生活保護でも賃貸は借りられる?住宅扶助内で探す基本手順
生活保護を受給している方や、これから申請を考えている方から、「生活保護だと賃貸物件を借りられないのでは」「家賃はいくらまでなら探せるのか分からない」という相談があります。
結論からいうと、生活保護を受給していても、住宅扶助の範囲や福祉事務所の条件を満たし、大家さん・管理会社・保証会社の審査を通過できれば、民間の賃貸住宅へ入居できます。
ただし、一般的な部屋探しと異なり、気に入った物件を先に契約してから福祉事務所へ報告する進め方はできません。
住宅扶助の上限、転居の必要性、初期費用、保証会社、引っ越し費用などについて、契約する前に福祉事務所の確認・承認を受けることが大切です。
この記事では、岡山市で生活保護の方が住宅扶助内の賃貸物件を探す基本手順と、失敗しやすい注意点を解説します。
福祉事務所の確認前に賃貸借契約を結んだ場合、家賃や初期費用、引っ越し費用が支給対象にならない可能性があります。申込み・契約・入金の前に、必ず担当ケースワーカーまたは福祉事務所へ確認してください。
- 管轄の福祉事務所・ケースワーカーへ相談する
- 世帯人数ごとの家賃上限を確認する
- 転居理由と初期費用の支給可否を確認する
- 生活保護の相談実績がある不動産会社へ依頼する
- 家賃・共益費・その他月額費用を分けて確認する
- 物件資料と初期費用見積書を福祉事務所へ提出する
- 福祉事務所の確認後に入居審査へ進む
- 承認・審査通過後に契約と引っ越しを行う
生活保護を受給していても賃貸は借りられる?
生活保護制度には、家賃などの住居費を支える「住宅扶助」があります。
住宅扶助の範囲内で、福祉事務所が居住を認めた物件であれば、民間賃貸住宅へ入居することを相談できます。
ただし、住宅扶助が支給されることと、賃貸審査に通過することは別です。
| 確認する相手 | 主に確認すること |
|---|---|
| 福祉事務所 | 家賃上限、転居の必要性、初期費用、引っ越し費用、物件条件 |
| 家賃保証会社 | 本人確認、過去の利用状況、緊急連絡先、申込内容 |
| 管理会社 | 入居条件、必要書類、生活保護受給者の受付可否 |
| 大家さん | 家賃支払い、入居人数、保証会社、入居後の連絡体制 |
物件広告に「生活保護可」と表示されていなくても、大家さんや管理会社へ個別に確認できる場合があります。反対に、家賃が上限内でも、保証会社や大家さんの条件によって契約できないことがあります。
岡山市の住宅扶助上限はいくら?
岡山市の公表資料で確認できる住宅扶助額の上限は、次のとおりです。
| 世帯人数 | 家賃月額の上限目安 |
|---|---|
| 単身世帯 | 37,000円 |
| 2人世帯 | 44,000円 |
| 3人世帯 | 48,000円 |
| 4人世帯 | 48,000円 |
| 5人世帯 | 48,000円 |
※2026年5月時点で岡山市が公表している住宅扶助額を基にしています。6人以上の世帯、障害・介護・身体状況など特別な事情がある場合は、管轄の福祉事務所へご確認ください。
家賃が上限を超える物件は避ける
家賃が住宅扶助の上限を超えている物件は、原則として選びにくくなります。
「超過分を生活費から自己負担すればよい」と考える方もいますが、最低生活を維持できなくなる可能性があるため、福祉事務所の判断が必要です。
最初から住宅扶助内の物件を中心に探す方が、手続きを進めやすくなります。
共益費・管理費は家賃と分けて確認する
物件広告に表示される家賃が3万7,000円以内でも、共益費、管理費、定額水道料、町内会費、月額保証料などが別に必要になることがあります。
これらの費用が住宅扶助として扱われるか、生活扶助から支払う必要があるかは、契約内容や福祉事務所の判断によって異なります。
家賃3万7,000円、共益費5,000円、月額保証料1,000円であれば、毎月の住居関連費は4万3,000円です。家賃とその他費用を分けた資料を福祉事務所へ提出しましょう。
住宅扶助で確認したい費用
