「更生保護施設を出たあと、どこに住めばいいのか分からない」
「過去のことで、部屋を貸してもらえないのではないか」
刑務所や更生保護施設を出たあとの住まいは、新しい生活を始めるための土台です。一方で、仕事や住まいのあてがないまま出所の日が近づくと、不安で押しつぶされそうになる方もいらっしゃると思います。
住まいを確保することは、生活を立て直すうえでとても大切です。国も、刑務所を出た方などの住まいの確保を支える取り組みを進めています。この記事では、岡山市北区奉還町でお部屋探しをお手伝いしている不動産会社の立場から、生活保護と居住支援を使って部屋を借りるまでの流れと相談先を、再出発を応援する気持ちで整理します。
この記事で分かること
- 出所前・出所後・更生保護施設の退所時に頼れる相談先
- 生活保護を使って部屋を借りるまでの手順
- 緊急連絡先や審査で困りやすい点と、その考え方
結論
① 出所前から住まいの調整を始められます。保護観察所の「生活環境の調整」や、高齢・障害のある方には地域生活定着支援センターなどの支えがあります
② 収入や住まいがない場合は、生活保護を申請できます。岡山市の家賃の上限の目安は単身おおむね37,000円で、契約は必ずケースワーカーの了承を得てから進めます
③ 刑務所を出た方などは、住宅セーフティネット制度の「住宅確保要配慮者」にも位置づけられています。居住支援法人や国が認定した保証会社など、緊急連絡先や保証の不安を補うしくみもあります。一人で抱え込まず、支援者と一緒に進めましょう
刑務所・更生保護施設を出たあと、頼れる相談先は?
| 相談先 | どんな支え? |
|---|---|
| 保護観察所(保護観察官・保護司) | 刑務所などに入っている間の「生活環境の調整」(釈放後の帰る先や住まい・仕事の調整)、保護観察中の生活の相談、本人の申し出による宿泊場所の提供などの「更生緊急保護」 |
| 更生保護施設・自立準備ホーム | 帰る住まいがない方に、宿泊場所や食事を提供し、就労支援や金銭管理の指導、退所後の住居の調整などを行う |
| 岡山県地域生活定着支援センター | 高齢(おおむね65歳以上)または障害があり、出所後に福祉の支援が必要な方の、福祉サービスの申請や受け入れ先の調整など(電話 086-226-2840) |
| 福祉事務所 | 生活保護の相談・申請。今いる場所を担当する区の福祉事務所 |
| 居住支援法人 | 部屋探しの手伝い、緊急連絡先、入居後の見守りなど(法人によって内容は異なる) |
| 不動産会社 | 家賃の上限内での部屋探し、契約の手続き |
※ 岡山県地域生活定着支援センターは、岡山県社会福祉協議会が運営しています(岡山市北区南方2丁目13-1 きらめきプラザ3階、平日8時30分〜17時15分)。2022年12月の案内にもとづく情報です。
出所前から始めておきたいこと
刑務所や少年院に入っている間は、施設の担当職員や保護観察所が、釈放後の住まいや仕事を調整する「生活環境の調整」を行っています。出所後に住む場所のあてがない場合は、早めに施設の担当職員に伝えてください。準備の時間があるほど、選べる住まいの幅は広がります。
住宅セーフティネット制度では、どう位置づけられている?
住まいの確保に配慮が必要な方を支える「住宅セーフティネット制度」では、保護観察を受けている方や、刑務所を出た方への援助を受けている方などが「住宅確保要配慮者」として位置づけられています。高齢者や障害のある方、低所得の方と同じく、住まい探しを支える対象です。
法務省の資料では、保護観察所が、不動産会社や居住支援法人の懸念にていねいに対応すること、本人の同意のもとで必要な情報を伝えること、国が認定した家賃保証会社(認定保証業者)の利用を案内することなどが求められています。居住支援法人が物件の紹介や緊急連絡先を引き受け、入居後に月2回程度の訪問で見守りを行っている事例も紹介されています。
※ 法務省保護局「更生保護における居住支援について」(住まい支援の連携強化のための連絡協議会資料)にもとづく内容です。
生活保護を使って部屋を借りるまでの手順は?
