「70代の方から申込みがあった。きちんとした方だけれど、もしものときのことを考えると不安がある」
「保証会社や見守りサービスがあると聞くけれど、どれを使えば安心できるのか分からない」
高齢の方の住まい探しは、年齢を理由に断られてしまうことも少なくありません。一方で、大家さんにも家賃の支払いや、体調の急変、万が一のときの対応への不安があるのは自然なことです。
大切なのは、不安を一つずつ分けて、それぞれに合った備えを用意することです。この記事では、岡山市の大家さんに向けて、家賃保証・見守り・残置物対策などが「どの不安を、いくらで」カバーするのかを比べてまとめました。
- 大家さんの不安は、家賃・体調の急変・万が一のときの契約と荷物の3つに分けて考えましょう。
- 家賃は保証会社、体調の急変は見守りサービス、万が一のときは保険や残置物のモデル契約条項と、役割が違います。
- 見守りサービスは、電話型なら月数百円〜、センサー型なら月数千円など、種類によって費用が大きく変わります。
- 2025年10月施行の改正住宅セーフティネット法で、大家さんの不安を減らす仕組みが整えられています。
大家さんの不安を3つに分ける
| 不安 | 具体的な心配 | 主な備え |
|---|---|---|
| 家賃 | 年金だけで払い続けられるか、入院などで支払いが遅れないか | 家賃債務保証(保証会社) |
| 体調の急変 | 部屋で倒れたとき、発見が遅れないか | 見守りサービス、緊急連絡先 |
| 万が一のとき | 亡くなった後の契約の解除、部屋に残った荷物の処理、原状回復や空室の損失 | 残置物のモデル契約条項、家主向けの保険 |
「高齢だから不安」とひとまとめにせず、どの不安に、どの備えで対応するかを整理すると、受け入れの判断がしやすくなります。
1. 家賃の不安には「家賃債務保証」
家賃の支払いが遅れた場合に、保証会社が立て替える仕組みです。高齢の方でも利用できるプランを用意している保証会社があります。保証料は、一般的に入居者の負担です。
2025年10月施行の改正住宅セーフティネット法では、国土交通大臣が認定した家賃債務保証業者の制度が設けられ、住宅金融支援機構の保険を利用できるようになりました。高齢の方など住まいの確保に配慮が必要な方が、保証を受けやすくなることが期待されています。
- 高齢の方が利用できる保証会社・プランがあるか
- 保証の範囲(家賃のほか、原状回復費用や残置物の撤去費用まで含むか)
- 年金収入の場合の審査の考え方
- 生活保護を受けている方の場合、家賃の代理納付が使えるか
2. 体調の急変には「見守りサービス」
見守りサービスには、いくつかの種類があります。下の表は、オーナー向けの情報サイトに掲載されている料金の目安の例です。実際の料金はサービスによって異なります。
| 種類 | しくみ | 料金の目安(例) |
|---|---|---|
| 電話・メール型 | 自動音声の電話で定期的に安否を確認し、応答がなければ家族などに連絡 | 月700円〜1,400円程度 |
| 通報型 | 緊急時にボタンを押して通報 | 月3,000円〜4,000円程度 |
| センサー型 | 人感センサーなどで部屋の様子を把握し、異常を通知 | 月3,000円程度+初期費用・機器代 |
| 訪問型 | スタッフが訪問して安否を確認 | 月1回30分で2,000円程度 |
見守りサービスの費用を大家さんが負担するか、入居者が負担するかは、物件や契約によって決められます。入居者のプライバシーにかかわるため、どの方法なら本人が納得できるかを話し合って選ぶことが大切です。
費用と空室の損失を比べる
たとえば家賃5万円の部屋で、見守りサービスを大家さんが月1,000円負担しても年間1.2万円です。一方、高齢の入居希望者を断って空室が2か月続くと、10万円の家賃収入を失う計算になります(考え方を説明するための仮の数字です)。備えの費用は、空室の損失と比べて判断しましょう。
3. 万が一のときには「残置物対策」と「保険」
残置物の処理等に関するモデル契約条項
国土交通省と法務省は2021年6月、「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を公表しました。単身の高齢者(60歳以上を想定)が入居する際に、入居者が亡くなった後の賃貸借契約の解除や残置物の処理を、あらかじめ決めた受任者に任せておく仕組みです。相続人が分からない場合でも、手続きを進めやすくなります。
さらに、2025年10月施行の改正住宅セーフティネット法では、居住支援法人が、入居者からの委任を受けて残置物の処理を行うことができるよう規定されました。
家主向けの保険
入居者が亡くなった場合の原状回復費用や、空室・家賃の値下げによる損失などを補償する、家主向けの保険もあります。補償の内容や保険料は商品によって異なるため、保険代理店や管理会社に相談して比べましょう。
終身建物賃貸借
入居者が亡くなったときに契約が終わる「終身建物賃貸借」という契約の方法もあります。改正法では、この認可の手続きが簡素化されました。
改正住宅セーフティネット法(2025年10月施行)のポイント
