「保証人になってくれる人がいない」「緊急連絡先に書ける相手もいない」——賃貸の申込用紙を前に、この欄で手が止まってしまう。そんな60代・70代以上の方は、決して少なくありません。
ご家族と疎遠になっている、頼れる親族がすでにいない、事情があって誰にもお願いできない。理由はさまざまですが、生活保護を受けながらの部屋探しで、不動産会社に何度も断られ、気持ちがすり減ってしまう方もいらっしゃいます。
「保証人も緊急連絡先もいない」「生活保護を受けている」「60代以上」——このすべてに当てはまる方でも、岡山市で賃貸のお部屋を見つけられる可能性はあります。実際に、こうした状況から新しい暮らしをスタートされた方は大勢いらっしゃいます。
この記事では、岡山市で賃貸仲介を行うミニクルホームが、緊急連絡先・保証人がいない60代以上の生活保護受給中の方に向けて、契約を前に進めるための考え方・使える制度・相談先を、できるだけやさしく整理してお伝えします。
「保証人も緊急連絡先もいない」——それでも、部屋探しは前に進められます
かつては、部屋を借りるときに「連帯保証人」を親族などにお願いするのが当たり前でした。ですが、今の賃貸契約は仕組みが変わってきています。個人の保証人ではなく「家賃保証会社」を利用する物件が主流になり、保証人をお願いできる人がいなくても契約に進める物件が増えています。
とはいえ、「保証人」と「緊急連絡先」はよく混同されがちで、ここでつまずく方が多いところです。まずは、この2つの違いをはっきりさせておきましょう。
・連帯保証人…入居者が家賃を払えなくなったとき、代わりに支払う義務を負う人
・緊急連絡先…本人に連絡がつかないとき(急な体調変化・災害・長期の不在など)に、連絡を取るための人。お金の責任は負いません
つまり、乗り越えるべきハードルは大きく2つ。「保証人がいない」ことと、「緊急連絡先がいない」ことです。順番に見ていきます。
ハードル①「保証人がいない」——家賃保証会社という選択肢
保証人がいない場合の基本は、家賃保証会社に対応した物件を選ぶことです。保証会社は、万が一家賃が払えなくなったときに、入居者に代わって大家さんへ支払いを立て替える会社です。契約時に保証料(家賃の0.5〜1ヶ月分程度が目安)を支払うことで利用でき、これによって親族の保証人が不要になる物件が多くあります。
保証会社には3つのタイプがあります
保証会社はおおまかに3タイプに分かれ、審査の通りやすさに違いが出やすいと言われています。生活保護の方が比較的通りやすい順に整理すると、次のようになります。
② 協会系(信用情報を共有するネットワーク型)…家賃の支払い履歴を会社間で共有。過去に滞納がなければ通ることもありますが、物件によって結果が分かれます。
③ 信販系…クレジットカード会社が運営。信用情報機関のデータを参照するため、過去にカードやローンの延滞・債務整理などがあると、通りにくくなる傾向があります。
ここで大切なのは、保証会社は入居者が自由に選べるわけではなく、物件ごとに使える会社が決まっているという点です。だからこそ、「独立系の保証会社が使える物件」「生活保護の受け入れ実績がある物件」を最初から選んで探すことが、遠回りを避けるコツになります。
これはネットの物件情報を眺めているだけでは分かりにくい部分です。生活保護の方の部屋探しに慣れた不動産会社に相談すると、最初から通りやすい物件を絞ってもらえるため、無駄な落ち込みを減らせます。なお、生活保護の方の場合、保証料などの初期費用も、必要やむを得ないと認められれば扶助の対象になるケースがあります(詳しくは後述、必ず福祉事務所へご確認ください)。
ハードル②「緊急連絡先がいない」——どうすればいい?
