居住サポート住宅と、サービス付き高齢者向け住宅は何が違うのか
「居住サポート住宅」と「サービス付き高齢者向け住宅」——名前も響きも似ているこの2つの制度、混同されている方が少なくありません。「うちの物件をサ高住にしたい」と思って調べていたら、実は居住サポート住宅のほうが自分の状況に合っていた、というケースもあります。
この記事では、この2つの制度の違いを、対象者・建物の基準・サービス内容という観点から整理します。
先に結論
最も大きな違いは、対象者の広さと、建物に求められる基準です。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、原則として高齢者を対象とし、バリアフリーなど専用の建築基準を満たした住宅として登録されます。一方、居住サポート住宅は、高齢者に限らず、生活保護受給者や障害者など幅広い「要配慮者」を対象とし、既存の一般的な賃貸住宅でも、要件を満たせば認定を受けられる点が特徴です。
それぞれの制度の基本
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
2011年の高齢者住まい法改正で創設された、高齢者向けの登録制度です。都道府県知事等への登録が必要で、バリアフリー構造や、居室の床面積(原則25㎡以上)など、建物そのものに一定の基準が求められます。ケアの専門家による「状況把握サービス」「生活相談サービス」の提供が義務づけられており、多くの施設で食事の提供なども行われています。
居住サポート住宅
2025年10月施行の改正住宅セーフティネット法で創設された、比較的新しい認定制度です。市区町村長等の認定を受けます。対象は高齢者に限らず、生活保護受給者、障害者、子育て世帯など、住まいの確保に配慮が必要な「要配慮者」全般です。居住支援法人などが、安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎを行います。
違い①|対象者の範囲
| サービス付き高齢者向け住宅 | 居住サポート住宅 | |
|---|---|---|
| 主な対象 | 高齢者(単身・夫婦世帯) | 高齢者、生活保護受給者、障害者、子育て世帯など要配慮者全般 |
サ高住は、その名のとおり「高齢者向け」に特化した制度です。一方、居住サポート住宅は、高齢者だけでなく、生活保護を受けている方や、障害のある方、ひとり親世帯など、幅広い方を対象にしている点が大きく異なります。
違い②|建物に求められる基準
サ高住は、バリアフリー構造や居室面積など、建物そのものに専用の基準が定められており、新築や大規模な改修を伴って登録されることが一般的です。既存の空き家をサ高住にするには、これらの基準を満たすための工事が必要になり、費用も手間もかかります。
一方、居住サポート住宅は、既存の一般的な賃貸住宅でも、要件を満たせば認定を受けられることが特徴です。バリアフリー化のような大がかりな建築基準は求められず、空き家や既存の賃貸物件を、そのまま活かしやすい制度と言えます。
違い③|サービスの内容
| サービス付き高齢者向け住宅 | 居住サポート住宅 | |
|---|---|---|
| サービス | 状況把握サービス・生活相談サービス(義務)。多くは食事提供等も | 安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎ |
| 担い手 | ケアの専門家(介護職・看護職等)が常駐 | 居住支援法人などが担当 |
サ高住では、日中、ケアの専門家が建物に常駐し、状況把握や生活相談に対応します。食事の提供など、生活支援サービスが充実している施設も多くあります。居住サポート住宅は、居住支援法人などが定期的な見守り(月1回以上の訪問など)や、1日1回以上の安否確認(ICT活用など)を行うしくみで、常駐というより、定期的な関わりが中心になります。
違い④|家賃の水準
サ高住は、バリアフリー化された専用の建物であり、サービス面も充実している分、一般の賃貸住宅より家賃が高めに設定される傾向があります。一方、居住サポート住宅は、既存の一般的な賃貸住宅を活かすしくみのため、家賃の水準は、一般的な賃貸住宅と大きく変わらないことが多いと考えられます。
どちらを検討すべきか
ご自身の状況に応じて、次のように使い分けて考えるとよいでしょう。
- 新築や大規模改修をして、本格的な高齢者向け住宅を運営したい:サービス付き高齢者向け住宅が選択肢になります
- 既存の空き家や賃貸物件を活かし、高齢者に限らず幅広い方に安心して貸したい:居住サポート住宅が選択肢になります
- 入居者を探している立場で、高齢者向けの手厚いケアが必要:サ高住のような住宅を検討
- 入居者を探している立場で、保証人や審査に不安がある:居住サポート住宅など要配慮者向けの住宅を検討
まずは、ご自身の目的を整理しましょう
「高齢者向けの住まいを作りたい」のか、「既存の物件を活かして、幅広い方に貸せるようにしたい」のかによって、向いている制度は変わります。大家さんとしての立場か、住まいを探す立場かによっても、検討のポイントは異なります。まずは、ご自身の目的や物件の状況を整理したうえで、どちらの制度が合うか、あるいは他の選択肢がよいかを検討することをおすすめします。
よくある質問
Q. うちの空き家を高齢者向けに活用したいのですが、どちらが向いていますか?
建物に手を加えずに活用したい場合は、居住サポート住宅のほうが検討しやすいことが多いです。バリアフリー化などの大規模な改修をしてでも、本格的な高齢者向け住宅として運営したい場合は、サービス付き高齢者向け住宅が選択肢になります。
Q. 居住サポート住宅は、高齢者は対象にならないのですか?
いいえ、高齢者も対象に含まれます。居住サポート住宅は、高齢者に限定せず、生活保護受給者や障害者なども含めた、幅広い要配慮者を対象にしている点が特徴です。
Q. サ高住のほうが、安心感は高いのでしょうか?
一概には言えません。サ高住は専門職の常駐や充実したサービスが特徴ですが、その分費用も高めになる傾向があります。居住サポート住宅も、見守りや安否確認のしくみが整っており、一般的な賃貸住宅の水準で安心を得られる制度です。ご本人の希望や予算に応じて検討することが大切です。
Q. 両方の制度について、詳しく相談できますか?
もちろんです。物件の状況や目的に応じて、どちらの制度が向いているか、あるいは他の活用方法があるかを、あわせてご案内できます。まずはお気軽にご相談ください。
物件の活かし方、まずは目的から一緒に整理しませんか。
岡山市周辺の賃貸・空き家の活用について、無料でご相談を承っています。無理な営業はいたしません。
※本記事は当社の実務経験および公表情報にもとづき、一般的な考え方を整理したものです(2026年8月時点)。掲載している制度の内容はあくまで概要であり、登録・認定の要件、基準、費用等の詳細は変更される場合があります。サービス付き高齢者向け住宅については国土交通省・厚生労働省および各都道府県の窓口、居住サポート住宅については国土交通省および岡山市・岡山県の担当窓口で最新情報をご確認ください。掲載している関連記事のURLは公開時の実際のリンクにあわせてご確認・修正のうえご利用ください。
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