「家賃の上限が下がって、引っ越しを求められたらどうしよう」
「ニュースで見た“追加給付”と、今回の見直しは同じもの?」
生活保護費の見直しのニュースを見ると、「自分の家賃はどうなるのか」と心配になりますよね。特に、今の部屋の家賃が上限ぎりぎりの方にとっては、気になるところだと思います。
この記事では、岡山市北区奉還町で生活保護の方のお部屋探しをお手伝いしている不動産会社の立場から、2026年10月の見直しで何が変わり、家賃(住宅扶助)はどうなるのかを、国の発表をもとにやさしく整理しました。
この記事で分かること
- 2026年10月の生活保護費の見直しで、何がどう変わったのか
- 家賃(住宅扶助)の上限は変わるのか、岡山市の受給者が確認したいこと
- 「追加給付」との違いと、今後の見直しの予定
結論
① 2026年10月の見直しは、生活費の部分(生活扶助)の「特例加算」が1人あたり月1,500円から2,500円に上がるもので、1年間の措置です
② 国が示した10月の変更内容には、家賃(住宅扶助)の見直しは含まれていません。岡山市の家賃上限の目安(単身おおむね37,000円など)も、今回の見直しで変わるものではないと考えられます
③ 今の部屋に住み続けるうえで大切なのは、家賃の値上げや更新の通知が来たら、すぐケースワーカーに相談することです。正確な支給額は、届いた決定通知や福祉事務所でご確認ください
2026年10月の見直しで、何が変わったの?
厚生労働省の発表によると、2026年10月からの見直しの内容は次のとおりです。
| 何が変わる? | 生活扶助(食費や光熱費など生活費の部分)に上乗せされる「特例加算」 |
|---|---|
| 金額 | 世帯の人数1人あたり、月1,500円 → 月2,500円(1,000円の引き上げ) |
| 期間 | 2026年10月から1年間の臨時的・特例的な措置 |
| 注意点 | 加算を入れても従来の基準額より低くなる世帯は、従来の額が保障されます(従前額保障)。このため、世帯によっては増える額が小さい、または変わらないことがあります |
| 入院・施設入所中の方 | 入院中や介護施設に入所中の方の特例加算は、月1,000円のまま据え置きとされています |
※ 厚生労働省「厚生労働省関係の主な制度変更(令和8年10月)について」などにもとづく、2026年10月時点の情報です。
特例加算は、物価の上がり方などをふまえて2023年度から続いている対応で、2025年10月に月1,500円、今回2026年10月に月2,500円へと段階的に引き上げられてきました。
家賃(住宅扶助)の上限は変わるの?
生活保護費は、生活費の部分(生活扶助)、家賃の部分(住宅扶助)、医療の部分(医療扶助)など、いくつかの種類に分かれています。今回の見直しで変わるのは生活扶助の部分で、家賃の部分(住宅扶助)ではありません。
厚生労働省が示した2026年10月の制度変更の内容にも、住宅扶助の見直しは含まれていません。岡山市が公表している資料でも、家賃の上限の目安は次のとおりです。
| 世帯人数 | 家賃の上限(月額・目安) |
|---|---|
| 1人 | おおむね 37,000円 |
| 2人 | おおむね 44,000円 |
| 3〜5人 | おおむね 48,000円 |
※ 単身で床面積15㎡以下の部屋は、上限が低くなる場合があります。
※ 共益費・管理費・駐車場代は住宅扶助の対象外で、毎月の生活費から支払います。
※ 金額は改定されることがあります。正確な金額は、担当の福祉事務所・ケースワーカーにご確認ください。
つまり、「10月の見直しで家賃の上限が下がり、引っ越しを求められる」ということは、今回の見直しが理由では考えにくいといえます。ただし、家賃そのものが値上げされた場合や、世帯の人数が変わった場合などは、上限との関係が変わることがあります(後で説明します)。
具体例:10月から、毎月の保護費はどう変わる?
