「重要事項説明で『浸水想定区域に入っています』と言われて、急に不安になった」
「家賃の条件に合う部屋が、ハザードマップで色の付いた場所ばかり」
「高齢の親が一人で住むので、大雨のときに避難できるか心配」
岡山は「晴れの国」と呼ばれ、災害が少ない印象を持たれがちです。けれども、2018年7月の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)では、岡山市でも東区の砂川の堤防が決壊し、平島地区などで多くの住宅が床上浸水しました。部屋を選ぶときに水害のことが気になるのは、とても自然なことです。
先にお伝えします。浸水想定区域にある物件だからといって、住めないわけではありません。岡山市の平野部では、区域に含まれる地域も広くあります。大切なのは、想定される浸水の深さを知り、部屋の階数や避難の方法、保険の備えまで確認したうえで選ぶことです。
この記事では、岡山市で部屋を探している方に向けて、ハザードマップの見方、契約前に確認したいこと、高齢の方や生活保護を受けている方が気をつけたい点を、地元の不動産会社の目線で整理します。
結論|「区域かどうか」より「深さ・階数・避難」で考える
- 浸水想定区域:大雨などで浸水するおそれがあると想定された区域。区域内でも、想定される深さは場所によって大きく違う
- 契約前の説明:2020年8月28日から、不動産会社は重要事項説明で、水害ハザードマップ上の物件の位置を示すことが義務になっている(賃貸も対象)
- 確認したい3つ:想定される浸水の深さ、部屋の階数、避難場所までの道のり
- 区域の外でも油断しない:区域外だから水害の心配がまったくない、というわけではない
- 備えも大切:火災保険の水災の補償、避難の準備、支援が必要な方の登録制度
岡山市のハザードマップ|水害は「3つの種類」で確認する
水害のハザードマップは、原因ごとに分かれています。岡山市のホームページでは、洪水・土砂災害、浸水(内水)などのハザードマップが公開されており、内水のマップは小学校区ごとにも見られます。
| 種類 | どんな水害? |
|---|---|
| 洪水 | 旭川や吉井川などの川があふれたり、堤防が切れたりして起こる浸水 |
| 内水(雨水出水) | 大雨で、下水道や水路から水があふれて起こる浸水。川から離れた場所でも起こることがある |
| 高潮 | 台風などで海の水位が上がって起こる浸水。海に近い地域で確認したい |
ひとつのマップで色が付いていなくても、ほかのマップでは区域に入っていることがあります。洪水・内水・高潮の3つを、それぞれ確認するのがポイントです。
契約前の重要事項説明で、水害リスクの説明があります
2020年8月28日から、宅地建物取引業法の施行規則の改正により、不動産会社は契約前の重要事項説明で、市町村が作成した水害ハザードマップ(洪水・雨水出水・高潮)の上で、物件のおおよその位置を示して説明することが義務になりました。部屋を借りる場合も対象です。
また、この説明では、浸水想定区域の外だからといって、水害のリスクがないと誤解されないよう配慮することも求められています。説明を受けるときは、遠慮せずに次のようなことを質問してみましょう。
- 想定される浸水の深さは、どのくらいですか
- この建物や周辺で、過去に浸水したことはありますか
- いちばん近い避難場所はどこですか
- 火災保険に、水害の補償は含まれていますか
想定される「浸水の深さ」と、部屋の階数を合わせて考える
ハザードマップでは、想定される浸水の深さが色分けで示されています。同じ区域の中でも、深さによって暮らしへの影響は大きく変わります。
| 想定される深さ | イメージの目安 | 部屋選びの考え方 |
|---|---|---|
| 0.5メートル未満 | 大人の膝くらいまで | 1階でも、床の高さや入口の段差を確認 |
| 0.5〜3メートル | 1階の床上浸水から、1階の天井近くまで | 2階以上の部屋を検討 |
| 3メートル以上 | 2階の床を超えることも | 3階以上や、早めの避難が前提 |
※ 深さの区分や目安の表現は、マップの種類や作成時期によって異なります。実際のマップの凡例でご確認ください。
高齢の方は「上の階」と「階段」のバランスを
水害だけを考えると、上の階のほうが安心です。ただ、エレベーターのない建物では、毎日の階段の上り下りが体の負担になります。エレベーター付きの建物の2階以上や、1階でも浸水の想定が浅く、避難場所が近い部屋など、暮らしやすさと安全のバランスで考えましょう。
ハザードマップも一緒に確認しながら探します
気になる物件の浸水想定や、避難場所までの道のりを、
一緒に確認しながらお部屋探しを進めます。
営業時間 10:00〜18:00/定休日 水曜日・不定休
内見のときに確かめたい「避難の道のり」
長く安心して住むためには、部屋そのものだけでなく、いざというときに、どこへ、どうやって逃げるかを知っておくことが大切です。
- 避難場所までの距離と道:低い道や水路沿いを通らずに行けるか
- 歩いてかかる時間:雨の中、荷物を持って歩くことも考える
- 建物の構造:鉄筋コンクリート造で高さのある建物なら、上の階への避難が選択肢になることも
- 周りの土地の高さ:まわりより低い土地や、くぼんだ道沿いではないか
数字でイメージ|避難場所まで600メートルの場合
| 歩く速さ(仮の例) | かかる時間 |
|---|---|
| 1分に80メートル(物件広告の基準) | およそ8分 |
| 1分に50メートル(ゆっくり歩く方) | 12分 |
※ 雨や風、暗さによって、さらに時間がかかることがあります。仕組みをイメージしていただくための仮の数字です。
時間がかかる方ほど、早めに避難を始めることが大切です。岡山市では、避難に支援が必要な高齢の方や障害のある方について、地域で支え合うための名簿の仕組みもあります。気になる方は、お住まいの区役所に相談してみてください。
もしもに備える|保険と、生活保護の方の相談先
火災保険の「水災」の補償を確認する
賃貸で入る火災保険(家財保険)は、商品によって、大雨による浸水などの「水災」が補償に含まれる場合と、含まれない場合があります。浸水想定区域の部屋に住むなら、保険証券や約款で、水災の補償があるかを確認しておきましょう。
生活保護を受けている方は
引っ越し先の家賃が住宅扶助の範囲内(岡山市の単身世帯でおおむね37,000円が目安)か、物件資料をケースワーカーに見せて確認を受けてから契約します。万が一、水害で住まいや家財に被害を受けたときは、状況をすぐにケースワーカーに伝えてください。被害の状況によっては、住まいの確保や家財についての相談ができることがあります。
よくあるご質問
Q1. 浸水想定区域の物件は、避けたほうがいいですか?
