はじめに
「離れて暮らす親に認知症の症状が出てきた。今住んでいる賃貸の契約更新、どうすればいいのだろう」 「施設への入所が決まったが、今のアパートの解約手続きを誰がすればいいのかわからない」
親の高齢化に伴って、多くのご家族が直面するのが、この「賃貸契約」の問題です。契約は原則として本人が結ぶものですが、判断能力が低下すると、更新や解約、新しい住まいへの契約もスムーズにいかなくなることがあります。
結論からお伝えすると、認知症と診断されたことだけを理由に、大家さんから一方的に契約を解除されることはありません。 ただし、契約の更新・解約・新規契約をご家族がスムーズに進めるためには、成年後見制度などの仕組みを理解しておくことが大切です。
この記事では、岡山市で高齢者の住まい相談に対応しているミニクルホームが、認知症の親の賃貸契約について、家族が知っておきたいポイントを解説します。
結論:知っておきたい3つのポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| ① 認知症=即解約ではない | 認知症と診断されただけでは、契約の解除事由にはなりません |
| ② 更新・解約には後見人の対応が必要になることも | 本人の判断能力によっては、成年後見人が代理で手続きを行う必要があります |
| ③ 事前の備えが安心につながる | 判断能力があるうちに「任意後見契約」を結んでおくと、家族がスムーズに対応できます |
認知症になったら、今の賃貸はどうなるのか
賃貸借契約は、借地借家法によって借主が保護されており、大家さんが一方的に契約を解除するには「正当事由」が必要です。認知症や要介護状態になったこと自体は、正当事由にはあたらないとされています。
ただし、実際の生活の中で、家賃の支払いが滞ったり、近隣とのトラブルが発生したりするなど、具体的な問題が起きている場合は、対応が必要になることがあります。早めにご家族が状況を把握し、大家さんや管理会社とコミュニケーションを取っておくことが、トラブルを防ぐポイントです。
契約更新・解約で困る理由
賃貸借契約の更新や解約は、法律行為にあたるため、判断能力が十分でない状態では、本人が単独で有効に行うことが難しくなります。 そのため、次のような場面で、家族が対応に困るケースが出てきます。
- 契約更新の時期が来たが、本人が契約内容を理解できない
- 施設入所が決まり、今の部屋を解約したいが、本人の同意をどう得ればよいかわからない
- 新しい住まい(高齢者向け住宅など)を契約したいが、本人名義での契約が難しい
成年後見制度という選択肢
こうした場合に活用されるのが、成年後見制度です。
- 法定後見制度: すでに判断能力が低下したあとに、家庭裁判所へ申し立てて後見人を選任してもらう制度です。選ばれた成年後見人が、契約の更新・解約などを本人に代わって行います。
- 任意後見制度: 本人の判断能力があるうちに、あらかじめ「誰に、どこまでの代理権を与えるか」を契約で決めておく制度です。家族を後見人として指定しておくことも可能です。
任意後見制度は、判断能力が低下する前に契約を結んでおく必要があるため、「元気なうちに備えておく」ことが大切です。すでに認知症の症状が出ている場合は、法定後見制度の利用を検討することになります。
施設入所にともなう賃貸解約の進め方
親が施設に入所することになり、今の賃貸を解約する場合、次の点を確認しておくとスムーズです。
- 契約者本人の判断能力を確認する 本人が解約の意思を示せる状態か、後見人による対応が必要かを確認します。
- 大家さん・管理会社に早めに相談する 解約の意向が固まったら、早めに連絡し、退去日や原状回復の進め方を相談しましょう。
- 残置物の整理・処分を計画する 長年住んだ部屋の場合、荷物の整理にも時間がかかります。余裕をもったスケジュールを組みましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 成年後見人を立てずに、家族が代わりに解約手続きをすることはできますか? A. 本人の判断能力が保たれており、委任状などで意思確認ができる場合は可能なこともあります。ただし、判断能力が明らかに低下している場合は、後見人による対応が原則となります。まずは大家さん・管理会社に相談してみましょう。
Q2. 成年後見制度の利用には、どのくらい時間がかかりますか? A. 家庭裁判所への申し立てから後見人が選任されるまで、数か月かかることが一般的です。契約更新や解約の予定がある場合は、早めに手続きを始めることをおすすめします。
Q3. 認知症の親が新しく賃貸を借りることはできますか? A. 判断能力が低下している場合、本人単独での新規契約は難しいことが多いです。成年後見人を立てたうえでの契約や、高齢者向けの住まい(サービス付き高齢者向け住宅など)への住み替えを検討するケースもあります。
Q4. 大家さんから「認知症なら退去してほしい」と言われたら、応じないといけませんか? A. 認知症であること自体は、法律上の正当な解除理由にはなりません。ただし、実際にトラブルが起きている場合は、話し合いによる解決が望ましいです。対応に困る場合は、地域包括支援センターや専門家への相談も検討しましょう。
まとめ・お問い合わせ
親の認知症は、多くのご家族にとって初めて向き合う問題であり、賃貸契約という現実的な手続きに戸惑う方も少なくありません。「認知症=即解約」ではないこと、そして成年後見制度という備えがあることを知っておくだけでも、不安は少し軽くなるはずです。
「親の賃貸契約をどうすればいいかわからない」「施設入所にともなう解約の進め方を相談したい」——そんな方は、ぜひ一度ミニクルホームにご相談ください。ご家族の状況に寄り添いながら、無理のない進め方を一緒に考えます。
▶ お電話でのご相談はこちら(086-239-3296) 所在地:岡山県岡山市北区奉還町二丁目19番14号(JR岡山駅西口 徒歩7分)
免責事項 本記事は、一般的な情報・法律の考え方をもとにした解説であり、個別の契約における法的判断を保証するものではありません。成年後見制度の利用や契約手続きについては、弁護士・司法書士などの専門家、または地域包括支援センターにご相談ください。
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