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「岡山の実家で暮らしていた親が亡くなった。生活保護を受けていたらしい」
「家は親名義のまま残っている。これを相続して大丈夫なのだろうか」
「役所から、これまでの保護費を返せと言われたりしないだろうか」

まずは、お父さま・お母さまを亡くされたこと、心からお悔やみ申し上げます。離れて暮らしていた方ほど、悲しみと同時に「知らなかったこと」が一度に押し寄せてきて、戸惑われているのではないでしょうか。

先に結論をお伝えします。親が生活保護を受けていても、子は通常どおり家を相続できます。そして、親が正しく受け取っていた保護費を、子が返す必要は原則としてありません。

ただし、いくつかの例外があります。そして、その例外を確認する前に実家の片付けを始めてしまうと、あとで選べる道が狭くなることがあります。この記事では、売る・残すを決める前に確認しておきたいことを、順番に整理します。

結論|保護費は原則返さなくていい。ただし「例外」を先に確かめる

生活保護を受ける権利は、相続されません
保護を受ける権利は、その人の暮らしを支えるための本人だけの権利です。子が引き継ぐことはありません。

正しく受け取っていた保護費は、原則として返還不要です
生活保護は、要件を満たして支給されたものです。親が亡くなったからといって、子に返す義務が生じるわけではありません。

ただし、親が負っていた「返す義務」は、相続されることがあります
親の生前に返還を求められていた保護費や、家を担保にした貸付けがあった場合、それは親の負債として相続人に引き継がれます。

つまり大切なのは、家の価値と、引き継ぐかもしれない負債の両方を確かめてから、相続するかどうかを決めるということです。

売る・残すを決める前に確認する4つのこと

① 親が保護を受けていた福祉事務所に、返還金がないか確認する

最初に問い合わせたいのは、親が生活保護を受けていた地域の福祉事務所です。岡山市内であれば、親が住んでいた区の福祉事務所になります。

確認したいのは、親に返還を求められていた保護費が残っていないかという一点です。返還が生じうるのは、主に次の2つの場合です。

資力があるのに保護を受けていた場合(生活保護法第63条)
たとえば、家を売ることを前提に保護を受けていたのに、売る前に亡くなった場合などです。受けた保護費の範囲内で、返還を求められることがあります。

不正な手段で保護を受けていた場合(生活保護法第78条)
収入や資産を申告していなかったことが後から分かった場合などです。

こうした返還の義務は、親が亡くなっても消えずに、相続人が引き継ぐことがあります。ほとんどの方には該当しませんが、確認しておけば安心して次に進めます。電話で「親が亡くなりました。相続にあたって、返還金などが残っていないか確認したい」と伝えれば大丈夫です。

② 家に抵当権や貸付けが設定されていないか確認する

次に、実家の登記事項証明書を法務局で取得してください。オンラインでも請求できます。見るのは「権利部(乙区)」という欄です。ここに抵当権などが記載されていれば、その家を担保にした借入れがあるということです。

特に注意したいのが、要保護世帯向け不動産担保型生活資金という制度です。原則65歳以上で、一定の価値がある持ち家にお住まいの方が、保護を受ける前に、自宅を担保にして生活資金を借りる仕組みです。

この貸付けを利用していた場合
この制度の貸付けは、借りていた方が亡くなったときに、それまでの貸付元金と利息を一括で返す仕組みになっています。通常は、担保になっている家を売却して返済するか、相続人が返済するかのどちらかになります。貸付けを利用していたかどうかは、親が住んでいた地域の社会福祉協議会、または福祉事務所で確認できます。

③ 家以外の借金や未払いがないか確認する

相続では、家だけでなくプラスもマイナスも、すべてをまとめて引き継ぎます。家以外にも、次のようなものがないか確認しておきましょう。

  • 固定資産税や住民税などの滞納
  • 電気・ガス・水道・電話などの未払い
  • カードローンや消費者金融からの借入れ
  • 知人からの借金

自宅に届いている郵便物や督促状、通帳の引き落とし履歴が手がかりになります。信用情報機関に開示請求をすれば、借入れの有無を確認することもできます。

④ 家がいくらで売れそうか確認する

最後に、家の価値を把握します。①〜③の負債と比べるためには、家の側の数字が必要です。

査定を受けたからといって、売らなければならないわけではありません。費用もかかりません。「相続するかどうかを判断したいので、目安が知りたい」という段階でのご相談で大丈夫です。築年数が古い家でも、土地としての価値がつくことはよくあります。

