グループホームを退去する方の一般賃貸への移行|支援員の方が押さえる手順
「そろそろ一人暮らしを考えている利用者さんがいる。グループホームとは勝手が違うし、何から準備すればいいのか」——グループホームで支援員として働かれている方から、こうしたご相談をいただくことがあります。
グループホームから一般賃貸への移行は、単なる引っ越しではなく、生活のあり方そのものが変わる、大きな一歩です。この記事では、支援員の方が押さえておきたい手順を整理します。
先に結論
移行を進めるうえで大切なのは、①生活支援のギャップを見極めること、②地域移行支援・自立生活援助といった障害福祉サービスを活用すること、③住宅確保と、移行後の見守り体制をセットで考えることです。住まいを見つけることだけがゴールではなく、「一人で暮らし始めた後、どう支えるか」まで含めて準備することが、移行を成功させる鍵になります。
まず認識したい|グループホームと一般賃貸の「ギャップ」
グループホームでは、食事の提供や、生活面での声かけ、金銭管理の一部サポートなど、さまざまな支援が日常的に行われています。一般賃貸に移行すると、これらの多くを、ご本人が自分で担うことになります。買い物、調理、掃除、金銭管理、服薬管理——こうした生活のギャップを、事前にどう埋めるかを考えることが、移行準備の出発点です。
活用したい、障害福祉サービス
このギャップを埋めるために、次のような障害福祉サービスの活用を検討できます。
| サービス名 | 内容 |
|---|---|
| 地域移行支援 | グループホームや病院などから、一般住宅への移行を支援するサービス。住居確保のための情報提供や、外出への同行支援などが含まれます |
| 自立生活援助 | 一人暮らしを始めた後、定期的な巡回訪問や随時の相談対応を通じて、生活を支えるサービス |
これらのサービスは、相談支援専門員が中心となって、利用計画に組み込んでいきます。移行を検討し始めた段階で、早めに相談支援専門員と連携することが重要です。
移行の手順
本人の意向確認と、自立度のアセスメント
ご本人が一人暮らしをどの程度希望しているか、そして生活面でどこまで自立できているかを、あらためて確認します。金銭管理、服薬管理、家事の状況などを、具体的に把握しておきます。
相談支援専門員と、利用計画を見直す
地域移行支援・自立生活援助の利用を含め、サービス等利用計画を見直します。移行後、どのくらいの頻度で訪問支援を受けるかなど、具体的な体制を検討します。
住宅確保のための、不動産会社への相談
不動産会社に相談し、物件を探します。この際、家賃の予算(生活保護受給の場合は住宅扶助の上限額)、必要なバリアフリー条件、保証人の有無などを伝えます。緊急連絡先が確保しにくい場合は、居住支援法人との連携や、居住サポート住宅といった選択肢もあわせて検討できます。
内見・契約手続きのサポート
内見や契約手続きに、支援員が同行することもあります。ご本人が一人で判断するのが難しい部分は、必要に応じてサポートしながら進めます。
移行後の見守り体制を整える
入居後は、自立生活援助などを通じて、定期的な訪問や相談対応を受けられる体制を整えます。移行してすぐに支援が途切れるのではなく、生活が安定するまで、継続的な見守りがあることが望ましいです。
不動産会社に伝えておきたいこと
物件探しをスムーズに進めるために、次のような情報を、あらかじめ整理して伝えることをおすすめします。
不動産会社への相談時に伝えたいこと
- 生活の自立度(金銭管理、服薬管理、家事などの状況)
- 経済状況(年金、生活保護の有無、住宅扶助の上限額など)
- 緊急時の連絡先(支援員、事業所、家族など)
- 利用予定の障害福祉サービス(自立生活援助など)とその頻度
焦らず、段階的に進めることも選択肢
すべてを一度に進める必要はありません。まずは体験的な外出や、短期の一人暮らし体験を経てから、本格的な移行を検討するという、段階的な進め方も選択肢の一つです。ご本人のペースに合わせて、無理のない移行を目指すことが大切です。
まずは、状況をお聞かせください
グループホームから一般賃貸への移行を検討されている利用者さんについて、まずは状況をお聞かせください。生活の自立度や、必要な支援体制に応じて、住まい探しをサポートします。地域移行支援・自立生活援助を活用した移行の実績がある物件についても、あわせてご案内できます。
よくある質問
Q. 地域移行支援は、どのタイミングで相談すればいいですか?
移行を検討し始めた段階で、できるだけ早く、相談支援専門員に相談することをおすすめします。サービス等利用計画の見直しから始まるため、時間に余裕を持って進めることが大切です。
Q. 金銭管理に不安がある利用者さんでも、一般賃貸への移行は可能ですか?
可能です。自立生活援助などのサービスを組み合わせることで、定期的な支援を受けながら生活できます。また、家賃の支払いについては、代理納付などの制度もあわせて検討できます。
Q. 支援員が、内見や契約に同行することはできますか?
はい、可能です。ご本人の判断をサポートする形で、同行いただくことは一般的です。事前にご相談いただければ、日程等を調整します。
Q. 緊急連絡先が確保できない場合、どうすればいいですか?
支援員や事業所が、実質的な緊急連絡先の役割を担えることがあります。また、居住支援法人との連携や、見守りのしくみが組み込まれた居住サポート住宅といった選択肢もあわせてご案内できます。
グループホームから一般賃貸への移行、まずはご相談ください。
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※本記事は当社の実務経験および公表情報にもとづき、一般的な考え方を整理したものです(2026年8月時点)。掲載している制度の内容はあくまで概要であり、地域移行支援・自立生活援助の利用要件や内容は個々の状況・自治体により異なります。制度の詳細は、相談支援事業所や岡山市の障害福祉担当窓口にご確認ください。掲載している関連記事のURLは公開時の実際のリンクにあわせてご確認・修正のうえご利用ください。
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