記事更新日:2026年6月29日
認知症や判断力に不安がある高齢者の賃貸契約|岡山市で家族・支援者と進める方法
この記事の結論
認知症と診断されていることだけで、賃貸住宅を契約できないと一律に決まるわけではありません。
大切なのは、本人が希望する住まいを選び、家賃・契約期間・禁止事項・退去時の負担などを理解したうえで意思表示できるかを、契約内容に応じて確認することです。
本人が契約内容を理解できる場合は、家族や支援者が同席し、説明を分かりやすくすることで本人契約を進められる可能性があります。
一方、契約内容を理解することが難しく、本人に代わって手続きを行う必要がある場合は、家族という理由だけで署名せず、委任状や成年後見制度上の代理権を確認する必要があります。
岡山市で高齢者の部屋探しをしているご家族や支援者から、次のようなご相談を受けることがあります。
- 親が認知症と診断されていますが、賃貸契約はできますか?
- 物件を見ても、翌日には内見したことを忘れてしまいます
- 本人の代わりに家族が契約書へ署名してもよいですか?
- 家賃や電気代の支払いを本人だけで管理できません
- 成年後見人がいないと部屋を借りられませんか?
- ケアマネジャーは賃貸契約の代理人になれますか?
- 保証人や緊急連絡先を家族が引き受ける必要がありますか?
- 一人暮らしを続けたい本人の希望を尊重したいです
- 退院期限までに新しい住まいを決める必要があります
- 認知症であることを大家さんへどこまで伝えるべきですか?
認知症の症状や判断力の状態は、一人ひとり異なります。
日常生活は一人でできても複雑な契約は理解しにくい方、家族が説明すれば内容を理解できる方、金銭管理だけが難しい方など、必要な支援は同じではありません。
「認知症だから契約できない」「家族がいれば代わりに契約できる」と決めつけず、本人の理解と支援内容を一つずつ確認しましょう。
この記事で分かること
- 認知症と賃貸契約の基本的な考え方
- 本人が契約できるか確認するポイント
- 家族の同席と代理契約の違い
- 成年後見人・保佐人・補助人の役割
- 日常生活自立支援事業で相談できること
- 地域包括支援センターへ相談するタイミング
- 大家さんへ説明したい支援体制
- 申込みから入居後までの進め方
認知症があるだけで賃貸契約できないとは限りません
賃貸借契約は、家賃の支払い、契約期間、禁止事項、修繕、解約、原状回復などの権利と義務が発生する法律行為です。
本人が契約を結ぶためには、自分がどのような住宅を、どのような条件で借りるのかを理解し、自分の意思で判断できることが重要です。
ただし、認知症という診断名だけで、本人に契約する能力がないと一律に判断するものではありません。
例えば、次の内容を本人が理解し、自分の希望を伝えられる場合は、家族や支援者の同席によって本人契約を進められる可能性があります。
- どの住宅へ引っ越すのか
- 毎月いくら家賃を払うのか
- 誰と暮らすのか
- ペットや喫煙などの禁止事項
- 勝手に他人を同居させてはいけないこと
- 退去するときに連絡が必要なこと
- 家賃を滞納した場合に問題が生じること
「忘れること」と「契約を理解できないこと」は同じではありません
記憶力が低下していても、説明時に契約の意味や必要性を理解できる方がいます。反対に、会話ができても、家賃や契約責任を理解することが難しい場合があります。本人の状態を個別に確認する必要があります。
本人が契約内容を理解できるか確認する項目
不動産会社が認知機能を医学的に診断することはできません。
一方、契約手続きを進めるうえでは、本人が賃貸借契約の基本的な内容を理解しているかを確認する必要があります。
本人への確認例
- なぜ引っ越したいのか説明できる
- 内見した物件を自分で選んでいる
- 新しい物件の場所を理解している
- 毎月の家賃額をおおむね理解している
- 家賃を年金や生活保護などから支払うことを理解している
- 家族と一緒に住むのか、一人暮らしなのか分かっている
- 契約後に簡単には変更できないことを理解している
