は、収入として認定されないとされています。家具や生活用品の買い直し、転居の費用など、どう使うかの計画をケースワーカーと相談しましょう。受け取ったら必ず申告してください。
これから生活保護を申請する方
災害や火災で家も仕事も失い、生活が立ち行かなくなった場合は、生活保護を申請できます。今いる場所を担当する区の福祉事務所に相談してください。
転居先を探すときの注意点は?
- ハザードマップを確認する:大雨で被害を受けた方は、次の部屋が浸水の想定区域にあるかを確認しておくと安心です。不動産会社は、契約前の重要事項説明で、水害ハザードマップ上の物件の位置を説明することになっています(2020年8月から)
- 大規模な災害のあとは空室が減りやすい:同じ時期に多くの方が部屋を探すため、早めに相談しましょう
- 書類をそろえ直す:身分証や通帳、保険証などを失った場合は、再発行の手続きを進めましょう。不動産会社にも事情を伝えておくと、必要な書類を一緒に確認できます
- 審査:緊急連絡先や保証会社の審査で困りそうな場合も、事情を最初に伝えていただければ、使える保証会社を踏まえて物件を探せます(審査の結果をお約束するものではありません)
転居までの流れは?
- ケースワーカーに相談し、転居の方針を決める
今の部屋に戻れるのか、転居が必要か、仮住まいの期間はどのくらいかを確認します。 - 不動産会社に事情を伝えて部屋を探す
「災害(火災)で住めなくなった」「生活保護を受けている」「罹災証明書がある(申請中)」と伝えます。 - 見積書を福祉事務所に出す
初期費用、家具・家電、引っ越しの見積書をケースワーカーに提出します。 - 了承を得てから契約・入居する
前の部屋の解約や鍵の返却、住所の手続き、電気・ガス・水道の手続きもあわせて進めます。
大切なこと:契約は、必ずケースワーカーの了承を得てから。
急いで住まいを決めたい気持ちから先に契約すると、家賃や初期費用が認められず、あとから困ることがあります。
具体例で考えると
- 70代・単身・生活保護受給中・隣の部屋の火事で自分の部屋も使えなくなった場合:ケースワーカーと管理会社に連絡し、消防署で罹災証明書を申請します。部屋に戻れない場合は、単身の上限の目安(おおむね37,000円)内で転居先を探し、敷金などや焼けた家具・家電の費用が認められるかをケースワーカーに確認します
- 50代・夫婦・生活保護受給中・大雨で床上浸水した場合:区役所で罹災証明書を申請し、仮住まいの場所をケースワーカーに伝えます。転居する場合は、2人世帯の上限の目安(おおむね44,000円)内で、浸水の想定区域を避けて探します
- 40代・単身・生活保護受給中・自分の部屋から火が出てしまった場合:入居時の火災保険の内容を確認し、保険会社と管理会社に連絡します。賠償などの判断は保険会社や専門家に相談し、転居の方針はケースワーカーと決めます
※ 考え方を示すための例です。実際の扱いは、福祉事務所・保険会社などが個別に判断します。
実際のご相談で多いのは? 現場で感じること
2018年の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)では、岡山県内でも大きな被害がありました。大きな災害のあとは、同じ時期に多くの方が住まいを探すため、家賃の上限内の空室が少なくなりやすいと感じています。
火災や災害のあとは、気持ちが追いつかないまま、たくさんの手続きを求められます。私たちは、物件のメリットだけでなくデメリット(浸水の想定区域かどうかなど)もお伝えしながら、次は安心して暮らせるお部屋を一緒に探します。書類がそろっていない段階でも、まずはご相談ください。
