「家族にだけは知られたくない」――その気持ちのまま、立ち止まっていませんか
生活が苦しくて、本当は生活保護に頼りたい。でも――。
「申請したら、絶対に家族に連絡が行くんでしょう?」 「もう何年も会っていない親に、知られたくない」 「昔つらい思いをさせられた相手に、今の自分を知られるなんて耐えられない」
そんな思いから、相談することすらためらってしまう方は、本当にたくさんいます。家族に知られたくない理由は、人それぞれ。疎遠、関係の悪化、過去のつらい経験、あるいは「心配をかけたくない」という優しさからの方もいます。どんな理由であっても、その気持ちは尊重されるべきものです。
そして大事なことをお伝えします。「生活保護を受けると、必ず家族に連絡が行く」というのは、もう昔の話です。 この記事では、家族への連絡(扶養照会)のいまのルールと、岡山市で家族に頼らず賃貸を借りる方法、相談できる窓口を、できるだけやさしく整理します。
そもそも「扶養照会」とは何か
まず、不安の正体をはっきりさせましょう。
「扶養照会(ふようしょうかい)」とは、生活保護を申請したときに、福祉事務所が申請者の親族に対して「仕送りなどの援助ができないか」を文書で確認することを言います。対象になるのは、3親等以内の親族(親・子・きょうだい・祖父母・孫など)です。
ここで、いちばん知ってほしいことがあります。 扶養照会は、生活保護を受けるための「条件」ではありません。 民法では家族による援助が優先されるとされていますが、「家族が援助できないこと」が生活保護を受ける要件になっているわけではないのです。家族が援助してくれるかどうかと、あなたが生活保護を受けられるかどうかは、別の話だと考えてください。
2021年の見直しで、こう変わりました
家族への連絡を不安に思う人が多く、それが原因で必要な人が生活保護を受けられない――。この問題を受けて、2021年(令和3年)に厚生労働省が運用を見直しました。
変わったポイントは、おもに次のとおりです。
- 申請するとき、本人が「家族に連絡してほしくない」という意思を伝えられるようになりました。
- 一人ひとりの親族について、「照会するのが適切でない」または「援助が期待できない状態にある」ことを説明すれば、実質的に照会を止められる扱いになりました。
- 以前は「20年以上音信不通」が照会しない目安でしたが、これが**「10年以上」に短縮**されました。これにより、照会を避けられるケースがかなり増えました。
つまり、「申請=自動的に家族へ連絡」ではなく、あなたの意向が尊重される方向に変わったということです。
扶養照会が避けられる主なケース
次のような事情があり、それをきちんと説明できれば、扶養照会が行われない可能性が高くなります。
- 過去に親族からDV(暴力)や虐待を受けていた → 原則として照会は行われません
- おおむね10年以上、音信不通になっている
- 親族の住所や連絡先がわからない
- 親族との関係が著しく悪い、借金トラブルがあるなどの事情がある
- 親族自身が高齢・病気・生活保護中などで、援助できる状態にない
可能であれば、相談機関への相談履歴や、医療機関・警察の記録などがあると説明に説得力が増しますが、こうした裏づけがなく、本人の申告だけでも対応してもらえるケースもあります。「うまく説明できないかも」と心配な場合は、後述の支援団体に同行・相談してもらうのも有効です。
正直にお伝えする、大事なこと
ここは誠実にお伝えします。残念ながら、「申請すれば100%、絶対に家族に知られない」とまでは言い切れません。
この運用の見直しは大きな前進ですが、完全な制度とはいえず、窓口の対応によっては、申請者の意向がうまく伝わらないこともあると報告されています。だからこそ、次の3つが大切になります。
- 「連絡してほしくない」という意思を、はっきりと伝えること。 遠慮して言わないと、伝わりません。
- 理由を具体的に説明できるよう、整理しておくこと。 可能なら、裏づけになる記録も。
- 一人で不安なら、支援団体や専門家に相談・同行してもらうこと。 「扶養照会に関する申出書」のようなツールを用意している支援団体もあります。
味方がいるだけで、窓口での伝わり方は大きく変わります。
DVなど、安全にかかわる場合は、まず身の安全を
もし、家族や配偶者からの暴力(DV)や虐待から逃れたいという事情がある場合は、何よりもまず身の安全が最優先です。
- 配偶者からの暴力については、配偶者暴力相談支援センターや各自治体のDV相談窓口、警察に相談できます。
- 住民票を移しても居場所を知られないよう、**住民票の閲覧などを制限する「支援措置」**という制度があります。これを使えば、加害者に新しい住所を調べられるのを防げます。
- こうしたケースでは、扶養照会も原則として行われません。
