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相続した、あるいは昔購入した昭和のアパート。駅やスーパーは近く、立地は決して悪くない。それなのに、募集をかけても問い合わせすら来ない。

「リフォームにお金をかけても、回収できるか分からない」「とりあえず壁紙だけ、安く済ませておこう」——そう考えて費用をケチった結果、中途半端な工事では空室が止まらず、入ってこない家賃を横目に、固定資産税やローンの返済だけが毎月出ていく。

これは、決して珍しい失敗ではありません。この記事は、人の人生がかかるテーマだからこそ、精神論ではなく、税金(リノベ費用の経費の扱い・空室赤字の損益通算)と法律(2025年4月施行の改正建築基準法)の根拠まで踏み込んで、できるだけ正確にお伝えします。岡山市・玉野市・瀬戸内市で古い物件をお持ちの方、これからリノベを検討している方に、必ず役立つ内容です。

本記事の位置づけ 法令・通達・公的情報をもとに、2025〜2026年時点で確認できる範囲を整理したものです。個別の物件・契約・税務・建築手続きの判断は、必ず税理士・建築士・所轄税務署・各自治体の建築主事など専門の窓口にご確認ください。


なぜ昭和の間取りは「選ばれない」のか

立地が悪くなくても空室が埋まらないとき、原因は間取りと設備が、今の入居者のニーズに合っていないことにあります。昭和の物件には、次のような特徴がよく見られます。

  • 和室中心の間取り(今は洋室・フローリングが好まれる)
  • 3DKなど、細かく区切られた間取り(一部屋が狭く、家具が置きにくい)
  • 3点ユニットバス(バス・トイレ・洗面が一体。今はバス・トイレ別が人気)
  • 古く、暗く、使いにくい水回り

かつては、部屋数が多く和室のある3DKがファミリーに人気でした。けれど家族構成の変化により、今は**「部屋数の多さ」よりも「広い一部屋(開放的なLDK)」が好まれる傾向にあります。さらに、内装や外観の古さは、入居希望者が第一印象で敬遠する**大きな要因になります。

💡 ポイント 「立地が良いのに決まらない」ときこそ、間取り・設備のミスマッチを疑うべきです。家賃を下げて対応しようとする前に、「そもそも今の人が住みたい部屋になっているか」を見直すことが先決です。


「ケチる」と何が起きるのか — 空室の間も出ていくお金

ここで多くのオーナーがやってしまうのが、収支を気にするあまり、**リフォームを「ケチる」**ことです。何もしない、あるいは壁紙だけの表面的な工事で済ませる。けれど、間取りや水回りのミスマッチが根本原因なら、表面的な工事では空室は止まりません。

そして見落とされがちなのが、空室の間も、お金は出ていき続けるという事実です。

⚠️ 入居者がいなくても発生し続けるコスト

  • 固定資産税・都市計画税(入居の有無に関係なく毎年かかる)
  • 借入金の利子(ローンが残っていれば返済は続く)
  • 管理費・共用部の維持費・火災保険料
  • 減価償却費(帳簿上の費用。現金は出ないが、経営の実態として価値は減り続ける)

家賃収入はゼロなのに、これらの固定費は出ていく。「ケチった」つもりが、空室の長期化でかえって損失が膨らむ——これが、古い物件で最も多い失敗のかたちです。

“破産”はどこから来るのか — 正直にお伝えします

なお、「リノベーション費用をケチったこと”だけ”が原因で破産した」と報道された有名な事例は、確認できる範囲では見当たりませんでした。誇張は避けたいので、この点は正直にお伝えします。

ただし、空室が長引いて赤字が積み重なり、ローン返済が立ち行かなくなって資産を失う流れは、現実に数多く記録されています。 売ろうとしても、古く空室の物件は価格が下がっていて、売却額がローン残債を下回る「オーバーローン」に陥れば、物件を手放しても借金が残り、最悪の場合は自己破産に至ります。破産まで至るのはごく一部とされますが、ゼロではありません。