ミニクルホームがお手伝いできること・できないこと
お手伝いできること
- 家賃の上限内で、浸水の想定区域なども確認したうえでの転居先探し
- 物件のメリット・デメリットの両方のご説明と、申込前の管理会社・大家さんの傾向や注意点のお伝え
- 入居費用の計算(LINEや店頭でその場でお出しします)と、福祉事務所提出用の見積書の作成
- 来店が難しい方へのオンラインでの重要事項説明、相談〜退去後までのLINEでの継続サポート
当社ではできないこと
- 今の部屋の契約や家賃、損害賠償などに関する法律上の判断や、大家さん・保険会社との交渉の代理
- 生活保護の可否や費用の支給に関する判断、福祉事務所との交渉の代理
よくある質問
Q. 火事や災害で部屋に住めなくなりました。まず何をすればいいですか?
A. まずは身の安全を確保し、けがや体調不良があれば119番に連絡してください。落ち着いたら、生活保護を受けている方は担当のケースワーカーに、すべての方は大家さん・管理会社に連絡しましょう。被害の様子を写真に残し、罹災証明書の申請や、火災保険の保険会社への連絡も進めます。
Q. 罹災証明書は、どこで申請すればいいですか?
A. 岡山市では、火災の罹災証明書は消防署での手続きになります。大雨や地震などの自然災害の場合は、区役所(市民保険年金課)や支所(総務民生課)で申請します。申請書と本人確認書類が必要で、被害の写真があると役立ちます。手数料はかかりません。
Q. 生活保護を受けています。仮住まいの費用はどうなりますか?
A. 状況によって扱いが異なるため、すぐに担当のケースワーカーに相談してください。大規模な災害で災害救助法が適用された場合は、応急仮設住宅や、民間の賃貸住宅を借り上げた仮住まいが用意されることがあり、生活保護を受けている世帯も対象になりえます。
Q. 新しい部屋に転居するとき、敷金などは出ますか?
A. 災害や火災で住まいを失ったなどの事情によっては、転居先の敷金などの初期費用が生活保護で認められる場合があります。認められるかどうか、いくらまでかは状況によって異なるため、見積書を用意し、契約の前に必ずケースワーカーに確認してください。
Q. 家具や家電が焼けたり、水につかったりして使えなくなりました。
A. 災害などで家財を失った場合、事情によっては、生活に必要な家具や器具の費用(家具什器費)が認められる場合があります。エアコンなどの冷房器具も、条件によって対象になることがあります。購入の前に、担当のケースワーカーに確認してください。
Q. 義援金や支援金を受け取ると、生活保護費は減りますか?
A. 国の考え方では、被災した生活保護世帯が義援金などを受け取った場合、その世帯の自立更生のために充てられる額は、収入として認定されないとされています。どう使うかの計画をケースワーカーと相談し、受け取ったら必ず申告してください。
Q. 住めなくなった部屋の家賃は、払い続けないといけませんか?
A. 建物が住めないほど壊れた場合の契約や家賃の扱いは、被害の程度や契約内容によって異なります。自己判断で支払いを止めたりせず、大家さん・管理会社と確認し、判断に迷うときは法テラス(0570-078374)などの専門家に相談してください。当社では、法律上の判断や交渉の代理はできません。
まとめ:一つずつ進めれば、住まいは立て直せる
- まずは身の安全を確保し、ケースワーカーと大家さん・管理会社に連絡しましょう
- 罹災証明書は、火災は消防署、自然災害は区役所・支所で申請します
- 仮住まいの場所は、生活保護を受けている方はケースワーカーに必ず伝えましょう
- 住まいや家財を失った事情によっては、敷金などや家具・家電の費用が認められる場合があります。義援金のうち自立更生に充てる額は収入として認定されないとされています
- 岡山市の家賃上限の目安は単身おおむね37,000円。契約は必ずケースワーカーの了承を得てから進めましょう
火災や災害で住まいを失うことは、心にも大きな負担がかかります。眠れない、気持ちが落ち込むといった状態が続くときは、無理をせず、ケースワーカーさんや身近な方、医療機関や相談窓口を頼ってください。次の住まい探しは、私たちも一緒に考えます。
※ 本記事は、2026年10月時点で確認できた岡山市・厚生労働省などの公表情報にもとづく一般的な解説です。災害の規模や災害救助法の適用の有無によって、利用できる支援は異なります。生活保護の可否や費用の支給は担当の福祉事務所・ケースワーカーが、保険金の支払いは保険会社が判断します。契約や賠償に関する法律上の判断は、専門家にご相談ください。
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