- 出所前・退所前に、住まいの希望を伝える
施設の担当職員や保護観察所、更生保護施設の職員に、「出所後(退所後)はアパートで暮らしたい」「収入のあてがない」と伝えます。 - 福祉事務所で生活保護を相談・申請する
今いる場所(更生保護施設など)を担当する区の福祉事務所で相談・申請します。保護観察中の方は、保護観察官や保護司にも伝えておきましょう。 - 家賃の上限を確認して部屋を探す
岡山市の家賃(住宅扶助)の上限の目安は、単身でおおむね37,000円です。仕事を探す場所や、通院先、支援機関への通いやすさも考えて探します。 - 初期費用の見積書をケースワーカーに出す
住む場所がないなどの事情によっては、敷金などの初期費用が認められる場合があります。家具や生活用品がない場合は、家具什器費が認められることもあります。 - 了承を得てから契約・入居する
入居後も、保護観察所や支援機関、ケースワーカーとつながっておくと、困ったときに相談しやすくなります。
大切なこと:契約は、必ずケースワーカーの了承を得てから。
先に契約してしまうと、家賃や初期費用が認められず、あとから困ることがあります。
※ 岡山市の家賃の上限は、2026年10月時点で確認できた公表情報にもとづく目安です。2人世帯はおおむね44,000円。共益費や駐車場代は含まれません。正確な金額は担当の福祉事務所・ケースワーカーに確認してください。
住む場所がないまま出所したとき
住む場所がない状態でも、生活保護は申請できます。今いる場所を担当する福祉事務所に相談してください。保護観察所では、本人の申し出にもとづいて宿泊場所の提供などを行う「更生緊急保護」というしくみもあります。ネットカフェや路上で過ごす前に、まず相談することをおすすめします。
審査で困りやすい点は? どう考えればいい?
| 困りやすい点 | 考え方・対策の例 |
|---|---|
| 緊急連絡先・保証人がいない | 居住支援法人が緊急連絡先になる場合や、緊急連絡先の条件がやわらかい保証会社を使える場合がある。認定保証業者は、保証人を求めず、緊急連絡先を親族に限らないことが条件 |
| 住所の空白期間 | 申込書や審査で、前の住所からの期間を聞かれることがある。うそを書くことは避け、伝え方に迷うときは支援機関に相談する |
| 収入がない | 生活保護を受ける(申請中)場合は、家賃が住宅扶助から支給され、代理納付で大家さんに直接払える場合がある |
| 身分証・連絡手段 | 身分証の再発行や、連絡のつく電話番号の確保を、支援機関や福祉事務所と相談しながら進める |
過去のことは、伝えなければいけない?
一般的な入居申込書に、刑務所に入っていたことを書く欄はありません。ただ、住所の空白期間などについて説明が必要になることはあります。事実と違うことを書くと、あとで契約上のトラブルにつながるおそれがあるため、避けましょう。保護観察所や居住支援法人などが関わる場合は、本人の同意のもとで大家さんに必要な情報を伝え、懸念にていねいに対応する取り組みもあります。伝え方に迷ったら、まず支援者に相談してください。
※ 審査の結果をお約束するものではありません。
具体例で考えると
- 40代・単身・出所後に更生保護施設に入所し、仕事を探している場合:施設の職員と退所後の住まいを相談しながら、収入が足りない場合は生活保護を申請します。単身の上限の目安(おおむね37,000円)内で、仕事を探しやすい場所の1Kを探します
- 70代・単身・持病があり、出所後の生活に支援が必要な場合:地域生活定着支援センターが出所前から関わり、福祉サービスの申請や住まいの調整を支援する場合があります。一人暮らしが不安なら、見守り付きの住まいも選択肢になります
- 30代・単身・自立準備ホームを出て一人暮らしを始めたい場合:ホームの職員や保護観察所に相談しながら、緊急連絡先を居住支援法人にお願いできないかなどを確認し、部屋探しを進めます
※ 考え方を示すための例です。実際の支援の内容は、各機関が個別に判断します。
実際のご相談で多いのは? 現場で感じること
当社には、ご本人だけでなく、支援機関の方からお部屋探しのご相談をいただくこともあります。支援者が入居後も見守ってくれることや、困ったときの連絡先がはっきりしていることが分かると、大家さんや管理会社が安心しやすくなり、話が前に進むことがあります(必ずそうなるわけではありません)。
私たちが大切にしているのは、ご本人の再出発を、住まいの面から応援することです。物件のメリットだけでなくデメリットもお伝えしながら、無理なく暮らし続けられるお部屋を一緒に探します。過去のことを責めることはありません。
ミニクルホームがお手伝いできること・できないこと
お手伝いできること
- 家賃の上限内で、仕事探し・通院・支援機関への通いやすさも考えたお部屋探し
- 緊急連絡先・保証人などの事情をお聞きしたうえでの、使える保証会社を踏まえた物件のご提案(審査結果をお約束するものではありません)