| 費用 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 家賃 | 住宅扶助の上限内で実費が認定される |
| 共益費・管理費 | 家賃とは別に扱われる場合があるため事前確認が必要 |
| 駐車場代 | 原則として住居家賃とは別。車の保有可否も含めて確認が必要 |
| 定額水道料 | 住宅扶助とは別に扱われる場合がある |
| 町内会費 | 契約条件と支払い方法を確認する |
| 月額保証料 | 保証会社の商品によって金額が異なるため事前確認が必要 |
| 更新料 | 必要性や契約内容により支給を相談できる場合がある |
物件によって費用の名称や契約方法が異なります。
不動産会社には、家賃とその他の月額費用を分けた資料を作成してもらいましょう。
住宅扶助内で賃貸を探す8つの基本手順
1 福祉事務所・ケースワーカーへ先に相談する
現在生活保護を受給中の方は、担当ケースワーカーへ住み替えたい理由を伝えます。
これから生活保護を申請する方は、現在住んでいる地域を担当する福祉事務所へ相談してください。
- 住宅扶助の家賃上限
- 現在の住所を管轄する福祉事務所
- 転居が必要と認められるか
- 初期費用の支給を相談できるか
- 引っ越し費用の支給を相談できるか
- 希望地域に制限があるか
2 転居理由を整理する
生活保護受給中の住み替えでは、なぜ転居が必要なのかが確認されます。
転居を相談する主な理由
- 現在の家賃が住宅扶助上限を超えている
- 立ち退きや建物の取り壊しを求められた
- 退院・退所後の住居が必要
- 現在の住宅が著しく老朽化している
- 階段や段差により生活が困難
- 通院・介護・支援の都合で住み替えが必要
- DVや安全上の事情がある
- 世帯人数の変更で現在の住宅が適切でない
単に「新しい部屋へ移りたい」という希望だけでは、初期費用や引っ越し費用の支給が認められない場合があります。
3 不動産会社へ生活保護であることを伝える
生活保護であることを隠したまま物件を選ぶと、見積書を作成した後で受付不可と分かることがあります。
問い合わせ時に、生活保護受給中または申請中であること、世帯人数、家賃上限、保証人・緊急連絡先の状況を伝えましょう。
- 生活保護受給中または申請中
- 単身・2人世帯などの世帯人数
- 住宅扶助の上限額
- 入居希望時期
- 保証人・緊急連絡先の有無
- 過去の家賃滞納や保証会社の利用状況
- 1階・病院近くなど必要な条件
4 住宅扶助内の物件を選ぶ
家賃だけでなく、共益費、月額保証料、水道料なども確認します。
岡山市内でも、駅前や築浅物件は家賃が高く、住宅扶助内の候補が少ない場合があります。
築年数、駅からの距離、設備などの条件を広げることで、候補を増やせることがあります。
5 物件資料と初期費用見積書を作成してもらう
候補物件が見つかったら、不動産会社へ福祉事務所提出用の資料を作成してもらいます。
- 物件名・住所・号室
- 家賃・共益費・その他月額費用
- 敷金・礼金
- 仲介手数料
- 保証会社の初回保証料
- 火災保険料
- 鍵交換費用
- クリーニング費用
- 入居予定日
すべての費用が支給対象になるわけではありません。項目ごとに福祉事務所の確認を受けます。
6 福祉事務所の確認・承認を受ける
物件資料と見積書を担当ケースワーカーへ提出し、家賃、初期費用、転居理由などを確認してもらいます。
承認前に契約金を支払ったり、賃貸借契約へ署名したりしないようにしてください。
空室を確保するため保証会社の事前審査を先に行う場合もありますが、どこまで進めてよいかは福祉事務所と不動産会社の両方へ確認してください。
7 保証会社・管理会社の審査を受ける
福祉事務所が物件を認めても、保証会社や大家さんの審査に必ず通るわけではありません。
本人確認、緊急連絡先、過去の家賃滞納、保証会社への未払いなどが確認されます。
8 承認・審査通過後に契約する
福祉事務所の確認と賃貸審査が完了してから、契約日、入居日、初期費用の支払方法を決めます。
家賃の代理納付を利用する場合は、大家さんや管理会社の振込先など、必要な手続きを行います。
生活保護申請前でも部屋を探せる?