税金の話① — リノベ費用は「一括経費」にならないことが多い

「思い切ってリノベすれば、費用は経費で落とせるはず」と考える方は多いのですが、ここに最初の落とし穴があります。

不動産経営の工事費用は、税務上「修繕費」か「資本的支出」かで扱いが大きく変わります(国税庁 No.2107 ほか)。

  • 修繕費:通常の維持管理や、元の状態に戻す原状回復のための費用 → その年に一括で経費にできる
  • 資本的支出:資産の価値を高めたり、使用可能期間を延ばしたりする費用 → 一括では経費にできず、減価償却で複数年に分けて費用化

⚠️ 間取り変更などの「リノベーション」は資本的支出になりやすい

和室を洋室にする、3DKを2LDKにするといった間取り変更や、設備のグレードアップは、「価値を高める支出」として資本的支出と判断されるのが一般的です。つまり、その年に全額を経費にはできず、長い年数をかけて少しずつ償却することになります(建物部分の工事は定額法のみ)。

「リノベは節税になる」と単純には言えません。トータルの税額と、**手元資金(資金繰り)**は別の話。資金繰りの面では、一括経費にできない資本的支出は負担が重くなります。

さらに、古い物件特有の論点もあります。中古の建物を買って事業に使う場合、減価償却の年数は簡便法で計算できます(国税庁 No.5404)。

  • 法定耐用年数を全部過ぎている建物 = 法定耐用年数 × 20%
  • (例)築25年の木造アパート(木造の法定耐用年数は22年)→ すでに全部経過しているため、22年 × 20% = 4年

ただし注意点があります。中古資産を買って、その再取得価額の50%を超える資本的支出(大規模リノベ)をした場合は、簡便法は使えず、法定耐用年数(木造なら22年など)で償却することになります。古い建物に大金をかけてフルリノベすると、償却期間が一気に長くなる、という点は知っておくべきです。

※修繕費か資本的支出かの判断、耐用年数の適用は個別性が高く、専門的です。必ず税理士にご確認ください。


税金の話② — 空室赤字の「損益通算」には落とし穴がある

「空室で不動産所得が赤字でも、給与の税金と相殺(損益通算)できるから大丈夫」——そう考える方もいます。確かに、不動産所得の赤字は、給与所得など他の所得と損益通算できるのが原則です。

しかし、ここにも重要な例外があります。

⚠️ 「土地を取得するための借入金利子」は損益通算できない

不動産所得が赤字の場合、その赤字のうち、土地等を取得するために借りたお金の利子に相当する部分は、給与所得などとの損益通算ができません(租税特別措置法41条の4)。

建物部分の取得にかかる利子は通算できますが、土地部分の利子は、赤字のときは「なかったもの」として扱われます。つまり、「空室で赤字なら、その分だけ給与の税金が全部戻ってくる」わけではないのです。

「赤字でも節税になるから」と空室を放置するのは、この点でも危険です。


法律の話 — 2025年4月の改正で、大規模リノベに”確認申請”が必要な場合も

リノベを検討するうえで、2025年に大きな法改正があったことも押さえておく必要があります。

① 改正建築基準法(4号特例の縮小/2025年4月施行)

これまで、一般的な2階建ての木造住宅などは「4号建築物」として、建築確認の審査の一部が省略されていました(通称:4号特例)。2025年4月から、この4号特例が縮小され、木造2階建てや延床200㎡を超える平屋などは「新2号建築物」として扱われるようになりました。

⚠️ 大規模なリフォームでも建築確認申請が必要になる場合があります

改正により、対象となる住宅では、新築だけでなく、大規模なリフォーム(大規模の修繕・模様替=壁・柱・床・はり・屋根・階段といった主要構造部の過半に及ぶ工事)でも、建築確認申請が必要になる場合があります。

一方で、水回りの交換や、手すり・スロープの設置などは、これまで通り確認申請が不要なケースが多いとされています。確認申請が必要になると、手間・費用・工期が増えるため、計画段階で施工会社・建築士・自治体の窓口に要否を確認しておくことが大切です。

② 省エネ基準適合義務化(2025年4月)