実家がいくらで売れそうか、目安を知りたい方へ

相続するか決める前の段階で大丈夫です。
県外にお住まいの方も、電話・LINEで進められます。

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確認が終わるまで、実家の片付けは急がないでください

これは、子世代の方に特にお伝えしたいことです。

親が亡くなると、「早く家を片付けなければ」と考える方が多いと思います。気持ちはとてもよく分かります。ですが、相続するかどうかを決める前に、親の財産を処分したり使ったりすると、相続を承認したとみなされることがあります(民法第921条)。

そうなると、あとから負債が大きいと分かっても、相続放棄ができなくなってしまう可能性があるのです。

判断がつくまで、慎重にしたいこと

  • 家財をまとめて売ったり、業者に処分を依頼したりすること
  • 親の預貯金を引き出して使うこと
  • 家の売却や賃貸の契約を進めること
  • 親の借金を、相続人として支払うこと

一方で、遺品の中から写真や手紙などの思い出の品を引き取る程度であれば、問題にならないことが多いとされています。とはいえ、どこからが「処分」にあたるかの線引きは難しく、ケースによって判断が分かれます。迷ったときは、手をつける前に司法書士や弁護士に確認してください。

親がどういう形で保護を受けていたかで、状況が変わります

持ち家に住みながら生活保護を受けていた親御さんの場合、主に次の3つのパターンがあります。

パターンA|持ち家の保有が認められていた
資産価値がそれほど高くなく、住み続けることが認められていたケースです。この場合は、返還金が生じていないことが多く、家はそのまま通常の相続財産になります。

パターンB|不動産担保型の貸付けを利用していた
自宅を担保に生活資金を借りていたケースです。亡くなった時点で貸付金の一括返済が必要になります。家の価値と返済額を比べる必要があります。

パターンC|家を売ることを前提に保護を受けていた
売却が終わるまでの間、保護を受けていたケースです。売れる前に亡くなった場合、受けた保護費について返還を求められる可能性があります。

どのパターンだったかは、子の側からは分からないことがほとんどです。だからこそ、①で福祉事務所に確認することが最初の一歩になります。

相続するか、放棄するか|数字で比べてみる

確認した数字を並べると、判断の方向が見えてきます。考え方の例を2つ挙げます。

例1|パターンA:家の査定がおおむね600万円、返還金80万円の場合
家の価値:おおむね600万円
返還金:80万円
→ 売却にかかる費用や片付け費用を差し引いても、手元に残る見込みがある状態です。相続して、売る・残すを検討する方向になります。

例2|パターンB:家の査定がおおむね300万円、貸付けの返済額が400万円の場合
家の価値:おおむね300万円
貸付けの返済額:400万円
→ 家を売っても100万円ほど足りない状態です。他に財産がなければ、相続放棄を検討する方向になります。

数字はあくまで考え方の例です
実際には、売却時の諸費用、片付け・解体の費用、相続登記の費用、税金なども関わります。返還金の額は福祉事務所が定めるものであり、査定額も相場や建物の状態で変わります。判断は、実際の数字をそろえたうえで専門家と一緒に行ってください。

相続放棄には3か月の期限があります

相続放棄は家庭裁判所で行う手続きで、原則として、自分が相続人になったことを知ってから3か月以内に申し立てる必要があります。確認に時間がかかりそうな場合は、期間を延ばす申立てができることもあります。

また、相続放棄は「家だけ放棄して、預金は受け取る」といった選び方はできず、すべてを放棄する手続きです。放棄すると、次の順位の相続人(親の兄弟姉妹など)に相続の権利が移ることもあるため、親族への連絡も必要になる場合があります。

相続すると決めたら|売る・残すの考え方

負債を確認し、相続すると決めた場合、次は家をどうするかです。

売るほうが向いているケース

  • 県外など遠方に住んでいて、定期的に管理に通えない
  • 自分や家族が住む予定がない
  • 返還金や貸付けの返済に、売却代金を充てる必要がある
  • 建物が古く、修繕や管理の費用がかさみそう
  • 兄弟姉妹など、相続人が複数いて分けにくい

残すことを考えてもいいケース

  • 自分や家族が、将来その家に住む予定がある
  • 賃貸に出せそうな立地・状態である
  • 近くに住んでいて、管理を続けられる
  • 固定資産税や管理の費用を負担し続けられる

残す場合は、固定資産税、火災保険、草刈りや換気などの管理が、すべて子の負担になることを前提に考えてください。今は親の家でも、相続したあとは自分の家として責任を持つことになります。

決めないまま放置するのが、いちばん負担が大きい

「いつか考えよう」と空き家のままにしておくと、建物の傷みが進み、売却額は下がっていきます。管理が行き届かない空き家は、行政から指導の対象になることもあり、固定資産税が上がる可能性もあります。

また、2024年4月1日からは相続登記が義務化されています。不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記を申請する必要があり、売却するにも登記が済んでいることが前提になります。

よくあるご質問

Q1. 親が生活保護を受けていた場合、子は保護費を返さないといけませんか?

