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「ケースワーカーから『家賃証明書を大家さんに書いてもらってください』と言われた。何を頼めばいいのか分からない」
「生活保護の方が入居することになり、福祉事務所の書類を書いてほしいと頼まれた。どう書けばいいのだろう」

生活保護を受けながら部屋を借りるとき、あるいは保護を受け始めるときに、ほぼ必ず出てくるのが「家賃証明書」です。入居する方にとっても、書く側の大家さんや管理会社にとっても、ふだんの賃貸の手続きにはない書類なので、戸惑うことが多いと思います。

先にお伝えします。家賃証明書は、福祉事務所が住宅扶助の額を決めるために、家賃などの契約内容を貸主に証明してもらう書類です。書くのは入居する方ではなく、大家さんや管理会社です。

この記事では、家賃証明書の役割、主な記載項目、提出のタイミングを整理します。そして、ふだん管理会社として実際にこの書類を書いている立場から、大家さん・管理会社が書くときに気をつけたいポイントもお伝えします。

結論|住宅扶助を決めるための「契約内容の証明」

  • 何のための書類か:住宅扶助は家賃の実費を上限の範囲で支給するため、実際の家賃などを確認する
  • 誰が書くか:貸主である大家さん、または管理会社
  • 名称と様式:自治体によって異なる。様式は担当のケースワーカーから受け取るのが一般的
  • いつ必要か:保護を申請するとき、転居するとき、家賃や共益費が変わったとき、更新のとき
  • いちばん大切なこと:家賃・共益費・駐車場代などを分けて、契約どおりの金額を正しく書くこと

家賃証明書とは何か

住宅扶助の額を決めるための書類

生活保護の住宅扶助は、家賃をそのまま定額で支給するのではなく、実際の家賃を、上限の範囲内で支給する仕組みです。岡山市の単身世帯なら上限は37,000円が目安ですが、家賃が30,000円の部屋なら、支給されるのは30,000円です。

そのため福祉事務所は、その部屋の家賃が実際にいくらなのかを確認する必要があります。その確認のために、貸主に家賃や契約の内容を証明してもらうのが家賃証明書です。

名称や様式は、自治体によって違う

「家賃証明書」は通称で、正式な名称は自治体によって異なります。たとえば「家賃地代等証明書」「家賃・間代・地代証明書」といった名称が使われています。住宅扶助の支給申請書とあわせて提出する形や、家賃を貸主に直接支払う「代理納付」の申込書と一体になった様式を用意している自治体もあります。

様式は、担当のケースワーカーから受け取るのが一般的です。ほかの自治体の様式やインターネット上の書式を使うと、受け付けてもらえないことがあるので、必ず提出先の福祉事務所の様式を使ってください。賃貸借契約書の写しをあわせて求められることもあります。

主な記載項目

様式によって違いはありますが、一般的には次のような項目を記入します。

項目 内容の例
物件 所在地、建物名、部屋番号
借主 入居する方の氏名
貸主・管理者 大家さんの氏名・住所・連絡先、管理会社の名称・連絡先
契約期間 契約開始日、満了日
月額費用 家賃、共益費(管理費)、駐車場代、その他の費用を分けて
契約時の費用 敷金、礼金など(転居時)
更新 更新料の有無と金額、更新の時期
支払い 支払方法、振込先(代理納付を利用する場合など)
証明 証明日、貸主または管理会社の記名・押印

※ 一般的な例です。実際の項目は、提出先の福祉事務所の様式に従ってください。

家賃証明書が必要になる4つのタイミング

① 生活保護を申請するとき
すでに住んでいる部屋の家賃を確認するために求められます。

② 転居するとき
新しい部屋の家賃や、敷金などの初期費用を確認するために求められます。物件探しの段階で出す見積書とは別の書類です。

③ 家賃や共益費が変わったとき
値上げや値下げがあれば、住宅扶助の額も変わるため、改めて証明が必要になります。

④ 契約を更新するとき
更新料の扱いを確認するためや、契約が続いていることを確認するために求められることがあります。

どのタイミングで何を出すかは、福祉事務所や状況によって違います。「いつまでに、どの様式で、誰に書いてもらえばいいですか」と、ケースワーカーに確認してから動くと確実です。

入居する方へ|転居のときの流れ

保護を受けながら転居する場合の、おおまかな流れです。

① ケースワーカーに転居の相談をする
↓
② 住宅扶助の範囲で物件を探す
↓
③ 初期費用の見積書をケースワーカーに提出し、確認を受ける
↓
④ 賃貸借契約を結ぶ
↓
⑤ 家賃証明書の様式を、大家さん・管理会社に渡して記入してもらう
↓
⑥ 記入済みの家賃証明書を福祉事務所に提出する
↓
⑦ 住宅扶助の額が決まる

