はじめに
「長年入居してくれている方が生活保護を受けることになったが、家賃が住宅扶助の上限を超えているらしい」 「家賃を下げてほしいと相談されたが、どう対応すればいいかわからない」
賃貸経営をされている中で、こうした相談を受けたことがある大家さんは少なくありません。生活保護制度は複雑で、大家さん側にとっても「結局、家賃は払い続けてもらえるのか」「制度上、自分は何をすればいいのか」がわかりにくい部分があります。
結論からお伝えすると、家賃が住宅扶助の上限額を超えていても、超過分を入居者が自己負担することで、そのまま住み続けてもらえるケースは少なくありません。 ただし、それが難しい場合は、福祉事務所から入居者へ転居指導が入り、契約解除に至ることもあります。
この記事では、岡山市で賃貸管理を行うミニクルホームが、住宅扶助の上限を超えている入居者への対応について、大家さんの視点で整理して解説します。
結論:大家さんが取り得る4つの対応
| 対応 | 内容 |
|---|---|
| ① 差額を自己負担してもらい、そのまま契約継続 | 入居者が超過分を生活扶助(生活費)から負担できる場合、契約はそのまま継続できます |
| ② 家賃の減額を検討する | 長期入居者であれば、家賃を上限額内に見直すことで、退去リスクを避けられる場合があります |
| ③ 代理納付制度を活用する | 福祉事務所から家賃を直接受け取れる制度で、滞納リスクを抑えられます |
| ④ 契約更新のタイミングで見直す | 更新時に家賃を上限額に近づけることで、次の更新以降のトラブルを防ぎやすくなります |
どの対応を選ぶかは、入居者の状況や、物件の空室リスクなども踏まえて総合的に判断することになります。
そもそも住宅扶助とはどんな制度か
生活保護の住宅扶助は、家賃にあたる部分を補助する制度で、世帯人数や地域によって上限額が定められています。岡山市の場合、単身世帯の上限額は月額3万7,000円が目安です(世帯人数や個別事情により異なります)。
家賃がこの上限額を超えている場合、超過分は入居者が生活扶助(生活費)から自己負担することになります。ただし、生活費を圧迫するため、福祉事務所から上限額内の物件への転居を案内される(転居指導)ことがあります。
大家さんとして知っておきたいのは、**「家賃が上限を超えているからといって、即座に退去しなければならないわけではない」**という点です。入居者が差額を自己負担できる状況であれば、そのまま住み続けられるケースも多くあります。
対応①:差額を自己負担してもらい、契約継続
入居者に他の収入(就労収入や年金など)があり、差額分を無理なく負担できる場合は、特別な手続きなしにそのまま契約を継続できます。
大家さんとしては、家賃の支払いが継続されるかどうかを、入居者やケースワーカーとの間で確認しておくと安心です。
対応②:家賃の減額を検討する
長期入居者で、退去による空室リスクや原状回復費用を考えると、家賃を住宅扶助の上限額に近づける形で減額したほうが、結果的にメリットが大きいケースもあります。
家賃を減額する場合は、契約書の変更手続きが必要になるため、管理会社や不動産会社に相談しながら進めることをおすすめします。
対応③:代理納付制度を活用する
代理納付制度とは、福祉事務所が入居者に代わって、家賃を大家さんへ直接振り込む仕組みです。入居者の「振込み忘れ」による滞納リスクを避けられるため、大家さんにとって安心材料になります。
すでに入居している方の家賃が上限を超えている場合でも、上限額内の部分について代理納付を利用できることがあります。利用を希望する場合は、担当ケースワーカーまたは福祉事務所に相談してみましょう。
対応④:契約更新のタイミングで見直す
契約更新は、家賃を見直す自然なタイミングです。更新時に家賃を上限額に近づけておくことで、その後の家賃オーバーによるトラブルや、転居指導による急な退去を防ぎやすくなります。
更新料についても、住宅扶助の範囲内で支給される場合があるため、入居者・ケースワーカーと事前にすり合わせておくとスムーズです。
対応を検討する3ステップ
- 入居者の状況を確認する 差額を自己負担できる収入があるか、転居指導が入っているかなど、まず状況を把握しましょう。
- 管理会社・不動産会社に相談する 家賃減額や代理納付の手続きに慣れた管理会社に相談すると、大家さんの負担を減らせます。
- 入居者・ケースワーカーと話し合う 一方的に対応を決めず、入居者や担当ケースワーカーと相談しながら、双方にとって現実的な着地点を探ることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 家賃を下げたくない場合、どうなりますか? A. 入居者が差額を自己負担できなければ、福祉事務所から転居指導が入り、退去に至る可能性があります。ただし、正当な理由があれば指導が猶予されることもあるため、一律に退去が決まるわけではありません。
Q2. 代理納付にすると、大家さんに何かデメリットはありますか? A. 大きなデメリットは少なく、むしろ滞納リスクを抑えられるメリットのほうが大きいとされています。手続きには福祉事務所とのやり取りが必要になるため、事前に流れを確認しておくと安心です。
Q3. 生活保護の入居者が家賃を滞納した場合、どう対応すればいいですか? A. まずは滞納の状況を確認し、ケースワーカーに相談することをおすすめします。代理納付を利用していない場合は、この機会に切り替えを検討するのも一つの方法です。
Q4. 空室対策として、生活保護の方の受け入れを検討していますが、注意点はありますか? A. 住宅扶助の上限額に近い家賃設定にすることで、審査・契約がスムーズに進みやすくなります。保証会社の選び方や代理納付の活用も含めて、生活保護受給者の入居に慣れた管理会社に相談することをおすすめします。
まとめ・ご相談窓口
生活保護受給者の家賃が住宅扶助の上限を超えている場合でも、対応の選択肢は一つではありません。差額の自己負担、家賃減額、代理納付の活用など、状況に応じた対応を選ぶことで、大家さんにとっても入居者にとっても無理のない形を見つけられます。
「入居者の家賃が上限を超えていると相談を受けたが、どう対応すればいいかわからない」「空室対策として生活保護の方の受け入れを検討している」——そんな大家さん・オーナー様は、ぜひ一度ミニクルホームにご相談ください。管理・仲介の両面から、実務的なご提案をいたします。
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免責事項 本記事は、一般的な情報・実務上よくある事例をもとにした解説であり、個別の契約や対応を保証するものではありません。住宅扶助の上限額や代理納付制度の運用は、自治体・個別ケースによって異なります。具体的な対応については、担当ケースワーカーまたは岡山市福祉事務所、管理会社にご確認ください。
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