考え方の例として、家賃が上限内の方の場合で見てみましょう。
| 世帯の例 | 家賃(住宅扶助) | 特例加算(生活扶助) |
|---|---|---|
| 単身・家賃35,000円の部屋 | 35,000円のまま(変化なし) | 月1,500円 → 2,500円(+1,000円)※ |
| 2人世帯・家賃42,000円の部屋 | 42,000円のまま(変化なし) | 月3,000円 → 5,000円(+2,000円)※ |
| 3人世帯・家賃47,000円の部屋 | 47,000円のまま(変化なし) | 月4,500円 → 7,500円(+3,000円)※ |
※ 従前額保障の対象になる世帯では、増える額が小さい、または変わらない場合があります。入院・施設入所中の方は対象が異なります。実際の支給額は、届いた保護決定通知書や福祉事務所でご確認ください。
なお、家賃が上限を超えている部屋に住んでいて、超えた分を生活費から払っている方もいらっしゃると思います。超えた分を生活費から払い続けることは、生活を圧迫しやすいため原則として望ましくないとされています。特例加算が上がったからといって無理を続けず、今後どうするかをケースワーカーと一緒に考えることをおすすめします。
「追加給付」とは違うの?
2026年は、もう一つ生活保護に関するニュースがありました。2013年からの生活扶助基準の引き下げをめぐる最高裁判決(2025年)をふまえた「追加給付」です。今回の10月の見直しとは別のものです。
| 2026年10月の見直し | 追加給付 | |
|---|---|---|
| 何のため? | 物価などをふまえ、これからの毎月の生活扶助に上乗せする | 過去に引き下げられていた期間の分をまとめて支給する |
| 対象 | 今、生活保護を受けている方 | 対象期間(2013年8月〜)に保護を受けていた方など |
| 手続き | 特に必要なし | 今は受給していない方は、岡山市への申し出が必要(2026年8月1日〜2027年7月31日) |
| 家賃との関係 | 住宅扶助は変わらない | 生活扶助の差額が中心で、住宅扶助は計算の対象外とされています |
岡山市では、追加給付の問い合わせ先として「岡山市生活保護費追加給付コールセンター」(050-2018-3989)が設けられています。現在も受給中の方の取り扱いや、ご自身が対象になるかどうかは、担当のケースワーカーやコールセンターでご確認ください。
今後、家賃の上限が変わることはある?
生活保護の基準は、国の審議会で定期的に検証されています。報道によると、生活扶助の基準について、2026年末に検証結果をまとめ、2027年度の改定に反映する予定とされています。今回の特例加算も、2027年10月以降どうなるかは、2027年度の予算編成の中で検討されることになっています。
家賃の部分(住宅扶助)についても、これまで国の審議会で見直しが行われたことがあります。今後の検証で住宅扶助が取り上げられるかどうかは、現時点では確認できていません。大きな見直しがあれば、国や岡山市から案内があるはずですので、気になる方は福祉事務所の案内や、届く通知を確認するようにしましょう。
家賃のことで、今のうちに確認しておきたい5つのこと
- 保護決定通知書を見る
10月分から金額が変わった場合は、通知が届きます。生活扶助と住宅扶助の内訳を確認し、分からない点はケースワーカーに聞いてみましょう。 - 今の家賃と上限を比べる
契約書で「家賃」と「共益費・管理費」を分けて確認し、家賃の部分が上限内かを確かめます。 - 家賃の値上げ・更新の通知はすぐ相談
物価高の影響で、家賃の値上げを打診されることもあります。上限を超えそうなときは、返事をする前にケースワーカーへ相談しましょう。 - 世帯の人数が変わるときも相談
家族の独立や入院、同居などで世帯の人数が変わると、家賃の上限も変わります。早めに届け出ましょう。 - 引っ越しを考えるなら、契約前に了承を
より暮らしやすい部屋への住み替えを考える場合も、物件を決める前にケースワーカーへ相談し、了承を得てから契約してください。
大切なこと:「ニュースを見て不安になったら、まず相談」で大丈夫です。
制度の変更は、個人の状況によって影響が違います。インターネットの情報だけで判断して急いで動くより、担当のケースワーカーに確認するのがいちばん確実です。
実際のご相談で多いのは? 現場で感じること
制度の見直しがニュースになると、「家賃の上限が下がるので引っ越さないといけないのでは」というご相談をいただくことがあります。実際には、今回のように家賃の部分は変わらない見直しであることも多く、内訳を一緒に確認すると安心される方が少なくありません。
一方で、物価高の影響で大家さんから家賃の値上げを打診され、気づかないうちに上限を超えてしまっていたケースもあります。更新のお知らせや値上げの通知が届いたら、そのままにせず、ケースワーカーや不動産会社に早めに相談していただくと、選べる方法が多いうちに対応できます。
ミニクルホームがお手伝いできること・できないこと
お手伝いできること
- 今の家賃が上限を超えてしまった方、住み替えを考えている方の、家賃上限内の物件探し
- 物件のメリット・デメリットの両方のご説明と、申込前の管理会社・大家さんの傾向や注意点のお伝え
- 入居費用の計算(LINEや店頭でその場でお出しします)と、福祉事務所提出用の見積書の作成
- 代理納付(家賃を福祉事務所から大家さんへ直接支払う仕組み)を前提にしたご相談
- 信用情報を照会しない独立系の保証会社の利用など、審査に不安がある方への選択肢のご提案(審査結果をお約束するものではありません)
