【岡山市】空き家の解体補助金は最大60万円|申請の順番に注意|ミニクルホーム
【岡山市】空き家の解体補助金は最大60万円|申請の順番に注意
「そろそろ実家を壊さないと」と思ったとき、解体費の見積もりを取り、業者を決め、日程を押さえる。ごく自然な流れだと思います。
ところが、この順番で進めてしまうと、使えたはずの補助金が受け取れなくなります。
岡山市には老朽化した空き家の解体費を補助する制度があり、条件を満たせば工事費の3分の1・上限60万円が支給されます。決して小さくない金額ですが、手続きには「先にやらなければならないこと」があります。ここを知らずに契約してしまい、後から泣く方が実際にいらっしゃいます。
この記事では、岡山市の解体補助金の内容と、絶対に間違えてはいけない申請の順番を整理します。
この記事の要点
岡山市の「空家等適正管理支援事業(除却)」は、工事等に要する金額の3分の1・上限60万円(応急措置は上限10万円)を補助する制度です。
最大の注意点は順番。必ず事前相談(予約制)を行い、交付決定を受けてから工事契約・着工する必要があります。先に契約や着工をすると対象外になります。
令和8年度の申請受付は令和8年5月1日から12月18日までで、予算に達し次第終了します。工事は市内施工業者に限られます。
いちばん多い失敗は、これです。
① 解体業者に見積もりを取る → ② 良さそうなので契約する → ③ 後から補助金の存在を知って市に相談 → ④「すでに契約済みのため対象外です」
補助金は「これから行う工事」を支援する制度です。契約書に判を押す前に、市へ相談してください。この順番だけは、何があっても崩さないでください。
岡山市の解体補助金の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 空家等適正管理支援事業(除却) |
| 補助率 | 補助事業の工事等に要する金額の3分の1(千円未満切捨て) |
| 上限額 | 除却工事・附帯工事は60万円/応急措置は10万円 |
| 対象となる空き家 | 空家法の規定による特定空家等(同法第22条第2項に基づく勧告を受けたものは除く) |
| 対象者 | 空き家の所有者(個人)または所有者の承諾を受けた者。市税の滞納がないことなどの要件あり |
| 施工業者 | 市内施工業者が行う工事等に限る |
| 申請受付(令和8年度) | 令和8年5月1日(金)〜令和8年12月18日(金)。予算に達し次第終了 |
| 事前相談 | 必須(予約制) |
| 問い合わせ | 都市整備局 住宅・建築部 建築指導課 空家対策推進室 |
インターネット上には「上限50万円」と書かれた記事が今も多く残っていますが、これは過年度の情報です。制度の内容・上限額・受付期間は年度ごとに見直されるため、必ず岡山市の公式ページで最新の内容をご確認ください。
補助対象となる工事
- 除却工事(建築物およびこれに附属する工作物の撤去に係る工事)
- 除却工事および附帯工事(敷地にある門扉、塀、立木等の撤去に係る工事)
- 応急措置(地域の住民等に危害を及ぼす等の危険な状態を回避するために必要な措置)
いくらもらえるのか|計算してみます
補助額は「工事費の3分の1」と「上限60万円」の、いずれか低いほうです。
| 解体工事費 | 3分の1の額 | 実際の補助額 | 自己負担 |
|---|---|---|---|
| 90万円 | 30万円 | 30万円 | 60万円 |
| 120万円 | 40万円 | 40万円 | 80万円 |
| 150万円 | 50万円 | 50万円 | 100万円 |
| 180万円 | 60万円 | 60万円(上限) | 120万円 |
| 240万円 | 80万円 | 60万円(上限) | 180万円 |
工事費が180万円を超えると、補助額は60万円で頭打ちになります。逆に言えば、180万円前後の工事でこの制度の効果が最大化します。岡山市内の木造戸建てであれば、この価格帯に収まることは十分にあります。
申請の正しい順番|6ステップ
STEP 1
電話で予約を取り、事前相談に行く
まずここからです。市の窓口で、補助要件に該当するか、どの書類が必要かを確認します。相談は予約制なので、いきなり訪問せず、必ず事前に電話をしてください。