同じく2025年4月から、原則としてすべての新築建築物に、省エネ基準への適合が義務化されました。大規模なリフォーム(大規模の修繕・模様替)自体は、この適合義務の対象外とされていますが、増築や、構造部の過半の改築を伴う全面リフォームの場合は、対象になり得る点に注意が必要です。

③ 旧耐震基準の建物

1981年(昭和56年)5〜6月の新耐震基準より前に建築確認を受けた、いわゆる「旧耐震」の建物は、地震に対する安全性の面でも確認が必要です。リノベの際は、耐震面も含めて専門家に相談しましょう。

リノベは「思い立ってすぐ着工」ではなく、規模によって必要な手続き・コスト・工期が変わります。 古い物件ほど、事前の確認が欠かせません。


「ケチりすぎ」も「かけすぎ」も失敗 — 費用対効果の見極め

ここまで「ケチると失敗する」とお伝えしてきましたが、逆に、やみくもにお金をかければいいわけでもありません。 これも同じくらい大事な点です。

  • 今の入居者ニーズに合っていないリノベは、お金をかけても空室が埋まらない
  • 駅から遠い・防犯面に不安があるなど、立地が根本的に弱い物件への過剰投資は、費用を回収できないことがある
  • リノベの効果は永久ではなく、時間とともに薄れていく

だからこそ、判断の軸になるのが**費用対効果(ROI)**です。

✅ リノベ前に考えたいこと

  1. かけた費用を、家賃アップ分や空室解消分で、何年で回収できるかを試算したか
  2. 地元の入居者が、本当に求めている間取り・設備か(管理会社に相談したか)
  3. リノベの範囲と目的を絞れているか(全部やる必要はない。効く部分に集中)
  4. 工期が空室期間に直結することを織り込んでいるか
  5. 資本的支出としての減価償却・税務を踏まえた収支になっているか

「ケチりすぎず、かけすぎず」。物件と地域に合った適切な投資ラインを見極めることが、成功と失敗を分けます。


岡山・玉野・瀬戸内で古い物件をお持ちの方へ

岡山県にも、昭和に建てられたアパート・戸建ては数多くあります。「立地は悪くないのに空室が続く」なら、間取りや設備のミスマッチが原因かもしれません。けれど、そこにいくらかけるべきかは、地元の入居者が何を求めているかを知らなければ判断できません。

ミニクルホームは、賃貸の管理・空室対策のコンサルティング・内装リフォームを手がける地元の不動産会社です。「この物件に、どこまでお金をかければ、岡山で無理なく貸せるようになるか」を、地域のニーズと費用対効果の両面から、率直にご提案します。

過剰なリノベをすすめることはしません。逆に、ケチりすぎて空室が続く状態も避けたい。**その物件にとっての”ちょうどいい投資ライン”**を一緒に探します。物件を買う前・リノベを始める前に、地元の事情を知る第三者に相談してみてください。


まとめ

  • 昭和の古い間取り(和室中心の3DK、3点ユニットなど)は、今の入居者ニーズに合わず、立地が良くても空室になりやすい
  • リフォームをケチると、空室が止まらず、固定資産税・利子・管理費だけが出ていく
  • 税金①:間取り変更などのリノベは資本的支出になりやすく、一括経費にできず減価償却で長期分割。中古建物は簡便法で短期償却だが、再取得価額の50%超のリノベだと法定耐用年数に
  • 税金②:空室赤字は損益通算できるが、土地取得の借入金利子分は通算できない(措置法41条の4)
  • 法律:2025年4月の改正で、大規模リフォームも建築確認申請が必要な場合がある。省エネ義務化・旧耐震にも注意
  • ケチりすぎも、かけすぎも失敗。費用対効果(ROI)と地域ニーズの見極めが鍵

不安なまま一人で判断せず、まずは「相談だけ」からで構いません。お気軽にお声がけください。


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岡山市・玉野市・瀬戸内市での空室対策・リノベーション・内装リフォーム・賃貸管理のご相談は、ミニクルホームへお気軽にどうぞ。

ミニクルホーム 売買仲介・賃貸仲介・管理・賃貸空室対策コンサルタント・内装リフォーム・保険代理店

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