「退去予告が出たばかりの部屋に、もう入居希望の連絡が来た。ありがたいけれど、まだ部屋の状態も見ていない」
「申込みを受けて契約まで進めてしまって、もし退去が遅れたらどうなるのだろう」
退去予告が出た段階で次の入居希望が来るのは、空室期間を縮める大きなチャンスです。一方で、退去立会いの前は部屋の状態が分からず、退去日が本当に確定しているかも見えにくい時期でもあります。
この記事では、岡山市の大家さんに向けて、退去立会い前に入居希望が来たとき、申込み・契約・入居日の約束をどこまで進めるかの判断ポイントをまとめました。
- まず今の入居者の退去日が確実かを確認しましょう。ここがあいまいなまま先に進めるのはリスクがあります。
- 立会い前は原状回復の範囲が読めないため、入居日は余裕をもって設定します。
- 進め方は「立会い後まで待つ」「審査まで進める」「退去前に契約する」の3つ。状況に合わせて選びましょう。
- 入居希望者には、部屋を見られないことや入居日の条件を正直に伝えておくことが大切です。
まず確認したいこと:退去日は確実か
次の入居者との話を進める前に、今の入居者が予定どおり退去するかを確認しましょう。
- 解約の通知を書面で受け取っているか
- 退去日(明け渡し日)がはっきり決まっているか
- 今の入居者の引っ越し先や引っ越し業者が決まっていそうか
- 家賃の滞納など、退去が遅れそうな事情がないか
万が一、今の入居者の退去が遅れると、次の入居者に約束した日に部屋を引き渡せないおそれがあります。その場合、次の入居者の引っ越しや住まいに影響が出て、大家さんが責任を問われるおそれもあります。退去日が確実でない段階では、契約を急がないほうが安全です。
立会い前は「部屋の状態」が読めない
退去立会いの前は、どこまで原状回復工事が必要かが分かりません。入居期間や使い方によって、必要な工事は大きく変わります。
| 今の入居者の状況 | 工事が長引きやすいポイント |
|---|---|
| 入居期間が長い | 壁紙・床の張り替え、設備の交換が必要になることがある |
| ペットを飼っていた | におい・傷の補修に時間がかかることがある |
| 室内で喫煙していた | 壁紙の張り替え、消臭が必要になることがある |
| 設備の不具合の連絡があった | 修理・交換の手配が必要になる |
そのため、立会い前に入居日を約束するときは、工事が長引いた場合も見込んだ日付にしておくことが大切です。
3つの進め方を比べる
| 進め方 | よい点 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| A:立会いが終わるまで待つ | 部屋の状態と工事の期間が分かってから、確実な入居日を約束できる | その間に入居希望者が他の物件に決めてしまうことがある |
| B:申込みと審査まで進め、契約は立会い後 | 入居希望者を確保しつつ、部屋の状態を見てから契約できる | 申込みは契約ではないため、入居希望者がキャンセルすることもある |
| C:立会い前に契約まで進める | 入居者が早く確定し、空室期間をより短くしやすい | 退去の遅れや工事の長期化があると、約束した入居日を守れないおそれ |
Bの「審査まで進めて、契約は立会い後」は、バランスのとりやすい進め方の一つです。退去日が確実で、部屋の状態もある程度見込める場合は、入居日に十分な余裕を持たせたうえでCを選ぶ考え方もあります。
状況別の判断の目安
| 状況 | 考え方の目安 |
|---|---|
| 退去日が書面で確定、入居期間が短く部屋の状態も良さそう | 入居日に余裕をもたせて、契約まで進めることも検討できる |
| 退去日は確定だが、部屋の状態が読めない | 審査まで進め、契約は立会いの後に |
| 退去日があいまい・遅れそうな事情がある | 申込みの受付も含めて慎重に。退去日が確定してから進める |
| 繁忙期(1月〜3月)で、入居希望者が早く決めたい | 立会いの日程を前倒しできないか今の入居者に相談し、判断を早める |
入居希望者に伝えておきたいこと
立会い前に話を進める場合は、入居希望者に次のことを正直に伝えておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。
- 今はまだ入居中で、室内を見られない(または限られた形でしか見られない)こと
- 退去後に原状回復工事・クリーニングを行うこと
- 入居可能日は工事の状況で決まること、余裕をもった日付にしていること
- 室内を見てから決めたい場合は、退去後に内見してから契約する流れも選べること
- 設備や部屋の状態について、分かっていること(前回の写真、設備の内容など)
室内を見ないまま申込む入居希望者にとっては、不安が大きい決断です。分からないことは分からないと伝えたうえで、できる限りの情報を出すことが、結果的に信頼につながります。
立会いの後にすること
- 部屋の状態を確認する
原状回復工事の範囲と期間を決めます。 - 入居日を確定させる
工事の日程から、確実に引き渡せる日を決めます。 - 入居希望者に連絡する
部屋の状態と入居日を伝え、契約の意思を確認します。 - 契約・工事を進める
契約の手続きと工事を並行して進めます。 - 引き渡し前に最終確認
工事・クリーニングの仕上がりを確認してから鍵を渡します。
なお、退去予告が出た段階での募集の始め方(入居可能日の決め方、写真の準備、居住中の内見など)は、関連記事「退去予告が出たらいつ募集を始める?」で詳しく紹介しています。
ミニクルホームにご相談ください
ミニクルホームでは、賃貸管理や空室対策のご相談もお受けしています。今の入居者の退去予定や部屋の状況をうかがったうえで、申込み・契約・入居日をどこまで進めるかを一緒に整理し、空室期間を縮める段取りをお手伝いします。
まずはLINEで「退去前に入居希望が来て迷っています」と一言送っていただくだけでも大丈夫です。
※当社は不動産会社のため、契約上の責任など法的な判断や、他社・当事者との交渉の代理はできません。トラブルの際は弁護士など専門家にご相談ください。
よくある質問
- 退去立会い前に入居の申込みを受けてもいいですか?
- 退去日が確実であれば、申込みと審査まで進めることは一般的です。部屋の状態が分からないため、契約は立会いの後に結ぶなど、段階を分けて進めると安心です。
- 立会い前に契約まで進めるリスクは何ですか?
- 今の入居者の退去が遅れたり、原状回復工事が長引いたりすると、約束した入居日に部屋を引き渡せないおそれがあります。契約まで進める場合は、入居日に十分な余裕をもたせましょう。
- 入居日はどのように決めればいいですか?
- 退去日に、原状回復工事とクリーニングの期間、さらに工事が長引いた場合の余裕を足して決めます。立会いの後に工事の範囲が分かったら、入居日を確定させましょう。
- 入居希望者が室内を見ずに申し込むのは問題ありませんか?
- 室内を見られないことや、退去後に工事を行うことを正直に伝えたうえで、本人が納得していれば進めることはできます。不安が大きい場合は、退去後に内見してから契約する流れも用意しておきましょう。
- 今の入居者に立会いを早めてもらえますか?
- 今の入居者の協力によります。退去の準備で忙しい時期のため、無理のない範囲でお願いしましょう。
まとめ
- まず今の入居者の退去日が確実かを確認しましょう。
- 立会い前は部屋の状態が読めないため、入居日は余裕をもって設定します。
- 進め方は待つ・審査まで進める・契約まで進めるの3つ。審査まで進めて契約は立会い後にする方法は、バランスをとりやすい選択肢です。
- 入居希望者には分からないことも含めて正直に伝えましょう。
- 立会いの後は、入居日の確定と連絡を速やかに行います。
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