福祉事務所や状況によっては、契約の前の段階で家賃証明書を求められることもあります。また、賃貸の契約は、ケースワーカーの確認を受けてから結ぶのが原則です。先に契約すると、初期費用の扶助が受けられないことがあります。

家賃証明書は、入居する方が自分で書いてはいけません。貸主の証明でなければ意味がないためです。不動産会社を通して部屋を借りた場合は、不動産会社に様式を渡せば、大家さんや管理会社とのやりとりを代わりに進めてもらえることがほとんどです。ケースワーカーは、手続きを一緒に進めてくれる相手です。分からないことは遠慮なく聞いてください。

書類のやりとりも含めて、部屋探しをお手伝いします

見積書の作成から、家賃証明書の手配まで。
ケースワーカーとのやりとりがスムーズに進むよう対応します。

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大家さん・管理会社へ|記入するときのポイント

ここからは、家賃証明書を書く側の方に向けたポイントです。当社も管理会社として日常的にこの書類を書いていますが、記入の仕方ひとつで、入居する方の住宅扶助の額や手続きの早さが変わることがあります。

① 家賃・共益費・駐車場代は、必ず分けて書く

これがいちばん大切です。生活保護では、家賃は住宅扶助、共益費は生活扶助から支払われるという扱いになっています。駐車場代は、原則として住宅扶助の対象になりません。そのため、これらをまとめて「家賃」として書いてしまうと、福祉事務所は正しく判断できなくなります。

② 実際の契約どおりの金額を書く

家賃証明書は、契約書に書かれているとおりの金額を証明する書類です。住宅扶助の上限に合わせて家賃を低く書き、差額を共益費などに付け替えるといった書き方は、事実と異なる証明になります。入居する方が不正受給を疑われる原因にもなりかねないので、絶対に避けてください。

③ 家賃に含まれているものを明記する

「水道代込み」「インターネット利用料込み」など、家賃に含まれているものがあれば、分かるように書いておきましょう。福祉事務所から問い合わせを受ける手間が減ります。

④ 記入漏れをなくす

契約期間、更新料、記名・押印などが抜けていると、書類が差し戻されることがあります。差し戻しがあると住宅扶助の決定が遅れ、結果として家賃の支払いが遅れる原因にもなります。提出前にもう一度、すべての欄を確認してください。

⑤ 分からないことは、福祉事務所に確認する

様式の書き方で迷ったときは、入居する方の担当福祉事務所に問い合わせて大丈夫です。勝手な判断で書くより、確認してから書いたほうが、結果的に早く進みます。

⑥ 個人情報として丁寧に扱う

家賃証明書には、入居する方が生活保護を受けていることが分かる情報が含まれます。書類の受け渡しや保管は、ほかの契約書類と同じように丁寧に扱ってください。

数字でイメージ|家賃と共益費の分け方で何が変わるか

岡山市の単身世帯(住宅扶助の上限37,000円が目安)を例にした、考え方の例です。どの例も、契約書に書かれているとおりの内容を記入することが前提です。

例1|契約が「家賃35,000円+共益費3,000円」の部屋
家賃35,000円 → 住宅扶助の範囲内
共益費3,000円 → 生活扶助から払う
→ 家賃は住宅扶助でまかなえる

例2|契約が「家賃38,000円(共益費込み)」の部屋
家賃38,000円 → 上限37,000円を1,000円超える
→ 超えた分は生活扶助から払うことになり、住まいの見直しを相談されることもある

例3|家賃と共益費を分けずに「38,000円」と書いてしまった場合
実際の契約は例1と同じ「家賃35,000円+共益費3,000円」なのに、まとめて書いた
→ 福祉事務所には家賃38,000円と伝わり、上限を超えていると判断されてしまうおそれがある
→ 正しく分けて書けば、例1と同じ扱いになる

例1と例2は、毎月払う総額がどちらも38,000円です。それでも、契約の内訳によって住宅扶助での扱いが変わります。入居する方は物件選びの段階で、家賃と共益費の内訳を確認しておくと安心です。そして書く側は、例3のような書き方の誤りで入居する方が不利にならないよう、契約どおりに分けて記入することが大切です。

数字はあくまで考え方の例です
住宅扶助の上限は世帯人数や年度によって変わり、具体的な扱いは福祉事務所が判断します。上の例は仕組みをイメージしていただくための目安としてお読みください。

代理納付との関係

家賃証明書とあわせて話に出ることが多いのが、代理納付です。これは、住宅扶助(家賃)や共益費を、福祉事務所が入居する方に代わって、大家さんや管理会社に直接支払う仕組みです。

  • 大家さん・管理会社にとって:家賃の受け取りが安定し、滞納の心配が小さくなる
  • 入居する方にとって:振り込みの手間がなく、払い忘れの心配がない。入居審査で安心材料になることもある
  • 国の方針:住宅セーフティネット制度の登録住宅に新たに入居する場合や、家賃を滞納している場合などは、原則として代理納付を適用することとされている