生活保護の申請前でも、不動産会社へ相談して物件情報を集めることはできます。
ただし、生活保護の開始決定や住宅扶助額が確定する前に契約すると、初期費用や家賃の支給を受けられない可能性があります。
住所がない・住居を失う場合
住居が定まっていない場合でも、生活保護の相談・申請は可能です。
現在いる地域を担当する福祉事務所や、岡山市寄り添いサポートセンターなどへ相談してください。
申請前に不動産会社へ依頼するとき
次のように伝えると状況を整理しやすくなります。
「現在、生活保護の申請を福祉事務所へ相談しています。契約前に福祉事務所の確認が必要です。住宅扶助内で、生活保護申請中でも審査を相談できる物件を探しています。」
生活保護受給中に住み替える場合
受給中の住み替えでは、物件を探す前に担当ケースワーカーへ相談することが原則です。
福祉事務所が転居の必要性を認める前に引っ越した場合、初期費用や引っ越し費用が自己負担になる可能性があります。
現在の賃貸借契約も確認する
- 退去予告期間
- 短期解約違約金
- 退去時クリーニング費用
- 家賃の最終支払月
- 火災保険の解約・返金
- 保証会社への解約連絡
新居の初期費用だけでなく、現在の部屋を退去する費用も確認しましょう。
敷金・初期費用・引っ越し費用は支給される?
生活保護では、福祉事務所が転居を必要と認めた場合、一定の基準内で敷金等を認定できる仕組みがあります。
ただし、物件の初期費用がすべて自動的に支給されるわけではありません。
見積書で確認する主な項目
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- 保証会社費用
- 火災保険料
- 鍵交換費用
- 前家賃・日割り家賃
- クリーニング費用
- 24時間サポート費用
必要性、金額、契約上の必須項目かどうかを福祉事務所が確認します。
消臭施工、害虫駆除、任意のサポートサービスなどが見積書へ含まれている場合があります。契約上必須か、外せる費用かを不動産会社へ確認しましょう。
引っ越し業者の費用
転居が必要と認められた場合は、家財を運ぶ引っ越し費用について支給を相談できることがあります。
複数社の見積書を求められる場合があるため、依頼方法をケースワーカーへ確認してください。
必要な見積書の社数、書式、対象となる荷物、追加料金の扱いなどは、福祉事務所の指示に従いましょう。
生活保護の方が保証会社の審査で確認されること
| 確認項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 受給状況 | 受給証明書、保護決定通知書など |
| 住宅扶助 | 家賃上限と物件家賃の適合 |
| 本人確認 | 氏名、住所、生年月日、電話番号 |
| 緊急連絡先 | 親族、友人、支援者などの情報 |
| 過去の支払い | 以前の家賃滞納や保証会社への未払い |
| 入居人数 | 実際に住む世帯員 |
| 転居理由 | 退院、立ち退き、家賃超過、住環境など |
生活保護なら保証人不要とは限らない
家賃保証会社を利用する物件では、個人の連帯保証人が不要になる場合があります。
一方で、保証人不要でも緊急連絡先を求められることがあります。
親族の連絡先が難しい場合は、友人、支援者、居住支援サービスなどを利用できるか、申込み前に相談しましょう。
過去の家賃滞納は先に伝える
以前利用した保証会社へ未払いがある場合、同じ保証会社の審査が難しくなる可能性があります。
過去の保証会社名や未払い状況が分かる場合は、不動産会社へ申込み前に伝えてください。
家賃の代理納付とは?
代理納付とは、住宅扶助費を受給者本人へ渡して家賃を支払うのではなく、福祉事務所から大家さんや管理会社へ直接支払う方法です。
代理納付のメリット
- 家賃の払い忘れを防ぎやすい
- 大家さんが家賃滞納を心配しにくくなる
- 毎月の家計管理をしやすくなる
- 生活保護の方を受け入れる判断材料になる場合がある
共益費などは別に確認する
代理納付の対象や振込方法は、家賃、共益費、契約内容によって異なります。
代理納付を希望する場合は、ケースワーカーと管理会社の両方へ相談してください。
福祉事務所が家賃を直接支払っても、賃貸借契約上の義務や室内の管理責任がなくなるわけではありません。
生活保護の方が選びやすい物件のポイント
1 家賃に余裕がある
上限ぴったりではなく、その他の月額費用も含めて無理のない物件を選びます。
2 保証会社の選択肢がある
一つの保証会社で審査が難しい場合に、別の保証会社を相談できる物件もあります。
3 高額なオプションが少ない
24時間サポートや消臭施工などの追加費用が多い物件は、初期費用が上がります。
4 通院・買い物・支援を受けやすい