親が正しく受け取っていた保護費を、子が返す必要は原則としてありません。ただし、親の生前に返還を求められていた保護費(生活保護法第63条・第78条によるもの)がある場合は、親の負債として相続人に引き継がれることがあります。親が保護を受けていた福祉事務所に確認してください。

Q2. 親が生活保護だったことで、子が相続できなくなることはありますか?

ありません。相続人が誰になるかは民法のルールで決まり、親が生活保護を受けていたかどうかは関係しません。生前に援助ができていなかった場合でも、相続の権利そのものは変わりません。

Q3. 親が家を担保にお金を借りていたかどうかは、どうやって分かりますか?

法務局で家の登記事項証明書を取得し、権利部(乙区)に抵当権などが記載されていないか確認します。生活保護に関連する不動産担保型の貸付けを利用していたかどうかは、親が住んでいた地域の社会福祉協議会や福祉事務所でも確認できます。

Q4. 実家の片付けは、すぐに始めても大丈夫ですか?

相続するかどうかを決める前に、家財を処分したり親の預金を使ったりすると、相続を承認したとみなされ、あとから相続放棄ができなくなる可能性があります。思い出の品を引き取る程度であれば問題にならないことが多いとされていますが、判断は難しいため、手をつける前に司法書士や弁護士へご確認ください。

Q5. 相続放棄の期限はいつまでですか?

原則として、自分が相続人になったことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所へ申し立てる必要があります。財産や負債の確認に時間がかかる場合は、期間の延長を申し立てられることもあります。相続放棄は家だけでなく、すべての財産を放棄する手続きです。

Q6. 県外に住んでいても、岡山の実家の売却は進められますか?

進められます。査定や現地確認、片付けの手配、売却活動などは、電話やLINE、郵送のやりとりを中心に進めることができます。相続登記などの手続きも、司法書士に依頼すれば岡山に何度も来る必要はありません。

まとめ

売る・残すを決める前に確認する4つのこと

① 親が保護を受けていた福祉事務所に、返還金がないか確認する
② 家に抵当権や貸付けが設定されていないか確認する
③ 家以外の借金や未払いがないか確認する
④ 家がいくらで売れそうか確認する

  • 親が正しく受け取っていた保護費は、原則として子が返す必要はない
  • ただし親の返還義務や貸付けは、負債として相続されることがある
  • 確認が終わるまで、家財の処分や預金の使用は控える
  • 負債が家の価値を上回るなら、3か月以内に相続放棄を検討
  • 相続するなら、遠方・住む予定なしの場合は売却が現実的
  • 決めないまま放置すると、建物の劣化と税負担が進む
  • 相続登記は3年以内。売却には登記が前提

親御さんが生活保護を受けていたと知って、複雑な気持ちを抱えている方もいらっしゃると思います。もっと何かできたのではないか、と思われることもあるかもしれません。ですが、生活保護は、困ったときに誰もが使える制度です。親御さんが制度を使って暮らしていたことを、恥ずかしいと思う必要はまったくありません。

親を見送ったあとの手続きは、悲しむ時間すら奪ってしまうほど慌ただしいものです。仕事や自分の家庭を抱えながら、遠方の実家のことまで考えるのは、本当に大変なことだと思います。全部を自分ひとりで決めなくて大丈夫です。気持ちが追いつかないときは、少し手を止めて休んでください。福祉事務所、法テラス、各地の司法書士会や弁護士会の相談窓口など、無料で話を聞いてもらえる場所もあります。頼れるところは、遠慮なく頼ってください。

岡山の実家のこと、遠方からでもご相談ください

ミニクルホームは、岡山市北区・中区・南区・東区を中心に、相続した実家の査定・売却・空き家管理に対応している不動産会社です。生活保護を受けていた方のお住まいに関するご相談も、多くお受けしてきました。

「相続するか決めるために、家の価値を知りたい」「県外に住んでいて、岡山に何度も行けない」「片付けをどう進めればいいか分からない」——どの段階でも大丈夫です。査定だけ、話を聞くだけでも構いません。

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※ 記事内の制度の取扱いは一般的な考え方の整理であり、特定の結果を保証するものではありません。返還金の有無や額は、親御さんが保護を受けていた福祉事務所へご確認ください。
※ 当社は不動産業者であり、相続放棄・単純承認・遺産分割・相続登記等の法的判断や、相続人間の交渉の代理は行えません。該当する場合は弁護士・司法書士等の専門家、または法テラス等の公的窓口をご案内します。

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