この段階では、まだ業者と契約しないでください。見積もりを取るところまでは問題ありませんが、契約は交付決定の後です。
STEP 2
市内施工業者から見積もりを取る
補助の対象になるのは市内施工業者が行う工事です。県外や市外の業者に依頼すると、そもそも対象外になります。
見積もりは複数社から、同じ条件で取ってください。残置物の量、前面道路の幅、アスベスト調査の要否によって金額は大きく変わります。同じ現場で数十万円の差が出ることは珍しくありません。
STEP 3
必要書類を揃えて申請する
一般的に、次のような書類が求められます(詳細は事前相談で案内されます)。
- 補助金交付申請調書
- 申請者の住民票
- 不動産登記事項証明書(所有権を証明できる書類)
- 市税の滞納がないことの証明書
- 電気・水道の使用量明細書(空き家期間を確認できるもの)
- 見積書
- 空き家の全体および補助事業部分の現況写真(申請日から一定期間内のもの)
名義が亡くなった親御さんのままだと、所有権の証明でつまずきます。相続登記が済んでいるかを先に確認してください。
STEP 4
交付決定を受ける
市の審査を経て、交付決定通知を受け取ります。工事契約と着工が可能になるのは、ここからです。
STEP 5
契約・着工・工事完了
解体工事を行います。工事で発生した産業廃棄物は、元請業者が適正に処分する必要があります。
あわせて、工事の前後で写真を残しておいてください。完了報告に必要になるほか、後述する3,000万円特別控除の手続きでも役立つことがあります。
STEP 6
完了報告・請求・入金
工事完了後に実績報告を行い、額の確定を経て補助金が支払われます。補助金は後払いです。工事費はいったん全額を自己資金で支払う必要があるため、資金計画にご注意ください。
また、補助を受けた場合は、跡地についても適正な管理が求められます。
解体後に必要な手続きを忘れずに
解体して終わりではありません。届出をしないと、存在しない建物に課税され続けることがあります。
- 滅失登記——登記されている家屋は、法務局へ申請します
- 家屋滅失届——未登記家屋、または滅失登記が遅れる場合は、各区市税事務所等へ提出します
解体業者に「取毀証明書(建物滅失証明書)」を発行してもらう必要があるため、工事の打ち合わせ段階で伝えておくとスムーズです。
岡山市の他の空き家補助制度
除却以外にも、目的に応じた制度が用意されています。事前相談の際に、まとめて確認しておくのが得策です。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 除却〔地域活性化〕 | 跡地を地域の活性化に活用する場合の除却補助。跡地は最低10年間の活用と、町内会等の第三者による管理が条件 |
| リフォーム | 工事費の3分の1、上限60万円(子育て世帯は上限70万円) |
| リフォーム〔地域活性化〕 | 地域活性化に活用するための再生改修。改修後10年間の活用が条件 |
| 家財等処分 | 家財道具等の処分・搬出費用の一部を補助 |
| 空き家診断 | 建物の状態を専門家に診てもらう費用の補助 |
※各制度の要件・上限額・受付期間は年度により異なります。詳細は岡山市の公式ページおよび事前相談でご確認ください。
補助金を使う前に確認したい3つのこと
① 本当に解体すべき物件ですか
補助金があると、つい「使わないともったいない」と思ってしまいます。ただ、解体しないほうがいいケースもあります。
- 再建築不可の土地——接道条件を満たさない土地は、壊すと二度と建てられません。古家を残したまま売ったほうが有利な場合があります
- 市街化調整区域——解体すると再建築が認められないことがあります
- 古家ごと買いたい買主がいる——DIY目的や賃貸目的の買主は、更地にすると対象外になります
補助金60万円のために解体して、土地の価値が数百万円下がっては本末転倒です。解体は、いつでもできます。でも元には戻せません。
② 解体すると固定資産税が上がります
住宅が建っている土地には住宅用地の特例があり、岡山市の公表内容では小規模住宅用地(200㎡以下の部分)で固定資産税が評価額の6分の1に軽減されています。更地にすると、この特例から外れます。