- オンラインでの重要事項説明、入居後・退去後までのLINEでの継続サポート
当社ではできないこと
- 保護費の金額や、追加給付の対象になるかどうかの判断・計算
- 福祉事務所との交渉の代理、法律上の判断
制度や金額のことは福祉事務所が判断します。当社は「住まいの専門家」として、家賃や部屋のことでお困りの方をお手伝いします。
よくある質問
Q. 2026年10月の見直しで、生活保護の家賃(住宅扶助)の上限は変わりますか?
A. 2026年10月の見直しは、生活扶助の特例加算を1人月2,500円に引き上げるもので、厚生労働省が示した内容に住宅扶助の見直しは含まれていません。岡山市の家賃上限の目安(単身おおむね37,000円など)も、今回の見直しで変わるものではないと考えられます。正確な金額は福祉事務所でご確認ください。
Q. 特例加算はいくら増えますか?
A. 世帯の人数1人あたり、月1,500円から2,500円へ1,000円引き上げられます。ただし、従来の基準額が保障される世帯では増える額が小さい、または変わらない場合があり、入院・施設入所中の方は月1,000円のまま据え置きとされています。
Q. 特例加算はいつまで続きますか?
A. 2026年10月から1年間の臨時的・特例的な措置です。2027年10月以降の扱いは、2027年度の予算編成の中で検討されるとされています。
Q. 10月の見直しと「追加給付」は同じものですか?
A. 別のものです。追加給付は、2013年からの基準引き下げをめぐる最高裁判決をふまえ、過去の期間の分を支給するものです。岡山市では、現在受給していない方の申し出を2026年8月1日から2027年7月31日まで受け付けています。対象かどうかは岡山市のコールセンターなどでご確認ください。
Q. 大家さんから家賃の値上げを言われました。どうすればいいですか?
A. 返事をする前に、担当のケースワーカーへ相談しましょう。値上げ後の家賃が上限を超える場合、住み替えを含めて今後の進め方を一緒に考えることになります。住み替えの場合も、契約は必ずケースワーカーの了承を得てからにしてください。
Q. 今の家賃が上限を少し超えています。特例加算が増えた分で払ってもいいですか?
A. 上限を超える分を生活費から払い続けることは、生活を圧迫しやすいため原則として望ましくないとされています。特例加算は1年間の措置でもあるため、自分だけで判断せず、ケースワーカーに今後のことを相談しましょう。
まとめ:2026年10月の見直しで、岡山市の家賃(住宅扶助)の上限は変わらない見込み
- 2026年10月の見直しは、生活扶助の特例加算を1人月1,500円から2,500円に引き上げるもので、1年間の措置です
- 家賃の部分(住宅扶助)の見直しは含まれておらず、岡山市の家賃上限の目安も今回の見直しで変わるものではないと考えられます
- 世帯によっては増える額が小さい、または変わらない場合があります。決定通知書で内訳を確認しましょう
- 「追加給付」は別の制度です。対象かどうかは岡山市のコールセンターなどで確認を
- 家賃の値上げ・更新・世帯の変化があったら、早めにケースワーカーへ相談しましょう
制度のニュースは、言葉がむずかしく、不安になりやすいものです。分からないことがあるのは当たり前ですので、一人で抱え込まず、ケースワーカーさんや身近な方、相談窓口を頼ってください。住まいのことでお困りのときは、私たちもいつでもご相談をお受けします。
※ 本記事は、2026年10月時点で確認できた厚生労働省・岡山市の公表情報と報道にもとづく一般的な解説です。制度の内容は変更される場合があります。個々の保護費の金額、追加給付の対象・金額、転居の要否は、担当の福祉事務所・ケースワーカーにご確認ください。
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