- 分からない内容について質問できる
- 家族が決めたのではなく、本人の希望を確認できる
一度に多くの説明をすると混乱する方には、項目を分け、短い言葉や書面を使って説明します。
午前中は理解しやすい、家族が同席すると落ち着くなど、本人が判断しやすい時間帯や環境も確認しましょう。
本人の希望を確認せず家族だけで決めない
家族が本人の安全を心配していても、本人の意思を確認せずに住宅を決めるのは避けるべきです。
本人が希望する地域、間取り、生活、家族との距離などを確認します。
- 一人暮らしを続けたいのか
- 家族の近くへ移りたいのか
- 現在の病院へ通い続けたいのか
- デイサービスや介護事業所を変更してもよいのか
- 階段を使えるのか
- 慣れた地域を離れることに不安がないか
- 家具や大切な物を持っていけるか
本人が同じ質問に対して日によって異なる回答をする場合は、急いで契約せず、家族、地域包括支援センター、ケアマネジャー、医療機関などへ相談しましょう。
家族が同席する場合と代理契約の違い
| 進め方 | 契約する人 | 家族の役割 |
|---|---|---|
| 家族が説明を補助する | 高齢者本人 | 内見同行、説明の補助、書類確認、連絡調整 |
| 家族が代理人として契約する | 本人の代理人 | 適切な代理権に基づき本人に代わって契約 |
| 家族が契約者になる | 家族 | 家族が借主となり、高齢者の入居について貸主の承諾を得る |
| 成年後見人等が契約する | 成年後見人等 | 審判で認められた権限の範囲で契約を行う |
家族が契約説明へ同席し、内容を本人へ分かりやすく説明することはできます。
しかし、家族というだけで、本人の署名欄へ代わりに署名できるわけではありません。
家族が代理人として契約する場合は、委任状などによって代理権を確認する必要があります。
本人が委任の意味を理解できない状態で作成した委任状は、後から契約の有効性が問題になる可能性があります。
本人の名前を家族が無断で署名しないでください
本人が書くのを手伝う場合と、家族が本人に代わって契約する場合は異なります。本人が署名できない、契約を理解できないなどの事情がある場合は、不動産会社と成年後見の相談窓口へ事前に確認しましょう。
家族が契約者になる方法は使える?
家族が賃貸借契約の借主となり、高齢の親が入居者として住む方法を相談できる場合があります。
ただし、大家さんや管理会社へ実際の入居者を正確に伝え、承諾を得ることが必要です。
確認する主な項目は次のとおりです。
- 契約者と入居者が異なる契約を認めるか
- 家族の収入で保証会社の審査を受けられるか
- 家賃を誰が支払うか
- 入居者が高齢者であることを貸主が承諾しているか
- 緊急時に家族が対応できるか
- 契約者が死亡・転職・転居した場合の対応
- 生活保護の住宅扶助を利用する場合の契約名義
家族名義で契約すれば必ず審査に通るわけではありません。
本人が生活保護を受給している場合は、住宅扶助との関係があるため、契約前に担当ケースワーカーへ確認してください。
連帯保証人・緊急連絡先・代理人は別の役割です
| 立場 | 主な役割 | 契約の代理 |
|---|---|---|
| 連帯保証人 | 契約に基づき家賃等の支払いについて責任を負う | 通常は代理権を持たない |
| 緊急連絡先 | 急病や本人と連絡が取れないときに連絡を受ける | 代理権や家賃保証義務は原則として別 |
| 家族・支援者 | 内見同行、説明補助、生活支援、連絡調整 | 家族・支援者というだけでは代理できない |
| 任意代理人 | 本人から与えられた代理権の範囲で手続きを行う | 委任内容の範囲で可能 |
| 成年後見人等 | 本人の利益を守り、財産管理や契約手続きを支援する | 後見の類型や審判内容によって異なる |
ケアマネジャー、地域包括支援センター職員、病院職員、ケースワーカーなども、支援者という理由だけで賃貸借契約の代理人になるわけではありません。