保証人が不要になっても、ほとんどの賃貸契約で求められるのが「緊急連絡先」です。身寄りのない方にとっては、ここが最大の悩みどころになりがちですが、実は選択肢はいくつもあります。
前述のとおり、緊急連絡先は金銭的な責任を負うものではありません。そのため、親族でなくても、信頼できる知人や20歳以上のご友人でも認められるケースがあります。「連帯保証人は無理でも、連絡だけ取れる人ならいる」という状態にできないか、まず一度考えてみましょう。
それでも見つからないときの選択肢
どうしても連絡先になってくれる人がいない場合でも、次のような物件・仕組みを使える可能性があります。
・連絡先の代行に対応した物件…一部の保証会社が提供する連絡先オプションなどを使える場合があります
・管理会社の体制が手厚い物件…緊急時の対応や保険が整っており、連絡先がいなくても柔軟に見てもらえることがあります
・代理納付が使える物件…家賃が役所から大家さんへ直接支払われるため、貸主が安心しやすくなります
さらに、緊急連絡先の役割を「人」ではなく「支援の仕組み」で補える場合もあります。次の公的な窓口が、状況に応じて相談や見守り、連絡役として関わってくれることがあります。
・地域包括支援センター…高齢者の暮らし全般の相談・見守りの拠点
・社会福祉協議会…生活に困ったとき、住まいの確保が難しいときの相談先
・居住支援法人…住まいの確保が難しい方を専門に、物件探し・入居手続き・入居後の見守りまで支援
・おかやま入居支援センター(岡山県居住支援協議会)…高齢者・連帯保証人がいない方などの住まいの相談窓口(受付:平日10:00〜17:30)
民間にも「身元保証」を代行する有料サービスがありますが、費用や契約内容が複雑なこともあります。まずは公的な支援を先に検討し、有料サービスを使う場合は料金と契約条件をよく確認することをおすすめします。
60代以上ならではの「安心材料」もあります
年齢を理由に不安を感じている方も多いのですが、60代・70代以上の方には、審査でプラスに働く材料もあります。
たとえば、年金収入も家賃の支払い能力として見てもらえることがあります。生活保護の住宅扶助を代理納付で大家さんへ直接お支払いできる物件なら、貸主が「家賃が確実に入る」と安心しやすく、話が前に進みやすくなる場合があります。また、見守り体制が整っていることが分かると、管理会社の判断もスムーズになりやすいです。
大切なのは、家賃を無理のない範囲に設定すること。年金や扶助の額に対して家賃が高いと、審査が慎重になりやすいためです。あわせて、段差の少なさや病院・スーパーの近さなど、「これから長く住みやすいか」も一緒に考えると、入居後の暮らしも安心です。
ご事情は一人ひとり違います。まずは今の状況を教えていただくだけでも、動きやすくなることがあります。
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生活保護を受けながら契約を進める流れ
生活保護の引っ越しは、物件だけでなく福祉事務所との確認も関わります。順番を間違えないことが、スムーズに進めるいちばんのポイントです。
① まずケースワーカー(福祉事務所)に転居の相談をする
転居には、福祉事務所での事前確認が欠かせません。ここが曖昧なまま物件を決めてしまうと、せっかく見つかっても手続きが止まってしまうことがあります。「引っ越しを考えている」と、早めに担当のケースワーカーへ相談しておきましょう。
② 住宅扶助の範囲を意識して、家賃の目安を決める
家賃は住宅扶助の範囲内で探すのが基本です。上限の目安は世帯人数や年度によって変わるため、この記事では具体的な金額の断定は避けます。ご自身の上限は、必ず岡山市の各福祉事務所でご確認ください。
③ 保証会社に対応した、理解のある大家さんの物件を選ぶ
前述のとおり、独立系の保証会社が使える物件や、生活保護の受け入れ実績のある物件を中心に探すと進めやすくなります。物件の見た目だけでなく、「どの保証会社を使うか」を意識して選ぶのがコツです。
④ 初期費用(敷金・礼金・保証料など)を確認する
転居の際の敷金などに加え、礼金・不動産手数料・火災保険料・保証料についても、必要やむを得ないと認められれば扶助の対象となる場合があります。あとで説明しやすい初期費用の物件を選ぶことが大切です。制度の運用は変わることがあるため、最新の取り扱いは福祉事務所で確認しましょう。
岡山市で使える公的サポート・相談窓口
「不動産会社に相談する前に、公的な窓口も知っておきたい」という方へ。岡山市には、住まいの確保が難しい方を支える仕組みがあります。まずは公的支援を確認しておくと安心です。
・おかやま入居支援センター(岡山県居住支援協議会)…高齢者・障害のある方・連帯保証人がいない方などの住まいの総合相談(受付:平日10:00〜17:30)