自治体によっては、家賃証明書と代理納付の申込書(依頼書)が一体になった様式を使っていることもあります。代理納付を希望する場合は、振込先の口座情報もあわせて準備しておくとスムーズです。なお、住宅扶助の上限を超える部分や、保証料などは代理納付の対象にならないのが一般的です。

よくあるつまずき

家賃と共益費をまとめて書いてしまう
上限を超えていると判断されるおそれがあります。必ず分けて記入します。

家賃が変わったのに届け出ていない
値上げや値下げがあったときは、改めて家賃証明書が必要になることがあります。入居する方からケースワーカーに伝えてください。

ほかの自治体の様式を使ってしまう
様式は提出先の福祉事務所のものを使います。

記入漏れで差し戻される
住宅扶助の決定が遅れ、家賃の支払いが遅れる原因になります。提出前に見直しを。

よくあるご質問

Q1. 生活保護の家賃証明書とは何ですか?

福祉事務所が住宅扶助の額を決めるために、家賃や共益費、契約期間などの契約内容を、貸主である大家さんや管理会社に証明してもらう書類です。住宅扶助は実際の家賃を上限の範囲内で支給するため、実際の金額を確認する目的で提出を求められます。

Q2. 家賃証明書は誰が書くのですか?

貸主である大家さん、または管理会社が書きます。入居する方が自分で書くことはできません。不動産会社を通して部屋を借りた場合は、不動産会社に様式を渡せば、大家さんや管理会社とのやりとりを進めてもらえることがほとんどです。

Q3. 家賃証明書の様式はどこでもらえますか?

名称や様式は自治体によって異なり、担当のケースワーカーから受け取るのが一般的です。ほかの自治体の様式やインターネット上の書式を使うと受け付けてもらえないことがあるため、提出先の福祉事務所の様式を使ってください。

Q4. 家賃証明書はいつ必要になりますか?

主に、生活保護を申請するとき、転居するとき、家賃や共益費が変わったとき、契約を更新するときに求められます。必要なタイミングは福祉事務所や状況によって違うため、担当のケースワーカーに確認してください。

Q5. 家賃と共益費は分けて書く必要がありますか?

分けて書く必要があります。生活保護では、家賃は住宅扶助、共益費は生活扶助から支払われる扱いで、駐車場代は原則として住宅扶助の対象になりません。まとめて書くと、上限を超えていると判断されるおそれがあります。契約書どおりの金額を分けて記入してください。

Q6. 代理納付を利用するにはどうすればいいですか?

担当のケースワーカーに代理納付を利用したいと伝え、福祉事務所の申込書(依頼書)を提出します。家賃証明書と一体になった様式を使う自治体もあります。大家さんや管理会社の振込先口座の情報が必要になるので、あわせて準備してください。

まとめ

  • 家賃証明書は、住宅扶助の額を決めるために契約内容を証明する書類
  • 書くのは大家さん・管理会社。入居する方は書かない
  • 名称や様式は自治体で違う。様式はケースワーカーから受け取る
  • 必要になるのは、保護の申請時・転居時・家賃変更時・更新時
  • 家賃・共益費・駐車場代は必ず分けて、契約どおりの金額を書く
  • 上限に合わせて金額を付け替えるような記入はしない
  • 記入漏れがあると住宅扶助の決定が遅れる
  • 代理納付の申込書と一体の様式もある。振込先口座も準備を

家賃証明書は、一枚の書類ですが、入居する方の住宅扶助を決める大切な土台です。入居する方は、早めにケースワーカーから様式を受け取り、不動産会社や管理会社に渡す。書く側は、契約どおりに、分けて、漏れなく書く。この2つがそろえば、手続きはスムーズに進みます。

新しい生活を始めるときに、見慣れない書類が次々と出てくると、それだけで気持ちが疲れてしまいますよね。でも、書類の多さは、あなたの住まいを守るための手続きが丁寧に進んでいる証でもあります。全部を自分ひとりで抱え込まず、ケースワーカーや不動産会社に「これは誰に渡せばいいですか」と聞きながら、ひとつずつ進めていきましょう。分からないことを聞くのは、恥ずかしいことではありません。

入居する方も、大家さんも、お気軽にご相談ください

ミニクルホームは、岡山市北区・中区・南区・東区を中心に、生活保護を受給されている方のお部屋探しと、賃貸物件の管理を行っている不動産会社です。

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※ 記事内の内容は一般的な考え方の整理であり、特定の結果を保証するものではありません。家賃証明書の様式・提出時期、住宅扶助の額や代理納付の扱いは、自治体や世帯の状況によって異なりますので、担当のケースワーカー・お住まいの区の福祉事務所へご確認ください。
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