また、本人や勤務先の了承なく、支援者を緊急連絡先として記載してはいけません。
成年後見制度を検討したほうがよい場合
認知症などによって判断力が低下し、賃貸借契約や預貯金管理などを本人だけで行うことが難しい場合は、成年後見制度を検討することがあります。
成年後見制度には、本人の判断能力の状態などに応じて、後見・保佐・補助があります。
| 類型 | 判断能力の目安 | 契約時の注意 |
|---|---|---|
| 後見 | 判断能力を欠くことが通常の状態 | 成年後見人が法定代理人として手続きを行う場面がある |
| 保佐 | 判断能力が著しく不十分 | 一定の重要な行為には同意が必要。代理には権限の確認が必要 |
| 補助 | 判断能力が不十分 | 本人の同意を前提に、必要な同意権・代理権を個別に定める |
保佐人や補助人が選任されていても、すべての契約を当然に代理できるとは限りません。
登記事項証明書や家庭裁判所の審判書などで、賃貸借契約に関する代理権・同意権の範囲を確認する必要があります。
成年後見制度は「部屋を借りるためだけ」の制度ではありません
預貯金、福祉・介護サービス、財産、相続、契約など、本人の生活全体に関わる制度です。家族だけで判断せず、成年後見センターや専門職へ相談しましょう。
岡山市成年後見センターへ相談できること
岡山市成年後見センター
所在地:岡山市北区鹿田町一丁目1番1号 岡山市保健福祉会館9階
電話:086-225-4066
受付時間:平日 午前8時30分から午後5時15分
土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除きます。
岡山市成年後見センターでは、認知症や障害などにより判断力が十分でない方について、成年後見制度の相談や利用支援を行っています。
弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職による相談が実施される場合もあります。
次のような場合は、早めに相談しましょう。
- 賃貸借契約の内容を本人が理解できない
- 本人が契約したこと自体を繰り返し否定する
- 預貯金や年金を自分で管理できない
- 悪質商法や詐欺被害が心配
- 家族が本人の財産を勝手に使っている疑いがある
- 本人に代わって契約できる人がいない
- 成年後見人等の権限範囲が分からない
任意後見制度はいつ検討する?
任意後見制度は、本人に判断能力があるうちに、将来判断力が低下した場合に支援してもらう人と支援内容を契約で決めておく制度です。
すでに契約内容を理解することが難しい状態になっている場合は、新たに任意後見契約を締結することが難しい可能性があります。
将来の住み替え、財産管理、介護サービス契約などに不安がある方は、判断力が十分な段階で専門家へ相談することが大切です。
日常生活自立支援事業で相談できること
成年後見制度とは別に、判断力に不安がある方の日常生活を支える「日常生活自立支援事業」があります。
主な支援内容には、次のようなものがあります。
- 福祉サービスの利用手続きに関する援助
- 福祉サービス利用料の支払い
- 年金の受領手続き
- 公共料金の支払い
- 日常的な預金の出し入れ
- 通帳・年金証書・実印などの預かり
この事業を利用するには、本人が事業の契約内容を理解できることが必要です。
また、日常生活自立支援事業は、賃貸借契約を本人に代わって当然に締結する制度ではありません。
家賃の支払い管理には役立つ可能性がありますが、賃貸借契約の代理が必要な場合は、成年後見制度などを別に検討します。
日常生活自立支援事業の相談
岡山市社会福祉協議会
電話:086-225-4051
本人の理解状況や支援内容によって利用可否が判断されます。
地域包括支援センターへ最初に相談する方法
認知症や判断力の低下について、どこへ相談すればよいか分からない場合は、本人が暮らしている地域を担当する岡山市地域包括支援センターが相談窓口になります。
地域包括支援センターでは、保健・医療・介護・福祉に関する総合相談に対応し、必要に応じて成年後見制度、介護保険、医療機関などにつなぎます。