| 主な内容 | 大家さんにとっての意味 |
|---|---|
| 居住サポート住宅の創設 | ICTなどによる安否確認や訪問による見守り、福祉サービスへのつなぎが付いた住宅の供給を進める |
| 認定家賃債務保証業者 | 配慮が必要な方の保証を受けやすくし、家賃の回収リスクを減らす |
| 残置物処理の円滑化 | 居住支援法人が残置物の処理を受託できる |
| 終身建物賃貸借の手続き簡素化 | 亡くなったときに契約が終わる契約を利用しやすくする |
| 生活保護の家賃の代理納付 | 家賃を貸主に直接支払う方法が原則に |
受け入れを判断する前に確認したいこと
- 入居希望者の収入(年金など)と家賃のバランス
- 緊急連絡先(家族・親族・支援者)があるか
- ケアマネジャーや地域包括支援センターなど、関わっている支援者がいるか
- 部屋の階数・段差・手すりなど、住みやすさ
- 保証会社・見守り・保険・残置物の備えを、どの組み合わせで用意するか
- それぞれの費用を誰が負担するか
受け入れまでの進め方
- 不安を3つに分ける
家賃・体調の急変・万が一のときのどれが心配かを整理します。 - 入居希望者の状況を聞く
収入、緊急連絡先、支援者の有無を確認します。 - 備えを組み合わせる
保証会社、見守り、保険、残置物の委任から、必要なものを選びます。 - 費用の負担を決める
入居者負担・大家さん負担を決め、空室の損失と比べます。 - 本人と家族・支援者に説明する
見守りの方法や残置物の委任について、納得のうえで契約します。
ミニクルホームにご相談ください
ミニクルホームは、高齢の方や保証人がいない方など、住まい探しに不安がある方のご相談をお受けしている岡山市の不動産会社です。大家さんの不安をうかがったうえで、保証会社や見守り、万が一のときの備えの組み合わせを一緒に考えます。
まずはLINEで「高齢の方の入居を検討しています」と一言送っていただくだけでも大丈夫です。
※保証会社の審査や各サービスの内容・料金は、提供する会社によって異なります。
※当社は不動産会社のため、契約条項の法的な判断はできません。必要に応じて専門家にご確認ください。
よくある質問
- 高齢の入居希望者を受け入れるとき、大家として何を備えればいいですか?
- 不安を家賃・体調の急変・万が一のときの3つに分け、家賃は保証会社、体調の急変は見守りサービスや緊急連絡先、万が一のときは残置物のモデル契約条項や家主向けの保険で備えるのが基本的な考え方です。
- 見守りサービスの費用はどのくらいですか?
- 種類によって異なります。オーナー向け情報サイトの例では、電話・メール型で月700円〜1,400円程度、センサー型で月3,000円程度に初期費用・機器代、訪問型で月1回30分2,000円程度などとされています。
- 入居者が亡くなった後の荷物はどうなりますか?
- 国土交通省と法務省が公表した「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を使うと、契約の解除や残置物の処理を、あらかじめ決めた受任者に任せておくことができます。2025年10月からは、居住支援法人が残置物の処理を受託できる仕組みも設けられています。
- 改正住宅セーフティネット法で何が変わりましたか?
- 2025年10月の施行で、見守りなどが付いた居住サポート住宅の創設、認定家賃債務保証業者の制度、残置物処理の円滑化、終身建物賃貸借の手続き簡素化などが行われ、大家さんの不安を減らす仕組みが整えられました。
- どこに相談すればいいですか?
- 岡山県居住支援協議会の総合相談窓口(086-237-0200)や、県内の居住支援法人、管理会社・不動産会社に相談できます。
まとめ
- 高齢の入居希望者への不安は、家賃・体調の急変・万が一のときに分けて考えましょう。
- 保証会社・見守り・保険・残置物の委任は、それぞれ役割が違います。
- 見守りは種類によって費用が大きく変わります。空室の損失と比べて判断しましょう。
- 改正住宅セーフティネット法で、大家さんを支える仕組みが整えられています。
- 本人・家族・支援者と話し合い、納得のうえで備えを決めましょう。
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宅地建物取引業免許:岡山県知事(3)第5473号
業務内容:賃貸仲介・売買仲介・賃貸管理・空室対策コンサル・内外装リフォーム/リノベーション・空き家管理及び対策相談・保険代理店
対応エリア:岡山市(北区・中区・南区・東区)、倉敷市、玉野市、瀬戸内市、備前市、総社市
参考:LIFULL HOME’S PRESS「2025年10月施行『住宅セーフティネット法』改正の“3本柱”」/国土交通省「残置物の処理等に関するモデル契約条項(ひな形)の策定について」/オーナーズ倶楽部「高齢者見守りサービスとは?大家が必要な対策とポイント」/おかやま入居支援センター「居住支援協議会総合相談窓口の開設」
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