一人で抱え込まず、まずは安全を確保できる窓口につながってください。住まいのことは、その後で一緒に整えていけます。
※相談窓口の連絡先は、最新の岡山県・岡山市の公式情報をご確認のうえ掲載してください(編集メモ)。
家族に頼らずに、賃貸を借りる方法
「生活保護の連絡は避けられても、賃貸契約で家族の名前が必要になるのでは?」という不安もありますよね。ここも、家族に頼らずに進める方法があります。
- 連帯保証人がいなくても、独立系の保証会社を利用できる物件が多くあります。家族にお願いする必要はありません。
- 緊急連絡先を家族に頼れない場合も、対応の方法があります。支援機関やサービスを活用できるケースもあるので、不動産会社に相談しましょう。
- 生活保護+代理納付(家賃を福祉事務所が直接支払うしくみ)を使えば、大家さん・保証会社の安心につながり、契約が進みやすくなることもあります。
岡山市(2級地-1)の住宅扶助の上限額の目安は、単身で月37,000円、2人世帯で44,000円です(世帯の状況などで変わる場合があるため、正確な金額は福祉事務所にご確認ください)。
くわしくはこちらもご覧ください。 👉 保証人なしで賃貸を借りる方法(独立系保証会社の使い方) 👉 家族に頼れない・緊急連絡先がないときの部屋探し
岡山市で相談できる窓口
- 生活保護のこと:お住まいの区の福祉事務所(生活保護担当)が窓口です。「家族に連絡してほしくない」という相談も、ここでできます。
- DV・安全のこと:配偶者暴力相談支援センターや、各自治体のDV相談窓口、警察。
- 住まいのこと:ミニクルホームのような、事情を理解する不動産会社。家族に頼れない部屋探しを、一緒に進めます。
- 申請が一人で不安なとき:生活困窮者を支援する団体に、相談や申請同行をお願いできる場合があります。
ミニクルホームができること
ミニクルホームは、岡山市(北区・中区・南区・東区)と周辺エリアで、さまざまな事情を抱えた方の部屋探しをお手伝いしてきました。
- 家族に頼らず、保証人なしでも借りられる物件を一緒に探します
- 緊急連絡先や住まいの不安など、デリケートな事情にも配慮して対応します
- 生活保護の代理納付を活かした、安心できる契約のかたちをご提案します
当社は福祉事務所でも法律の専門家でもありませんが、住まいの面から、あなたの事情に寄り添ってサポートします。 「家族には知られたくない」というお気持ちも、もちろん大切にします。
■ よくある質問(FAQ)
Q1. 生活保護を申請したら、必ず家族に連絡が行きますか? A. いいえ。2021年の見直しで、本人が「連絡してほしくない」と伝え、その理由を説明すれば、実質的に照会を止められる扱いになりました。「申請=自動的に家族へ連絡」ではありません。
Q2. 扶養照会は、生活保護を受ける条件ですか? A. いいえ。家族が援助できるかどうかは、生活保護を受けられるかどうかの要件ではありません。扶養照会を断っても、それだけで不利益を受けるものではないとされています。
Q3. どんな場合に、家族へ連絡されずに済みますか? A. DV・虐待があった、おおむね10年以上音信不通、住所が不明、関係が著しく悪い、親族自身が援助できる状態にない、などの事情を説明できる場合です。裏づけがあるとより確実ですが、申告だけで対応されるケースもあります。
Q4. 「絶対にバレない」と考えて大丈夫ですか? A. 残念ながら「100%絶対」とは言い切れません。完全な制度ではなく、窓口の対応によることもあります。だからこそ、意思を明確に伝え、必要なら支援団体に同行・相談してもらうことをおすすめします。
Q5. 賃貸契約で、家族の名前(保証人・緊急連絡先)が必要になりませんか? A. 連帯保証人は独立系の保証会社で代えられることが多く、緊急連絡先も支援機関やサービスで対応できるケースがあります。家族に頼らずに契約を進める方法があります。
Q6. DVから逃げたいのですが、住所を知られないか不安です。 A. 住民票の閲覧などを制限する「支援措置」という制度があります。まずは配偶者暴力相談支援センターや警察など、安全を確保できる窓口に相談してください。住まいのことは、その後で一緒に整えられます。
生活保護の部屋探しに関するお役立ち記事まとめ
- ▶︎ 保証人なしで賃貸を借りる方法(独立系保証会社の使い方)
- ▶︎ 緊急連絡先がない方の賃貸契約ガイド 岡山市
- ▶︎ 生活保護の代理納付とは?岡山市での家賃の払われ方
- ▶︎ 岡山市で生活保護の方が部屋を借りるときに審査で落ちる本当の理由と対策
- ▶︎ 【2026年最新】岡山市の生活保護・住宅扶助額(家賃上限)はいくら?
- ▶︎ 生活保護の方の部屋探し
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