岡山市地域包括支援センター
相談料:無料
相談時間:平日 午前8時30分から午後5時
岡山市内に6つの本センターと10か所の分室があります。
本人の住所地を担当するセンターへ相談します。
本人が相談を拒否している場合でも、家族だけで相談できることがあります。
本人の安全や財産に心配がある場合は、現在の状態を具体的に伝えましょう。
- 同じ物を何度も購入している
- 家賃や公共料金の支払いを忘れる
- 訪問販売で高額な契約をしている
- 道に迷うようになった
- 火の消し忘れがある
- 服薬管理が難しい
- 本人が賃貸契約の内容を理解できない
ケアマネジャーや医療機関と連携する
介護保険サービスを利用している方は、担当ケアマネジャーへ住み替え予定を伝えます。
転居によって、現在利用している訪問介護、訪問看護、デイサービスなどを継続できない場合があるためです。
契約前に確認したい内容は次のとおりです。
- 新住所が現在の訪問サービスの対応地域内か
- デイサービスの送迎範囲内か
- 主治医への通院を継続できるか
- 薬局や配食サービスを変更する必要があるか
- 一人暮らしを支えるサービスが十分か
- 転居後にケアプランの変更が必要か
病院から退院するための部屋探しでは、退院支援担当者、医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、不動産会社が情報を共有できると進めやすくなります。
大家さん・管理会社へ何を伝える?
認知症の病名や医療情報を、問い合わせの最初からすべて詳しく伝える必要はありません。
一方、入居後の生活や緊急対応に関係する情報は、本人の同意を得たうえで整理して伝えることが大切です。
| 伝えたい内容 | 具体例 |
|---|---|
| 家賃の支払方法 | 年金、自動引落し、家族管理、生活保護の代理納付など |
| 契約手続き | 本人契約、家族同席、成年後見人による手続きなど |
| 緊急連絡先 | 家族、親族、了承済みの支援者 |
| 定期的な見守り | 家族の訪問、見守りサービス、訪問介護など |
| 医療・介護支援 | ケアマネジャー、訪問看護、通院先など |
| 緊急時の対応 | 連絡する順番、鍵の管理、救急時の連絡先 |
「認知症ですが問題ありません」とだけ説明するのではなく、家賃管理と緊急対応を具体的に伝えるほうが、大家さんも判断しやすくなります。
本人の医療情報を無断で伝えないでください
病名、服薬、受診内容などは重要な個人情報です。本人の意思を確認し、入居審査や生活支援に必要な範囲で共有しましょう。
大家さんが確認しやすい支援体制表
| 確認項目 | 決めておきたい内容 |
|---|---|
| 家賃管理 | 自動引落し、家族確認、代理納付、金銭管理支援 |
| 定期連絡 | 家族が週何回連絡するか |
| 定期訪問 | 家族・訪問介護・見守り事業者の訪問頻度 |
| 緊急時 | 誰へ、どの順番で連絡するか |
| 服薬・健康 | 訪問看護、家族、薬局等の支援 |
| ごみ出し | 本人、家族、生活支援サービスの担当 |
| 契約更新 | 本人・家族・成年後見人等の確認方法 |
| 入院時 | 家賃、郵便物、室内管理を誰が行うか |
家賃の支払いを安定させる方法
判断力に不安がある高齢者では、収入があっても、支払日を忘れることがあります。
次のような方法を検討します。
- 年金受取口座からの自動引落し
- 家族による毎月の口座確認
- 家族が契約者となり家賃を支払う
- 日常生活自立支援事業による日常的金銭管理
- 成年後見人等による財産管理
- 生活保護受給者の場合は代理納付を相談する
家族が本人の通帳やキャッシュカードを管理する場合は、本人の意思を確認し、入出金の記録を残すことが大切です。
本人の財産を家族の生活費と混同しないように注意しましょう。
高齢者が安全に暮らしやすい物件条件
契約できるかだけでなく、本人が入居後も安全に暮らせるかを確認します。
建物・室内