浸水想定区域にあるからといって、住めないわけではありません。区域の中でも、想定される浸水の深さは場所によって大きく違います。深さ、部屋の階数、避難場所までの道のり、保険の備えを確認したうえで、ご自身の体の状態や暮らし方に合うかで判断しましょう。
Q2. 賃貸でも、水害のリスクは説明してもらえますか?
2020年8月28日から、不動産会社は契約前の重要事項説明で、市町村が作成した水害ハザードマップ(洪水・雨水出水・高潮)の上で物件の位置を示して説明することが義務になっています。部屋を借りる場合も対象です。分からないことは、その場で遠慮なく質問してください。
Q3. 岡山市のハザードマップは、どこで見られますか?
岡山市のホームページで、洪水・土砂災害や浸水(内水)などのハザードマップが公開されています。内水のマップは小学校区ごとにも見られます。区役所などで確認できる場合もあります。物件を検討するときは、洪水・内水・高潮のそれぞれを確認しましょう。
Q4. 浸水想定区域の外なら、安心ですか?
区域の外だからといって、水害のリスクがまったくないわけではありません。想定を超える大雨や、下水道や水路からあふれる内水による浸水が起こることもあります。区域の外でも、避難場所や連絡の方法は確認しておきましょう。
Q5. 賃貸の火災保険で、水害は補償されますか?
保険の商品によって、大雨による浸水などの水災が補償に含まれる場合と含まれない場合があります。浸水想定区域の部屋に住む場合は、保険証券や約款で水災の補償があるかを確認しておきましょう。分からないときは、保険会社や不動産会社に問い合わせてください。
Q6. 高齢の親が一人で住む場合、何に気をつければいいですか?
想定される浸水の深さに対して部屋の階数が十分か、毎日の階段の負担はどうか、避難場所まで無理なく歩けるかを確認しましょう。エレベーター付きの建物の2階以上なども選択肢です。避難に支援が必要な方は、区役所や地域包括支援センターに、支援の仕組みについて相談しておくと安心です。
まとめ
- 浸水想定区域の物件でも、住めないわけではない
- 洪水・内水・高潮の3つのハザードマップを、それぞれ確認する
- 重要事項説明では、ハザードマップ上の位置の説明がある(賃貸も対象)
- 想定される深さと部屋の階数を合わせて考える
- 避難場所までの道のりと時間を、内見のときに確かめる
- 火災保険の水災の補償を確認する
- 区域の外でも、水害のリスクがゼロではない
災害のことを考えると、どこに住んでも不安がつきまとうかもしれません。でも、前もって知っておくこと、逃げ方を決めておくことで、その不安は少しずつ小さくできます。一人で抱え込まず、ご家族や地域、ケースワーカー、私たちにも気軽に相談してください。
長く安心して住める部屋探し、ご相談ください
ミニクルホームは、岡山市北区・中区・南区・東区を中心に、高齢の方や、生活保護を受給されている方のお部屋探しをお手伝いしている地域の不動産会社です。
「浸水想定の浅い場所で探したい」「エレベーター付きの2階以上の部屋がいい」「親が安全に暮らせる部屋を相談したい」——どの段階でも大丈夫です。ご家族やケースワーカーさん、ケアマネジャーさんからのご相談も歓迎です。
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※ 記事内の内容は一般的な整理であり、物件の安全性を保証するものではありません。浸水想定などは岡山市が公開するハザードマップの最新版で、住宅扶助の上限はお住まいの区の福祉事務所でご確認ください。
※ 当社は不動産業者であり、災害リスクや制度についての専門的な判断はできません。生活保護を受けて部屋を借りる場合、賃貸の契約はケースワーカーの確認を受けてから結ぶようにしてください。
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