・セーフティネット住宅…高齢者・低所得者などの「住宅確保要配慮者」の入居を拒まない登録住宅。家賃補助が受けられる場合もあります
・社会福祉協議会/地域包括支援センター/居住支援法人…相談・見守り・入居支援など
これらの窓口と不動産会社が連携することで、「保証人・連絡先がいない」というハードルを、一つずつ整理して越えていける場合があります。
「一人暮らしで何かあったら心配」と言われたら
大家さんが単身のご高齢の方の入居に慎重になることがあります。その背景には、「体調を崩したときに気づいてもらえるか」という心配があります。これは入居者を責める気持ちではなく、貸主なりの不安であることがほとんどです。
この不安は、仕組みで和らげることができます。定期的な安否確認(見守りサービス)、管理会社による緊急時の対応、万一に備えた保険などが整っている物件を選べば、大家さんも安心して受け入れやすくなります。「一人でも、見守りの仕組みの中で安心して暮らせる」——そんな環境を一緒に整えていくことができます。
断られて落ち込んでいる方へ
何度も断られると、「自分はもう部屋を借りられないのでは」と感じてしまうかもしれません。ですが、断られるのは、あなたという人が否定されているからではありません。多くの場合、物件・保証会社・大家さんの「組み合わせ」が合っていなかっただけです。進め方と相談先を変えれば、見える景色は変わります。
一人で探し続けてつらくなる前に、事情を話しやすい相談先に、早めに頼ってください。全部きれいに整理できていなくても大丈夫です。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 保証人も緊急連絡先も本当にいないのですが、契約できますか?
「保証人がいない」場合は、多くの物件で家賃保証会社を利用することで契約に進める可能性があります。「緊急連絡先」も見つからない場合は、見守りサービス付きの物件や、連絡役を公的な支援機関にお願いできるケースなど、選択肢があります。状況によって進め方が変わるため、まずはご相談ください。
Q. 生活保護を受けていても、保証会社の審査は通りますか?
生活保護を受給していても、保証会社の審査に通る可能性はあります。ただし、すべての保証会社が対応しているわけではなく、審査基準も非公開です。「必ず通る」とは言えませんが、生活保護の方の受け入れに慣れた物件・保証会社を選ぶことで、進めやすくなることがあります。
Q. 60代以上で年金収入だけでも借りられますか?
年金収入も、家賃の支払い能力として見てもらえることがあります。生活保護の住宅扶助を役所から大家さんへ直接支払う「代理納付」を使える物件では、貸主が安心しやすく、話が前に進みやすくなる場合があります。家賃を無理のない範囲に設定することがポイントです。
Q. 緊急連絡先は誰にお願いすればよいですか?
緊急連絡先は、家賃を肩代わりする金銭的な責任を負うものではありません。20歳以上のご友人や知人でも認められるケースがあります。頼める方がいない場合は、地域包括支援センターや社会福祉協議会、居住支援法人などの支援機関が関わってくれることもあります。一人で抱え込まず、ご相談ください。
Q. 何から始めればよいですか?
まずは、生活保護を担当するケースワーカー(岡山市の各福祉事務所)に転居の相談をすることが大切です。並行して、家賃の上限の目安を確認し、保証会社に対応した物件を探していきます。ミニクルホームでは、状況をうかがいながら無理のない進め方をご案内しています。LINE・お電話でお気軽にどうぞ。
まとめ
保証人も緊急連絡先もいない60代以上の生活保護の方でも、岡山市で賃貸のお部屋を見つけられる可能性はあります。ポイントは、①保証会社に対応した物件を選ぶ、②緊急連絡先は「人」でも「仕組み」でも補える、③ケースワーカーと連携し、住宅扶助の範囲で進める、④公的な相談窓口を先に確認する、の4つです。年齢や事情だけで諦めず、通りやすい進め方で一歩ずつ進めていきましょう。
「他で断られたけど探したい」「今の状況で現実的な候補を出してほしい」——そんな方は、まずは状況を教えてください。無理のない進め方を一緒に整理します。
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※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。生活保護の運用や住宅扶助の取り扱い、各制度の内容は変更されることがあります。最新の内容や個別のご事情については、岡山市の各福祉事務所などの窓口でご確認ください。
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