- 1階またはエレベーター付き
- 玄関・浴室・トイレの段差が少ない
- 火を使わない設備を選べる
- 室温を管理しやすい
- モニター付きインターホンがある
- 室内で迷いにくい間取り
周辺環境
- 病院・薬局へ通いやすい
- スーパーや配食を利用しやすい
- 家族や支援者が訪問しやすい
- 交通量や危険な交差点が少ない
- 本人が知っている地域に近い
- ごみ置き場が分かりやすい
支援との相性
- 訪問介護・訪問看護の対応地域
- デイサービスの送迎範囲
- 見守り機器を設置できる
- 管理会社へ家族が連絡しやすい
一般賃貸以外の住まいも比較する
本人の認知症の状態や必要な支援によっては、一般賃貸だけに限定せず、次の住宅も比較します。
| 住まい | 主な特徴 |
|---|---|
| 一般の民間賃貸 | 家族・介護・見守り等を組み合わせて暮らす |
| 居住サポート住宅 | 安否確認、見守り、福祉サービスへのつなぎがある認定住宅 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 安否確認と生活相談がある高齢者向け住宅 |
| 認知症対応型共同生活介護 | 認知症の方が支援を受けながら少人数で共同生活する |
| 有料老人ホーム | 住まいと生活支援・介護サービスを組み合わせる |
| 市営住宅 | 募集時期・抽選・資格審査があり、生活支援は別に準備する |
本人が一般賃貸を希望していても、夜間の見守りや服薬管理などが常時必要な場合は、介護サービスが付いた住まいも比較する必要があります。
岡山市で賃貸契約を進める手順
STEP1.本人の住み替え希望を確認する
本人がどこで、誰と、どのように暮らしたいかを確認します。
STEP2.判断力と日常生活の状態を整理する
契約、家賃管理、服薬、ごみ出し、緊急対応など、本人ができることと支援が必要なことを分けます。
STEP3.地域包括支援センター等へ相談する
認知症、介護、見守り、成年後見制度などについて相談します。
STEP4.契約する人と支援者の役割を決める
本人契約、家族契約、代理契約、成年後見人等による契約のどれが適切か確認します。
STEP5.代理権・同意権を確認する
成年後見人等がいる場合は、登記事項証明書や審判書などで権限を確認します。
STEP6.家賃の支払方法を決める
自動引落し、家族管理、日常生活自立支援事業などを検討します。
STEP7.緊急連絡・見守り体制を決める
家族、ケアマネジャー、訪問サービス等の連絡体制を整理します。
STEP8.不動産会社へ条件を伝える
本人の希望、契約方法、家賃管理、緊急連絡先、支援体制を伝えます。
STEP9.大家さん・保証会社の条件を確認する
高齢者の申込み、契約名義、保証人、必要書類等を確認します。
STEP10.本人と一緒に内見する
可能な限り本人も内見し、本人の反応と生活動線を確認します。
STEP11.契約書を分かりやすく説明する
家賃、契約期間、禁止事項、解約などを項目ごとに説明し、本人の理解を確認します。
STEP12.入居後の支援を開始する
家賃支払い、服薬、見守り、介護、管理会社との連絡体制を運用します。
不動産会社へ最初に伝えたい内容
- 本人の年齢と入居人数
- 本人が住み替えを希望していること
- 本人が契約内容を理解できる状態か
- 本人契約・家族契約・代理契約のどれを予定しているか
- 成年後見人等の有無
- 家賃の支払い原資と管理方法
- 連帯保証人・緊急連絡先の有無
- ケアマネジャーや介護サービスの利用状況
- 見守り・訪問支援の予定
- 階数・病院・交通などの希望条件
- 入居希望時期
本人契約を希望する場合の問い合わせ例
「70代の母の住み替えを検討しています。軽度の認知機能低下がありますが、住み替えの希望と家賃については本人が理解しており、契約時は家族が同席します。家賃は年金口座から自動引落しにし、家族が定期的に確認します。高齢者の単身入居を相談できる物件はありますか。」
成年後見人等がいる場合の問い合わせ例