ただし負担調整措置があるため、翌年からいきなり6倍になるわけではありません。建物分の税金がゼロになることもあり、解体した翌年度はむしろ下がるケースもあります。それでも、更地のまま何年も売れなければ税負担は増えていきます。
なお固定資産税は毎年1月1日時点の状況で決まるため、すぐに売る予定がないなら、年をまたいでから解体するほうが有利な場合があります。
③ 3,000万円特別控除との関係
相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たすと譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。この特例では解体が要件に関わってくるため、解体のタイミングと売却のタイミングを一体で設計する必要があります。
解体してしまうと建物の写真はもう撮れません。解体前に外観・内部の写真を残し、電気やガスの閉栓の記録を保管しておいてください。後の手続きで役に立ちます。
よくある質問
Q. 岡山市の空き家解体補助金はいくらもらえますか? A. 補助事業の工事等に要する金額の3分の1で、除却工事・附帯工事は上限60万円、応急措置は上限10万円です。たとえば工事費150万円なら50万円、180万円以上なら上限の60万円が補助額の目安になります。 Q. 解体業者と契約した後でも申請できますか? A. できません。この補助金は事前相談と交付決定を経てから工事契約・着工することが前提です。先に契約してしまうと対象外になるため、見積もりを取る段階で市に相談してください。 Q. 市外の解体業者に頼んでも補助は受けられますか? A. 補助の対象は市内施工業者が行う工事等に限られます。業者選びの段階でご注意ください。 Q. どんな空き家でも対象になりますか? A. 空家法の規定による特定空家等が対象で、勧告を受けたものは除かれます。単に古いだけの空き家が必ず対象になるわけではないため、まず事前相談で該当するかを確認してください。 Q. 補助金はいつ振り込まれますか? A. 工事完了後の実績報告と額の確定を経ての後払いです。工事費はいったん全額をご自身で支払う必要があるため、資金の準備が必要です。 Q. 名義が亡くなった親のままですが、申請できますか? A. 所有権を証明する書類が必要になるため、相続登記が済んでいないと手続きが進みにくくなります。相続登記は2024年4月から義務化されており、いずれにせよ整理が必要です。 Q. 岡山市外(玉野市・瀬戸内市・倉敷市など)でも補助制度はありますか? A. 多くの市町村で除却補助が用意されていますが、上限額・対象要件・業者の条件は自治体ごとに異なります。所在地の市町村にご確認ください。
「そもそも解体すべきか」から一緒に確認しませんか
補助金の申請は市の窓口で進めていただくものですが、その前に確認しておきたいことがあります。その土地は再建築できるのか。古家付きのまま売ったほうが手取りが多くないか。解体と売却のタイミングをどう組むか。ここを整理してから動くと、無駄な出費をかなり防げます。
ミニクルホームは、JR岡山駅西口から徒歩7分の奉還町にある不動産会社です。売買仲介・賃貸仲介から空き家の管理・活用まで対応しており、「解体すべきか迷っている」という段階からのご相談を数多くお受けしています。解体を無理におすすめすることはありません。
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※本記事は岡山市および関係機関の公表情報と当社の実務経験にもとづき、一般的な考え方を整理したものです(2026年8月時点)。補助制度の要件・上限額・受付期間・必要書類は年度ごとに変更され、予算の状況によっても受付が終了します。申請にあたっては必ず岡山市の公式ページを確認し、事前相談(予約制)で最新の内容をご確認ください。掲載している金額は説明用の試算です。税額は土地・家屋が所在する区の市税事務所へ、譲渡所得の特例は税理士または税務署へ、相続登記は司法書士へ、建築の可否は建築士や岡山市の建築部局へご確認ください。
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