家賃だけでなく、病院、スーパー、バス停、福祉事務所、支援機関への移動も考えます。
5 身体状況に合っている
階段が難しい方は、1階やエレベーター付き、段差の少ない物件を選びましょう。
住宅扶助内の部屋探しでよくある失敗
福祉事務所へ相談する前に契約する
家賃・初期費用・引っ越し費用が認められない可能性があります。
家賃だけを見て申し込む
共益費や保証料を加えると、毎月の負担が大きくなる場合があります。
生活保護であることを隠す
審査途中で確認され、手続きが止まる可能性があります。
「生活保護可」なら必ず審査に通ると思う
保証会社、緊急連絡先、過去の家賃滞納などは別に審査されます。
初期費用を自分で先払いする
福祉事務所の承認前に支払った費用が、後から支給されるとは限りません。
引っ越し業者を先に予約する
転居費の承認や見積書の条件を確認してから手配しましょう。
保証会社への未払いを隠す
以前と同じ保証会社を利用する場合、審査が難しくなる可能性があります。
必要な支援条件を我慢する
階段、通院距離、騒音などを我慢して入居すると、短期間で再転居が必要になる可能性があります。
住宅扶助内で申し込む前のチェックリスト
- □ 福祉事務所・ケースワーカーへ相談した
- □ 世帯人数ごとの家賃上限を確認した
- □ 転居理由を説明できる
- □ 初期費用の支給可否を確認した
- □ 引っ越し費用の支給可否を確認した
- □ 契約前に承認が必要と理解している
- □ 不動産会社へ生活保護であることを伝えた
- □ 家賃と共益費を分けて確認した
- □ 月額保証料や水道料を確認した
- □ 初期費用見積書を作成してもらった
- □ 見積書を福祉事務所へ提出した
- □ 利用する保証会社を確認した
- □ 緊急連絡先へ了承を得た
- □ 過去の家賃滞納を確認した
- □ 代理納付を利用できるか確認した
- □ 1階・病院近くなど生活に必要な条件を確認した
- □ 承認前に契約金を支払っていない
生活保護の賃貸探しでよくある質問
まとめ|福祉事務所への相談を最初に行う
生活保護を受給していても、住宅扶助の範囲内で、福祉事務所・保証会社・大家さんの条件を満たせば、賃貸住宅へ入居できる可能性があります。
- 物件探しの前に福祉事務所へ相談する
- 世帯人数ごとの住宅扶助上限を確認する
- 家賃と共益費などを分けて確認する
- 転居理由と初期費用の支給可否を確認する
- 見積書を提出し、承認前に契約しない
- 保証会社・緊急連絡先の条件を確認する
- 必要に応じて家賃の代理納付を相談する
生活保護の方の部屋探しで最も大切なのは、「物件を決めてから福祉事務所へ相談する」のではなく、最初に手続きの順番を確認することです。
住宅扶助内であっても、すべての物件が受付可能とは限りません。生活保護の相談経験がある不動産会社へ、家賃上限、保証会社、緊急連絡先の状況を伝えて探しましょう。
岡山市の生活保護・賃貸相談
ミニクルホームへお気軽にご相談ください
住宅扶助の範囲と手続きの順番を確認しながら部屋を探します
「住宅扶助内の物件が見つからない」「生活保護申請中でも探せるか知りたい」 「保証人や緊急連絡先がいない」「過去の家賃滞納が心配」 「1階や病院に近い部屋を探したい」など、申込み前に現在の状況をお知らせください。
- 生活保護受給中・申請中・申請前のどれに当たるか
- 世帯人数と住宅扶助の上限額
- 希望する家賃・エリア・間取り
- 現在の住居と退去期限
- 転居が必要な理由
- 保証人・緊急連絡先の有無
- 過去の家賃滞納や保証会社への未払いの有無
- 1階・病院近くなど必要な条件
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岡山県知事(3)第5473号
電話受付:10:00~18:00
※住宅扶助額や費用の支給可否は福祉事務所が判断します。賃貸審査の通過を保証するものではありません。
参考にした公式情報
- 岡山市「生活保護の相談・申請」
- 岡山市「生活保護を申請したい方へ」
- 岡山市「住居確保給付金(転居費用補助)について」
- 岡山市「居住支援事業について」
- 厚生労働省「生活保護制度」
- 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」
- 厚生労働省「住宅扶助の代理納付に係る留意事項」
- 株式会社ミニクルホーム「お問い合わせ」
※住宅扶助額、初期費用、引っ越し費用、共益費、代理納付などの取扱いは、世帯状況・転居理由・物件・福祉事務所の判断によって異なります。契約や支払いの前に、必ず担当ケースワーカーまたは管轄の福祉事務所へ最新条件をご確認ください。
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