「認知症のある高齢者の賃貸住宅を探しています。成年後見人が選任されており、契約手続きの権限を確認できる書類があります。家賃管理と緊急時対応についても支援体制を準備しています。申込み可能な物件があるか確認をお願いします。」
申込み時に必要になりやすい書類
- 本人の本人確認書類
- 年金額や収入を確認できる資料
- 家族契約の場合は家族の収入資料
- 緊急連絡先の情報
- 介護保険証など支援状況を確認できる資料
- 成年後見登記事項証明書
- 家庭裁判所の審判書・確定証明書
- 代理権の範囲を確認できる資料
- 本人の委任状を使用する場合は委任状
必要書類は物件、管理会社、保証会社、契約方法によって異なります。
成年後見制度に関する書類は、氏名だけでなく、誰にどの権限が付与されているかを確認します。
契約当日に確認したいこと
- 本人が物件と引越しを理解している
- 契約者・入居者・代理人が正しく記載されている
- 代理権を確認できる書類がある
- 家賃・共益費・保証料を説明した
- 家賃の支払日と支払方法を決めた
- 短期解約違約金を確認した
- 禁止事項を本人・家族が確認した
- 修理時の連絡先を決めた
- 緊急時の連絡順を決めた
- 本人が理解できない状態で署名を急がせていない
契約当日に本人の体調が悪い、強く混乱している、契約自体を理解できていない場合は、署名を急がず日程や契約方法を見直しましょう。
入居後に家族・支援者が確認したいこと
- 家賃が毎月支払われているか
- 電気・ガス・水道の支払いができているか
- 郵便物や督促状がたまっていないか
- 服薬や通院を続けられているか
- ごみ出しや室内清掃ができているか
- 知らない人を室内へ入れていないか
- 火の消し忘れがないか
- 近隣とのトラブルが起きていないか
- 本人と定期的に連絡が取れているか
- 介護サービスが予定どおり利用できているか
本人を監視するのではなく、本人が安心して自分らしい生活を続けるための支援として行うことが大切です。
判断力の低下を隠して契約するリスク
認知症であることを理由に一律に断られることを恐れ、本人の状態や必要な支援をまったく伝えずに契約すると、入居後に問題が生じる可能性があります。
- 本人が契約したことを理解していない
- 家賃を支払えない
- 管理会社からの連絡内容を理解できない
- 設備の故障を放置する
- 緊急時に家族へ連絡できない
- 本人の署名の有効性が問題になる
- 家族と大家さんの説明が食い違う
病名を必要以上に詳しく伝える必要はありませんが、契約方法、家賃管理、緊急対応に関わる状態は正確に整理しましょう。
避けたい行動
- 本人の意思を確認せず家族だけで物件を決める
- 家族が本人の名前を無断で署名する
- 本人が理解できない状態で委任状を書かせる
- 保佐人・補助人に当然代理権があると思い込む
- 緊急連絡先と連帯保証人を同じ役割だと思う
- ケアマネジャーを無断で緊急連絡先にする
- 認知症の状態や支援不足をすべて隠す
- 家賃管理の方法を決めずに契約する
- 本人を内見させず、知らない場所へ引っ越させる
- 成年後見制度を利用すれば必ず審査に通ると思う
よくある質問
Q1.認知症と診断されると賃貸契約はできませんか?
診断名だけで一律に決まるものではありません。本人が物件、家賃、契約上の責任などを理解し、自分の意思を伝えられるかを個別に確認します。
Q2.家族が契約へ同席してもよいですか?
同席できます。説明を分かりやすくしたり、必要書類を確認したりできます。ただし、契約者が本人である場合は、本人の意思確認が必要です。
Q3.家族なら本人の代わりに署名できますか?
家族というだけで代理署名できるわけではありません。本人からの適切な委任や成年後見制度上の代理権などを確認する必要があります。
Q4.成年後見人がいないと部屋を借りられませんか?
本人が契約内容を理解して意思表示できる場合は、成年後見人がいなくても本人契約を相談できます。判断が難しい場合は、成年後見センター等へ相談します。
Q5.保佐人や補助人は賃貸契約を代理できますか?