- 保護観察所・居住支援法人・ケースワーカーなど、支援者の方と連携したご相談
- 入居費用の計算(LINEや店頭でその場でお出しします)と、福祉事務所提出用の見積書の作成
- 相談〜契約〜入居中〜退去後までのLINEでの継続サポート
当社ではできないこと
- 生活保護を受けられるかの判断、福祉事務所や各機関との交渉の代理
- 保護観察や更生保護に関する判断、法律上の判断
よくある質問
Q. 刑務所を出たあと、生活保護を受けられますか?
A. 生活保護は、今の収入や資産で最低限度の生活が送れるかどうかで判断される制度で、刑務所などを出たことが理由で申請できないということはありません。収入や住む場所がない場合は、今いる場所を担当する福祉事務所に相談・申請してください。保護観察中の方は、保護観察官や保護司にも相談しておくとスムーズです。
Q. 出所する前から、住まいの相談はできますか?
A. 刑務所や少年院に入っている間に、保護観察所が釈放後の帰る先や住まい、仕事を調整する「生活環境の調整」というしくみがあります。施設の担当職員に、出所後の住まいについて早めに相談してください。高齢の方や障害のある方は、地域生活定着支援センターが出所前から関わる場合もあります。
Q. 更生保護施設を出たあと、アパートを借りられますか?
A. 借りることは考えられます。更生保護施設では、自立に向けた指導の一環として、退所後の住居の調整も行われています。施設の職員や保護観察所に相談しながら、生活保護を受ける場合は家賃の上限内で部屋を探し、契約は必ずケースワーカーの了承を得てから進めてください。
Q. 部屋を借りるとき、過去のことを大家さんに伝えなければいけませんか?
A. 一般的な入居申込書に、刑務所に入っていたことを書く欄はありません。ただし、住所の空白期間や緊急連絡先について説明が必要になることはあります。うそを書くことは避け、伝え方に迷うときは、保護観察所や支援機関に相談してください。支援機関が関わる場合は、本人の同意のもとで大家さんに必要な情報を伝え、懸念に対応する取り組みもあります。
Q. 緊急連絡先や保証人になってくれる人がいません。
A. 家族に頼めない場合でも、緊急連絡先の条件がやわらかい保証会社や、居住支援法人が緊急連絡先になってくれる場合があります。国が認定した家賃保証会社(認定保証業者)は、保証人を求めず、緊急連絡先を親族に限らないことが条件になっています。審査の結果をお約束するものではありません。
Q. 高齢や障害があって、一人で生活できるか不安です。
A. 高齢の方や障害のある方で、出所後の生活に福祉の支援が必要な方は、岡山県地域生活定着支援センター(電話 086-226-2840、平日8時30分〜17時15分)が、福祉サービスの申請や受け入れ先の調整などを支援しています。見守り付きの住まいなど、住まいの選び方もあわせて相談しましょう。
Q. 住む場所がないまま出所してしまいました。どうすればいいですか?
A. 住む場所がない状態でも、生活保護は申請できます。今いる場所を担当する福祉事務所に相談してください。保護観察所では、本人の申し出にもとづいて宿泊場所の提供などを行う「更生緊急保護」というしくみもあるため、あわせて相談してみましょう。
まとめ:住まいは、再出発の土台。支援者と一緒に準備しよう
- 出所前から、保護観察所の「生活環境の調整」などで住まいの準備を始められます
- 高齢や障害がある方は、岡山県地域生活定着支援センター(086-226-2840)も相談先になります
- 収入や住まいがない場合は、生活保護を申請できます。岡山市の家賃上限の目安は単身おおむね37,000円
- 刑務所を出た方などは「住宅確保要配慮者」に位置づけられ、居住支援法人や認定保証業者など、緊急連絡先や保証の不安を補うしくみがあります
- 事実と違うことは書かず、伝え方に迷ったら支援者に相談を。契約は必ずケースワーカーの了承を得てから進めましょう
出所後の生活は、思うように進まないこともあるかもしれません。それでも、住まいが決まり、相談できる人がいれば、少しずつ生活は立て直せます。気持ちがつらいときは一人で抱え込まず、保護観察官や保護司、支援機関、ケースワーカーさんを頼ってください。私たちも、新しい暮らしの土台となるお部屋を一緒に探します。
※ 本記事は、2026年10月時点で確認できた法務省・岡山県社会福祉協議会・岡山市などの公表情報にもとづく一般的な解説です。制度の内容は変更される場合があります。生活保護の可否や費用の支給は担当の福祉事務所・ケースワーカーが、保護観察などに関することは保護観察所が判断します。審査の結果をお約束するものではありません。
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