選任されているだけで、すべての契約を代理できるとは限りません。審判で付与された代理権や同意権の範囲を確認してください。
Q6.ケアマネジャーが代理契約できますか?
ケアマネジャーという立場だけでは、通常、賃貸契約の代理権はありません。内見同行や支援調整については相談できます。
Q7.日常生活自立支援事業で賃貸契約を代行してもらえますか?
福祉サービスの利用援助や日常的金銭管理を行う事業であり、賃貸借契約を当然に代理する制度ではありません。代理が必要な場合は別の制度を確認します。
Q8.認知症であることを大家さんへ伝える必要がありますか?
病名や治療内容をすべて詳しく伝える必要はありません。ただし、契約方法、家賃管理、緊急対応、見守りなど、入居後の生活に関係する情報は整理して伝えましょう。
Q9.家族が遠方に住んでいても一人暮らしできますか?
本人の状態、見守り、介護サービス、緊急連絡体制などによって異なります。地域包括支援センターやケアマネジャーと支援計画を確認してください。
Q10.本人が契約当日に混乱している場合はどうしますか?
署名を急がず、本人が落ち着く時間帯へ変更する、説明方法を見直す、代理権や成年後見制度を確認するなどの対応が必要です。
まとめ|本人の意思と契約を支える体制を両方確認しましょう
認知症や判断力に不安がある高齢者の賃貸契約では、「認知症だから借りられない」「家族がいれば代わりに契約できる」と単純に判断しないことが大切です。
契約前に確認したい内容は次のとおりです。
- 本人が住み替えを希望しているか
- 物件・家賃・契約責任を理解できるか
- 本人契約・家族契約・代理契約のどれにするか
- 代理人に適切な代理権があるか
- 家賃を誰がどのように管理するか
- 緊急連絡先と見守り体制があるか
- 介護・医療サービスを継続できるか
- 本人が安全に生活できる物件か
本人が契約内容を理解できる場合は、家族や支援者が説明を補助しながら、本人の意思による契約を進められる可能性があります。
本人に代わって契約する必要がある場合は、家族だけで署名せず、委任や成年後見制度上の権限を確認してください。
判断に迷う場合は、岡山市地域包括支援センター、岡山市成年後見センター、ケアマネジャー、医療機関、不動産会社へ早めに相談しましょう。
岡山市の高齢者・認知症の住まい相談
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「認知症の親が賃貸契約できるか不安」「家族がどこまで手続きできるか分からない」「成年後見人やケアマネジャーと連携して部屋を探したい」という方は、ミニクルホームへご相談ください。
ミニクルホームでは、岡山市北区・中区・東区・南区を中心に、高齢者、認知症や判断力に不安がある方、年金生活者、生活保護受給中の方、保証人・緊急連絡先がいない方の住まい相談に対応しています。
本人の希望、契約方法、家賃管理、緊急連絡先、見守り・介護サービス、必要な物件設備を整理し、大家さん・管理会社へ相談可能な物件を確認します。
本人の意思能力の法的・医学的判断、成年後見人の選任、代理権の付与、物件の確保、賃貸審査の通過を保証するものではありません。必要に応じて成年後見センター、地域包括支援センター、専門職へご相談ください。
お問い合わせ時に、本人の年齢、希望地域、収入、本人の住み替え意思、家族・成年後見人・ケアマネジャーの有無、緊急連絡先、入居希望時期を分かる範囲でお知らせください。
記事作成時に確認した公的情報
- 法務省「成年後見制度について」
- 裁判所「後見・保佐・補助開始の手続」
- 岡山市「成年後見制度とは」
- 岡山市「地域包括支援センターについて」
- 岡山市「認知症安心ガイドブック」
- 岡山市社会福祉協議会「日常生活自立支援事業」
本人の意思能力、契約の有効性、代理権、成年後見制度の利用可否は個別事情によって異なります。契約を急がず、成年後見センター、弁護士・司法書士等の専門職、地域包括支援センター、不動産会社へ確認してください。
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